2018.11.23
柴犬のアトピー・アレルギーなどの痒い皮膚病の中でも難治性で、アポキル・ステロイドが効果を示さないタイプの皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
柴犬の痒い皮膚病に対してアポキルを使って改善しないとき・・・次の手がないのが今の皮膚科の問題点です。
こういったときには食事療法・・・?
個人的にではありますが、食事療法単独で改善する柴犬には出会った記憶がなく、おやつの制限もほぼ行いません。
では、最近流行りのスキンケア・・・?
スキンケアなくして改善はありませんが、スキンケアで改善する柴犬を診た記憶もありません。
柴犬には柴犬の遺伝的特性を十分に把握しなければ難しいことがあります。
今日はそんな「柴犬の特性を知っていればわかりやすく」「柴犬の特性を知らなければまったくわからない」という典型的な皮膚病のわんちゃんを紹介します。
【症例】
柴犬 推定10歳越え 避妊雌
【経過】
〇約5歳からの皮膚病
〇通年性
〇抗生物質長期間併用
〇アポキル1日2回のあと1日1回を1カ月継続するも効果がなく、ステロイドへ切り替え
〇低分子化したたんぱく質による食事療法
〇心因性を疑ってサプリ&内服するも効果なし
〇傷防止のために洋服を常に着ている
それでは初診時の状態を紹介します。
まずは全体から。
続いて頚部とその拡大です。
続いて前胸部と、右前腕の拡大です。
続いて、右側面と湿疹の拡大です。
続いて、胸部~腹部です。
教科書的な分類であれば、
①膿皮症 ⇒ 抗生物質
②食物アレルギー ⇒ 低アレルギー食事療法
③アトピー ⇒ アポキルなどの抗アレルギー系投薬
④こまめなシャンプー
になると思います。
もちろん「糸状菌」「寄生虫疾患」「甲状腺機能低下症」といった基本的なところの除外は大事です。
また皮膚の腫瘍、自己免疫性疾患などの特殊で稀な皮膚病は、ないとはいえないものの見た目&経過で除きます。
仮にもしこの①~④であれば・・・おそらく過去の治療で改善したはずです。
当院では各種検査を行い、検査結果もまちますが、治療方針は初診時の診た瞬間にほぼ決定します。
①に対しては「使わなくてもいいかも」
②については「悪化の要因になっているため即変更」
③については「多少の痒み緩和が期待できるので併用」
④については「重要だが、足りないことがあるので追加」
そしてなにより①~④にはないものを2つ足すことが重要です。
大事なことは「足りない2つを気づくこと」と「検査結果を待たずに初診時の一瞬で気づけること」と思います。
このタイプは「検査して原因がわかるものではない」です。
先日初診に来院されたばかりなので、またどこかで経過をお伝えします。
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2018.12.23 アポキルとステロイドが効かない柴犬の皮膚病治療の実際②
2019.3.1 アポキルとステロイドが効かない柴犬の皮膚病治療の実際③
投稿者:
2018.11.09
非常にめずらしいグルメブログです。
当院には遠方から通院される方も多いので時々聞かれるのが「お昼にどこかおすすめのお店ありますか?」です。
そこでダントツお勧めなのが、
〒458-0830 愛知県名古屋市緑区姥子山2丁目611
TEL052‐693‐8601
回転すしとしてはめずらしく、チェーン店ではないです。
100円ではありませんが、いまどき大手チェーンで1貫189円のお皿があることを考えたら活き活き丸さんの寿司は安くて美味しい!です。
シンプルな握りもネタが大きく、新鮮でおいしいのですが、最大の特徴は大将のオリジナルメニューのおいしさです。
僕の一番のお勧めは、「マグロホホ肉の炙り」
大将オリジナルの特製たれが絶妙で最高です。
これを食べるために行くといっても過言ではないです。
1皿400円なのでおかわりはできませんが、お勧めです。
※ないときもあるそうです。
続いて美味しいのが、「本マグロカルビ巻」
ボリューム満点、これで250円(ランチ価格)はお得ですね!
あとはからあげ、しょうゆ味と塩味ありますが、これまた大将のオリジナルの漬け込みでおいしい!
