2018.02.27
柴犬のアトピー・アレルギーなど、痒い皮膚病でステロイドやアポキルが効かない難治性皮膚病の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
僕に花粉症はないのですが、くしゃみや目の痒みを訴えるわんちゃんが来るようになったので、春の訪れを感じる今日このごろです。
一般的に冬は皮膚病が少なくなるため、病院もゆっくりとした時間が流れるのですが、この冬は溜まっている症例報告をたくさんやる時期でもあります。
それでは今日の症例報告は、今年の1月中旬に初診で来院されたわんちゃんで、以前のブログで初診の写真を紹介したわんちゃんのその後です。
1月19日にUPしたブログ → 【柴犬の痒み専門外来】ステロイドが効かない理由
【症例】
柴犬 1歳10ヶ月 女の子(避妊済み)
【経過】
〇生後5か月から続く痒み
〇口・耳・目、わき、お腹、四肢端なめる&かむ、腕をかむ、膝をかむ
〇動物病院からの食事療法を約1年(2種類)継続するも改善なし
〇抗生物質を1年間継続中
〇痒み止めとしてステロイドを1年間(約200日くらい?)服用
〇痒みのコントロールができていない
〇季節性はなく、1年通してずっと痒い
それでは改めて初診時の写真を紹介します。
一見重度な感じはしませんが、痒いものは痒いのです。
100件どころか数百件の動物病院を超えて当院を受診するほど痒いのです。
普通の柴犬に見えた方がほとんどだと思います。
もし散歩でこのわんちゃんに出会っても、まさか県を越えて通院するほどの痒い皮膚病で悩んでいる柴犬には見えないと思います。
そんな見た目ですが、明らかに異常です。
前回のブログで書いたように診断は一瞬です。
それでは初診から6週間後の状態との比較です。
※写真をクリックすると大きく見ることができます。
いつも当院が紹介している重症からの改善ほどの大きな差がみえないかもしれませんが、非常に大きな改善が認められています。
痒みは元々10として、今は4くらいです。
写真をよくみたらわかると思いますが、毛並みもよくなり、フワフワになってきました。
飼主さまもこんなに毛並みがよくなったのは初めてと実感していただけました。
治療はステロイドではなく、2つのお薬を使いましたが1つはアポキルです。
アポキルがステロイドを上回ることはないと考えていますので、アポキル単独で効いたとは考えられません。
次は初回の治療方針で残った4の痒みですが、もちろん初期治療で痒みが残るのは想定範囲内であり、これも予定通り次の手をうつことにしました。
次の目標は4の痒みがある程度(完全ではない)緩和できること、もう少し先はアポキルを若干減らしても大きなぶり返しがないこと、です。
そのころにちょうどアトピーの痒みが出やすくなる花粉の多き季節、梅雨、夏・・・となるため、若干季節による悪化があるかもしれませんが、以前のように「効かない!」となることはもうないと考えています。
ここ最近の口癖の1つですが、「柴犬の正常を知れば異常がわかる」につきます。
ただ僕もこの柴犬の正常を把握するのに獣医師になって約10年かかったので、今は昔の自分を思い出しては反省する毎日です。
投稿者:
2018.02.23
柴犬のアトピーやアレルギー、アポキルが効かない痒い難治性皮膚病の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
一般的に動物病院の皮膚科で治療が難しい犬種の筆頭に上がってくる一つが柴犬ですね。
その独特の体質からシーズーやフレンチより扱いづらく、治療難易度としては最高クラスと思います。
わかりやすい例えが良くも悪くもアポキルの反応で、アポキルが非常に効く症例もいるのですが、全然効かない症例もいます。
もちろんアポキルが万能ではなく効かない痒みがあるのはわかるのですが、このアポキルが効く症例と効かない症例の区別がつかないケースがあるから困るのだと思います。
だれしも
「なぜ効かない?」
と考えるのだと思うのですが、本当の意味でアポキルが気かない痒みであるわけではないですし、アポキルが効く柴犬と見た目の違いが全くないわけではありません。
柴犬の正常を知っていれば、アポキルが効かない痒みを呈している柴犬を事前に把握することができます。
「この症例には効きが悪い」
そして効くための治療手段を把握していれば「時期にアポキルが効くようになりますよ」と伝えることができるので、効かないアポキルを使い続けることにも何の後ろめたさも感じることはありません。
