2017.02.26
湿疹や脱毛だけでなく、フケ・毛並みといった些細な皮膚トラブルの治療にも力をいれている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今日はミニチュア・ピンシャーを紹介します。
動物病院を受診するミニチュア・ピンシャーの皮膚トラブルといえば、「痒みを伴うアトピー性皮膚炎」が最も多いかと思います。
しかしミニチュア・ピンシャーにはもう一つ特徴的な皮膚トラブルを抱えています。
しかしこの皮膚トラブルが適正に診断されていることは極めて稀です。
当院も5年前まではまったくアプローチできていませんでした。
しかし今は違います。
初診時、診た瞬間に判断できるようになりました。
今日はそんな症例です。
【症例】
トイマンチェスターテリア 4歳2ヶ月 女の子(避妊済み)
【症歴】
〇2年前からフケが多い
〇同じくして虫食いのような小さな脱毛が繰り返しおきる
それでは初診時の状態をみてみましょう。
続いて、頚部です。
続いて、身体側面。
胸部側面のフケの状態です。
続いて、胸部です。
続いて、腰~大腿部の右側面です。
「
続いて、腰背部のフケの状態です。
同じく腰背の拡大です。
※ピントが若干ずれています。
ミニチュアピンシャーでは非常に多いタイプの皮膚コンディションですね。
見た目の重症度でいうとかなり軽いため、ミニチュアピンシャーを飼育されていない方であれば「乾燥肌?」程度にしかみえないかもしれませんが、立派な皮膚トラブルです。
動物病院の獣医師からみると、「ミニチュアピンシャーではよく診る」というタイプかと思います。
それでは8週間後の状態を比較してみましょう。
※頚部、変化が乏しいようにみえるかもしれませんが、被毛が随分と増えています。
※黄色の点線のエリアで被毛が増えています。
※一過性の下痢があった直後のためやせているのですが、治療上のものではありません。
治療の改善としてみるべきものは、
・フケがなくなった
・虫食い脱毛・湿疹がなくなった
・毛並みがよくなり、被毛が増えた
・タン(顔の柄)が綺麗にでるようになった
です。
表面上の診断名は「膿皮症」なのですが、問題は「なぜ膿皮症になるのか?なぜ繰り返し起きているのか?」ですね。
膿皮症を治すために抗生物質を使うことは間違いではありませんが、抗生物質では「膿皮症になる原因」を治療することはできません。
「抗生物質を服用するとよくなるが、やめると再発する」が起きてしまいます。
またこのタイプのフケを「乾燥肌、ミニチュアピンシャーに多い体質」と片付けてはいけません。
スキンケアとサプリメントだけで治るタイプではありませんが、スキンケアは非常に重要だと思います。
またこのタイプは初診時での診極めが可能なタイプの一つですので、メールと写真で継続治療を遠隔診療でも十分に対応が可能だと思います。
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