僕の定番メニューですが、「イワシのなめろう」「磯3貫」「穴子1本焼」「揚げ出し玉子」もいいですね。
ランチタイムにいけば2000円いかずにお腹いっぱいです。
ランチにしてはプチ贅沢ですが、その代わり日常のお昼はセブンイレブンの「バナナ&枝豆」のみ、なんと273円です。
時にバナナ1本105円だけということもあります!
本当は節約というより減量のためにバナナ&枝豆をはじめたのですが、昼ご飯がまったく楽しくないわりに全然痩せないので、週1回の気分転換に寿司を食べてるんですよね・・・
当院受診の帰り道にお寿司をたべたくなったら名古屋市緑区の活き活き丸さんを利用してみてください。
きっとやみつきです♪
投稿者:
2018.10.24
犬の皮膚病治療に力をいれている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
皮膚に関する問題で、1~2年前くらいから疑問に思っていたことがありました。
それは犬にとっては無症状で、飼主さまから問題視されたこともないことで、正直気にしている人は獣医師含めていないのでは?と思うくらいです。
おそらく飼主だけでなく、獣医師も正常の範囲内(個性)と考えている人の方が多いです。
もちろんずっと昔からあったもので、個人的にもそれまでの獣医師人生(15年間)で気になったことはありませんでした。
しかし今は違います。
それが「なぜそうなっているのか」、「どうしたら変えることができるのか」・・・ずっと考えています。
頭の中では「もしかしたら〇〇〇を使ったらよくなるのでは?」と想像することはあったのですが、実際の症例でそれを試すことは難しかったので躊躇していました。
※〇〇〇は別の病気の治療薬
そんなある日、本来の目的で〇〇〇を処方するわんちゃんが来ました。
そしてその数か月後・・・
飼主さま 「すっごくよくなってびっくり!こんなこと初めて!」
とおっしゃっていただけました。
頭に上記の件がフッと浮かんで、もしかしたら昔にアレがあったのでは?と思い、「昔の写真残っていませんか?」と尋ねてみたところ・・・
やっぱり!
そう、昔からずっとあったあることがきれいに治っていたのです。
この1年の中で最大の発見です!
治るということは、元々あったのは病気だったということです。
飼主さまも「これが普通だと思ってました・・・」とおっしゃっていましたが、今まで正常の範囲内と思っていたことが実は病気だった・・・医療の「あるある」ですね。
まだまだ詰めていかなければいけないこともあるのですが、今後の治療の選択肢の一つになると思います。
投稿者:
2018.08.18
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
お盆あけて急に涼しくなりましたね。
夜は非常に涼しく、虫の音も聞こえてまるで秋のよう!?
特別涼しいのか、それともずっと暑かった1カ月半の相対的涼しさでいつもの夏なのか・・・わかりません。
さて、タイトルにもあるように今日も遠隔診療のお話しです。
来週ですが、山口県まで往診に伺うことになりました。
飼主さまとの出会いは当院のオンラインショップで、ずっと以前から膿皮症があったそうなのですが、2年前から当院のスキンケアECプラスを開始してからほぼ完全に出なくなったそうです。
ただアポキルを服用しているのに手舐め・足舐めだけがどうしても改善しないということで、当院の遠隔診療にお申込みいただいています。
簡単に言うと「心因性」の可能性が高いですね。
チワワということで心因性以外の併発もあるかもしれないのですが、診たら一発でわかるので診にいってきます。
ほぼ結論はでているのですが、「直接診る」に意味があるのが遠隔診療です。
今月のその他の予定としては、明日京都の動物病院でセミナー、再来週に北海道往診がまっています。
呼んでいただけるというのは本当にうれしいので、ご期待にこたえられるようにがんばります♪
膿皮症に関してはスキンケア&サプリメント(特にECプラス)で改善しやすいのでお勧めです。
投稿者:
2018.08.10