当院でも「最初は効きが悪いようにみえるかもしれませんが、1~2ヵ月後には効いてきますよ。」と伝えて治療開始しています。
今回はそんな「アポキルが全然効かない!」という柴犬の皮膚病です。
【症例】
柴犬 4歳半 男の子(去勢済み)
【経過】
〇1才半から続く皮膚の痒み
〇顔(目・口・耳)、お腹、腕、四肢・・・・背中以外すべてが痒い
〇アレルギーといわれ、食事をかえても、おやつを変えても改善しない
〇1年前からアポキル1日2回服用しても痒い
柴犬でよくある「アポキルが効かない」という典型的な症例です。
診断は診察室でチラッとみた一瞬、アポキルが効かない理由と効くための治療方針の確定もほぼ一瞬です。
それでは初診時の状態です。
まずは全体、一見重度な感じはしません。
続いて、顔の左側で、目の回りも口周りもあちこち痒いです。
本来この顔周りの痒みにはアポキルが効果を示しやすいのですが、効きにくい柴犬もちょくちょくいます。
こういったタイプにはちょっとアプローチを変えると簡単に痒みのコントロールが可能になります。
続いて、右前腕で、柴犬に多い「腕を噛む」という症状が強くでいているため毛並みが悪くなっています。
このタイプの痒みにアポキルは効きにくいですね。
同じく右前腕の外側面です。
続いて、左前腕の内側。
続いて、胸部です。
胸を後ろ足で掻くというアトピーでよく認められる症状です。
腕とことなり、この部位の痒みにはアポキルが非常に効くことが多いのですが、柴犬では効きにくいことがありますね。
続いて、腹部とその拡大です。
お腹が真っ黒になっています。
診療で診る大事なポイントは痒くて黒くなってしまったお腹ではありません。
別のところに診断のヒントが隠されています。
最後に右胸部の側面の拡大です。
掻きすぎて傷になっています。
それでは治療後5ヶ月半後の状態と比較します。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
初診の治療スタートの時点でアポキルを1日2回服用している影響もあってか、見た目が重度でないため当院の症例方向の中では差の小さなものかもしれませんが、大分きれいになりました。
比較写真が約5ヵ月半と長期になったのは途中で悪化したためです。
悪化の理由は簡単で、初診から1~2ヶ月で順調によくなったのですが、飼主さま判断で投薬治療が減ったためです。
これは「のど元過ぎれば熱くない」という心理的にもやむをえないことで、よくなると「薬がなくても良くなったんじゃないか?」「いくつかあるお薬のうち、〇〇はもういらないんじゃないか?」と考えてしまうためかと思います。
投薬治療を無理強いすることはできないため希望に合わせるのですが、やはりおまかせ治療がベストであってそのおまかせからズレると振り出しに戻ってしまうことがあります。
という理由で比較写真が5ヵ月半になっています。
おまかせであれば3ヶ月でこの状態だったと思います。
肝心のアポキルですが、受診前は1日2回服用でも痒かったのですが、今は1日半に1回(痒みが強いときは1日1回)でコントロールしています。
もちろん1日1回の方が効きはいいのですが、お薬は少ないにこしたことはないので1.5日が許容範囲であればそれも選択肢の1つかと思っています。
もし柴犬の痒い皮膚病治療でアポキルが効かない場合は、最低限2つの病気のことを考えるのがいいと思います。
治療は2つの病気以外のあるため、かなり多くの種類を駆使しますが、それぞれが重要な働きをします。
「痒い=アポキル」ではありません。
なお今回の症例はスキンケアやサプリメントメインではさすがによくなりません。
ヒーリングケアLFプラスは適応ですが、単独使用では改善は難しいでしょう。
投稿者:
2018.02.20
アトピー・アレルギーなど犬の痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
つい先日「アポキルが効かないとき」という内容でブログを書きましたが、結論としては
「心因性」 「食物有害反応」 「内分泌疾患」
の3つの診断精度をあげていくこと、としました。
もちろんその他にもたくさんあるのは事実ですが、今の動物皮膚科診療で圧倒的に不足しているのがこの3つです。
不足の根拠は当院への症例の分析で、この3点で無治療ないし治療のズレがある症例が圧倒的だからです。
ペット医療とはいえ、がん治療、透析、心臓外科・・・などこれほど医療が進んでいるにも関わらず、なぜこの3点に不足があるのでしょうか?
理由はとても簡単です。
①目に見えない
皮膚にできる出来物などを異なり、大きさ・形の異常がないため、わかりづらいのは事実です。
※目でわかる毛並みの異常もあるため、全部が見えないわけではないです。
②数値化できない
心因性は数値化できません。血液検査もできません。
食物有害反応も数値ができませんし、検査もありません。
③モノで治せない
医療機器では絶対に治りません。
④情報が足りない
教科書に書いていない、誰も教えてくれない
おそらくですが、血液検査で数値化さえできれば、また超音波や内視鏡のようなもので見えれば、またレーザーなどの医療機器で治せるものであれば、瞬く間に周知されてどこでも的確な診断&治療にが可能になると思います。
では当院ではどうしているのか?
まずは心因性からお話してみたいと思います。
・・・・・・・・・・・長くなるのでまた時間あるときにまとめます(笑)
とりあえずですが、もしわんちゃんの痒みが精神的、心因性、ストレス?などの原因を疑う場合は当院のヒーリングケアLFプラスをお勧めします。
写真をクリックすると専用のオンラインショップに移動することができます。
当院ではこれなしでは診療が成り立ちません。
投稿者:
2018.02.11
シーズーのアトピー・アレルギーによって難治性になりやすい脂漏性マラセチア性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
シーズーの脂漏症は原因・体質・程度がわんちゃんによって随分と異なるので、どの原因にどのくらい力をいれてアプローチするか?がとても重要です。
今はアポキルがあるため「とりあえずアポキル」というプランで改善があるわんちゃんはそれでいいのですが、アポキル単独で改善がない場合、次の手を複数もっていなければお手上げになり詰んでしまいます。
今回はそんな「アポキル単独ではきびしい」という典型的なシーズーの脂漏症です。
【症例】
シーズー 5歳 男の子(去勢済)
【経過】
〇2年半前から皮膚病
〇1年通して改善なく、梅雨が最も悪化する
〇過去にかかりつけ動物病院以外に皮膚病のために3件の動物病院を受診し、漢方治療、ホルモン治療、食事療法などを行うも改善なし
〇今回5件目の動物病院として当院受診
それでは初診の状態です。
まずは頚部とその拡大。
続いて、右前腕です。
続いて、胸部とその拡大です。
続いて、左の脇の拡大です。
続いて、腹部の臍周囲の拡大です。
続いて、腹部~内股です。
毛をカットしてみました。
まずは頚部です。
続いて、臍周囲の拡大です。
治療から3か月後の状態と比較してみましょう。
90%の部位で皮膚がかたい、フケがでる、べたつくといった脂漏症の症状をおさえることができました。
部分的にのこっているとこもありますが、かなりの改善と判断できます。
ただ、今回の症例ではこの「脂漏」の体質がかなり強く、通常の治療では抑えきれませんでした。
・アポキル
・院内薬浴(2週間に1回)
がメインではあるのですが、この2点ではむずかしかったため、さらに4つの治療を併用しようやくここまで改善しています。
現在は3週間に1回になりましたので、今後は4週に1回まで間隔をあけることが目標です。
その状態で今年の梅雨~夏を乗り切るのが次のの目標となるでしょう。
今回の症例では投薬治療が絶対的に必要な状態でしたが、もちろんスキンケア&サプリメントもかなり重要なポイントになっています。
遠方にお住いの方でも遠隔診療が適応になる病気でもありますので、お困りの方は一度受診をご検討ください。
今回のわんちゃんのような体質に向いているスキンケアとサプリメントは下記のオンラインショップでお買い求めいただけます。
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2018.02.08
ミニチュアピンシャーのアトピー・アレルギー・膿皮症治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
前回に引き続いて、ミニチュアピンシャーの皮膚病治療の実際をご紹介します。
