2019.10.18
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はシーズーの症例です。
【症例】
シーズー 2歳3ヶ月 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇半年前から続く皮膚炎
〇抗生物質の投与を行ったが改善しなかった
〇腹部、後肢、足先を舐める、耳を掻く
〇エリザベスカラー着用
それでは、初診時の状態です。
まずは、体の正面です。
右腕の内側です。
右の手先です。
左の足先です。
胸~脇、腹部です。
胸~脇、腹部の拡大です。
内股~後肢です。
それでは、初診時から約2週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
全体的に赤みが引き、フケも無くなりました。
以前は人がいない時ずっと手を舐めていたようですが、だいぶ落ち着いたそうです。
このような症例には当院が開発したスキンケアとサプリメントが非常に有効です。
当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。
投稿者:
2019.10.13
犬の皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
3年前にアポキルが発売されて以来、犬の痒み疾患には「とりあえずアポキル」という流れが強くなっています。
非常に安全性が高いので特に大きな問題はありませんが、「アポキルで痒みが治らない」という皮膚病症例はかなり多くいます。
というのも当院を受診されるわんちゃんの8~9割が「アポキルを服用しているのによくならない」とお話されます。
ここで重要なのは「本当に痒いのか?」という視点です。
犬の掻痒行動には「掻く」「舐める」「噛む(かじる)」といった症状がありますが、すべてが「痒み」に対する症状ではないこともあります。
ヒトでも「皮めくり症」という病気があるように、かならずしも痒みからきているわけではない皮膚疾患もあります。
簡単にいうと「癖」という枠に入る「行動学的特徴」ですね。
犬でも「癖」によって掻いたり、かじったり、舐めたり・・・というのはよくあります。
今回の症例はそんな「痒いわけではなくて癖でかじってしまう症例」です。
【症例】
マルチーズ 女の子
それではちょうど一番悪化している状態の写真を紹介します。

症状がでているのは写真右半分(左前腕)、左腕の外側ですね。
常にかじっているため毛が伸びず、ちぎれているため短い状態になっています。
明らかに心因性を疑う所見で、アポキルを使っても全く改善しません。
抗不安作用のある向精神薬を服用することである程度緩和もあるのですが、十分な改善ではなくぶりかえしたりもします。
一般的に「ストレス?」と言われる心因性ですが、必ずしもストレスとは限りませんので「癖」としてアプローチする方がいいこともあります。
そこでこの症例には今年の春に開発した「パーソナルケアPⅡ+」を併用することにしました。

パーソナルケアPⅡ+を併用してからは治療成績が明らかに向上しています。
しかも抗不安薬を完全に中止してもほとんどぶり返さなくなっています。(治ったという表現ではないです)
明らかに「癖」のスイッチが入らなくなって落ち着いているという状態です。
症例によって原因や性格・気質はさまざまで、場合によっては不安を取り除く向精神薬が必要であったりするため一概にいえませんが、心因性=抗ストレス&抗不安というものではないと考えています。
やはりわんちゃんの性格・気質にあったアプローチがあり、投薬治療も大事にしつつ「サプリメント」というのは投薬治療ではできないより根本的な対策の1つではないかと考えています。
今の皮膚科医療では癖は「癖だから(治療対象ではない=治らない=仕方ない)」で終わってしまう傾向があるかと思いますが、「癖が起きる病気」として捉えてアプローチすることで1つ2つ上の治療成績を出すことができます。
まだまだ一般的な治療ではない分野ですが、当院ではわんちゃんの生まれつきの性格・気質を的確に診断し、積極的な治療プランを提案しています。
その1つが「パーソナルケアPⅡ+」です。
パーソナルケアPⅡ+は短期的な効果が期待できるサプリメントではないため、最低半年以上(できれば数年)かけて継続をお勧めしています。
特に気難しい柴犬、個性的な子が多いブルドッグ犬種、シーズーには非常にお勧めです。
当院のオンラインショップでお買い求めいただけます。
投稿者:
2019.10.08
犬の皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
当院の皮膚科診療提携に関するお知らせです。
今回新たに滋賀県栗東市の「こにし動物クリニック」で皮膚科診療に取り組むことになりました。
すでに当院の皮膚科に関するセミナー、診療見学、薬浴実技などの研修プログラムをスタートしています。
今後は定期的にこにし動物クリニックでセミナー・訪問診療を開催しながら、継続治療のサポートを行います。
滋賀県にお住いで、犬の皮膚病にお困りの飼主さまはぜひこにし動物クリニックへご相談ください。
なお獣医師が多く在籍しており、皮膚科担当獣医師の診療は通常診療枠とは異なる時間帯での完全予約制となりますので、受診前にお電話にてご予約ください。
※通常時間に来院された皮膚科症例は、皮膚科担当獣医師以外の獣医師が担当します。
またご予約された方には当院で写真を用いた事前の皮膚科相談にも対応しております。
診療提携病院データ
こにし動物クリニック
【住所】
〒520-3047
滋賀県栗東市手原3-7-15
TEL077⁻554⁻6666
【オフィシャルHP】
投稿者:
2019.08.10
犬の皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
当院では犬の皮膚病における正しい食事療法、スキンケア(シャンプー療法)やサプリメントでの体質改善に力を入れています。
特にその効果を実感できるのが「膿皮症」なのですが、今の皮膚科の標準医療とどう違うのかお話してみようと思います。
今の皮膚科の膿皮症に対する基本の治療方針は「抗生物質+シャンプー」で、決して間違いではないのですが、「抗生物質を使うと治る」のですが「やめると再発する」というのがよくあります。
抗生物質は確かに膿皮症を改善させますが、「再発する=抗生物質は膿皮症の原因を治していない」ということなのがわかります。
比較して当院では膿皮症に対してどうアプローチするか?
もちそん原因はさまざまなのでその状況によってかわりますが、「膿皮症の原因に直接アプローチする」という視点をもっています。
その1つが「正しい食事療法」と「スキンケア&サプリメント」です。
今の皮膚科における食事療法といと、新規たんぱく質・加水分解たんぱく質・アミノ酸系フードといった低アレルゲン食事療法というものです。
山のような種類があるため、色々チャレンジして体質に合うものを探す・・・やってみないとわからないというのが今の皮膚科なのですが、実は違います。
正解ってあるんです。
もちろん「間違った食事療法」もあります。
「やってみないとわからない」ではなく「今日から辞めた方がいい」「今日から変えたらよくなる」という正解に近づく食事療法があります。
実は、先日のブログでも紹介した「獣医師向けの講演会」でもこのことを少し取り上げてお話させていただいたんですね。
具体的には、
・食事療法といっても色々あり、標準治療(今の皮膚科の基本)では「やってみないとわからない」となっているが実はそうではない
・食事療法で、「こうやったら今より上手くいく」「これはやめた方がいい」という正解、不正解がある
・実際に、問診時に「食べている食事を当てる」こともできる・・・滅多にやりませんが。
・診極めができれば膿皮症を抗生物質を使わずに、スキンケア&サプリメントで治す&再発させないことも可能
というお話をしました。
そして、講演から3日後・・・
ある先生と食事する機会があったのですが、そのとき
「皮膚触るだけで食べてるものがわかるってホント?うさん臭くない?」
っていわれました・・・(^^;
いや、だれもそんなこと言ってないのに・・・伝聞って怖いなって思いました。
が、今日はそんな胡散臭さを吹き飛ばす症例報告です。
繰り返す膿皮症を、「抗生物質を使わず、正解の食事療法&スキンケア&サプリメントだけで治す」を再び証明しますね。
【症例】
グレートピレニーズ
【経過】
〇1年前から膿皮症が治らない
それでは初診時の状態です。


正真正銘の膿皮症ですね。
この初診時に、
・今の食事療法は間違ってます
・正しい食事療法を今日から始めましょう
・抗生物質は出しません
・処方するのはサプリメント(スキンケアECプラス1日2包)と、スキンケア商品だけ
というアプローチを行いました。
初診時からわずか1週間後の状態をみてみましょう。

湿疹はゼロになりました。
※写真の撮影方向が異なりすいません。
標準医療では「正しい食事療法」は存在しないことになっていますが、本当は存在します。
そしてスキンケア&サプリメントでの体質改善も十分可能です。
もう1度シンプルにお伝えします。
・よかれと思って選んだ食事療法が間違っていることがある
・間違った食事療法も存在するし、より正解の食事療法が分かることもある
・膿皮症を抗生物質を使わずにスキンケア&サプリメントだけで再発させないことも可能
・その症例を初診時に診極めることもできる
です。
先日初診で来院したわんちゃんでも同じことをやってみました。
・診断は「膿皮症」である
・抗生物質で完全に消失する
・抗生物質を辞めたら1週間もたたずにぶり返した
この症例に、「せっかくだから抗生物質使わずに、食事療法&スキンケア&サプリメントだけでやってみましょうか」と提案してやってみることになりました。
10中8,9上手くいくので大丈夫でしょう。
またこの8月にUPしますね。
もちろんスキンケア&サプリメントは当院のMedicareシリーズとスキンケアECプラスです。
以下のオンラインショップからお求めいただけます。
投稿者:
2019.07.26
犬の皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
以前にUPした記事の続きです。
初回の記事で、5~10症例集めて発表ということを書きました。
最初の症例の改善を確認してからは、積極的にこの新しい治療を提供しており、多くの治療結果がでています。
もちろんどんな症例にも効果があるわけではないのですが、診極めさえできればその精度はかなり高いようです。
今回の症例です。
まずはこの新しい治療薬を開始する前の状態です。



この状態から新しい治療法を加え、約7週間後の状態をみてみましょう。



歴然ですね!
元々アポキルを1日1回服用していても痒みがのこっていましたが、現在は2日に1回でも痒みはほとんどないというコンディションの良さです。
もうこのわんちゃんを診始めて5年ですが、恥ずかしながら過去最高のコンディションです。
恥ずかしながらというのは、今までも改善していた(しかもブログ紹介もしたことがある)んですが、「実はもっといい治療があった」ということです。
もちろん以前も劇的によくなった(今回ほどではない)のですが、なんとその数か月後にぶり返したんですね。
また治療再開で再びよくなったのですが、なんと2回目のぶり返し・・・
劇的に改善するけど、3~4か月後に再燃するということを2回繰り返した時点で治療の方向性に微調整を加えることにしました。
もちろん今の皮膚科の標準治療には一切ない治療法なので、「仮説ですが!」と前置きして治療スタートです。
ただ個人的には「確信あり」でアプローチしてますので、今後も「いける」と思った症例は外さないと思います。
ブログではずっと以前から伝えていることですが、「教科書では治らない」というのは本当に多くあると思います。
10年前にはアポキルというお薬がでるなんて誰も予想できなかったことと同じように、今後も今わかっていない新しい治療法はきっとでてきます。
それが今回の治療法だと思います。
そう、「答えは想定外にあり」ですね。
これは人生のキーワードの一つになっているのですが、自分の将来は今の想定外でありたいなと日々思っています。
実際、5年前にできなかったことが今できるようになっています。
なので、きっと5年後は今できていない想定外の治療ができる自分になっていたいなと思います。
投稿者:
2019.07.22
犬の皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
以前にUPした記事の続きです。
前回紹介した症例と似ていますが、異なる症例です。
「この症例もアレだな、〇〇〇でいけるはず」と判断して治療開始した症例です。
【症例】
柴犬 避妊メス
まずは頚部です。

続いて、頚部の拡大です。

続いて、胸部です。

もちろんこの時点でも「アポキルを毎日服用しているにも関わらず痒い」という状態です。
ここからある治療を加えます。

続いて胸部です。

完治と言う表現はできませんが、見た目でかなりよくなっているのが伝わると思います。
柴犬でこのタイプの皮膚病はよくあるのですが、一般的には「アトピー・アレルギーだからアポキル&食事療法」となりがちなタイプです。
しかし本当にそれだけでコントロールできているか?といえば、おそらく異なると思います。
当院にはこういった「アポキル&食事療法で治らない」という柴犬がたくさん来院されていますが、当院ではこのタイプの柴犬の治療成績はかなり高いです。
理由ですが、このタイプには特殊な治療が必要で当院ではそのメインとなる治療法を把握していますが、今の皮膚科で考えられている標準医療ではまったくカバーできていないためです。
当院では検査・治療におけるエビデンス(標準医療)を大事にしならがも、まだ知られていない皮膚トラブルにもフォーカスをあてて「治療実績を優先させる」という取り組みを行っています。
柴犬の痒い皮膚病で、アポキルが効かない、食事療法で改善しないという皮膚病で悩んでいる飼主様はぜひ一度当院を受診してください。
遠方にお住まいで継続治療が難しい場合でも、メール&写真でお薬を発送する遠隔診療で対応できる場合もあります。
投稿者:
2019.07.14
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
初診の予約についてのお知らせです。
当院の皮膚科診療は完全予約制で、特に初診は説明に時間がかかるため、原則として十分な時間が確保できている時間帯(12時スタート予定)で受けています。
※1週間以内で空きがあれば12時以外の時間帯でも対応できますので、ご予約時にご相談ください。
現在の予約状況ですが、6月から初診が増えている影響で、初診の予約が取りづらくなっています。
特に土曜日は時に1カ月以上まちになることがあるため、平日に時間が取れない方は早めのご予約をお勧めします。
【遠隔診療】
東京・神奈川・埼玉・千葉・静岡・長野・京都・大阪・兵庫など遠方から来院される方には継続治療の選択肢として遠隔診療(メール&写真)がございます。
症例によって適応しない場合がありますので診察時にご相談ください。
【7~8月の診療時間案内】
夏季休診:8月11日(日)~16日(金)
日曜診療:7/21、7/28、8/18、8/25
※9月以降の日曜診療は原則月1回となります。
投稿者:
2019.07.07
アトピー・アレルギーなど柴犬の痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
梅雨に入り皮膚トラブルが増えてきましたね。
先日、印象的な診察(初診)がありましたので、ブログにしてみることにしました。
症例は柴犬で、アポキルも効かないし、痒くて仕方がないというよくある症状なのですが、見た目は非常に綺麗な柴犬でした。
一見綺麗な柴犬だからこそですが、一目みてお話聞きながらすぐに診断がつくほどわかりやすいタイプです。
(検査は何一つしていませんが)僕は頭の中で診断名を用意しながら、飼主さまに「原因はなんだと思いますか?」と質問してみました。
すると、
「私、〇〇〇〇〇だと思います。」
おおっ!正解です!
飼主さまもかかりつけの先生にその相談をされていたようなのですが、そこから先に進まなかったようでアポキルなど一般的な投薬治療以外の具体的な治療を受けることができなかったようです。
一言に「〇〇〇〇〇」といっても色々タイプはあって、実はもっと先の本当の原因を突き止める診断もあるんですね。
その診断をするためにいくつか質問させていただて、やはりそこに原因があるだろうなと確信できたときに改めて「こういった問題って、なんだと思いますか?」とかなり抽象的な質問をしてみました。
すると、
飼主さま「〇〇〇でしょうか?」 ←正解!
上から目線で申し訳ないのですが、非常にするどい!
飼主さまもずっとモヤモヤしていたことだったようで、今回の診察で非常にスッキリできたと喜んでいただけました。
もちろん治すのはこれからなのですが、治療に前向きになれるというのは非常に大事ですよね。
当院では柴犬の治療に本当に力を入れています。
柴犬の皮膚病治療が難しい理由ってその「独特の遺伝」にあると思うんですね。
遺伝といっても広いのですが、ピンポイントでいうと「免疫」と「性格」です。
だからなのですが、柴犬と医学って非常に相性が悪い。
どう悪いのか、それは医学が柴犬を理解できていないからです。
医学は本当に進化していますが、数値化できないものに非常に弱いんです。
免疫異常にはアレルギー検査というのがありますが、免疫異常=アレルギーではないので、アレルギーと誤解すると治療が迷走する原因になります(だから柴犬の皮膚病が治らない)。
そして性格は数値化ができないので医学では「治療対象にしない」となりやすいです。
柴犬の皮膚病を本当になんとかするためには柴犬とどれだけ向き合えるかではないか、と思っています。
投稿者:
2019.06.04
こんにちは、獣医師の平川です。
先日、【世界初の治療法】閃きは確信へで掲載した症例の治療経過を紹介します。
※長く通院している症例で、過去の治療内容でもなんどかよくなってきたのですが、今回「今の治療に限界がある」と判断せざるを得ないぶり返しがあったので、方向性を変えることにしました。
まずは頚部です。

続いて、前胸部~上腕です。

続いて右上腕の拡大です。

続いて、右前腕です。

続いて、胸部とその拡大です。


続いて、右後肢の膝周辺です。

続いて、右後肢の甲です。

非常部重度の脂漏と皮膚炎がありました。
ここから今までまったく行ったことがない治療を加え、5週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
まだ途中経過ですが、劇的に改善しつつあります。
ポイント①
この投薬治療開始前写真は、この状態でも当院での治療を続けてきた結果であり、決して無治療ではなかった。
ポイント②
この5週間に加えた治療は、アポキル・シクロスポリン(免疫抑制剤)・甲状腺ホルモン剤といった一般的に知られた皮膚治療薬ではない。
参考までに、5年前の僕はこの治療法を想像していませんでした。
2~3年前にこのタイプの皮膚病があることに気づき、去年にはその分野の大学病院の先生にも「〇〇〇〇〇〇という病気があるのではないか」と聞いてみましたが、「聞いたことがない」と回答いただきました。
まだ1症例ですが狙いすました1症例なので、やはり・・・
「答えは想定外にあり」
できっとまだ知られていない疾患かと思います。
今年の学術は、夏に心因性の新しい治療法を発表する予定なので、この新しい疾患&治療法についての発表は2020年の仕事にしようと思います。
それまでに5~10症例は蓄積する予定です。
投稿者:
2019.05.25
こんにちは、獣医師の平川です。
僕は昔から「閃き」という言葉を好んで使っています。
過去には「閃き」で何度かブログを書いていますので、よければ昔の「閃き」もお読みください。
2014年11月17日 閃きは確信へ
2018年5月27日 閃きは確信へ ~5年前の失笑~
2018年12月12日 【閃きは確信へ】痒みと心因性と〇〇〇〇
そして今日もタイトル通りですが、閃きから驚きの治療結果を得ることができたので、記念にブログすることにしました。
今回の閃きのきっかけは2~3年前に遡ります。
教科書に掲載されていない病気があって、もちろん治療法も独特(薬剤A)で掲載されていないという未知の病気があることに気づきました。
「ほぼ診断できるし、ほぼ治せるけど、原因も分からなければ適切な病名もない」
鑑別疾患からいくつかの仮説をたて確実な検査方法がないか探しましたが、有力な検査方法をみつけることはできませんでした。
次に治療法からメカニズムを考え、「薬剤Aが効果を示すということは、もしかしたら〇〇〇〇〇〇という病気が存在するのでは?」となったのですが、そのメカニズムを証明する検査は犬ではできませんでした。
ただ、この時「もし本当に〇〇〇〇〇〇だとしたら、薬剤Aだけでなく、薬剤Bも同様に効果を示すのでは?」と仮説をたてました。
もちろん薬剤Bを皮膚病治療で使ったという報告は聞いたことがありません。
そしてついにその日は訪れました。
あれから1年以上たった今年の2019年4月、あるわんちゃんの再診時に
「これがきっと〇〇〇〇〇だろう。検査で証明できなければ治療(薬剤B)の結果で仮説を肯定するしかない。」
と、仮説でしかなく治療経験もないのですが、仮説を丁寧に説明し、治療の了承を得ることができました。
そのときの写真がこちらです。



難治性のわんちゃんではありそうな皮膚タイプですね。
ここから約5週間後の今日、僕は
「すごい!ここまで改善するとは」
ほんと、久しぶりに衝撃を受けました!
1発目に成功させることができて、閃きは確信へと変わりました。
まだ1例中1例ですが、狙いすました1例で当てたのでいつも通りの診極めができれば十中八九で当てることができると思います。
今年の冬から取り組んでいる発表(夏発表予定)も世界初の内容ですが、今回の閃きの疾患&治療法も世界で知られていないものです。
以前もブログで紹介したことがありますが、
「答えは想定外にあり」
が医療のキーポイントだと思います。
当院からの発表を今後も注目してください!
2019.6.4 【世界初の治療法】閃きは確信へ②
投稿者:
