症例別

2年間の治らなかった膿皮症を1週間で完治レベルへ

2018.06.28

犬の皮膚病で再発が最も多い湿疹タイプ「細菌性の膿皮症」の根本的な治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

今日はめずらしいゴールデンレトリバーのわんちゃんです。

当院での紹介としては多くありませんが、ゴールデンだけでなくラブラドールも含めてレトリバー種は皮膚病が多いですね。

原因としてはアトピー、アレルギー、内分泌疾患、心因性など多岐にわたりますが、どのタイプも特徴的なので非常にわかりやすいです。

【症例】

 ゴールデン・レトリバー 4歳 女の子

【経過】

 〇2歳過ぎから瘡蓋・フケを伴う湿疹が常にでている

 〇1年通して発症しており、この2年でよくなったことがない

 〇近所の動物病院で週に1回の薬浴を1年継続しているが一向によくならない

 〇食事療法併用中

 〇内服が苦手でほぼ飲むことができない

 〇耳、頚部、身体全体の痒みと、手先をしつこむなめる

それでは初診時の状態です。

毛が多いのでカットさせていただきました。

まずは頚部です。

続いて、胸部(あおむけ)です。

続いて、腹部とその拡大です。

続いて、指の間です。

それでは初診時から7日後の状態です。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

新しい湿疹(膿皮症)は1つもありません

以前の膿皮症もほぼ消失しました。

飼主さまからは「びっくりするくらいよくなった」と喜んでいただけました。

今回の症例での問題・課題は以下の通りです。

①シャンプーが十分にできていなかった

週に1回病院内で薬浴しているということでしたが、最終実施シャンプーから数日しか経っていないにも関わらず湿疹のフケが多く残っていたため、評価としては「毛を洗って皮膚が洗えていない状態」といえました。

このフケ・瘡蓋(痂皮)・皮脂が多いタイプの皮膚病治療にはスキンケアが必須であり、身体の大きさと湿疹の数を考慮すると当院での院内薬浴を実施しなければ改善は不可能というレベルでしたので、初診日当日に院内薬浴を行いました。

シャンプー・薬浴と一言にいってもレベルの差は大きく、とりあえずシャンプーするではなく「薬浴すれば確実によくなる」という自信のあるレベルで行わなければ改善は難しいと思います。

※当院の薬浴実績 1000件以上/年間

今回は2名で従業員の休憩を兼ねた交代(合計4名)で3時間かかりました。

このレベルを飼主さまで行うのは現実的に難しいと思います。

②正しい食事療法

食事療法は体質によって合う・合わないというのは十分に考えられますが、今回のわんちゃんでは「今のドッグフードは絶対に合っていない」と確信を得ることができましたので、「即変更するように」で完全にきりかえていただきました。

大事なのは「体質に合っていない」という判断ができることだと思います。

皮膚の見た目だけでなく、過去の経過など経験値でこの的確な判断はできるようになります。

③お薬が服用できない

抗生物質を使うのがいいのですが、お薬が苦手ということで今回は内服薬をゼロで治療計画をたてました。

またサプリメント「スキンケアECプラス」と「ヒーリングケアLFプラス」を開始しました。

これらのポイントでの治療から、約2年消えなかった湿疹(膿皮症)はたった7日間でゼロになりましたので、いかに「必要なアプローチを全部する」がどれだけ効果的かがわかる症例だと思います。

シャンプーだけではよくなりませんし、サプリメントだけで治るわけでもありません。

すべてが揃ったからこその治療実績だったと思います。

このブログをみている飼主さまみなさまに知っていただきたいのは、皮膚病の原因はさまざまでアプローチも多数あります。

中にはシャンプーを変えるだけでよくなるようなわんちゃんも探せばいるかもしれませんが、多くのわんちゃんではカット(バリカン)、オイル&シャンプー、ローション、抗生物質、食事療法といった総合的なアプローチが必要になります。

1つ欠けただけでもうまくいかない原因になってしまいます。

先入観で「きっとシャンプーを変えればよくなる」「サプリメントなんて効果ない」「食事はアレルゲンフリーを選択しているから大丈夫」となってしまがちですが、99%でその想定・予測・自己判断は間違っていることが多いです。

意外なものの組み合わせでよくなりますので、当院では「必要なことをすべてやる」をお勧めしています。

なおこのタイプの皮膚疾患には当院でのスキンケア&サプリメントが非常に効果的です。

基礎疾患の見落としがない、食事療法に間違いなければ、かなりの確率で改善すると思います。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

しつこい舐め・痒みの柴犬皮膚病治療

2018.06.25

アトピー・アレルギー・掻きすぎ・掻き壊し・舐め壊しなど柴犬の痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

【症例】

 柴犬 12歳 男の子(去勢済)

【経過】

 〇6歳まで異常なし

 〇6年前から痒みを伴う皮膚病

 〇季節性はなく通年性

 〇わきをかく、内股をなめる、四肢端を舐める

 〇過去4年間漢方薬を継続するも改善なし

 〇夜中でも痒みで起きることがある

それでは初診時の状態をみてみましょう。

まずは左の脇~胸の側面とその拡大です。

続いて内股とその拡大(右、左)です。

柴犬といえばアトピー・アレルギーを疑うのが一般的ですが、このタイプは少し違いますね。

どう違うかというと、

 〇6歳以降の発症

 〇季節性のない痒み

 〇目、口は異常なし

典型的なアトピーの特徴を揃えていないこのタイプの診断は、わんちゃんの皮膚をみずに外観だけど、飼主さまのお話を聞きだけで確定診断に近づくことができます。

それでは初診時からわずか8日後の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

まずは左の脇~胸です。

同じく左脇~胸の拡大です。

続いて、内股とその拡大です。

写真でみるポイントは、赤み・じゅくじゅく・ガサガサといった感じがなくなっているところです。

また治療開始からわずか8日にも関わらず、色素沈着(赤黒い)のが少なくなっているのがわかると思います。

痒みはほとんどなくなり、夜中に起きることもありません。

しつこくなめるのもなくなっています。

こういったタイプは投薬治療とともに、ヒーリングケアLFプラスを使うのがおすすめです。

皮膚がゴワゴワしてるためスキンケアが気になる方も多いとは思うのですが、スキンケアメインで取り組むとうまくいかない原因になるでしょう。

ヒーリングケアLFプラスを使うことで、アポキルを含めたお薬の使用頻度や量を減らすことが十分に期待できます。

ヒーリングケアLFプラスは当院のオンラインショップからお買い求めいただけます。

医療に万能はありませんが、サプリメントには医療ではカバーできない部分をサポートすることができます。

的確な診断と治療併用の元で使っていただけば体質改善、再発防止、お薬の減量に役立つサプリメントです。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

フレンチブルドッグの湿疹・アトピー・皮膚炎・舐め癖治療

2018.06.23

アトピー・アレルギー・膿皮症・舐め癖など難治性の痒い皮膚病が多いフレンチブルドッグの治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

梅雨に入り皮膚トラブルがフレンチブルドッグも多いのではないでしょうか。

フレンチブルドッグの皮膚トラブルといってもさまざまなタイプがあり、①冬が発症せず、夏を中心にでる、②1年変わらずでる、③1年でるけど冬はマシの3パターンに分けられます。

今日紹介するのは季節と関係なく1年中皮膚トラブルが続いていたフレンチブルドッグのわんちゃんです。※それでも冬少しマシ?

【症例】

 フレンチブルドッグ 2歳 女の子(避妊手術済)

【経過】

 〇1歳前から痒みを伴う皮膚病

 〇この1年半、皮膚病が治ったことはない

 〇顔・耳・手の赤み&痒い、内股の湿疹&痒み

それでは初診時の状態です。

それでは初診時の状態から8週間後の状態と比較してみましょう。

湿疹は完全に消失しました。

顔・耳の赤みもほぼ消失です。

手なめのレベルが元々10として3程度の若干のこりましたが、気になるような痒み・舐め方ではないので許容範囲という評価です。

今回の皮膚炎・痒み・手舐め・足舐め・湿疹(膿皮症)はすべてフレンチブルドッグの典型的な皮膚病です。

このタイプには投薬治療も併用しながら、当院が開発したスキンケア&サプリメントが非常に相性がいいです。

フレンチブルドッグの湿疹(膿皮症)→スキンケアECプラス、スキンケア商品(オイル&シャンプー&ローション)