前回でもお話したように、ミニチュアピンシャーの皮膚病はかなり典型的な形を示します。
要するに、「ミニチュアピンシャーの皮膚病ってこんな感じだよね」というものです。
主に2パターンあるのですが、1つは膿皮症で複数の円形(虫食い)脱毛タイプ、もう一つは目・口・四肢端の痒みで「アトピー?アレルギー?」という雰囲気のタイプです。
ただこの2つの診断しかないわけではない、今日はそんな症例報告です。
【症例】
ミニチュアピンシャー 去勢雄 3歳
【経過】
〇1歳の頃から季節関係なく痒み
〇以前は背中に脱毛、湿疹があったが今はない
〇今は頚部、目、四肢端、わきが痒い
〇お腹は問題ない
それでは初診時の状態です。
続いて、頚部とその拡大です。
続いて右腕~先端です。
続いて、左腕~先端です。
続いて、わきと胸部、その拡大です。
続いて、腹部~内股です。
※今回は1週間ほどまえに初診を迎えたわんちゃんですので、治療後の写真はまだありません。
さて、この初診の状態をどう評価するのか?が最大のポイントです。
考えるべきことは3つあります。
1つは、「アトピー疑い」で皮膚炎・痒みに対する直接的な投薬治療が必要です。
おそらくアポキルが効くかゆみ部分があるため、ファーストチョイスはアポキルでいいと思います。
問題はアポキルだけでこの痒みを抑えられるのか?というところですね。
やってみないとわからないところもありますが、おそらくアポキル単独では痒みのコントロールはできないと思われます。
そこで2つめ、さらに必要なのが「心因性」に対する治療です。
初診時の時点で「心因性を強く疑う」という所見が認められます。
そして3つめ、これはミニピンをよくみている人でなければ気づかないところです。
飼主さまの主訴にはありませんでしたが、僕の質問ではその点に気づいているようでした。
やはり病気を知る前にミニピンの正常をいかに目にやきつけておくか、それが皮膚病の診断に非常に重要だと思います。
投稿者:
2018.02.03
シーズーのアトピー・アレルギー・脂漏・マラセチアといった痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
シーズーの皮膚病治療で重要な要素の1つはスキンケアであり、当院では昔からシーズーのスキンケアに力を入れていますが、スキンケアで何でも治ると思っているわけではありません。
また最近ではアポキルという非常にいいお薬がでて治療成績を向上させていますが、アポキルがどんな痒みも抑えることができるわけではありません。
今回紹介するのはそんな「スキンケアやアポキルでも抑えきれない痒み」についての症例報告です。
【症例】
シーズー 2歳9カ月 男の子(去勢済)
【経過】
〇1歳になる前からの痒みを伴う皮膚病
〇9カ月前からアポキルを服用継続しているが、明らかな改善が認められない
〇食事療法として複数試しているがよくならない
〇当院で3件目の動物病院
それでは初診時の状態です。
まずは正面から。
続いて、右耳。
続いて、左耳と拡大。
続いて、頚部とその拡大。
続いて、右前腕と脇部分の拡大。
続いて、左腕とその拡大。
続いて、胸部と左右の脇の拡大です。
続いて、腹部とその拡大です。
同じく右内股、膝のやや上あたりの拡大です。
続いて、左膝の拡大です。
続いて、右膝~右すねの拡大です。
最後に四肢端として、右前肢の指の間と足裏をみてみましょう。
こういった症例の場合、院内薬浴が非常に奏功するためカットさせていただきました。
以上が初診時の状態の紹介です。
それでは初診時の薬浴の次の診察(わずか12日後)の状態をみてみましょう。
皮膚の発赤がほぼ消失、もちろん痒み・臭い・フケ・べたつきもほとんどありません。
アポキルを服用する、抗真菌剤を服用する、こまめにシャンプーする、食事療法をする・・・・どれも間違っていませんし、特に問題となる治療プランではありません。
ここで重要なのは「パズルのピース」です。
もう一つピースを足せばうまくいくのです。
そのピースの不足に気づくことが重要ですね。
参考までにこまめにシャンプーすることが悪いわけではないのですが、上記の12日間は一度もシャンプーしていません。
