2019.07.07
アトピー・アレルギーなど柴犬の痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
梅雨に入り皮膚トラブルが増えてきましたね。
先日、印象的な診察(初診)がありましたので、ブログにしてみることにしました。
症例は柴犬で、アポキルも効かないし、痒くて仕方がないというよくある症状なのですが、見た目は非常に綺麗な柴犬でした。
一見綺麗な柴犬だからこそですが、一目みてお話聞きながらすぐに診断がつくほどわかりやすいタイプです。
(検査は何一つしていませんが)僕は頭の中で診断名を用意しながら、飼主さまに「原因はなんだと思いますか?」と質問してみました。
すると、
「私、〇〇〇〇〇だと思います。」
おおっ!正解です!
飼主さまもかかりつけの先生にその相談をされていたようなのですが、そこから先に進まなかったようでアポキルなど一般的な投薬治療以外の具体的な治療を受けることができなかったようです。
一言に「〇〇〇〇〇」といっても色々タイプはあって、実はもっと先の本当の原因を突き止める診断もあるんですね。
その診断をするためにいくつか質問させていただて、やはりそこに原因があるだろうなと確信できたときに改めて「こういった問題って、なんだと思いますか?」とかなり抽象的な質問をしてみました。
すると、
飼主さま「〇〇〇でしょうか?」 ←正解!
上から目線で申し訳ないのですが、非常にするどい!
飼主さまもずっとモヤモヤしていたことだったようで、今回の診察で非常にスッキリできたと喜んでいただけました。
もちろん治すのはこれからなのですが、治療に前向きになれるというのは非常に大事ですよね。
当院では柴犬の治療に本当に力を入れています。
柴犬の皮膚病治療が難しい理由ってその「独特の遺伝」にあると思うんですね。
遺伝といっても広いのですが、ピンポイントでいうと「免疫」と「性格」です。
だからなのですが、柴犬と医学って非常に相性が悪い。
どう悪いのか、それは医学が柴犬を理解できていないからです。
医学は本当に進化していますが、数値化できないものに非常に弱いんです。
免疫異常にはアレルギー検査というのがありますが、免疫異常=アレルギーではないので、アレルギーと誤解すると治療が迷走する原因になります(だから柴犬の皮膚病が治らない)。
そして性格は数値化ができないので医学では「治療対象にしない」となりやすいです。
柴犬の皮膚病を本当になんとかするためには柴犬とどれだけ向き合えるかではないか、と思っています。
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