夏になると悪化しやすいフレンチブルドッグの膿皮症・アトピー・手舐めの治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今年の夏は暑いですね。
ブルドッグ犬種は気温・湿度での悪化がありますので、この時期上手に乗り切りたいところですね。
【症例】
フレンチブルドッグ 1歳5ヶ月 男の子
【経過】
〇半年前から全身の湿疹が消えない
〇顔の痒み、手を舐める
それでは初診時の状態です。
それでは初診時から4週間後の状態と比較してみましょう。
非常に綺麗になりました。
湿疹はなく、顔の皺の皮膚炎もなく、手舐め・足舐めもほぼありません。
体質的には再発しやすいため、こういった症例では再発予防のためにスキンケア&サプリメントが非常に有効です。
身体の湿疹(膿皮症) → スキンケアECプラス
アトピーの体質改善 → スキンケアECプラス
手舐め・足舐めの改善 → ヒーリングケアLFプラス
顔の皺のケア → Medicareローション
全身のスキンケア →Medicareオイル&シャンプー&ジェル
当院のオンラインショップからお買い求めいただけます。
適切な診断・医療とともに併用いただければ非常に効果的と思います。
1点注意があります。
食べているドッグフードが合っていないといつまでたっても治りません。
「よかれ」と思って、「アレルギー検査の結果をみて選んだ食事」に限って皮膚病の原因になっていることが圧倒的に多いので注意が必要です。
診断(アレルギー検査)が合っているのであれば、その食事療法で劇的に改善しているはずです。
治っていないということは、診断(検査結果)そのものに皮膚病との関連がないと考えてもいいと思います。
投稿者:
2018.06.28
投稿者:
2018.06.19
犬の皮膚病治療の体質改善に力を入れてサプリメントを開発している皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
当院では犬の膿皮症の治療・再発予防、アトピーの緩和、脂漏性マラセチア性皮膚炎といった慢性皮膚病の体質改善に力をいれており、過去の「閃き」からスキンケアECプラスを開発しました。
あれからもう3年半経ちましたが、「皮膚病を治したい」という想いで今でも継続してよりよいサプリメント開発の試行錯誤を重ねています。
過去にも乳酸菌の種類を増やすというリリューアルを行ったのですが、今年も大きなリリューアルを行いました。
スキンケアECプラスには現在3種類の乳酸菌を入れていますが、前回リリューアル時に追加した乳酸菌の数を3倍に増やしました。
そして繊維質として採用していた「夕顔果実末」を「アップルファイバー」に変更しました。
この2点の変更により色調が「白に近いベージュ」から、「カフェオレ色」に変わっています。
一部のわんちゃんに不評だった?嗜好性も、アップルファイバーのおかげでよくなりました。
高級乳酸菌を3倍量に増やしたので製造コストがそれなりにUPしましたが、お届けできる価格を変更しなくてすむように大量発注でカバーしています。
そして病院内がダンボールの山になってます(^^;
客観的に分析してもすごくいいサプリメントに仕上げることができているものなので、僕個人も毎日かかさず服用しています。
リリューアルついでにもう3件報告です。
【ホームページリリューアル】
当院のHPをリリューアルします。
最新情報に切り替えるのと、みやすくします。
【オンラインショップリリューアル】
商品数が増えたので、選びやすく、見やすくします。
【新スキンケア商品 Medicareモイストクレンジングオイルジェル】
6月末に納品予定で、オンラインショップリリューアル時に掲載予定です。
How To動画を製作中なので、完成したらこちらでも紹介させていただきます。
この1点の企画・開発に2年以上、動画製作に100時間以上費やしているので完成が楽しみです。
きっとみなさまのお役に立てると思います。
この3つの仕事に区切りがついたら次は学術活動に力を入れる予定です!
投稿者:
2018.06.16
投稿者:
2018.06.02
犬の皮膚病治療におけるスキンケアに力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
犬の皮膚病におけるスキンケアとしては「シャンプー療法」が知られており、マラセチアや脂漏症などフケが多いわんちゃんには週2回のシャンプー奨められたりしていますが、シャンプーの種類やその回数だけで改善が見込める症例は多くありません。
やはりシャンプーだけにこだわるのではなく、「スキンケア」としてアプローチするのがいいと思います。
そこで当院ではシャンプー前のクレンジングとして「クレンジングオイル」を使いシャンプー療法の精度を高め、局所のデイリーケアとして「ローション」で湿疹のケアなどができるようにしてスキンケアを推奨してきました。
ただ、このスキンケアは主に湿疹タイプの膿皮症向けに開発しており、脂漏症のわんちゃんには皮脂へのなじみが不十分でやや不向きであることは実感していました。
そこで数年かけて新しく開発したのが・・・
※これは容器&印刷のイメージのための写真です。
モイストクレンジングオイルジェルです。
平成30年4月16日のブログ記事 「保湿・抗炎症・クレンジング 犬の新しいスキンケア商品」で紹介しました。
実はまだ納品前で実商品がなく処方はできませんが、試作品を通院中のわんちゃんで使ってみましたので、その経過を報告します。
【症例】
シーズー
【経過】
〇現在2週間に1回院内薬浴実施を継続中
〇アポキル継続投薬中(今回のオイルジェル使用の前後での投薬変更なし)
〇診断名はシーズーに典型的な脂漏性マラセチア性皮膚炎(硬いフケが大量にでる脂漏症)
〇脂漏の程度は過去最高クラスの「極度に強い脂漏症」
※この写真撮影の1週間前に院内薬浴を実施しています。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
少し分かりにくいかと思いますので、毛をカットしてみましょう。
シーズーの脂漏症に多い、硬いフケを伴う脂漏が認められます。
今回はシャンプー工程を含んだ「院内薬浴」ではなく、新しいオイルジェルだけを使ってみました。
ジェルでなじませて約5分後の状態です。
皮脂がふやけて浮いてきたのがわかります。
この皮脂をコットンできれいにふき取ります。
皮脂を浮かすために揉み込んだ影響でやや赤くなっているように見えますが、これは異常ではありません。
この後、自宅では従来どおりシャンプー・外用薬などの使用はせず、いつものと変わらない条件で過ごしていただきました。
前回の院内薬浴から2週間後(ジェルの処置から1週間後)の状態をみてみましょう。
毛が伸びてきていますが、脂漏(皮脂・フケ)が少ないことがわかるかと思います。
今回はたった1回だけの処置しかできませんでしたが、この商品はシャンプーをしない日のデイリーケアとして開発しているため、もし毎日塗布を続ければもっと良くなっていたと思います!
このわんちゃんはシーズーの脂漏症が多い当院でも3%の上位に入る強い脂漏症体質をもっている症例のため、この症例の1回だけの処置でここまで改善したことを評価すると、かなり期待できる商品だと思います。
※治療内容の変更はしていません。純粋に「2週間間隔の院内薬浴の中間時点でオイルジェルを1回使った」だけです。
みているみなさまに勘違いしてほしくないのは、「脂漏症がジェルで改善する」「シャンプーよりジェルがいい」ということではありません。
ここまで硬い皮脂とフケがでる脂漏症であれば他の部位(腕・わき・頚部)の脂漏を考えても、2週間に1回のシャンプーより週1回全身のオイル&シャンプーで皮脂をしっかり取ることを優先した方がいいです。
そしてオイル&シャンプーのあとにジェルを塗布して、その後も継続して毎日ジェルを塗布するというのがよりベターです。
また投薬治療と院内薬浴よりスキンケアが効果があるという意味でもなく、あくまで「毎日のスキンケアを足すと改善効果が高まる」という意味です。
今までの犬の皮膚科のデイリースキンケアと異なる点の一つは「基材」です。
すでにクリームや乳液タイプの保湿剤がデイリースキンケアとして販売されていますが、このクリームや乳液の保湿剤は脂漏症のわんちゃんにはあまりフィットしません。
そこで試行錯誤で行き着いたのがオイルベースのスキンケア商品、「脂漏症にオイルを塗布する?」と疑問に思われるかもしれませんが、皮脂に馴染むクレンジング効果と保湿効果が同時に得られるため、デイリーケアとしては最適です。
乾燥タイプのフケがでる皮膚コンディションの保湿としても使え、シャンプー直後のドライ前であれば被毛が長いわんちゃんでも馴染みやすいため、全身塗布に使えます。
オイルベースということでべたつきを心配される方もいるかもしれませんが、シャンプー後のドライで皮膚になじむように開発したため、べたつくことはありません。
気をつけていただきたいのは、脂漏症が強くわんちゃんで被毛が長い状態で塗布すると皮脂が毛に絡んで大変になります。
局所の集中スキンケアのためには、今回のように毛をバリカンでカットする必要があります。
毛が長いわんちゃんではシャンプー後(ドライ前)の保湿として馴染ませるのがベターでしょう。
またスキンケア方法としてYoutubeに動画をUPする予定なので、完成したら紹介します。
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