2018.06.23
アトピー・アレルギー・膿皮症・舐め癖など難治性の痒い皮膚病が多いフレンチブルドッグの治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
梅雨に入り皮膚トラブルがフレンチブルドッグも多いのではないでしょうか。
フレンチブルドッグの皮膚トラブルといってもさまざまなタイプがあり、①冬が発症せず、夏を中心にでる、②1年変わらずでる、③1年でるけど冬はマシの3パターンに分けられます。
今日紹介するのは季節と関係なく1年中皮膚トラブルが続いていたフレンチブルドッグのわんちゃんです。※それでも冬少しマシ?
【症例】
フレンチブルドッグ 2歳 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇1歳前から痒みを伴う皮膚病
〇この1年半、皮膚病が治ったことはない
〇顔・耳・手の赤み&痒い、内股の湿疹&痒み
それでは初診時の状態です。
それでは初診時の状態から8週間後の状態と比較してみましょう。
湿疹は完全に消失しました。
顔・耳の赤みもほぼ消失です。
手なめのレベルが元々10として3程度の若干のこりましたが、気になるような痒み・舐め方ではないので許容範囲という評価です。
今回の皮膚炎・痒み・手舐め・足舐め・湿疹(膿皮症)はすべてフレンチブルドッグの典型的な皮膚病です。
このタイプには投薬治療も併用しながら、当院が開発したスキンケア&サプリメントが非常に相性がいいです。
フレンチブルドッグの湿疹(膿皮症)→スキンケアECプラス、スキンケア商品(オイル&シャンプー&ローション)
フレンチブルドッグのアトピー → スキンケアECプラス&ヒーリングケアLFプラス
フレンチブルドッグの手舐め・足舐め → ヒーリングケアLFプラス
これらのスキンケア商品&サプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
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2018.06.15
犬のブツブツ・湿疹「細菌性膿皮症」の治療および再発防止に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
犬の皮膚病で最も症例数の多い「膿皮症」ですが、シンプルなのにとても奥が深い病気です。
個人的には「人間の風邪」と同じレベルで、「治せるけど、二度とさせない方法はない」のため、いかに再発を減らすか?がポイントです。
【症例】
ヨークシャーテリア 6歳 男の子(去勢済み)
【経過】
〇1年前から湿疹が治らない
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは内股、左の内股に2~3この湿疹が認められます。
続いて、背中です。
毛をかき分けないとわかりませんが、円形の湿疹が無数に認めらます。
約1か月後の状態を比較してみましょう。
湿疹はゼロになりました。
これだけきれいになったのは1年ぶりということだそうです。
こういった膿皮症の場合は、2つゴールを設定します。
1つ目 「湿疹をゼロにする」
2つ目 「再発させない」
今回はまだ1つ目ですが、治療成績向上と2つ目の再発予防のために、初診時から当院が膿皮症治療のために開発したサプリメント「スキンケアECプラス」を併用しています。
特別な基礎疾患がないことを条件にですが、繰り返す膿皮症に対してはスキンケア&サプリメントが非常に有効なため、当院が開発した膿皮症ケアセットで取り組むといいと考えています。
当院が開発したスキンケア商品とサプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
多くの方が「スキンケア」にこだわりがちですが、一番大事なのはサプリメント「スキンケアECプラス」です。
スキンケアは起きてしまった細菌感染を早めに抑え込むには非常に大事ですが、膿皮症の原因を直接抑え込むのは限界があります。
季節(梅雨~夏)による湿疹を予防する効果はかなり高いと思いますので、季節性であればスキンケアメインでもいいかと思います。
「細菌性の膿皮症」と一言にいっても、その原因と対策は症例によってかなり異なるため、獣医師による的確な判断とアドバイスが必要です。
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2018.06.12
ミニチュアダックスのアトピー・アレルギー、膿皮症や脂漏症(マラセチア性皮膚炎)など難治性皮膚病の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
ミニチュアダックスフンドはブルドッグ犬種、シーズー、柴犬とはまた異なる体質で、そう簡単に重症化する体質ではありません。
ですが、ミニチュアダックスフンドには、ミニチュアダックスフンドなりのある体質があり、それを見落とすと難治性になります。
また原因が1つではなく、複数の病態が重なるとさらに治療は困難になります。
今回はそんなミニチュアダッククフンドの見落とされやすい体質以外にも難治性になる要因が複数かさなって重症化していた症例です。
【症例】
ミニチュアダックスフンド
【経過】
〇1年少し前に一度当院受診
〇やや遠方のため一時治療中断
〇再度悪化のため1年ぶりに治療再開
〇アポキル単独投与では痒みは部分的な改善しかできない
まずは1年ぶりに来院したときの状態を紹介します。
まずはお顔から。
続いて、耳です。
続いて、下顎~頚部~前胸部です。
続いて、右前肢です。
続いて、左前肢です。
続いて、体幹ぶです。
続いて、右後肢の側面の拡大です。
続いて、胸部です。
続いて、内股~後肢です。
治療3ヶ月弱の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
