2021.09.18
心因性の治療にも力を入れている皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はウェスティの舐め癖治療の症例です。
【症例】
ウェスティ 2歳3ヶ月 女の子(不妊手術済)
【経過】
〇生後7か月から手をよく舐める
〇痒くより、舐める・かじる行動が多い
〇ステロイドの服用、サイトポイント(注射)での治療効果はあまり無かった
それでは初診時の様子です。
まずは全体の写真です。
次は首と、首~胸のアップの写真です。
続いては足(前足)の写真です。
よく舐める場所なので変色や赤み、毛も薄くなっています。
そしてお腹側の全身写真と、胸とお腹のアップです。
薄毛と、お腹の辺りには色素沈着が見られます。
こちらは側面から見た写真です。
一見、足以外はそんなに問題ないように見えるかもしれませんが、地肌の色が少し分かります。
毛の量が正常な量ではないのです。
毛をめくってみると、アンダーコートが正常に生えていないことが分かります。毛の質もごわごわしています。
そして脂漏症の症状も出ています。
それでは3ヶ月後の状態をご覧ください。
今回は、心因性とホルモン疾患に対する治療を行いました。
手などを異常に舐めるのは痒みのせいではなく、心因性の場合があります。痒みのせいなのか、そうではないのかを見極めて治療をすることで、この子の場合は1ヶ月も経たないうちに手舐めの頻度が半分ほど減りました。
1ヶ月経つ頃には足先の赤み、腫れが引き、それから更に1ヶ月後には毛が生えてきました。お腹の色素沈着も改善されています。
そして、ホルモン疾患への治療により正常な毛が再生してきています。
特に首~胸、お腹や股の部分はふわふわの毛が再生して、毛量が増えているのがお分かり頂けると思います。
脂漏症の症状も落ち着いた事で、毛並みもぺったりした感じからふんわりした質感になりました。
その子によってどんな疾患や心因性の原因があるかは、個体によって様々です。
当院ではその子それぞれに合った治療を探り行っています。
ですので、皮膚病がなかなか良くならない、原因がよく分からないなど、わんちゃんの皮膚病の事でお困りのことがあれば是非、当院までご相談下さい。
尚、関東にお住いの方は東京サテライトで初診を診させて頂き、その後の診察をオンライン診療で行うこともできます。
疾患によっては適応外になることもありますが、ご希望の方はご相談ください。
詳しくはこちらからご覧頂けます。⇒東京サテライト
今回の治療で使用したサプリメント(パーソナルケアpⅡ+)、飼主様に頑張って頂いたスキンケアの商品はこちらからご覧頂けます。⇒サプリメント・スキンケア商品
【症例報告制作者】 看護師 森
投稿者:
2021.06.12
【症例】
柴犬 12歳 女の子(不妊手術済)
【経過】
〇10歳から皮膚トラブル(それ以前は、皮膚トラブルはなし)
〇顔(目・耳・口唇・下顎)を掻く
〇お尻を吸ったり噛む
〇四肢・四肢端・お腹を舐める
〇アポキルが効かない
はじめに顔の正面と横側から。
目のまわりや耳、口まわりが赤く、毛がまだらになってしまっています。
続いて腹部、左後足の内側、そして右後足の内側です。
こちらも皮膚が赤く、毛が生えそろっておらず毛並みも悪いです。
では、この初診時から約8カ月後の状態と比べてみましょう。
まだらだった顔周りの毛は見事に生えそろい、赤みもなくなりました。
腹部も赤く硬くなっていた皮膚はピンク色のやわらかい皮膚に戻り、ふわふわな毛も生えてきました。
作成:看護師 山崎
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当院で紹介している柴犬のほぼすべてが「特別な治療」を行っています。
この症例も例外ではなく、特別な治療で改善しています。
柴犬は「アトピー」「アレルギー」と言われやすいのですが、もし単純なアトピーであればアポキルやサイトポイントでコントロールできます。
もし食物アレルギーであれば、対応している食事療法できれいに改善します。
そうでないときは・・・・
「食物アレルギーではないかも?」
「何か見落としているかも?」
という視点が必要です。
当院ではそういった「アポキルが効かない」の症例で、見落とされている視点からアプローチすることで治療成績を向上させています。
この症例にもアポキルを使っていますが、本当の意味でアポキルが効かないのではありません。