そして治療後の改善写真も「薬浴前」の状態ですので、こまめにシャンプーしなくてもここまで改善します。
よくシーズーの脂漏・マラセチアでは「こまめにシャンプー」と言われていますが、シャンプーで治る皮膚病と治らない皮膚病があり、今回の症例では「シャンプーの回数が問題ではない」ということです。
スキンケアに力を入れてこだわりにこだわった自分が言うのもおかしな話ですが、個人的には「シーズーの脂漏・マラセチアにスキンケアは必須だけれども、シャンプーでは治らない」が行き着いた答えです。
シーズーの皮膚病でお困りの方は当院の治療&薬浴をぜひ受けてみてください。
典型的であればあるほど劇的に改善が見込めます。
投稿者:
2018.01.24
シーズーの痒みを伴うアトピー・アレルギー・脂漏症・マラセチアによる皮膚病治療に力をいれている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
シーズーの皮膚病はシンプルなようで非常に奥が深いです。
キーワードとして、「アレルギー」「アトピー」「マラセチア性皮膚炎」「脂漏症」「シャンプー」「スキンケア」「アポキル」「ステロイド」・・・色々とありますが、意外と知られていない原因があります。
「心因性掻痒症」
知られていないというより、「触れられていない」という方が正しいかもしれませんね。
顕微鏡でもみえない、血液検査でもみえない、画像診断でもみえない、飼主さまからの主訴にもない、証拠もない・・・これほど「無視」されている病気もめずらしいです。
今日はそんなシーズーの典型の1つ、脂漏とマラセチアと心因性の組み合わせのわんちゃんの症例報告です。
【症例】
シーズー
【経過】
〇
すでに当院の治療を受けて半年以上経過するのである程度改善している状況です。
どうしても「腕」と「わき」と「内股」の赤み・皮膚炎、脂漏、舐める(痒み)がのこるため心因性を疑いました。
心因性に対するアプローチを行う前の皮膚の状態を紹介します。
まず右腕。
その拡大。
続いて、左腕。
同じくその拡大。
同じく左腕の脇に近い肘内側の拡大。
続いて、腹部。
腹部の臍部分の拡大。
毛をカットした内股の拡大。
心因性のアプローチを行った4週間後の写真と比較してみましょう。
※部分的に2週間後の写真を使っています。
痒みゼロとまではいきませんが、劇的に改善しました。
皮膚炎もほぼなくなり、強い脂漏もほとんどなくなりました。
もちろん舐めるのも劇的に少なくなっています。
皮膚病の原因が常に1つということはあまりありません。
基本は複数の原因が複雑に関係して難治性になっています。
その中で心因性というのは最後の最後に残るものかな?と思っています。
心因性以外の診断・治療が適切に行われている状況で、心因性による痒みだけを残した状況で適切なアプローチをすると劇的に改善する可能性が高いです。
投薬治療も併用しましたが、当院のヒーリングケアLFプラスも併用しています。
このわんちゃんではアトピー対策としてアポキルとスキンケアECプラスが、心因性には抗不安薬とLFプラスの相性が非常にいいですね。
このヒーリングケアLFプラスもまもなく新しい商品に切り替わります。
当院のスキンケア&サプリメントはオンラインショップでお買い求めいただけます。
適切な診断・治療のもとご利用いただければきっとお役に立てると思います。
投稿者:
2018.01.22
犬の皮膚病のみを行う皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はペキニーズの症例です。
【症例】
ペキニーズ 女の子(避妊未) 6歳8ヵ月
【経過】
〇約1歳頃からずっと(良くなったり悪くなったり繰り返し)
〇全身の痒み
それでは初診時の状態をみてみましょう。
頚部
胸部とその拡大
背中とその拡大
わかりにくいため、毛をカットしたあとの状態もみてみましょう。
それでは初診時から約2か月後の状態と比較してみましょう。
毛刈り前との比較写真、毛刈り後との比較写真の両方を使います。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
痒みはほとんどなく、湿疹・フケもありません。
いつも紹介している症例に比べると重症度が軽めですが、飼主さまは「はじめてよくなった」と評価していただけました。
なお、今回の症例の診断名は細菌による膿皮症です。
そのため抗生物質が必要になるのですが、問題は抗生物質をやめた後に再発させないことです。
今回は抗生物質をやめて約1か月後の状態で撮影しています。
抗生物質をやめても再発していないのがポイントですが、今回の治療で「再発防止」に役に立ったのはサプリメント「スキンケアECプラス」です。
抗生物質は膿皮症を治しますが、膿皮症の原因を治すことはできません。
このスキンケアECプラスは膿皮症の原因にアプローチしていますので、抗生物質をやめたあとの再発防止に役立ちます。
今回の症例ではスキンケア&サプリメントが非常に役に立つタイプです。
当院のオンラインショップでお買い求めいただけます。
投稿者:
2018.01.13
犬の細菌性皮膚炎、「膿皮症」の根本的な治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
犬の膿皮症、シンプルなようで非常に難しい病気です。
治療という意味では「抗生物質を服用する」が最優先治療であり、治療効果も高いので一般的には治りやすい病気ではあるのですが、「抗生物質を服用しているときだけ改善し、やめると再発する」という症例が少なくありません。
別の角度から考えると、再発する膿皮症の場合の膿皮症の原因は他にあるという意味で、「抗生物質は細菌を抑えて膿皮症を治すが、膿皮症になる原因は治していない」ということでもあります。
このことは以前からずっとお話していることで、投薬治療で治せることはあたりまえで、皮膚科診療で必要なことは「なぜ膿皮症になるのか?」「膿皮症にならないためにはどうすればいいのか?」まで考えなければいけないと思っています。
今日紹介する症例はまさにそんな「なぜ膿皮症になるのか?」「膿皮症にならないためにはどうすればいいのか?」の答えとなる内容となっています。
【症例】
フレンチブルドッグ 4歳 女の子(避妊手術済み)
【経過】
実は以前に治療実績として紹介しています。
2017年10月23日 【フレンチブルドッグの皮膚科診療】アポキルが効かない
全身の湿疹(膿皮症)に対して抗生物質を処方して治しましたが、抗生物質をやめて1ヶ月前後で再発してしまいました。
その再発時の写真を紹介します。
初診時にもあった腹部の湿疹「膿皮症」のぶり返しです。
治療のことだけを考えると、つい先日まで行っていた初期治療(抗生物質の服用)で改善するはずです。
ただ「抗生物質を再度処方して湿疹が治ったとしても、やめればまた再発する可能性が高い」と判断できる状況でしたので、新しいプランを提案してみました。
それが当院の「スキンケアECプラス」です。
1回1包、1日2回服用するように指示をだしました。
スキンケアECプラスだけを追加処方して1ヵ月後、比較写真をみてみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
湿疹はゼロ、この1ヶ月間で新しい湿疹は1つもできなかったそうです。
ここで詳しい治療内容を少し紹介します。
以前紹介した時点までの初期治療では、膿皮症に対して抗生物質&スキンケア、痒みに対してアポキル&LFプラス&心因性治療薬のアプローチを行いました。
「治す」という意味ではこの治療内容で十分です。
ただ、1つ問題があり、「抗生物質をやめると再発するのではないか?」という疑問もありました。
ただ、再発を恐れて抗生物質を長期間服用することがベターというわけではないので、「再発したら次はスキンケアECプラス」と考えて抗生物質を一旦終了としました。
そして再発は予測どおり、痒みではなく「湿疹」という形であわられました。
この再発に対して再び抗生物質を処方する選択肢を悪いとは思いませんが、あえて「スキンケアECプラスだけで治せる」と判断できたので、抗生物質による治療を強くおすすめせず、サプリメントのみの追加処方としました。
結果は上記の写真の通りで、「スキンケアECプラスによる膿皮症の治療効果」といえる結果だと思います。
なお当院受診前から服用していたにも関わらず痒みの改善がなかったアポキルは1日1回服用から徐々に減らして、現在は週3日服用で維持コントロールができています。
これは心因性へのアプローチであるヒーリングケアLFプラスの効果もあると思います。
今回の症例は非常に色々興味深いことが多く含まれている治療実績です。
まず1つに「アポキルを服用しているにも関わらず痒みが改善しない」という主訴であったことです。
2つ目は「抗生物質を服用することで改善した膿皮症が、休薬とともにぶり返したが、サプリメントだけで治療・再発予防が可能だった」ということです。
もちろんこの「アポキルが効かない原因」と、「再発したらスキンケアECプラスで治療・再発予防が可能だろう」の2点とも初診時に把握することができましたので、診察でもスムーズにシフトすることができました。
今の皮膚科医療に足りないアプローチの1つは「なぜ病気になるのか」というところだと思います。
当院はもちろん治すことも当然ですが、それだけでなく「根本的にどうするべきか?」を含めて医療を提供しています。
それがスキンケアECプラス、ヒーリングケアLFプラスです。
この2つがあってこその当院の治療実績、再発防止です。
当院のオリジナル商品は以下のオンラインショップからご利用いただけます。
また、当院ではスキンケア商品、サプリメント商品を共同で治療に使う提携病院を募集しています。
ご興味のある先生は一度お問い合わせください。
※皮膚科のない個人動物病院に限ります。
投稿者:
2018.01.04
アトピー・アレルギー疾患などの痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
昨年の症例報告のほとんどが「アポキルが効かない」でしたが、それはしばらくずっと続くと思います。
アポキルそのものは非常にいいお薬で、当院でもよく処方するのですが、効かない?と感じる場合は2つの原因を考えるようにしています。
1つは「そもそもアポキルが効かない別の疾患」という場合です。
特に感染症ではアポキルはほとんど効かないと考えています。
2つ目は「アポキルが効く痒み以外の痒みが残っている」です。
要するに「痒み」と一言にいっても、原因はさまざまあり、アポキルがどんな痒みにも効くかというとそうではありません。
アポキルにも抑えやすい痒みと、抑えにくい痒みがあるため、そこを診極めなければ難しくなる症例もいます。
アポキルが効く痒み以外の痒みが残っているわんちゃんには、その原因に合わせた追加治療が必要になります。
今回はそんなアポキルが効くかゆみ以外の痒みに追加治療を行ってアポキルを減らすことができた症例報告です。
【症例】
フレンチブルドッグ 女の子(避妊済) 2歳9ヵ月
【経過】
〇アポキル1日1回投与により随分と改善した状態が続いていたが、手足の先を舐めることがだけが続いていた
〇アポキルの服用が1日1回のまま約1年となり、減らすと症状が悪化するため減量が中々できなかった
この時点で初診時よりはるかに改善したいたが、今後のさらなる治療成績のため、新しい追加治療を提案しました。
今回は治療前の写真がみつからなかったため、治療後の写真のみ掲載します。
症状は手足の先(指の間と足裏)を舐めることでしたが、随分と改善しました。
最初1日1回をずっと継続していたアポキルですが、新しい治療を組み込んだことで徐々に減らすことができ、現在は週2~3回投与でコントロールができています。
追加治療の1つは当院のヒーリングケアLFプラス、
このサプリメントを併用しています。
もちろん投薬治療の追加も行ったため、純粋にサプリメントだけでアポキルが減ったわけではないのですが、大事なことは複数併用することで1つのお薬に頼らなくてもよくなり、治療成績が向上するということです。
当院のスキンケア商品・サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求めいただけます。
適切な医療の元、ご使用ください。
投稿者: