2018.04.04
痒みを伴う皮膚病治療のみを行う皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
1ヶ月前からまた新しいことにチャレンジしていたところ、いい結果が出たので報告します。
約1ヶ月前のことですが、当院オンラインショップを通じてある動物病院の先生から当院のサプリメントにご興味をもっていただき、メールで簡単な情報交換をする機会を得ることができました。
痒みを伴うトイプードルのわんちゃんの治療で困っていて、食物アレルギー対策としてアミノペプチドフォーミュラと、痒み対策としてアポキルを1日1回服用するもいい改善が認められないということで、当院から痒み改善のために必要な治療プランを立てさせていただくことにしました。
幸いそのトイプードルのわんちゃんは、その動物病院の院長先生が飼育しているトイプードルちゃんということで、大きな病気の除外はできていますし、改善の評価も的確にできるということで、当院の治療方針の良し悪しの判定にはうってつけともいえました。
ここで治療の条件を列挙します。
・面識のない動物病院の院長先生 → お世辞などはなく、客観的にかつ最も厳しい目線で評価していただけます
・遠方の動物病院 → もちろん僕がこの目で実際に診ることはありません
・すでにアポキル1日1回と、アミノペプチドフォーミュラを食べています。(その前はZ/ D) → 今の皮膚科医療で考えられるベストに近い組み合わせです。
・痒みは四肢端の手足舐めを中心に、口唇や目や体幹などあちこち → アポキルと食事療法で改善がなければお手上げになりがちな「あるある」です。
加えて
・1ヵ月後にその動物病院にご挨拶に伺う約束をしたため、それまでに改善させるのが目標
・もちろんメールでの情報だけで狂いなく改善までの道筋をつくらなければいけません
という条件です。
あとはメールで簡単な情報をお聞きして、写真をおくっていただき、こちらから治療方針をメールでお伝えしました。
そしてご挨拶に伺ったのが今日・・・・
もちろん十分すぎるほど劇的に改善したということです。
※1ヶ月も必要なく、2週間の時点で十分に改善していたのをメールでお聞きしていたので予測通りの順調さでした。
今回のチャレンジには院長先生と、ケアの担当の看護師さんの2人で取り組んでいただいたのですが、「だまされたと思ってやってみることにしたらビックリ」という評価で、うれしいやら複雑やら・・・ですね(笑)
まぁ、おどろきのアプローチでびっくりするのも致し方ないと思います。
どうしてこのアプローチなのか、どう考えたのかなどと色々質問をいただきまして・・・・
なんと、その動物病院と当院で皮膚科の診療提携を結ぶことになりました!!
僕よりはるかに年上の先生で、どこの馬の骨ともわからない僕のお話を聞いてくれるのか?と不安でしたが、「結果(改善)がすべて。同じ獣医師だから、年齢は関係ないよ」とおしゃっていただけました。
近いうちにプライベートセミナーで当院の治療方針を共有することができればと思います。
またご紹介したいと思います。
※診療提携
スキンケア商品、サプリメント、治療方針などを当院と共有する新しい医療サービスです。
ご希望の方はご説明に伺いますので、ご連絡いただけると幸いです。
今後、提携動物病院が増えると制限を行う予定ですのでご興味のある方はお早めにご連絡ください。
投稿者:
2018.03.26
投稿者:
2018.03.14
投稿者:
2018.02.20
アトピー・アレルギーなど犬の痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
つい先日「アポキルが効かないとき」という内容でブログを書きましたが、結論としては
「心因性」 「食物有害反応」 「内分泌疾患」
の3つの診断精度をあげていくこと、としました。
もちろんその他にもたくさんあるのは事実ですが、今の動物皮膚科診療で圧倒的に不足しているのがこの3つです。
不足の根拠は当院への症例の分析で、この3点で無治療ないし治療のズレがある症例が圧倒的だからです。
ペット医療とはいえ、がん治療、透析、心臓外科・・・などこれほど医療が進んでいるにも関わらず、なぜこの3点に不足があるのでしょうか?
