2021.01.16
アトピー・アレルギーなど痒い皮膚病の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はイタリアン・グレーハウンド(通称イタグレ)の皮膚病治療です。
特徴的な見た目で有名なイタグレですが、数が多くないのでトイプードル・チワワ・ダックス・柴などの犬種と異なり、そう頻繁に診ることはないかもしれません。
ただ、このイタグレですが皮膚が弱いです。
「アポキルが効かない」という主訴をよく聞きます。
アトピー?
アレルギー?
体質?
イタグレの皮膚が弱い根本的な理由がわかっていれば治療は簡単です。
今日はそんな症例報告です。
【症例】
イタリアングレーハウンド
【経過】
〇痒い(掻く、噛む)
〇アポキルを毎日飲んでもすっきり治らない
それでは初診時の状態です。
ここから治療後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
結果は劇的です。
何が違うかわかりますか?
大事なのは、
毛並み
です。
モコモコ&フワフワです。
飼主さまも「こんなのみたことない」と衝撃を受けていました。
イタグレって毛が少なくで、地肌が見えるのが普通だと思われているのですが・・・
本当は、
「それ、病気です」
なんですね。
治療しなければ命に関わるではないとは思うのですが、皮膚が弱い原因になります。
「毛並みがよくなる=皮膚コンディションがよくなる」
なので、治療の価値は高いです。
問題なのはこのイタグレの毛並みの異常が、「イタグレはこんなもの(正常)」と勘違いされていることです。
僕も3年前までそう思っていました(反省)。
理由は簡単、「教科書に掲載されていない」からですね。
治療法がないどころか、病名もないので「病気として認識されていない」という状態です。
今は違います。
診た瞬間に「治せる」と確信できる判断力と治療法があります。
イタリアングレーハウンドだけではなく、その他のハウンド系・ピンシャー系も同様なので、もしお困りの方がいれば当院までご相談ください。
投稿者:
2020.03.18
痒みを伴う犬の皮膚病治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
アポキルを毎日服用しているのに痒い(掻く・舐める・齧る・嚙む・こする)症状が改善しないときにどうすればいいのか?と悩んでいる飼主さまも多いのではないでしょうか。
今回はそんな症例報告です。
【症例】
3歳 ジャックラッセルテリア
【経過】
〇1年前から全身が痒い
〇アポキルを毎日服用しても「少しマシ」という程度
〇掻きむしる、かじる、噛む、こするなど症状が強い
それでは初診時の状です。
続いて、頚部です。
続いて、右前腕のやや内側と外側からの2枚です。
続いて、胸部と腹部の2枚です。
最後に、右後肢の外側です。
この初診時から3か月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
続いて、胸部と腹部の2枚です。
当院に来院するまではアポキルを毎日服用していても「痒い!」という状態でしたが、3か月後には「1週間以上服用していないけど特別痒くない」というレベルまで改善しました。
もちろん掻きむしることはほぼありません。
この症例には標準医療ではアプローチできない原因が2つ隠れています。
アポキルは非常にいいお薬ですが、すべての掻痒を抑えるわけではありません。
医療にエビデンスは非常に重要かと思いますが、すべてが検査で分かるわけではありませんし、未知の疾患もあるため、エビデンスがなくても「安全性高く劇的に改善させる」という形も医療の1つかと思っています。
なんとか今年中に世界に向けて発表したいと思います。
※提携病院には詳細な症例報告を配布しています。
投稿者:
2019.11.15
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はトイプードルの症例です。
【症例】
トイプードル 5歳 男の子(去勢手術未)
【経過】
〇3年前から季節性のない皮膚炎
〇体全体に脱毛、痒みあり
〇手足をよく舐めている
それでは、初診時の状態です。
まずは、体の正面です。
顔の左側です。
脇~前胸です。
体の右側面と拡大です。
右後肢の大腿部です。
それでは、初診時から約2ヶ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
今回の症例ですが、トイプードルの治りにくい皮膚病として非常に多いタイプです。
治療で重要なキーワードは「脂漏症」と「免疫」です。
アトピーという枠組みも間違いではないのですが、アトピーを中心に置くと治療がうまくいきません。
もし仮にアトピーとして考えると、治療は「アポキル」になるのですが、アポキルではこのタイプはかなり苦戦します。
もちろんアポキルを間違いというものではなく、ある程度改善も認められると思うのですが、「アポキルだけでは治らない」という意味でアトピーを治療の中心に置くのはよくないということです。
脂漏症に対してはもちろんスキンケアが必要不可欠です。
また免疫にはスキンケアECプラスが非常におすすめですが、今回の症例は少しだけ手先の舐め癖があったのでヒーリングケアLFプラスを採用しました。
このタイプにはスキンケア&サプリメントだけでは改善しないので投薬治療は必須です。
積極的な投薬治療を併用することでかなり短期間で改善し、サプリメントの体質改善によって必要な投薬量も現在は初期の半分量で維持できています。
適切な診断と投薬治療があれば当院のスキンケア&サプリメントが非常に役立つ典型的な症例だったと思います。
当院が開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
投稿者:
2019.05.31
フレンチブルドッグに多い「アポキル・ステロイドが効かない」手舐め・足舐めといった痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
フレンチブルドッグの皮膚病の原因と言えば「アトピー・アレルギー」がよく知られていて、アレルギー対策としてアレルゲンを避けた食事療法や、ステロイド・アポキルといった痒み止めの内服治療薬が一般的ですが、これらの治療でよくならないフレンチブルドッグも多くいます。
今日はそんな「痒み止めが効かない手舐め・足舐めのフレンチブルドッグ」の症例です。
【症例】
約2歳 フレンチブルドッグ 男の子
【経過】
〇1歳のころから続く痒み
〇手・足先をよくなめるため、エリカラを外すことができない
〇顔も全体的に赤く、掻いたりこすったりしている
それでは初診時の状態、まずは正面から。
続いて、前肢端とその指間・足裏の拡大です。
続いて、後肢端とその拡大です。
慢性的な舐め癖によって毛が茶色に染まっているため一部分かりにくいところがあるかもしれませんが、舐める程度は「10→2」レベルまで改善しました。
アポキル・ステロイドといった痒み止めが劇的に改善につながる「痒くて舐める」もありますが、「舐める=痒い」とは限らないため、改善がない場合は痒い以外の原因を探さなくてはいけません。
手舐め・足舐めの原因は一概に1つだけではなく、多くは複合的な要因で起きているため、アプローチを痒み止め(アポキルやステロイド)一辺倒では不十分なこともあります。
特にフレンチでは心因性(性格)による舐め動作が強く出やすい傾向にあるため、心因性のアプローチを併用しなければうまくいかないケースが多くあります。
当院でフレンチブルドッグの治療成績が高い理由の1つはこの心因性のアプローチが奏功しているためだと考えています。
その他に考慮すべき原因として「アレルギー」についてよく聞かれますが、環境アレルゲンに対する反応はあれど食物アレルギーはほとんどないため、食生活からのアレルゲン回避の努力はほとんど改善につながらないと考えています。
※稀に食物アレルギーもありますので、アレルゲン回避でよくなる場合があるかもしれませんが、当院ではアレルゲン回避だけで改善した症例はこの5年は経験していません。
今回のアトピーがあったため、アポキルを併用しつつですが、心因性の投薬治療を行って改善させました。
ある程度改善したら減薬のためにもサプリメントの併用していくと治療成績が高くなります。
当院ではこういった痒い以外の舐め癖にサプリメント「パーソナルケアPⅡ+」を開発しました。
一般的なサプリメントと異なり長期的な使用が必要ですが、根本的に解決しにくい性格・気質からくる舐め癖には非常に有用だと考えています。
また、こういった症例にはスキンケアも非常に重要となります。
スキンケア単独で舐め癖が改善するのは難しいのですが、スキンケアが不十分であると治るものも治りません。
ピントが足裏の皮膚にあわなかったため、比較画像では採用していませんが、足裏の奥に皮脂が多く付着したままの状態であれば投薬治療がどれだけ適切でも痒み改善は難しいです。
こういったシャンプーでは取り除きにくい皮脂汚れには当院のMedicareクレンジングイルが非常に効果的です。
犬の皮膚病治療のために開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