部分的にまだ毛並みが整っていませんが、かなり改善したと思います。
あと半年ほどあれば毛並みの改善はもう1ランクか、2ランク改善すると被います。
今回の診断についてですが、メジャーなところからは
①アトピー性皮膚炎
②膿皮症(部分的)
③脂漏性マラセチア性皮膚炎
があげられます。
見落とされやすいのがあと3つあります。
最初のメジャー3要因であれば、アポキル・抗生物質・シャンプー・抗真菌剤などで緩和できますが、この症例はこの3要因に対する対策では改善はかなり限定されます。
あと3つのアプローチを同時にすることで痒みが落ち着き、アポキルを減らすことも十分にできます。
今回の治療アプローチには、
①スキンケア
②スキンケアECプラス
③ヒーリングケアLFプラス
の3点も入っています。
当院が開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
ただ、この条件の皮膚病であれば、いかにスキンケア&サプリメントが理にかなっていても投薬治療なしで改善するのは困難なため、当院受診をお勧めします。
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2018.05.21
アポキルが効かない、食事療法で改善しないといった痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回の症例は2ヶ月ほどまえに一度紹介したわんちゃんの続きです。
前回の記事は、
平成30年3月16日のブログ記事 アポキル&アミノ酸系食事療法で改善しない 【四国から愛知までの通院】
初診時の治療方針で2週間後の2回目の診察時には改善していたという内容でした。
今回は「初診→2回目→3回目→今回」という状況です。
それでは初診時から約2ヵ月後の状態と比較してみましょう。
続いて、右前腕とその拡大です。
続いて、左前腕とその拡大です。
非常に綺麗になりましたね。
全身の痒みの大半が著しく改善しました。
背中以外の、目周囲・口唇~下顎、頚部、胸、腕、内股、わきのフケ・皮脂(ベタベタ・ゴワゴワ・ザラザワ)が綺麗になりました。
ゼロではないのですが、見た目の改善度は90%です。
今回の症例は当院受診時にすでにアポキルを服用していた状態で痒い&皮膚炎&フケでしたので、大事なのは「アポキル以外の治療プラン」です。
よくアポキルを飲んでいるのに・・・と聞くのですが、アポキルが効いたり・効かなかったり・・・というようなことはないと思っています。
そして続けることによって効きにくくなるということもないと考えています。
アポキルが効くメカニズムは常に一定なので、効果がない?というときはアポキルが作用する部分以外の治療を組み立て直す必要があります。
そこでアポキルをやめるのか、継続するのかはそのときの判断ですが、今回は「アポキルが効くべき異常所見はある。効果があるため継続処方」としました。
今回は「アポキルは効く、ただしアポキル以外の治療が適切に限る」というような症例でした。
今回の症例もいつも通りですが、初診時に行った検査結果が出揃う前に組み立てた初診時の治療方針だけで、わずかな軌道修正もなく改善ができています。
当院では獣医師向けにこういった診極めのためのセミナーを開催しています。
希望の方は当院までお問い合わせください。
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2018.05.14
フレンチブルドッグのアトピー・アレルギーなど脂漏性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
フレンチブルドッグの皮膚病は扱いにくく、こじれやすいです。
昨日は東京・品川の遠隔診療で5頭のわんちゃんを診ましたが、そのうち2頭がフレンチブルドッグでした。
たしかに難しい体質だと思いますが、うまくいかない理由は案外基本にあり、今の皮膚科医療のスタンダードである「アレルギー」と「痒み止め」に縛られてしまっていることだと思いました。
「フレンチブルドッグの皮膚病はアレルギーではない」「皮膚に痒みの異常があるわけではない」という目線でアプローチしなければうまくいかないと思います。
今日は以前にも2回紹介したわんちゃんの経過報告です。
1回目は、
3月23日UP 過去最高のフレンチブルドッグの脂漏性皮膚炎治療 (初診)
2回目は、
3月30日UP 過去最高のフレンチブルドッグの脂漏性皮膚炎治療② (2回目再診時)
今日紹介するのは初診から約6週間後のつい先日の症例報告です。
まずは1回目、2回目と順番医お読みください。
それでは初診時から6週間後との比較をご覧ください。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
顔のシワの皮膚炎がまだ十分とはいえませんが、全体的には劇的な改善ができたいと思います。
この方向性でいけばもう2度と元の状態にもどることはないでしょう。
このタイプの症例には院内薬浴を実施して、サプリメント2種類を併用しています。
当院の薬浴で使用しているスキンケアと、サプリメントは以下のオンラインショップからご購入できます。
適切な診断・治療とともにご使用ください。
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2018.04.14
アポキルが効かないフレンチブルドッグのアトピー・アレルギー・膿皮症などの痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
「フレンチブルドッグの痒い皮膚病にアポキルが効かない・・・」という状況に悩んでいる方は多いと思います。
悩んでいるのは飼主さまだけなく、実は獣医師も同様です。
魔法の痒み止めのように登場したアポキルが効かないときにどうするか?
今日はそんな症例報告です。
【症例】
フレンチブルドッグ 4歳 男の子(未去勢)
【経過】
〇約2年前から手足の痒み(舐める)、赤み、腫れ
〇顔の皺の痒み
〇アポキル開始(最初だけ1日2回、その後1日1回)とステロイド外用で緩和はあったが、痒み(舐める)のコントロールはできなかった
〇痒みは、四肢端(前>後)、顔の皺をこする、口唇を掻く
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは顔の正面と左右の拡大です。
続いて、左口唇(斜め下から)です。
続いて、右前肢と指間です。
続いて、左前肢と指間と足裏です。
初診時から3週間後の状態をみてみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
続いて、右前肢と指の間です。
続いて、左前肢と指の間、足裏です。
わずか3週間の治療アプローチでしたが、痒みは元々10として今2くらいまで改善しました。
赤みも減っていますし、腫れも引きました。
元々アポキルの服用期間があったので、そのアポキルの服用中の状態との比較もお聞きしましたが、「アポキル単独よりずっといい」ということでした。
なお内服についてはアポキル以外は処方しておらず、当院が開発したサプリメント2種類「スキンケアECプラス」と「ヒーリングケアLFプラス」を使っています。
顔の皺のケアにはMedicareローションを使って非常にいいコントロールができています。
皺のケアにはとても相性がいいのでおすすめです。
今回の患者さまですが、大阪から来院されました。
3週間前の初診時に一通り治療方針を決定し、2回目の再診時が今回でしたので「治療方針は初診時に確定できる」ということです。
フレンチブルドッグの手を舐める、足を舐める、癖のような痒み・皮膚病にはアポキル以外のアプローチを組み合わせなければうまくいかないことが多いです。
その次の選択肢が当院のサプリメント、ヒーリングケアLFプラスが主役になると思います。
ヒーリングケアLFプラス単独ですべての皮膚病がなおるわけではないので、的確な診断&投薬治療を併用しながらですが、「医療に足りない部分を埋める」というのがこのヒーリングケアLFプラスとスキンケアECプラスだと思います。
この2種類のサプリメントは当院のオンラインショップでお買い求めいただけます。
投稿者:
2018.04.11
犬アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどのアレルギー性皮膚炎、膿皮症、癖のようなしつこい手舐め足舐めなど、痒みを伴う難治性皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
フレンチブルドッグに限った話ではないのですが、原因はが1つとは限りません。
アトピーがあり、感染症があり、食事の影響があり、ホルモン異常があり、心因性もあり・・・というようなことはザラです。
しかも感染症にも抗生物質が適応にならない真菌症、寄生虫疾患というのもあります。
では細菌性であれば抗生物質が効くかというと耐性菌という抵抗力をもった細菌のこともあります。
培養&感受性試験という薬の効きを調べる検査をしたら効くか?といえば、本人の体質との相性もあるので必ずしも効くとは限りません。
またそもそも服用して効かない細菌性皮膚炎もありますので、注意が必要です。
食事の影響があるというなら食物アレルギーなのか?といわれそうですが、そうではない食事の影響もあります。
ホルモン異常といえば甲状腺機能低下症か副腎皮質機能亢進症か?といえば、ホルモン疾患がこの2つだけではないのでそうともいえません。
不妊手術をしていればやっぱりこの2つか?と言われそうですが、違います。
心因性というのはストレスか?とよく聞かれますが、ストレスと思うことはあまりなくて、むしろフレンチはストレスを感じにくいため「遺伝的な性格」と表現するほうが正確だと思っています。
改善にはこれらすべての判断を1つも狂いなく判断しなければ改善しないため、フレンチブルドッグの皮膚病治療は「難しい」と言われるのだと思います。
そして原因が1つでない異常、アプローチも複数です。
そして同時に正しい治療ピースを揃えなければ改善しないことすらあります。
今日紹介する症例も、そんなフレンチブルドッグの典型的な皮膚病症例で、複数のアプローチがなければ改善しない症例です。
【症例】
フレンチブルドッグ 5歳7ヵ月 女の子(避妊済)
まずは初診時の状態をみてみましょう。
それでは初診時に組み立てた治療方針だけで改善した治療後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
フレンチブルドッグの遺伝的体質に合った的確な治療をするとこのくらい綺麗に改善します。
こういった典型的な症例には当院の提供する医療と、当院がフレンチブルドッグの体質に合わせて開発したスキンケア&サプリメントが非常に相性がいいです。
〇顔のシワや湿疹のケアにはMedicareローション
〇全身のクレンジングにはMedicareクレンジングオイル
〇基本的なシャンプーにはMedicareシャンプー
〇湿疹(膿皮症)への根本的な体質改善にはスキンケアECプラス
〇四肢端の舐め癖にはヒーリングケアLFプラス
もちろん初診時の的確な診断と投薬治療があってこそですが、すべてのピースが揃うことが重要です。
当院では定期的に関東で遠隔診療を開催しています。
次回は5月13日(日)の夕方で、品川区のかもめカフェで開催します。
詳しい説明はHPの遠隔診療ページと、お申し込みページをご確認ください。
当院が開発したスキンケア商品とサプリメント2種類(ECプラス&LFプラス)は以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
投稿者:
2018.04.08
フレンチブルドッグのアトピー・アレルギー・膿皮症といった痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
フレンチブルドッグの皮膚病のキーワードは
①アトピー
②アレルギー
③膿皮症
④食事療法
⑤痒い(掻く&舐める)
⑥癖(心因性)
⑦脂漏症
が代表的かと思います。
今回紹介するのはこの7つのうち6つが当てはまる「典型的なフレンチブルドッグの皮膚病」です。
一目診た瞬間に治療法が決まり、「絶対に良くなる」という典型例です。
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは顔正面から。
続いて、右前肢端です。
続いて、腹部です。
続いて、背中です。
治療後(約2ヶ月後くらい)と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
フレンチブルドッグで最も手ごわい足を舐める痒みですら元々10として残りは1~2程度です。
ずっと繰り返しでていた湿疹は完全に消失、今は再発すらしなくなりました。
このタイプは投薬治療とスキンケアが非常に早い改善をもたらしますが、当院のスキンケアECプラスとヒーリングケアLFプラスが再発防止やお薬の減量に非常に役立ちます。
この症例も「アポキルを服用していても痒い!」という状態でしたが、いまは「痒くなったら時々アポキルを服用するだけで十分維持できる」という改善具合です。
フレンチブルドッグの皮膚病に必要なシャンプー(スキンケア)、根本的な体質改善に必要なサプリメントは以下のオンラインショップでお買い求めいただけます。
※適切な診断&投薬治療があれば最高の治療成績がでます。
当院では関東にお住まいの方に向けて、5月13日(日)の夕方に品川区で遠隔診療を行います。
ご希望の方は当院HPからお申し込みください。
投稿者:
2018.04.06
アトピー・食物アレルギーなど、痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回紹介するのは個人的に非常におもしろい症例です。
【症例】
ミニチュアダックスフンド 9歳 男の子(去勢済み)
何がおもしろいかというと、「1歳のころから当院をかかりつけにしている地元の患者さま」で、当院のスタンダードな治療でよくできなかった症例です。
1~5才のころは皮膚病などなく、6~7歳ころ(今から2~3年前)から発症しました。
胴体部分の膿皮症と、四肢端の脂漏性皮膚炎で、見た目は「よくある皮膚炎」です。
ただ、予想以上に治療の反応が悪く、抗生物質(培養検査済み)でも膿皮症がきれいに改善せず、アポキルを使っても四肢の皮膚炎&痒みが改善しない・・・
甲状腺機能低下症もなく、副腎皮質機能亢進症の疑いも低く、アレルギー対策の食事療法に変更してもパッとせず1年経過してしまいました。
皮膚病2年目のころには、飼主さまの来院がほぼなくなり、今年3年目の春に「暖かくなって今まで以上にひどくなった」ということで再来院されました。
それが先月3月上旬です。
そのときの状態を紹介します。
まずは顔正面から。
続いて、頚部とその拡大です。
続いて、右前肢
足先、腕(内側)、上腕(脇)の順番です。
続いて、左前肢。
足先、手首内側、上腕(脇)の順番です。
続いて、胸です。
続いて、後肢です。
同じく内股の拡大です。
同じく右後肢の足先、足首、甲の拡大です。
同じく左後肢です。
こういったタイプは典型的な皮膚炎の1つかと思います。
2年前の時点でもほぼ同様の見た目で、もちろんそのときの当院のスタンダードである治療を当てはめたのですが・・・飼主さまの納得できる治療成績ではありませんでした。
そんな経過もあり、昨年はほとんど治療の機会を得ることができずでしたが、今年は
「うちの全力で治療すればきっとよくなります。もう一度全部やらせてください」
とお願いして全力治療に望みました。
投薬は
・アポキル
・抗生物質
・スキンケアECプラス
・院内薬浴(Medicareオイル&シャンプー)
・外用薬(点耳薬)
・食事療法
そこから4週間後の状態と比較します。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
痒みはほぼありません。
飼主さまもシャンプーも外用薬(点耳薬)も使わずでも最高にいい!とおっしゃっていただけました。
抗生物質は2週間で完全休薬とし、ECプラスで膿皮症の再発防止ができています。
2年前との明らかな違いは「食事療法」だけです。
それ以外のスキンケアやアポキルの処方、抗生物質の処方などは一緒です。
もちろん2年前も確かに食事療法をしたのですが、そのときはベストと確信できる食事を選ぶことができていなかったので、うまく行かなかったのだと思います。
今回は投薬治療を変えなくとも、食事療法で成功する自信がありましたのでベストな結果をだすことができました。
やはり食事療法は非常に重要ですね!
当院では皮膚科診療提携を通じて、こういった症例に対して初診時に的確に治療方針を完成させるための皮膚科セミナーを開催しています。
ご興味のある先生は当院までお問い合わせください。
投稿者:
2018.03.30
痒い皮膚病の典型皮膚病であるアトピー・アレルギーや脂漏性皮膚炎など、フレンチブルドッグの皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
先日紹介した記事の続きです。
過去最高のフレンチブルドッグの脂漏性皮膚炎 3月22日初診の紹介記事
このわんちゃんの2回目の診察が3月30日(今日)でしたので、早速経過を紹介します。
まだ途中経過ですので、部分的なハイライトのみの紹介です。
全体をご覧になりたい方は、3月22日のブログ記事をご覧ください。
それでは初診時のハイライトを紹介します。
まずは顔の左側。
続いて、右前腕の肘の内側あたりの拡大です。
続いて、右前肢の第1指~第2指の拡大です。
続いて、胸部とその拡大です。
それではこの初診から8日後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
まだまだではありますが、たった8日にしては「劇的な改善」という評価ができると思います。
ここから悪くなることはまずありません。
参考までに初診時に行った検査の1つに「甲状腺ホルモン濃度測定」があります。
T4濃度は0.8と基準値よりも低めでしたが、甲状腺機能低下症と診断するには不十分として甲状腺ホルモン製剤の処方は行わないことにしました。
1ヵ月後くらいにもう一度測定し、そのときに再度評価する予定です。
例え甲状腺機能低下症があって、投薬が必要である状態だとしても、今の治療で一定のレベルまでは改善できると考えていますので、一生涯の治療が必要な診断には確信をもって望みたいと考えています。
2回目の診察から、ECプラスとLFプラスを併用することにしました。
食事療法とともに、腸管免疫の改善をめざします。
※投薬治療は必須です。
今回の症例には毎回院内薬浴を行っていますが、脂漏性皮膚炎のシャンプー・スキンケア療法には当院のクレンジングオイルが非常に有効です。
スキンケアECプラス、ヒーリングケアLFプラス、スキンケア商品ともにオンラインショップでお買い求めいただけますので、ぜひご利用ください。
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