理由はとても簡単です。
①目に見えない
皮膚にできる出来物などを異なり、大きさ・形の異常がないため、わかりづらいのは事実です。
※目でわかる毛並みの異常もあるため、全部が見えないわけではないです。
②数値化できない
心因性は数値化できません。血液検査もできません。
食物有害反応も数値ができませんし、検査もありません。
③モノで治せない
医療機器では絶対に治りません。
④情報が足りない
教科書に書いていない、誰も教えてくれない
おそらくですが、血液検査で数値化さえできれば、また超音波や内視鏡のようなもので見えれば、またレーザーなどの医療機器で治せるものであれば、瞬く間に周知されてどこでも的確な診断&治療にが可能になると思います。
では当院ではどうしているのか?
まずは心因性からお話してみたいと思います。
・・・・・・・・・・・長くなるのでまた時間あるときにまとめます(笑)
とりあえずですが、もしわんちゃんの痒みが精神的、心因性、ストレス?などの原因を疑う場合は当院のヒーリングケアLFプラスをお勧めします。
写真をクリックすると専用のオンラインショップに移動することができます。
当院ではこれなしでは診療が成り立ちません。
投稿者:
2018.02.17
投稿者:
2018.02.13
投稿者:
2017.12.28
痒みを伴う犬の皮膚病治療を専門的に行う皮膚科動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今年のドクターXも人気でしたね~。
「失敗しないので」といえるように・・・・・の前に、年末恒例の反省会です
前回のブログで第1回反省会を開催しましたが、今晩も第2回反省会です。
普段成功症例しか掲載していませんが、反省すべき症例がないわけではありません。
最近も「あぁ、なぜあのときこれができなかったのか」と反省した症例がありました。
それは2年位まえから通院しているトイプードルの症例です。
2年間ずっと改善していないわけではなく、ある程度の改善効果をだしつつ、治療内容の微調整をしていました。
そして2ヶ月くらい前から心因性に対するある治療を追加したところ、今までになく改善が認められました。
約2年前の初診時の診断と、現在の診断・治療方針が異なるわけではないので、「もっと前からこれをやっていれば・・・」というのはなくはありません。
では初診時にその心因性のアプローチが思いつかなかったのか?というと、そうではないのです。
実は、初診時の時点で「心因性あり」判断して、初期治療の中に今回処方した投薬治療は入っていました
ただ、約2年前は期待した効果を出すことができず、飼主さまからの評価もかんばしくなく(あまりよくならない)、処方から一旦撤回となったのです。
そしてそれから1年以上経過して、「やっぱりもう1度」となって再処方するという流れでした。
上記の通り、治療結果は良好で飼主さまからも「よくなっている」と評価をしていただけました。
さて、ここで問題です。
なぜ初期治療のときに効果がでず、今効果がでているのか?
やはりそこは「パズルのピース」と一緒です。
1つのピースの位置が正しくても、周りのピースが間違っていると完成しないのがパズルです。
皮膚病の投薬治療も同じくで、選択したお薬(ピース)が正しくても併用している薬(周りのピース)にズレがあるとまったく治療成績がでないことがあります。
このわんちゃんでも同様でした。
1年以上前に処方したときに併用していた治療内容にわずかなズレがあったがゆえ、期待した結果がでなかったのだと思います。
そして、そこから微調整を重ねた今だからこそ、フィットしてよい結果につながったのだと思います。
今日も足りない隙間を埋めるピースをはめる微調整をしましたので、来年の再診が楽しみです。
心因性の治療はタイミングが大事です。
心因性の痒みだけが浮き出るような前治療を行ってからピンポイントで追加治療しなければ純粋な評価ができません。
その処方のタイミング、事前準備が難しいのです。
さらに、効果を引き出すための適切な投薬量がわんちゃんによってまったく違うので、薬用量に相当悩みます。
悩んでも適切な投薬量がわかるわけではないので、結局段階的に増やすしかないのですが、少ない量で効果がでなくても撤回しないことが重要です。
①心因性の診断をして、②薬(心因性)の処方にも関わらず、③効果なしであっても撤回せず、④薬の増量に向かう。
当たり前のようで、実はこの④が難しいのです。
④を選択して改善したらまぁいいのですが、改善しなければ「ヤブ」と怒られても仕方のない状況です。
ただ、大事なのは④で改善がなくても心因性の撤回は絶対にしません。
なぜなら記の症例のように効果がなくても、あとから再度「やっぱり処方します」で改善するケースもあるためです。
もちろんこの精度をあげていくのが診療なのですが、毎回パーフェクトなわけではありません。
心因性は本当に難しいですね。
来年は治療の「一旦撤回」、「再開」がないように精度をあげていきたいと思います。
また、この心因性の治療成績をあげるために、新しい改良版「ヒーリングケアLFプラス」を来年から登場させる予定です。
予定は1月中に以下のオンラインショップに登録する予定です。
投稿者:
2017.12.25
メリークリスマス♪
痒い皮膚病治療を専門に行う皮膚科動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今年もいよいよカウントダウンであと7日、診療日はあと1日半で終了です。
イブの夜は年賀状の住所書きで日付をまたぎ、25日クリスマスは反省会です。
さて、今年もあとわずかですので、毎年恒例のとしている1年の振り返りとして反省会を開きたいと思います。
今年の反省もいつもどおり、「十分な治療成績がでていない症例」からはじめなければいけません。
複数頭いるのですが、その筆頭が「3年前から治療継続しているフレンチブルドッグ」の症例です。
ただ、3年前から治っていないわけではありません。
3年前の初診時はたしか約3ヶ月で随分とよくなり、その後も年単位で徐々によくなって今年を過ごしていたところ・・・・・・夏ごろから急にコントロール不能になりました。
初期治療にもどっても改善が認められず、あれこれやってもうまくいかないため、苦肉の策で「ステロイド」を併用したところスッキリ改善・・・・「これでいいとは思わない」と伝えつつステロイドを減らすことにしました。
ところが今日、「ステロイド減らしたらやっぱり痒みが強くなった!」というので受診してもらったところ、確かに全身真っ赤!!
ここ数ヶ月で顕微鏡検査、培養検査、血液検査、食事変更・・・・・思いつくことを色々やったあとなので頭の中ではほぼ追い詰められた状態でした。
「再びステロイドか?」
と思いましたが、
「フレンチにステロイドを使っている症例がどれだけいる?これだけフレブルがいても、ステロイド使っている症例が1例もいないにも関わらずいまさらステロイドか?」
と考え直し、
「何か見落としているのかもしれない」
と、何度も行った顕微鏡検査から再検査することにしました。
すると・・・
いた!!
・・・・・・・寄生(ダニ)でした。
いいわけですが、今までもなんども探したんです(^^;
ただ、このダニは見つかりにくいのが特徴です。
良くも悪くも、ステロイドを使ったことにより増えて、見つかったのかもしれません。
年間200頭近くの皮膚疾患をみていますが、継続治療中にダニをもらったわんちゃんははじめてみました。
決して起こらないことではないのですが、なにせ稀なので盲点でした。
それでも基本に忠実に検査を繰り返したのでよかったです。
普段は「診断は一瞬」といい、経験を積むことで瞬間的な判断を重視していますが、いつになっても初心・基本を忘れてはいけないな、と改めて思いました。
また時間があるときに1年の振り返り第2弾を書きたいと思います。
投稿者:
2017.12.03
痒みを伴う皮膚炎・皮膚病治療に力をいれている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
さて、12月に入り街の雰囲気も随分かわりましたね。
当院もクリスマスモードに飾り付けてみました。
普段飾りっ気のない病院ですが、この時期限定です。
近況報告です。
12月10日に東京都品川区で開催する皮膚科診療ですが、定員に達したため受付終了としました。
東京での遠隔診療に限らずですが、当院を受診されるわんちゃんの半分以上の子が「アポキルを服用してもよくならない」という状況で来院しています。
来週末開催の品川での皮膚科診療でも半数のわんちゃんが「アポキル服用中でもかゆい」という状態です。
うまくいくかはやってみないとわかりませんが、アポキルが効かないときにはいくつか定番のパターンがあります。
「アポキルが効かない」ではなくて、「アポキルではない」と考えることができればまた違うアプローチが生まれます。
木を見て森を見ずにならない診療が大切です。
今回も静岡市あん動物病院の大石先生と一緒に診させていただきます。
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