投稿者:
2019.04.26
パピヨンの痒みを伴うアトピー・アレルギー・心因性の皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
パピヨンは湿疹・脂漏症の体質がひどくでないため、あまり難治性というイメージはないのですが、小型犬ゆえに「心因性」というのが起きやすく、アトピーと心因性が同時にあると難治性になる傾向があります。
【症例】
パピヨン 2歳半 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇1歳前から皮膚コンディション&毛並みが悪い
〇1歳くらいから全体的に脂っぽい体質になり、痒み発症
〇顔・耳・お腹を掻く、手先をなめる、膝~スネを噛む
それでは初診時の状態をみてみましょう。
続いて、頚部です。
続いて、胸部です。
続いて、身体の右側面です。
続いて、右後足の側面です。
それでは初診時から2か月半後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
掻く・舐める・齧る・嚙むといった痒み症状はすべて消失しました。
毛並み全体がべたっと脂漏症になっていましたが、サラサラの毛並みに戻りました。
また齧り過ぎて毛がなくなっていた部分(右後足・外側)もきれいな毛並みがもどってきています。
こういった症例はアポキルやプレドニゾロンでは十分な改善に至らないため、積極的な心因性アプローチがお勧めです。
投薬治療もそうですが、ヒーリングケアLFプラスを併用することで少ないお薬で高い効果を導き出すことが期待できます。
長期続けることでお薬を減らすことも診察ではできているので、サプリメントを併用しながら治療するのがベターです。
また脂漏症にはクレンジング&シャンプーといったスキンケアも非常にいいのですが、根本的な体質改善にはサプリメント「スキンケアECプラス」が非常にいいです。
今回のパピヨンの症例には、
・クレンジングオイル
・シャンプー
・モイストクレンジングオイルジェル
・スキンケアECプラス(アトピー&脂漏体質の改善)
・ヒーリングケアLFプラス(心因性対策)
の5点を使っています。
投薬治療も併用していますが、一般的な痒み治療薬であるアポキルは3日に1回レベルで十分コントロールできています。
犬の皮膚病治療のために開発したスキンケアおよびサプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
こういった心因性にはヒーリングケアLFプラス、パーソナルケアPⅡ+のどちらかがお勧めですが、パピヨンで軽症であればヒーリングケアLFプラスがいいかと考えています。
柴犬・フレンチブルドッグ・シーズーはパーソナルケアPⅡ+をお勧めしています。
投稿者:
2019.04.22
シーズーの手舐め・足舐め・内股舐めなど痒みを伴う皮膚炎治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
手をしつこく舐める、足を舐めだしたら止まらない、暇があると内股を舐める・・・など「舐める」という症状が強くでる皮膚病があります。
アポキルやステロイド、食事療法、アレルギー治療などでの改善が難しく、今の皮膚科では難治性として扱われています。
特にシーズーに多く診らえる傾向があります。
今日はそんな症例です。
【症例】
キャバリア×マルチーズMIX 4歳 男の子(去勢済み)
※シーズーではないのですが、遺伝的体質がほぼシーズーに近いためこのカテゴリに分類しています。
【経過】
〇1年前から手を舐める&噛む、毛をひっぱる
〇2ヵ月前からは後足や内股までなめるようになった
〇季節性はない
〇アポキルを1日2回服用しても効果がない
〇食事療法併用しているが、改善しない
それでは初診時の状態です。
続いて、口唇(右側)です。
続いて、前肢端です。
続いて、前腕です。
※皮膚炎があるのは腕の曲がる部位(屈曲部)です。
その拡大です。
続いて、内股~後肢です。
それでは初診時から5週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
非常に綺麗になりました。
口唇、腕、四肢端、内股の痒みはほぼゼロに近いです。
当院でもアポキルを併用しましたが、1日2回ではなく1日1回と少ない量で使っています。
ポイントを列挙します。
①アポキルは効くのか?効かないのか?
②よく見るアトピーや脂漏性マラセチア性皮膚炎と何が違うのか?
③食事療法は適切か?
④アポキル以外に必要な投薬治療は何か?
これらを初診時に同時に判定することが5週間で改善させるポイントです。
投薬治療があることが最も確実な治療プランですが、治療内容にスキンケア&サプリメントは非常に重要になっています。
当院が開発したスキンケア商品のMedicareシリーズと、サプリメントPlusシリーズが非常に相性があうと思います。
特にクレンジングオイル&シャンプー、スキンケアECプラス&パーソナルケアPⅡ+がお勧めです。
当院のオンラインショップでお買い求めいただけます。
当院では獣医師向けにプライベートセミナーを開催しています。
今回の症例のようなアポキルが効かない舐め癖に対する診断・治療法についての詳細な解説を行います。
ご興味のある方は当院までお問い合わせください。
投稿者:
2019.03.31
アポキルが効かない柴犬のアトピー・アレルギーなどの痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
柴犬の皮膚病治療は難しいですね。
「難しい」と一言にしても色々意味があって、
①掻く・舐める・嚙むの原因、皮膚炎の原因がわからない(診断できない)
②柴犬が治療を受け入れてくれない
③治療方針に対して、飼主の理解が得られにくい
④体質に合う薬・体質改善方法がわからない
などがあります。
今回は柴犬の難治性が色々詰まった症例です。
【症例】2272
柴犬
【経過】
〇アポキルが効かない
〇ステロイドが効かない
〇ずっと掻いている
〇食事療法で改善しない
まずは初診時の状態です。
まずは顔から。
続いて、左胸部(脇)を側面からみたところです。
それでは治療後の状態と比較してみましょう。
非常に綺麗になりました。
見た目の重症度が高くないためBefare&Afterでみれば一瞬にみえますが、実際は相当苦労しました。
まずは①原因がわからない(診断できない)についてから。
もちろん当院で原因がわからないということはほとんどなくて、「検査でわかる原因はない」と言った方が適切かと思います。
このタイプは診た瞬間に治療方針はわかるのですが、実はありとあらゆる検査をしても痒みの原因と考えられる異常な検査結果が1つもでないのです。
原因というには不足ですが、局所にわずかなマラセチア・細菌が検出される程度です。
柴犬の皮膚病治療が難しい理由の1つはこれ、「原因が特定しにくい」です。
ただ、検査結果で異常がでないのはいつものことで、想定の範囲内です。
続いて②柴犬が治療を受け付けないについてお話します。
根本的な解決ではないのですが、このタイプにはスキンケア&局所療法をすることが痒みの緩和にそこそこ効果的なのです。
しかし柴犬は特徴的な性格が原因で、このスキンケアや局所療法が難しいことがあります。
診察のたびに局所ケアを提案しましたが、飼主さまがケガをするレベルなので結局不可能でした。
続いて③飼主さまの理解を得られないについて。
これは僕のインフォームドに未熟なところがあったかもしれませんが、「検査で異常所見がない」というのは飼主さまにとっては理解しにくいことかと思います。
「病院でしっかり検査したら、原因が見つかって、答え(治療法)がわかる」
これは病院を受診する飼主さまに潜在している期待レベルで、当然のことかと思います。
ただこれには獣医師とのギャップがあり、医療提供する側からしたら「それならどんな獣医師も困らない」という想いで診ています。
検査して原因が分かって、治療法がわかるものならどの病院でも検査を勧めますし、おそらく病院を変える必要はなくなります。
ただ、異常所見がないからこそ「治療は〇〇と〇〇」というのがあるのですが、そこに飼主さまとのギャップがあると治療が進まないということがあります。
良くも悪くも検査結果に異常があれば「〇〇だから治療は〇〇」とスムーズに進みますが、検査で証明できない治療方針には「本当にそうなのか?その治療方針が効果的なのか?」という疑問は信頼関係でしか払拭できません。
今回はこの③に非常に時間がかかりました。
答えとして、今回の症例には
〇痒みを止める ⇒ アポキルやステロイド
〇局所ケア ⇒ 不可能
〇性格 ⇒ 心因性アプローチ
〇体質改善 ⇒ 免疫サプリメント
〇有害物質の排除 ⇒ 食事療法
特に下3つが「同時に」必要だったのですが、まさにこの3つが「検査結果で異常がでない」ところで伝わりにくいというのがネックでした。
例えば、食事療法です。
「食べないかもしれない」
「(過去によくなっていないのに)本当によくなるのか?」
「高い食事を勧められる」
不安要素はたくさんあると思います。
続いて心因性アプローチです。
「掻いているのに痒みではない?」
「心因性の薬に不安がある」
想定外の診断治療が提案されると心配になるのは当然かと思います。
最後は「体質改善のサプリメント」です。
「何がどう体質なのか?」
「サプリメントは気休めでは?」
アポキルやステロイドですら効かない皮膚炎にサプリメントが有効と考えるのは確かに伝わりにくいかもしれませんね。
何より大事なのは「全部同時にすること」です。
複数の治療方針の中から「〇〇はするけど、△△は治らなかったら考える」というように、複数の中から1つ選ぶというスタンスで臨むと治療は失敗します。
原因を1つでも残すとうまくいきません。
実は今回の治療症例は明らかに改善するにの3カ月以上かかったのですが、時間がかかったのはこういった理由がありました。
初診時にしっかり検査させていただいて以降はほとんど追加検査はなく、毎回の診察で丁寧に丁寧にお話しさせて理解を得ることができました。
まとめです。
柴犬の掻く・舐める・嚙むといった痒み症状の原因の多くは検査でみつけることはできません。
検査で異常がでないということは、治療法がかなり限定されます(痒み止めのアポキルやステロイド)。
そのためアポキルやステロイドが効かなければ今の標準医療ではかなり難治性という判断になりやすいです。
ただ、柴犬には遺伝的な体質・性格があるため、アプローチ方法はたくさんあります。
だからこそ、一つ一つ的確な対応をすれば「劇的に」改善します。
それは「検査」ではなく「経験」です。
投薬治療が必須ですが、こういった症例には当院のスキンケア&サプリメントが非常に有効です。
特にスキンケアECプラスと、まもなく発売されるパーソナルケアPⅡ+はかなり相性がいいと思います。
当院のオンラインショップでお買い求めできますので、「適切な医療とともに」ご使用いただければと思います。
医療にわずかでもズレがあれば改善しないのも事実のため、柴犬の皮膚病でお悩みの方は当院受診をご検討ください。
柴犬の皮膚病の多くはメール&写真で対応する遠隔診療(2回目以降)でも十分高い治療成績が期待できます。
投稿者:
2019.03.02
柴犬のアトピー・アレルギーなど痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
数年前から比較すると柴犬の来院が増えたように思います。
もちろんシーズー、フレンチブルドッグもまだまだ多く減っているわけではないのですが、柴犬のわんちゃんの転院の方が多くなってきた印象です。
これは痒み止めの治療薬「アポキル」の影響で、シーズーやフレンチブルドッグに比較して柴犬にアポキルが効きにくいことが原因だと思います。
シーズーとフレンチブルドッグの軽度皮膚炎であればアポキル単独でなんとか緩和させることができる症例もいるからです。
もちろん柴犬でも軽度であればアポキル単独でコントロール可能なんですが、アポキルが効かない原因を持っている柴犬はシーズーとフレンチブルドッグより多いと思います。
この点に関して、改善した柴犬の飼主さまからも「どうして今まで治らなかったのか?」と聞かれますが、答えは簡単です。
「柴犬だから」
です。
医学的に解説すると「柴犬の皮膚病の原因は検査で判明しない。だから今の皮膚科医療ではよくならない。」になると思います。
今日の症例はそんな「検査では何も異常が見つからないけど、柴犬の体質に合った治療をすると劇的に改善する柴犬」です。
【症例】
柴犬 約9歳 女の子(不妊手術済)
【経過】
〇子犬のころにニキビダニ
〇3歳までは一切皮膚トラブルなし
〇5歳くらいから皮膚病
〇この4年間季節性はなく1年通じてずっと皮膚が悪い
〇ステロイドで多少緩和できるがすっきりよくならない
〇分子量の低いアレルギー対応食事療法継続するもよくならない
〇痒みは「腹部を掻く&噛む&舐める」「口唇を掻く」「四肢端(指間・足裏)を舐める」「耳を掻く」
それでは初診時の状態です。
まずは正面と顔です。
続いて、前胸部と上腕です。
続いて胸部~臍~内股です。
続いて、腹部の側面(右から)です。
初診時から約6週間後の状態と比較してみましょう。
口唇だけでなく、目の周りの綺麗になっているのがわかると思います。
痒み止め「アポキル」も併用しましたが、6週間後の時点で「頓服で服用」となりました。
この柴犬のポイントは4つ、
①アトピーが悪化する要因(アポキルが効かない要因)に対する治療
②食事が体質に合っていない
③心因性
④スキンケア
です。
この4つの共通項は「検査でいい・悪いがわからない」であり、教科書通りの治療では確かに改善しにくいです。
逆に言うと「柴犬の体質をよく理解すれば非常に簡単」で、一定の病気を除外すれば初診時にほぼ治療方針は確定可能です。
投稿者:
2019.03.01
柴犬のアトピー・アレルギーなど痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
柴犬の症例は非常に多いですね。
キーワードは「柴犬」「痒い」「掻く」「舐める」「アポキルが効かない(ステロイドが効かない)」です。
今回の症例も「3年間綺麗になったことがない」「アポキル1日2回服用しても効果がない」「ステロイドも効果なし」という症例です。
以前にも紹介していますので、以前の記事も参考にしてください。
2019.11.23 アポキルとステロイドが効かない柴犬の皮膚病治療の実際
2019.12.23 アポキルとステロイドが効かない柴犬の皮膚病治療の実際②
【症例】
柴犬 約10歳 女の子(不妊手術済)
【経過】
〇~5、6歳までは異常なし
〇3年前から続く皮膚病
〇アポキル(1日2回)効果なし、ステロイド効果なし
〇食事療法効果なし
〇掻き壊し防止のために洋服を着せている
それでは初診時の状態です。
まずは正面から。
続いて、頚部とその拡大です。
続いて、前胸部~上腕と上腕の拡大です。
続いて、右側面とその拡大です。
続いて、胸部です。
続いて腹部です。
それでは初診時からちょうど3か月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
アポキルは一時的に併用しましたが、治療2ヵ月の時点で週1回以下までへり、3か月後の時点では「ずっとアポキルを服用していないけど、痒みはない」というレベルまで改善しました。
皮膚炎・フケ・脂漏・円形脱毛はすべて改善しました。
治療方針は初診時に決定してから軽度な変更すらなく、順調そのものでした。
わずかな予測違いとあげるとすれば膿皮症の治療経過です。
抗生物質を使わずとも自然のよくなるかと期待して「あえて抗生物質なし」で治療していましたが、最後の最後に内股のだけに湿疹が残ったためやむを得ず使いました。
それ以外は特に問題なしですね。
このタイプの皮膚病治療には投薬治療が必須です。
もちろん投薬治療だけでうまくいくわけではなく、脂漏症には当院が開発したスキンケア(オイル&シャンプー&保湿ジェル)が非常に相性がいいと思います。
またアトピー&脂漏症と膿皮症の体質改善のためにスキンケアECプラスが必須で、アポキルをここまで減らすことができたのは投薬治療以外にも免疫の改善(スキンケアECプラス)がとても役に立ったと思います。
このタイプの遺伝的体質の評価は確定できるため、当院の治療方針に沿っていれば2度と悪い状態に戻ることはありません。
膿皮症や脂漏症の改善に必要なスキンケア・サプリメントは当院のオンラインショップでお求めいただけます。
投稿者:
2019.02.09
柴犬のアトピー・アレルギーなどの痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
柴犬の痒い皮膚病といてばアトピー、特に春~夏の悪化(冬はよくなる)というパターンのアトピーが多い傾向にありますね。
ただ中には通年性で、「たしかに冬はマシになるけど、冬でも痒い!」という柴犬もめずらしくありません。
季節性が強く、冬に改善する柴犬ほどアポキルがよくきき、通年性の痒みを出す柴犬ほどアポキルが効かない傾向もあります。
そのため当院では「1年通して痒みがでる&アポキルが効かない柴犬をどう治すか?」がテーマとなっています。
【症例】
柴犬 2歳 女の子(不妊手術済)
【経過】
〇1歳になる前から口唇・鼻・お腹・四肢の痒み
〇季節性はなく1年通して発症
それでは初診時の状態です。
まずは全体から。
続いて、顔の右側です。
続いて、右耳の外側(尾側)です。
続いて、右前腕です。
続いて、胸部です。
続いて、腹部です。
続いて、右前腕の外側です。
それでは初診時から3か月後の状態と比較してみましょう。
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劇的によくなり、毛並みもフワフワになりました。
痒みのコントロールも十分できており、アポキルを使っているものの、服用頻度は2日に1回で十分な効き目です。
柴犬には柴犬なりの治療方針があり、「柴犬の痒み=アポキル」ではないところがポイントです。
そして柴犬=アレルギーでもありません。
確かにアレルギー風の赤みにみえなくもありませんが、アレルギーという視点からアプローチすると大事なことを見落としてしまうので「アレルギー」と思わないことが非常に大事だと思います。
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