2014.01.25
こんにちは、四季の森どうぶつクリニック獣医師平川です。
今日はミニチュアピンシャーの皮膚病治療について紹介します。
ミニチュアピンシャーの飼育頭数はそう多い方ではありませんが、やはり皮膚病の発症が多い犬種の1つだと思います。
そしてピンシャー系が持つ独特の遺伝体質の影響か、比較的同じような病態・症状を示す症例が多い傾向にあります。
【症例】
ミニチュアピンシャー 約9歳 女の子
【病歴】
〇生後2歳の頃から痒みを伴う皮膚病
〇口唇、目、鼻、四肢端・・・
〇皮膚科の動物病院で漢方療法を1年間継続したが、下痢・血便がひどく、皮膚は改善なく「オーナーとの関係による精神的なもの」などと診断
〇現在は漢方とは別の病院にて免疫抑制剤による治療
それでは初診時の状態を見てみましょう。
まずは顔からです。
続いて、前胸部~胸部です。
続いて、四肢端です。
四肢端ですが、全肢に同様の病変部があるため右前肢のみを掲載しています。
続いて、腹部~大腿部です。
初診時から2ヶ月半後です。
続いて、前胸部です。
続いて、右前肢です。
最後に腹部~大腿部です。
非常に綺麗になっていますね。
痒みが常にゼロというわけではありませんが、気にならないレベルまで落ち着いている状態です。
以前の病院で痒みが「オーナーとの関係による精神的なもの」と診断されたことについて、確かに精神的な要因が痒みにつながることもありますが、今回の症例について個人的な意見としては「精神的な要因は関係なし」と考えています。またこういった症例の場合はステロイドを積極的に使用していく方がコントロールしやすいことが多いので、飼主さまにその理由を十分に説明した上で使うことがいいと考えています。
現在初診時から1年以上経過しましたが、今でもほぼ綺麗な状態を維持できています。またステロイドによる皮膚への副作用、ホルモンや肝臓に対する副作用は認められていません。
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