「アポキルが効かない」ではなく「アポキルが効かない理由が見落とされている」です。
お困りの方は当院への受診をお勧めします。
関東にお住いの方は東京サテライトで初診を診て、再診をオンライン診療で継続治療を受けることもできます。
疾患によっては適応外になることもありますが、ご希望の方はご相談ください。
東京サテライト開設ページ
投稿者:
2020.11.18
フレンチブルドッグの皮膚病治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今日はフレンチブルドッグの症例を紹介します。
【 症例 】
フレンチブルドッグ 7歳 男の子
【 経過 】
〇3年前に保護時点から続く皮膚病
〇3年間アポキルを毎日服用しても改善しない
〇ステロイドを併用しても一時的な緩和しか得られない
〇1年通して症状があるが、梅雨に特に悪化する
〇手を舐める、舐めだすと止まらない
〇顔や脇を掻く、掻きだすと止まらない
それでは初診時の状態です。
続いて、3カ月弱の治療後との比較です。
※画像をクリックすると大きくすることができます。
とてもきれいになっていますね。
かゆみや手舐めもかなり落ち着きました。
当院では、投薬・サプリメント・食事療法・スキンケア療法などによる根本的な皮膚コンディションの改善に力を入れています。
お悩みの方はぜひご相談ください。
報告作成者:看護師 鮫島
♦ ♦ ♦ ♦ ♦ 【解説】 ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦
獣医師の平川です。
今回は初診時の「こんにちは」のあとに続く一言目に、とても印象に残ることを聞かれました。
飼主さま 「先生、これ治るかな?」
今まで色々治療を続けてきて、何年も皮膚のことに悩まれていたことが凝縮しているような一言ですよね。
もちろんまだ検査どころか問診もしていませんが、飼主さまはどうしても聞きたかったのだと思います。
その心は、
「先生、治せる自信ありますか?」
だと思います。
まだわんちゃんを一目しか見ていなかったのですが、間髪いれずにこうお答えしました。
僕 「余裕です」
治療結果は何一つでていないのですが、「来てよかった~!」と喜んでいたのが印象に残っています。
このタイプですが、検査どころか問診すらしていなくても劇的に改善することだけは容易に想像できるタイプです。
治療結果は劇的で、
・痒くない
・脂っぽくない&におわない
・毛が抜けない
・全身フワフワ&モコモコ
アポキルに至っては元々毎日服用していてもよくならなかったにも関わらず、現在は2日に1回でも症状がでないレベルまで改善しています。
アポキル減らすことができる治療法を持っていれば、より根本的なアプローチが可能です。
さらに性質・気質的なところからきている「舐め癖」に対するアプローチとして、性格・気質を変えるような治療を併用したのですが、ずいぶんと変化が認められ、
・元気になった
・散歩が嫌いだったのに、散歩好きになった
・意欲的に行動するようになった
ととても喜んでもらえました。
こういうときに聞く言葉があるので、今回も聞いてみました。
僕 「犬らしくなりました?」
飼主さま 「ホント!その通り!」
参考までに多くの飼主さまがこのタイプで「アレルギー」を疑っているのですが、このタイプでアレルギーの可能性はかなり低いです。
むしろ「アレルギー」を疑って検査したり、治療方針を立てると負のスパイラルに入り、改善の可能性はますます低くなります。
キーワードは「免疫」「毛並み」「心因性」の3つです。
この3つの診断&治療が適切であれば、劇的によくなります。
勘違いしてはいけないのですが、免疫をアレルギーと置き換えてしまうと治るものも治りません。
免疫異常であってアレルギーではないのがポイントです。
そして毛並み、痒く&脂漏だから毛並みが悪いのではありません。
毛並みが悪い原因が見落とされているから痒くて、脂漏が悪化するのです。
そして心因性、「ストレス」と言い換えて環境や接し方を変えても何もかわりません。
外部のストレスではなく、生まれ持った性格・気質によるものなので、脳の思考回路から変える視点が必要です。
フレブルは遺伝的に「夢中になる」「ムキになる」という行動パターンを示しやすく、この性格・気質が皮膚病のときに難治性の原因になっています。
この脳の思考を確認する問診と、脳の思考の癖を変える治療プランを持っていれば舐め癖すら緩和できます。