フレンチブルドッグのアトピー → スキンケアECプラス&ヒーリングケアLFプラス

フレンチブルドッグの手舐め・足舐め → ヒーリングケアLFプラス

これらのスキンケア商品&サプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

シーズーのしつこい痒み皮膚病治療

2018.06.18

シーズーの痒い皮膚病として特徴的な「手舐め」「足舐め」「お腹(内股)を舐める」「首を掻く」などの症状がでやすいアトピー・アレルギー・マラセチア性皮膚炎といった皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

【症例】

 シーズー 9歳 女の子(避妊手術済)

【経過】

 〇2歳のころから続く痒み・皮膚トラブル

 〇季節性はなく1年通して痒みがある

 〇痒みは四肢端「手舐め」「足舐め」、腕を噛む、下顎~首をかく、腕をかむ、内股をなめる、脇を舐めるetc

それでは初診時の状態をみてみましょう。

まずは頚部とその拡大から。

続いて、右前肢とその拡大です。

続いて、左前肢とその拡大です。

続いて、胸です。

続いて、後肢です。

それでは初診時からわずか2週間後の状態と比較してみましょう。

初診時に薬浴と処方を行いました。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

赤み・皮脂といった見た目はほぼ改善しています。

重症部位は頚部だけでしたので、治療の差はあまり感じにくい写真比較だったと思いますが、痒み症状はほぼゼロになりました。

ペチャペチャと舐めてつづけていたのが、もうなくなったそうです。

こういったタイプはスキンケア、EC&LFのすべてが有効に作用します。

特にLFプラスは必須でしょう。

脂漏症、アトピー、舐め癖(心因性)などの皮膚トラブルのために当院が開発したスキンケア&サプリメントはオンラインショップからお買い求めいただけます。

的確な診断の上で使用いただけると非常に有効に作用します。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

再発を繰り返す細菌性膿皮症の治療と再発予防

2018.06.15

犬のブツブツ・湿疹「細菌性膿皮症」の治療および再発防止に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

犬の皮膚病で最も症例数の多い「膿皮症」ですが、シンプルなのにとても奥が深い病気です。

個人的には「人間の風邪」と同じレベルで、「治せるけど、二度とさせない方法はない」のため、いかに再発を減らすか?がポイントです。

【症例】

 ヨークシャーテリア 6歳 男の子(去勢済み)

【経過】

 〇1年前から湿疹が治らない

それでは初診時の状態をみてみましょう。

まずは内股、左の内股に2~3この湿疹が認められます。

続いて、背中です。

毛をかき分けないとわかりませんが、円形の湿疹が無数に認めらます。

約1か月後の状態を比較してみましょう。

湿疹はゼロになりました。

これだけきれいになったのは1年ぶりということだそうです。

こういった膿皮症の場合は、2つゴールを設定します。

 1つ目 「湿疹をゼロにする」

 2つ目 「再発させない」

今回はまだ1つ目ですが、治療成績向上と2つ目の再発予防のために、初診時から当院が膿皮症治療のために開発したサプリメント「スキンケアECプラス」を併用しています。

特別な基礎疾患がないことを条件にですが、繰り返す膿皮症に対してはスキンケア&サプリメントが非常に有効なため、当院が開発した膿皮症ケアセットで取り組むといいと考えています。

当院が開発したスキンケア商品とサプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。

多くの方が「スキンケア」にこだわりがちですが、一番大事なのはサプリメント「スキンケアECプラス」です。

スキンケアは起きてしまった細菌感染を早めに抑え込むには非常に大事ですが、膿皮症の原因を直接抑え込むのは限界があります。

季節(梅雨~夏)による湿疹を予防する効果はかなり高いと思いますので、季節性であればスキンケアメインでもいいかと思います。

「細菌性の膿皮症」と一言にいっても、その原因と対策は症例によってかなり異なるため、獣医師による的確な判断とアドバイスが必要です。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

アポキルが全く効かない柴犬の痒い皮膚病

2018.06.14

柴犬のアトピー・アレルギーや、アポキルが効かない難治性皮膚病の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

柴犬の痒みに対するアポキルの使用ですが、とてもよく効く、ある程度効く、わずかしか効かないとバラバラです。

今回はアポキルが全く効かないという症例報告です。

【症例】

 柴犬 2歳10か月 男の子

【経過】

 〇約1歳のころから痒みを伴う皮膚病

 〇3件の動物病院で治療も改善なし

 〇アポキルを10カ月継続するも明らかな改善なし

 〇痒みは「泣き叫ぶほど」という強い痒み

 〇夜中も散歩中でもひめいをあげるほど痒い

 〇痒いの部位は、目・鼻・手首・下顎・耳・内股

 〇アレルギー検査済

 〇食事療法継続中

それでは初診時の状態を紹介します。

見た目は非常に綺麗ですね。

これは「治療後」ではなく、当院を受診された当日の写真なので「治療前」の写真です。

初診から11日後に2回目の診察にきていただきましたが、痒みはほぼなくなりました。

なおアポキルの服用をやめても痒みのぶり返しはなく、おちろん泣き叫ぶこともなくなりました。

※治療前の時点で見た目の皮膚病変が乏しかったため、写真はありません。

このタイプの診断は初診の一瞬です。

診察室でお話して5分か10分後には確定できるタイプです

元々大した痒みではなかった?と思われるかもしれませんが、今回は過去3件の動物病院で治療して、その上で「大阪」から約3時間かけて来院されています。

それぐらい痒かったということです。

このタイプには当院のヒーリングケアLFプラスが有効です。

当院のオンラインショップからお買い求めいただけます。

的確な診断とともにご使用いただければこれほど「実感できる」有効なサプリメントはありません。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

アポキルだけでは良くならないアトピー性皮膚炎

2018.06.12

ミニチュアダックスのアトピー・アレルギー、膿皮症や脂漏症(マラセチア性皮膚炎)など難治性皮膚病の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

ミニチュアダックスフンドはブルドッグ犬種、シーズー、柴犬とはまた異なる体質で、そう簡単に重症化する体質ではありません。

ですが、ミニチュアダックスフンドには、ミニチュアダックスフンドなりのある体質があり、それを見落とすと難治性になります。

また原因が1つではなく、複数の病態が重なるとさらに治療は困難になります。

今回はそんなミニチュアダッククフンドの見落とされやすい体質以外にも難治性になる要因が複数かさなって重症化していた症例です。

【症例】

 ミニチュアダックスフンド

【経過】

 〇1年少し前に一度当院受診

 〇やや遠方のため一時治療中断

 〇再度悪化のため1年ぶりに治療再開

  〇アポキル単独投与では痒みは部分的な改善しかできない

まずは1年ぶりに来院したときの状態を紹介します。

まずはお顔から。

続いて、耳です。

続いて、下顎~頚部~前胸部です。

続いて、右前肢です。

続いて、左前肢です。

続いて、体幹ぶです。

続いて、右後肢の側面の拡大です。

続いて、胸部です。

続いて、内股~後肢です。

治療3ヶ月弱の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

部分的にまだ毛並みが整っていませんが、かなり改善したと思います。

あと半年ほどあれば毛並みの改善はもう1ランクか、2ランク改善すると被います。

今回の診断についてですが、メジャーなところからは

①アトピー性皮膚炎

②膿皮症(部分的)

③脂漏性マラセチア性皮膚炎

があげられます。

見落とされやすいのがあと3つあります。

最初のメジャー3要因であれば、アポキル・抗生物質・シャンプー・抗真菌剤などで緩和できますが、この症例はこの3要因に対する対策では改善はかなり限定されます。

あと3つのアプローチを同時にすることで痒みが落ち着き、アポキルを減らすことも十分にできます。

今回の治療アプローチには、

①スキンケア

②スキンケアECプラス

③ヒーリングケアLFプラス

の3点も入っています。

当院が開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。

ただ、この条件の皮膚病であれば、いかにスキンケア&サプリメントが理にかなっていても投薬治療なしで改善するのは困難なため、当院受診をお勧めします。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【新しい治療法】柴犬のアトピー風の脂漏症

2018.06.08

柴犬のアトピー・アレルギーなど痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

柴犬の皮膚病が重度になるとよく見かける脂漏症ですが、なかなかの難治性で当院でも苦労することがあります。

最近ですが、この脂漏症にある新しい治療を組み込んだところ、劇的に改善する症例がいるのがわかりました。

「脂漏症すべてにこの新しい治療法が効く」ではないのですが、今まで足りなかった治療のピースが揃った感じがします。

従来から言われていた脂漏の原因、治療法とはまったくかぶらない新しい病態です。

【症例】

 柴犬 10歳4か月 去勢雄

この症例は5月12日に一度ブログで紹介していますので、先に以前のブログを読んでみてください。

   【柴犬の皮膚病治療】7年間難治性を3週間で改善

この症例のさらに4週間後、初診時から7週間後の状態を紹介します。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

まずは頚部。

続いて、腹部(臍周囲)です。

続いて、内股です。

皮脂は10分の1以下、硬い皮膚は柔らかくなり、軟らかい毛が生え揃っています。

なお抗脂漏効果のあるとされるステロイドやシクロスポリンの内服は使っていません。

もちろん良くなることは十分に想定していたのですが、ここまで短期間で見違えるほど脂漏を抑えるとは思っていませんでした。

併用して行ったある治療法が奏功したのだと思います。

当院の相当数の症例の中でもここまで脂漏を押さえ込めるというのはそうないため、治療法の1つに大事なポイントがあったのだと考えています。

というのももう1頭同じような症例でうまくいっている症例がいます。

その子も数年苦戦していた脂漏が新しい治療法で見違えるようによくなってきています。

次来院するときには「確信」に変わると思います。

問題は「どう証明するか」なのですが、予測通りの治療結果がだせることと、学術的な証明はまだ別問題なので、今の医学では証明は難しそうです(涙)

あと10年、20年くらいあれば証明される日くる・・・かも?とは思います。

コピー君がいたら大学にもどって研究してみたいな、なんて思ったりします(^^;

今回の治療法方ですが、当院と診療提携している先生方には解説メールをお送りします。

アポキルでもない、シクロスポリンでもない、ステロイドでもない、スキンケアでもない脂漏症の改善方法の選択肢の1つです。

当院との診療提携を希望の方は問い合わせフォームよりご連絡ください。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【成功の秘訣】撤退せず、躊躇なく踏み込む

2018.06.07

フレンチブルドッグのアトピー・アレルギー、脂漏、舐め癖(手舐め・足舐め)など痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

医療は奥が深いです。

日々疑問が湧き出ますし、新しい発見があります。

今回の新しい発見はある改善症例から得られた発見なのですが、「もしこれが効くなら、これから他のわんちゃんの治療がもっと大変になるかも」という治療内容で、また悩みと苦労が増えた気がしています。

【症例】

 フレンチブルドッグ 約4歳 男の子(去勢済み)

【経過】

 〇発症は1歳から

 〇お腹&背中に赤い湿疹

 〇顔、四肢端、耳の痒み(季節性ない)

初診は1年以上前だったのですが、このときは抗生物質とアポキルですぐによくなりました。

それから約9ヵ月後、再発?で来院されましたので、この再発?時点を基準に紹介します。

まずは全体から。

続いて、頚部とその拡大です。

続いて、前胸部とその拡大です。

続いて、右前腕とその部分的な拡大です。

続いて、左前肢とその部分的な拡大です。

続いて、腹部とその拡大です。

]

この初診時から約6ヵ月後の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

頚部の皮膚炎、腕の皮膚炎、四肢端の痒み、お腹の湿疹・・・フレンチブルドッグのこのタイプの皮膚病は非常に多いです。

見た目の第一印象では典型的なタイプの1つにみえたので、いつものアプローチで2~3ヶ月で十分綺麗になると判断していました。

が、結果的には6ヶ月もかかってしまいました。

当院で6ヶ月というのは異例な長さで、正直にいうと苦戦しました。

ただ、診断と治療方針は初診時から一切変更せず、改善が十分でない途中の診察でも「(初診時の)診断は撤回しない」と何度もアピールしてました(笑)

撤回しない診断はというと、「心因性掻痒症」です。

もちろん心因性だけでこの全身の皮膚病の説明はできないため、心因性の解説の前に心因性以外の診断名を列挙しておきます。

診断①アトピー性皮膚炎

診断②膿皮症

診断③食物有害反応

診断④脂漏性皮膚炎

そして、最後の診断⑤が「心因性掻痒症」です。

この心因性、当院ではかなりの症例数と治療実績数があるため、自信をもってアプローチしたのですが、治療の序盤の結果はかんばしくありませんでした。

6ヵ月かけて徐々によくなったというのではなく、月1回の再診のたびに投薬治療内容を見直しつづけ、ようやく明らかに改善したのは最後の1ヶ月でした。

※もちろんアポキルは最初から1日1回でスタートしていますが、この腕~手先、足先の皮膚炎はアポキルでまったく改善しませんでした。

その微調整とは「投薬量の変更」なのですが、なんと最初に処方したときの3.5倍量です。

たしかに最初の投薬量はかなり少なめで、一般的な教科書に掲載されている量の最下限よりわずかに下回る量でした。

ただ、その最下限以下で処方したにも理由があり、その量で効果を示す症例も稀ではないくらい普通にいるのです。

体質によって薬の合う合わないということがあるのと、多い量より少なく効くにこしたことはないので、少なめから処方したのですが、初回の投薬内容ではまったく改善が認められませんでした。

そこで増量、薬の種類変更・・・と序所に変化を加えてみたのですが、どれもスッキリせず平行線。

最終的には3.5倍量まで増やしたときに、急によくなりました。

3.5倍量で劇的に改善するのではれば、2.5倍量でもそれなりに・・・せめて半分くらい効いてくれてもよさそうなのですが、2.5倍量ではまったく改善しませんでした。

飼主さまには「スイマセン・・・適量にたどりつくまで随分時間がかかってしまいました。よくここまで信じて通院してくださってありがとうございます。」とお伝えいたしました。

結果的には心因性の診断はあっていましたし、治療結果もよかったのですが、今後の悩みも増えます。

教科書に掲載されている推奨量は1~2の範囲であり、今回のような3以上の投薬量というのは一般的な投薬範囲を超えています。

ただ今回の結果から心因性の治療に必要な投薬量は1~3.5まで範囲があるかもしれない、ともいえます。

効果のある投薬量はわんちゃん次第で、2でまったく効かなくて3以上に増やせば効く症例がいるということであれば、少なめからの投薬治療であれば効果が出るのに相当なステップを踏まなければいけません。

高用量からの処方は副作用の観点から避けねばいけませんし、かといって低用量で処方して改善がなければ「効かない薬」や「心因性が原因ではない」という烙印を押されかねないため心因性のアプローチはますます難しくなります。

ここをどう解決するか、アプローチ開始時点で丁寧なインフォームドをして、こまめに再診を設定して増量していくことくらいでしょうか。

当院のように遠方からの来院が多い場合はまた悩みが増えてしまいました(涙)

参考までに今回のわんちゃんの心因性は腕~肢端のみで、その他の部位は心因性との関係はありません。

現に心因性のお薬を増量していく5ヶ月までに湿疹は完全に消失して再発すらなくなっていましたし、頚部~胸部の皮膚炎と脂漏症は90%改善していました。

心因性の治療だけでこの全身の皮膚炎が改善するわけではないので、総合的なアプローチが重要です。

また、こういった膿皮症、アトピー、脂漏、心因性があるわんちゃんにはスキンケア&サプリメントも非常に重要なアプローチになります。

当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求めいただめます。

今回の症例でもそうですが、投薬治療があってこそのスキンケア&サプリメントです。

将来的な体質ケア、お薬の減量、再発防止のためのアプローチになりますので、適切な皮膚科医療とともにご利用ください。

当院では皮膚科のない動物病院開業の獣医師向けに、今回紹介したような複雑な病態を示す難治性皮膚疾患の的確なアプローチの仕方について、実際の症例を交えたプライベートセミナーを行っています。

皮膚科診療について詳しくお知りになりたい方は問い合わフォームからご連絡ください。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【トイプードル】アトピー&脂漏&脱毛&心因性

2018.06.05

トイプードルに多くみられるアロペシアX(毛周期停止)、アトピー・アレルギー、癖やストレスなど精神的な要因を含ん心因性の痒い皮膚病治療に力をいれている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

トイプードルは皮膚病が多いわけではないと思うのですが、トイプードルがゆえの遺伝的体質から難治性の皮膚病になってしまうことがあります。

「難治性」と一言にいっても色々とあるのですが、本当の意味で治りが悪いことはほとんどありません。

多くは典型的な体質のため、1つずつ的確なアプローチをしていくと非常に綺麗に改善します。

「よくならない」ということで当院を受診する飼主さまから過去の治療歴を伺うと、このアプローチで躓く「陥りやすいポイント」が見えてきます。

〇アポキル

 アポキルを使って痒みが止まらないと次の選択肢がない

〇抗生物質

 抗生物質で改善が認められないときに「ずっと同じものを服用し続ける」「効かないため抗生物質を処方しない」「抗生物質を変更しつづける」

〇食事療法

 食物アレルギーを疑い魚、ポテト、動物性蛋白なし、アミノ酸系・・・・色々試す

こういった点は陥りがちなポイントで、迷走する原因になります。

アポキルが効かないときはアポキルが効く痒みとは異なる痒み原因へのアプローチを考えるとうまくいきます。

抗生物質が効かないときは「抗生物質が効く病変なのか再検討」「抗生物質が効くのか検査」「そもそも菌が増える理由はどこにあるのか?」を考えていくとうまくいきます。

食事療法は「そもそも食物アレルギーなのか?」から考えていく必要があります。

要するに皮膚病が治らない原因は1つではなく複数、同時にすべてへのアプローチがそろわないと改善しないこともあります。

今回紹介する症例は、そんなわずかなズレの積み重ねでよって難治性になっていた症例です。

【症例】

 トイプードル 4歳半 男の子

【経過】

 〇4ヶ月前から皮膚トラブル(痒み&脱毛)

 〇手舐め、足舐め、口唇をかく、繰り返す背中の湿疹

それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは顔の正面。

続いて、口唇(左)です。

続いて、右側。

続いて、頚部です。

続いて、胸部とその拡大です。

続いて、腹部です。

続いて、背中とその拡大です。

続いて、側面とその拡大です。

初診時から約3ヵ月後の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

非常に綺麗に改善しました。

改善点①毛並み

全体的に薄毛でしたが、フワフワの状態にもどっています。

トイプードルの薄毛ではアロペシアX(毛周期停止)か、その他のホルモン異常かいくつかありますので各種検査が必要です。

時に難しい判断になる検査結果となり悩むことはありますが、それなりのアプローチ方法がありますので改善の余地は高いと考えています。

改善点②湿疹

特に薄毛の部分(胴体)に全体的に認められた湿疹(膿皮症)ですが、抗生物質をやめてもほぼコントロールできています。

※現在初診から半年以上経過しましたが、湿疹の再発はほぼなし

改善点③脂漏

口唇、四肢を中心に「かひ」を認めましたが、綺麗な状態を保っています。

改善点④手舐め・足舐め・痒み

基本はアトピーでいいのですが、アトピー単独であれば過去のシクロスポリンやステロイドで十分に緩和できていたはずです。

改善できなかった理由は心因性なのですが、心因性だけで痒かったわけではないため、アトピー対策と心因性対策の両方を行えばバランスが取れます。

しつこい手舐め・足舐めは心因性へのアプローチにより改善しました。

トイプードルは他の犬種に比較して薬の反応が非常にいいタイプの子が多いので、アプローチ方法さえ間違わなければかなりの確率で治療成績がよくなります。

トイプードルの皮膚病治療でお困りの方は当院を受診してみてください。

なお今回のトイプードルのアトピー、脂漏、心因性、湿疹には当院が開発したスキンケア&サプリメントは非常に効果的です。

当院が開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。

脱毛はスキンケア&サプリメントでは改善せず、アトピー・脂漏・湿疹の治療成績にも関わりますので、必ず適切な投薬治療を併用しましょう。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

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