当院ではこういった難治性に対する皮膚科の勉強会を開催しています。
勉強会への参加をご希望の方は当院までお問い合わせください。
投稿者:
2020.02.08
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はイタリアングレーハウンドの症例です。
【症例】
イタリアングレーハウンド 3歳 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇1歳になる前から痒みが出てきた
〇アポキルを服用しても改善しない
〇へそ、腰、後肢、陰部、足先を舐める
〇頭~首を掻く
それでは、初診時の状態です。
まずは、体の正面です。
顔(右側)です。
頚部です。
体全体(右側)です。
頚部(側面)です。
右大腿部です。
足先です。
臀部です。
それでは、治療後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
口唇周囲の皮膚炎が改善されています。
続いて、頚部です。
元々皮膚炎が強かった部位ではないのですが、非常に重要な部分で、「毛並み」が改善しています。
遠目ではわかりにくいのですが、拡大することでよくわかります。
続いて、頚部の右側面の拡大です。
毛並みが非常によくなっているのが分かりますね。
続いて、右後肢側面(膝周辺)です。
膝の周囲の皮膚炎、脱毛(かじっていた)部分が非常に綺麗に改善しています。
続いて、肢端です。
かじっていたため地肌がみえていましたが、かなり綺麗に改善していますね。
続いて、左大腿部尾側(腰背部)です。
ここもかじっていたため毛が短くなって脱毛していましたが、綺麗に改善しました。
今回の症例のポイントです。
「アポキルが効かなかった」
純粋な痒みであればアポキルは非常によく効きます。
かといって掻く・こする・舐める・齧るといった掻痒症状が、すべて「痒い」から来ているとは限りません。
痒くなくても掻いたり齧ったりすることだってあります。
今回の症例では診た瞬間に「純粋な痒み」以外に2つの問題があることに気づかなければ治療がうまくいきません。
1つは「イライラしている」という心因性の問題です。
2つは「遺伝的な皮膚コンディション異常」によって起きている問題です。
この2つに同時にアプローチすればアポキルが効いてきます。
アポキルが効かないという表現ではなく、アポキルが効く痒み以外の問題点を見つければしっかり効くということです。
ということで、治療成功に必要なのは初診時にこの2つが判断できること、そして効果的な治療方針を立てれることになります。
アポキルを服用しているのに十分な効果が得られないと悩んでいる方は当院までご相談ください。
投稿者:
2019.11.22
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はフレンチブルドッグの症例です。
【症例】
フレンチブルドッグ 8歳8ヶ月 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇3歳から継続した痒みを伴う皮膚病(季節性はなく通年性)
〇全身脂っぽく、毛艶がなくフケが多い
〇毎週シャンプーしても改善されない
〇過去に4件の動物病院を受診したが、一度も改善したことがない
それでは、初診時の状態です。
まずは、体の正面です。
顔(右側)です。
左耳です。
右前肢です。
頚部です。
脇~胸です。
それでは、初診時から約4ヶ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
院内での薬浴を数回行い、全身を覆っていたボロボロは綺麗に無くなりました。
痒みも落ち着き、毛も段々と揃い始めています。
今回の症例にいくつかポイントを列挙します。
ポイント①やはり治療はアポキルなのか?
今の痒み疾患の標準治療ともいえるアポキル(オクラシチニブ)ですが、今回の治療期間中には使用しませんでした。
もちろん使用する選択肢もあるのですが、「なくてもいい」というものでもあり、「むしろ〇〇〇の方がいい」という明確な理由があったので敢えて採用しませんでした。
もちろんアポキルメインで治療することが間違いというものではないです。
みなさんに知っていただきたいことは「常にアポキルがベストではない」ということ、アポキル以外の治療選択肢を知っていることこそが「アポキルを使いこなせる」だと思います。
ポイント②原因は食物アレルギーなのか?
今の皮膚科の問題点でもあるかと考えていますが、「治りにくい=アレルギー」という括りにされやすく、特に「食物アレルギー」の言葉は乱用されがちです。
食物アレルギーをある・ないの確定診断は難しいのですが、このタイプの皮膚病で「食物アレルギー」と診断することは当院ではほとんどありません。
「食物アレルギーはない」とまでは断定できませんが、「どこに食物アレルギーがあるのだろうか?」とは思います。
事実、当院受診までアミノ酸系または低アレルゲン系の食事療法をしていましたが、当院はアレルゲン制限をといた食事管理を推奨しています。
ポイント③では原因は何か?
原因を1つに絞ることそのものが治療の失敗を招きます。
やはり複合要因のため、複数の異常をできるだけ同時に治療する必要があります。
ただ本当の意味で同時治療は診療的に難しいこともありますので、優先順位の高い治療方針から先におこないます。
それが院内薬浴ですね。
院内薬浴と投薬治療、そして食事療法などの組み合わせが体質に合致すると今回のような劇的な改善が可能になります。
ではその次はなにか?
その次・・・、そう「世界初の治療」です。
当院では標準治療になりつつあるのですが、ある治療を併用します。
ここまでもかなり劇的な治療結果ですが、当院ではもう1つ上の治療成績を出すことが可能です。
またご報告します。
なお、今回紹介した症例に使用したスキンケアとサプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。
投稿者:
2019.10.27
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はトイプードルの症例です。
【症例】
トイプードル 13歳 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇1~2歳頃からトリミング後に痒みが出ていた
〇半年前からは起きている時はずっと痒い状態
〇手足を舐めすぎて脱毛し、腫れている
〇首、耳を掻く
〇お尻を擦り付ける
それでは、初診時の状態です。
まずは、体の正面です。
顔(右側)です。
前肢です。
右前肢の足先です。
背中です。
それでは、初診時から約6週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
顔や手足の赤みや腫れが引き、毛が生えてきました。
痒みもほぼ無くなり、性格も大人しく穏やかになったそうです。
ポイントとしては治療の最初から院内薬浴を行ったことです。
初回の院内薬浴の次の診察時には
「劇的に変わりました!すごいです!」
「魔法のようなことがおこるのか、驚きです!」
とまで言っていただけました。
以後定期的に院内薬浴を受けていただき、痒みはほぼでていません。
トイプードルの典型症例の1つですが、こういった症例には適切な診断&投薬治療だけでなく、当院のスキンケア療法や体質改善のサプリメントが非常に有効です。
参考までに今回の症例はアトピー素因と心因性の混合型のため、投薬治療ではアトピー治療としてアポキルと心因性治療として向精神薬、自宅ケアとしてスキンケアシリーズ、体質改善としてスキンケアECプラスとヒーリングケアLFプラスを採用しています。
皮脂が多いタイプには当院のスキンケアセット、アトピー体質にはECプラス、心因性にはLFプラスという考え方で対応しました。
スキンケア&サプリメントのメリットですが、これほど重症の症例でもこの夏はアポキルを2日に1回という少ない量で長期間いい状態を維持できたほどです。
当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。
投稿者:
2019.10.18
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はフレンチブルドッグの症例です。
【症例】
フレンチブルドッグ 4歳5ヶ月 女の子(避妊手術未)
【経過】
〇1歳前から痒みあり(季節性はない)
〇足先を舐める
〇顔、下顎をこすりつける
〇両耳を掻く
〇アレルギー用の食事を試したが改善しない
それでは、初診時の状態です。
まずは、体の正面です。
前胸、前肢です。
前肢の指間です。
足裏です。
それでは、初診時から約6週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
全体的に赤みが引き、痒がることも少なくなったそうです。
手舐めも改善されました。
・・・・・・・・・・・・・・・・
フレブルの手舐め・足舐めで悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
特にアポキルで改善しない手舐め・足舐めのフレンチブルドッグの症例は非常に多いですね。
この手舐め・足舐めを「アレルギー」と考えて治療すると迷走します。
牛豚鶏はもちろん、魚、カンガルー、馬、ウサギ・・・ありとあらゆるタンパク質に切り替えても改善する可能性はかぎりなくゼロに近いと思います。
理由は簡単です。
膨大な医学データから「食物アレルギーは稀」とわかっているためです。
食物アレルギーも探せばいますので、その稀な食物アレルギーであれば改善するのですが、あまりにも稀過ぎて改善する可能性は本当に少ないです。
非常に多いのではないか?という報告データをみても皮膚病全体の5%くらいで、当院では1%未満と考えています。
食生活からアレルゲンを探し出すことを無意味とはいいませんが、最も効率のいい治療は「食物アレルギーはない前提で治療方針を組み立てる」ともいえます。
100頭いたら99頭はその方がうまくいきます。
当院ではフレブルのしつこい手舐め、足舐めには心因性の診断を加え、「痒み+心因性」としてアプローチすることでいい治療成績をだしています。
もちろん向精神薬の処方が非常にいいのですが、将来的には減薬のためサプリメントの併用がお勧めです。
フレブルの手舐めには当院の開発しているパーソナルケアPⅡ+がお勧めです。
当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。
投稿者:
2019.10.13
犬の皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
3年前にアポキルが発売されて以来、犬の痒み疾患には「とりあえずアポキル」という流れが強くなっています。
非常に安全性が高いので特に大きな問題はありませんが、「アポキルで痒みが治らない」という皮膚病症例はかなり多くいます。
というのも当院を受診されるわんちゃんの8~9割が「アポキルを服用しているのによくならない」とお話されます。
ここで重要なのは「本当に痒いのか?」という視点です。
犬の掻痒行動には「掻く」「舐める」「噛む(かじる)」といった症状がありますが、すべてが「痒み」に対する症状ではないこともあります。
ヒトでも「皮めくり症」という病気があるように、かならずしも痒みからきているわけではない皮膚疾患もあります。
簡単にいうと「癖」という枠に入る「行動学的特徴」ですね。
犬でも「癖」によって掻いたり、かじったり、舐めたり・・・というのはよくあります。
今回の症例はそんな「痒いわけではなくて癖でかじってしまう症例」です。
【症例】
マルチーズ 女の子
それではちょうど一番悪化している状態の写真を紹介します。
症状がでているのは写真右半分(左前腕)、左腕の外側ですね。
常にかじっているため毛が伸びず、ちぎれているため短い状態になっています。
明らかに心因性を疑う所見で、アポキルを使っても全く改善しません。
抗不安作用のある向精神薬を服用することである程度緩和もあるのですが、十分な改善ではなくぶりかえしたりもします。
一般的に「ストレス?」と言われる心因性ですが、必ずしもストレスとは限りませんので「癖」としてアプローチする方がいいこともあります。
そこでこの症例には今年の春に開発した「パーソナルケアPⅡ+」を併用することにしました。
パーソナルケアPⅡ+を併用してからは治療成績が明らかに向上しています。
しかも抗不安薬を完全に中止してもほとんどぶり返さなくなっています。(治ったという表現ではないです)
明らかに「癖」のスイッチが入らなくなって落ち着いているという状態です。
症例によって原因や性格・気質はさまざまで、場合によっては不安を取り除く向精神薬が必要であったりするため一概にいえませんが、心因性=抗ストレス&抗不安というものではないと考えています。
やはりわんちゃんの性格・気質にあったアプローチがあり、投薬治療も大事にしつつ「サプリメント」というのは投薬治療ではできないより根本的な対策の1つではないかと考えています。
今の皮膚科医療では癖は「癖だから(治療対象ではない=治らない=仕方ない)」で終わってしまう傾向があるかと思いますが、「癖が起きる病気」として捉えてアプローチすることで1つ2つ上の治療成績を出すことができます。
まだまだ一般的な治療ではない分野ですが、当院ではわんちゃんの生まれつきの性格・気質を的確に診断し、積極的な治療プランを提案しています。
その1つが「パーソナルケアPⅡ+」です。
パーソナルケアPⅡ+は短期的な効果が期待できるサプリメントではないため、最低半年以上(できれば数年)かけて継続をお勧めしています。
特に気難しい柴犬、個性的な子が多いブルドッグ犬種、シーズーには非常にお勧めです。
当院のオンラインショップでお買い求めいただけます。
投稿者:
2019.06.03
手先・足先を舐める、腕をなめる・・など、痒み疾患に間違われやすい「癖」に対する皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
皮膚炎などはなく、同じところを舐めて続けて茶色になっているわんちゃんいませんか?
アポキル・ステロイドといった一般的な痒み止めで効果がないのも特徴の一つです。
【症例】
チャイクレ
【経過】
〇元々アトピーがあり、アポキル・抗不安薬・ヒーリングケアLFプラスで2年ほど症状はおちついていた。
〇家族構成の変動などのきっかけて再発し、同じ治療内容を続けているにも関わらず半年以上改善がない
※以前にも治療実績として紹介したことがありますが、その後の経過が順調なので再掲載です。
それでは再発時の写真です。
右腕の手首やや上の写真、そしてその拡大の2枚です。
同じ部位を繰り返し舐め続けているため、皮膚がびらんをおこしています。
ここから「癖」に対する治療として投薬治療の変更とサプリメントの変更を行いました。
もちろん治療結果はよかったのですが、投薬治療を古い内容に戻しても維持できるかもやってみました。
投薬治療を昔のレベルに戻しても一切ぶり返しなしで維持できています。
なにより被毛の茶色が一切ないため、「舐めていない」という状態です。
もちろんパーソナルケアPⅡ+だけでのアプローチではなく、投薬治療も併用していますが、以前はコントロール不能だった舐め癖の投薬内容にもどしているため、サプリメントでの維持ができている指標になると思います。
この子には腕だけなく、他の部位を噛む癖もあったのですが、現在は全身どこも噛んでいません。
かなりいい状態なので、今はアポキル・抗不安薬などの投薬治療の減薬にも取り組んでいます。
「舐め癖」「突発的な掻き壊し」「急に噛みだす」といった症状は、従来の痒み治療(アポキル・ステロイド)での反応が悪く、いい治療プランが提案できなかった症状ですが、現在はいい治療プランが提案できています。
そのうちの1つが当院が今年の4月に開発したサプリメント「パーソナルケアPⅡ+」です。
当院のオンラインショップでお買い求めいただけます。
投稿者:
2019.05.10
手を舐める、足を舐めるなど身体の一部を執着してなめることによって起きる皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
犬の皮膚科をしていると、「舐める」という症状をよく診ます。
痒いから舐めていることもありますが、痒みと関係なく舐めているわんちゃんも多くいます。
痒みから舐めている場合は痒みを抑えればいいのですが、痒みと関係なく舐めていれば痒み治療ではまったくうまくいきません。
今回はそんな「痒いではない舐め癖」のわんちゃんです。
【症例】
マルチーズ 4歳 男の子(去勢済)
【経過】
〇元々臍ヘルニア(デベソ)があり、気にして舐めていた
〇しつこく舐めることでヘルニアの袋部分が破れてしまい、手術で縫合整復
〇術後も舐め癖はつづき、臍に裂開部分あり
〇アポキル服用するもあまり効果がなかった
それでは初診時の状態です。
次は臍(へそ)の拡大です。
穴が開いています。
おそらく臍ヘルニアを舐めすぎて破裂した後、手術で整復&縫合するも術後に舐めすぎで一部離開してしまったと思われます。
舐め続けたことでずっと穴が開いている状態が続いているのでしょう。
非常につよい舐め癖があり、胸~内股にかけてほとんど毛がありません。
ここから8週間後の状態と比較してみましょう。
ほとんど舐めなくなり、毛も再生していますし、皮膚コンディションもかなり改善しています。
臍の皮膚裂開部分も完全に閉じることができています。
この症例では「腹部を舐める」という症状が非常に強いのですが、痒くて舐めていたわけではありません。
そのため痒み止め「アポキル」では十分な改善ができません。
こういった症例には心因性のアプローチ(投薬&サプリメント)が重要になってきます。
サプリメントとしては今年当院で開発した「パーソナルケアPⅡ+」がお勧めで、今回の治療症例でも併用しています。
今まで「舐め癖」は仕方がないと言われていた部分もありますが、当院では皮膚トラブルにつながる過剰な舐め癖は治療対象としてみています。
また投薬&サプリメントを長期継続することで十分改善可能と考えています。
パーソナルケアPⅡ+は以下のオンラインショップでお買い求めいただけます。
投稿者: