2018.12.17
チワワのアトピー・アレルギーなどの痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
チワワも痒みトラブルが多い犬種ですね。
問題はアポキルで痒みのコントロールが難しい症例がいることです。
【症例】
〇1歳のときから痒み
〇腕をなめる&かじる
〇頚部を頻繁にかく、暇になると背中を真っ赤になるまで掻く、
〇左膝の上の毛をむしる
〇とくにかく全身痒く、留守にすると血まみれになるまで掻くため、エリザベスカラーをしている
〇アポキルでも改善しない
それでは初診時の状態です。
続いて、頚部とその拡大です。
続いて、右前腕です。
続いて、左のわきです。
つづいて、左後肢の膝上です。
それでは初診時から2か月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
非常にきれいになりました。
痒みも緩和され、エリザベスカラーもつけていません。
身体が真っ赤になることも、傷だらけになることもありません。
アポキルも2日に1回でコントロール良好です。
今回の症例ではアポキルが効かなかったということですが、初診時に「アポキルが効かない理由」がわかります。
このアポキルが効かない理由にアプローチするとここまで改善することができます。
「痒い」という行動に対してどうアプローチするのか、痒みのメカニズムを考えてアポキル以外のアプローチを併用することが重要です。
投稿者:
2018.09.02
犬の細菌性膿皮症治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
この症例集では当院で改善した症例のうち、個人的に印象的だった症例を選んで掲載しています。
もちろん重症度で選ぶこともありますが、治療の内容に「特別な意味」があるものも掲載するようにしています。
今回紹介する症例の重症度は特別なものではないのですが、治療内容に特別な意味があるので紹介することにしています。
【症例】
チワワ 4歳 男の子(去勢済)
【経過】
〇1年前の夏にも湿疹があり、内服・シャンプーで改善
〇今年も8月頭(3週間前)から湿疹が再発
〇かかりつけ動物病院にて抗生物質処方されて服用するも悪化傾向
それでは初診時の状態からですが、長毛で皮膚病変がわかりにくかったため、病変部評価と治療を兼ねて全身のカットさせていただきました。
まずは身体側面とその拡大です。
続いて、腹部です。
続いて、背中です。
重度の皮膚炎、見た目から「膿皮症」の診断ですね。
この初診時と比較するのは2回目の診察時(初診日から9日後)の状態です。
湿疹はほぼ・・・ではなく、完全にゼロになりました。
シャンプーは1回のみ、9日前の初診時に院内薬浴を行っただけで、自宅でのシャンプーはなしと指示しています。
なので1回洗って次の湿疹がゼロという結果です。
膿皮症は犬の皮膚病で最も多く、当院でも数えきれないほどみていますが、このタイプは特別で、当院でも年に1~2回しか遭遇しない特別な膿皮症です。
一般的な膿皮症と同じアプローチでも治らないとまでは言い切れませんが、普通にアプローチすると数カ月かかると思います。
しかし逆転の発想で、ある特殊な条件を満たせばおどろくほどの短期間で劇的によくなります。
飼主さまには過去の治療症例で「同等」と判断できる症例の治療前・治療後をお見せして、今回の特殊な条件の治療に了承を得て行いました。
もちろん副作用が出るようなハイリスクの治療ではなく、むしろ「それで治るの?」という治療内容です。
その条件は3つ、この3つが揃えば普通の膿皮症以上の速さで治ります。
大事なのは初診時にこの条件3つで治療のイメージが描けることだと思います。
※初診時の検査結果は2回目の再診時にお伝えしましたが、治療方針は初診時の予測通りのままです。
当院と診療提携を結んでいる先生にはこのあと治療内容についてお知らせをします。
診療提携については専用フォームからお問い合わせください。
投稿者:
2018.07.30
チワワの痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
当院では「初診時の診極め」として診た瞬間の判断を最優先に治療しています。
基本的には初診時の想定範囲内で治療結果がでるのですが、まれに後から方向性の変更や追加をしなければいけない時もあります。
今回は当院では非常にめずらしいのですが、治療の途中で「初診時に組み立てた治療方針に1つ加える必要があった症例」です。
【症例】
チワワ 1歳10カ月(初診時) 女の子(不妊手術済)
【経過】
〇生後半年くらいからフケをみとめ、近医にて脂漏症と言われる
〇1カ月前から痒み(&傷)にて他院にて治療開始
〇傷防止のためエリザベスカラーが外せていない
〇痒みは「喉」を1日中かく
〇耳の外の毛がベタベタ
〇身体のフケ
初診時の状態からみてみましょう。
声を出して掻く&傷だらけになるという理由でエリザベスカラーをつけています。
続いて耳(右耳を後方から)です。
続いいて頚部、軽度にみえて強い痒みで傷になりやすい部位です。
続いて、胸です。
それでは初診時から約10か月後の状態と比較してみましょう。
「劇的」という比較ではないのですが、痒みの緩和ができ、エリザベスカラーを外すこともできるようになっています。
掻くことは掻くのですが、以前は掻き壊して傷になっていたレベルが緩和でき、今はもう傷になるような痒みはありません。
今回は初診時に「心因性」と判断してアポキル&心因性のダブル治療で臨んだのですが、前半で3カ月で明確な改善が認めらませんでした。
初診時から3カ月の時点である病変を目にすることができたので、治療方針を1つ加えることにしました。
この1つ加えた治療から徐々に改善しています。
3カ月目にみつけた病変はかすかなもので、初診時での判定は正直難しいものでしたが、それでも初診時に想定内にすることが難しいというわけではなかったため今後の反省材料にしたいと思います。
わかりやすい「心因性」というものだけに目を奪われて、全体を診ることに注意不足があったかもしれません。
今回の症例の簡単な解説です。
参考までに今回の症例でも初診時からアポキルを使用しましたが、アポキルによる痒みの改善は非常に乏しいものでした。
もちろん心因性という診断をしたためアポキルが効かないのはある程度想定範囲内でした。
ただ心因性のアプローチに反応がなかったのは初診時の想定外でしたので、今回の症例のポイントは「アポキルも効かない、心因性治療にも反応がない」という3カ月の時点でどう対応するかだっただと思います。
ここでのプランニングは大きく分けて2つです。
①心因性ではないのかもしれない
②心因性以外に何かかくれているかもしれない
僕の判断は②です。
心因性と「もう1つ」が見過ごされていたがゆえに心因性の治療結果がでなかっただけです。
今回の症例では心因性に加えて途中に気づいた追加疾患の計2点の治療を加えることで改善ができたいう症例です。
今回は非常に難しい症例で、個人的にも非常にいい経験になりました。
長くかかりましたが、当初の目標を達成することができて本当によかったです。
投稿者:
2018.07.28
犬の痒み止め新薬アポキルが効かない痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
犬の皮膚病治療薬で画期的な新薬「アポキル」が登場して2年が経ちました。
アポキルで改善しない痒みにどうアプローチするか、今の皮膚科の最大の課題と言えるでしょう。
今日紹介するのはそんな「アポキル」を1日1回を服用し続けても改善しない痒いわんちゃんの治療実績です。
【症例】
MIX(チワワ×シーズー) 5歳 男の子(去勢済)
【経過】
〇1歳から続く痒み疾患
〇1年通して発症だが、やや季節性の悪化がある
〇四肢端の痒み(なめる)、腕を噛む、下顎~頚部をかく、お腹を掻く・・・など
〇エリザベスカラーを装着している(夜)
〇アポキルを1日1回継続服用しているが、抑えきれていない
今回の受診のきっかけは当院のオンラインショップのスターターセットご購入の方へお送りしている無料相談メールです。
過去の経過とお写真を送っていただいたところ、「治療すればよくなる」と判断できたため、「スキンケア&サプリメントでは不十分のため、受診をお勧めします」とアドバイスさせていただきました。
すると遠方ではありましたが、飼主さまの熱意もあり受診していただけることになりました。
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは全体から。
続いて、頚部です。
続いて、胸部とその拡大です。
続いて、腹部です。
最後にお尻です。
ただ、全体をみて「痒いのか?」「アポキルが効かないほど痒いようにみえない!」というのが正直な感想かと思います。
ただこれは写真をみただけでわかる異常があります。
その一つがお尻、お尻に痒みはないのですが、この皮膚病の評価にはこの部位をよくみることが大事です。
もちろんお尻だけでなく他の部位でもわかるのですが、よほど目で慣れていないと判断できないと思います。
それでは初診時から6週間後の状態と比較してみましょう。
痒みも皮膚炎もないお尻周囲ですが、みごとな回復ぶりですね!
もちろん痒みも劇的に改善したようです。
今は「舐めない」「噛まない」「掻かない」という状態です。
肝心のエリザベスカラーも外すことができて、通常の通りの生活ができています。
写真とメールで「当院で投薬治療した方がいい」と言ったからには改善させないといけないというプレッシャーは大きいのですが、イメージ通りの治療結果に一安心です。
アポキルを毎日服用しながら痒みが改善しない原因がどこにあるのか?
今回の症例は2つの原因があります。
その原因はメールと写真の2点から判断(推測)できました。
初診時はその推測の確認作業で、想定外の診断結果は何一つありませんでした。
今回のポイントはアポキルが効かない原因を探すことです。
初診時の写真で「痒みのないお尻」を撮影したのがポイントの一つですが、赤い皮膚、痒い部位をみるだけが皮膚科診療ではありません。
痒みのあるない関係なく全身みて「ヒントを探す(確認する)」ことで的確な診断と治療が可能になります。
アポキルで痒みがコントロールできない場合でも改善のための手段はたくさんありますので、お困りの方はぜひ受診してください。
投稿者:
2018.06.30
チワワ・トイプードルに多い「皮膚が脂っぽい」「フケがでる」など痒みを伴う脂漏性&アトピー性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
梅雨も終わり夏の始まりですね。
気温・湿度の影響で皮膚トラブルも増える傾向があるため、シャンプーを含めたスキンケアには力を入れていかなけばいけません。
それでは今日の症例報告です。
【症例】
トイプードル×チワワ 3歳半 女の子
【経過】
〇8か月前から続く痒み
〇冬での改善はなく、通年性(疑い)
〇4か月漢方治療をしたものの、悪化を認める
〇当院で3件目動物病院
〇痒みは、頚をかく、前肢なめる、後肢(スネ~甲)の痒み
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは全体。
続いて、頚部とその拡大。
続いて、右前肢です。
続いて、左前肢です。
続いて、胸部とわきの拡大です。
全体的に皮脂が多くべたついており、慢性的な皮膚炎により皮膚が硬く分厚くなっています。
初診から時に薬浴して3週間後の2回目の再診時のときとの比較をみてみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
初診時の薬浴前に毛をカットした影響で被皮が少なくみえますが、
①皮脂がほとんどない(サラサラ&臭い無し)
②皮膚がやわらかくなっている
③皮膚炎がほとんどない
④色素沈着の減少
が認められています。
もちろん肝心の痒みもほとんど解消されました。
トイプードルとチワワには遺伝的に「アトピー」と「脂漏」が出やすい傾向があります。
こういった症例ではスキンケア&投薬治療をメインとして、再発防止(体質改善)のためにサプリメントという3つのアプローチが効果的です。
今回の皮膚科診療でのポイントとしては「治療効果の予測」かと思います。
病気に対するアプローチ方法にはさまざまな考え方があるため、治療に正解はないのですが「痒みを確実、かつ最短で抑える治療法」を提案できたことではないかと思います。
医療にはインフォームドコンセントという言葉があり、丁寧な説明をして治療プランのいいところ・悪いところの説明の上で飼主さまに同意・選択してもらうことがいいとされていて、飼主さまが治療法を選ぶことがいいような風潮がありますが、「こうしたら確実によくなりますよ」というベストを選択してもらうことも適切なインフォームドコンセントだと思います。
そのため「やりたいこと、やりたくないことなど拘りがあれば希望をききますが、『おまかせ』がベストです」と伝えることが多いです。
今回は過去の東洋医学とは正反対の西洋医学でのアプローチで、飼主さまの不安もあったかと思いますが、医療には「経験」が非常に重要なため「おまかせ」が一番いい選択肢だと思います。
投稿者:
2018.02.16
チワワのアレルギー・アトピー性皮膚炎などの痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回の症例はチワワ×柴犬のミックスですが、発現型としては75%チワワという感じなので(ほぼ)チワワという表現でいきます。
※ただ、体質としてはチワワと柴犬の両方をもっています。
チワワも皮膚トラブルが多い犬種の一つで、少しコツがいるため難治性になっているケースが多くあります。
今回紹介する症例は、そんなチワワと柴犬に多く認められる皮膚病の典型的・・・・にみえる皮膚病です。
【症例】
チワワ×柴犬ミックス 8か月 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇2ヵ月半前から、目の痒みと口周りの痒み
〇当院を受診するまでの治療は抗ヒスタミン剤、ステロイド、抗生物質
〇毎日服用すると改善傾向だが、ステロイドを減らすとぶり返す
それでは初診時の状態です。
初診時からやく3週間後の状態です。
まだ改善途中ですが、あとは時間とともによくなるのをみていくだけです。
今回のわんちゃんでは、初診時で重度な見た目でしたが、幸い慢性化をしていなかったので比較的短期間でいい結果がでたと思います。
当院の治療内容ではステロイドの内服は使用しませんでした。
決してステロイドが悪いという意味ではありません。
当院でもステロイドは積極的に使う方ですが、使うシーンとタイミングが適切でなければネガティブな結果を引き起こすことがあるため注意が必要です。
で、今回の症例では「今の時点では、ステロイドは適当ではない」と判断したため使いませんでした。
今後に関しては、残った皮膚症状次第だと考えています。
目と口唇以外でも四肢の痒みがあるため、部位によって治療方針を変えていく方針です。
投稿者:
2017.11.09
チワワのアトピー・アレルギー性皮膚炎、脂漏性マラセチア性皮膚炎などの痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回紹介する症例は、以前にも治療経過を紹介したことがあるチワワちゃんです。
振り返ればもう3年も前で、もちろんアポキルがないときの治療結果です。
ここから欠かすことなく継続治療をし、非常によい状態を長く維持していたのですが、今年の春くらいから悪化するようになりました。
そのときの様子から紹介しましょう。
左足だけの写真です。
3年前の治療開始した頃の投薬量よりも随分と減量していたため、まずは初期の投薬量に戻してみましたが、3年前のような改善はありませんでした。
そこで過去の治療内容は一端保留にし、今まで行ってこなかった新しい治療方針を加えてみました。
新しい投薬治療から2ヵ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
随分とよくなりましたね!
この投薬治療には内服の処方と、当院のヒーリングケアLFプラスを処方しました。
新しい投薬内容と、このヒーリングケアLFプラスの相乗効果で、元々継続していた内服はさらなる減量に成功しています。
季節により投薬量の調整があるかもしれませんが、随分と再発し難い体質になっていると思います。
当院のサプリメントは適切な診断と、投薬治療を併用することで、徐々にお薬をへらすことに成功しやすいと考えています。
当院で処方しているサプリメントやスキンケア商品は以下のオンラインショップでお買い求めいただけます。
適切な診断と、適切な投薬治療と併用することでよりより治療結果をえることができます。
当院ではメールと写真で継続する遠隔診療にも力をいれているため、ご希望の方は当院HPの遠隔診療ページのお申し込み欄からお問い合わせください。
また、当院では今年から個人開業に動物病院に向けて、皮膚科での診療提携を行っています。
ご興味のある方はお問い合わせください。
投稿者:
2017.10.24
チワワの痒みを伴う脂漏性皮膚炎、マラセチア性皮膚炎、アトピー性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
どんな犬種のわんちゃんも皮膚病になりえるのですが、やはり「難治性皮膚病になりやすい犬種」というのがあります。
チワワもその犬種の1つで、治療しづらい体質のわんちゃんがいます。
治療しづらいといっても主な原因として3パターンあるのですが、今日紹介するのはそんなチワワの「治り難い皮膚病3パターンのうちの1つ」の症例報告です。
【症例】
チワワ 7歳7ヵ月 女の子(避妊済)
【経過】
実は過去にすでに掲載したことがある症例です。
2015年に来院され、一度治療後の改善した写真を掲載しています。
過去の症例報告記事 【診極め】診断は瞬間に、治療は一寸の狂いなく
今日の記事はそれから約2年経て、現在どうなっているか・・・気になるところですよね。
それでは改めて約2年前の初診時の状態をみてみましょう。
まずは正面全体から。
全身カイカイで傷だらけになっており、シャンプーしてもすぐにベタベタになっていました。
毛も少なく、生えていない部位すらあります。
この初診時から約2年後の現在と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
フワフワ&サラサラの見違える皮膚コンディション&毛並みです!!
継続は力なり、とはまさにこのことですね。
一般的には改善したとしても遺伝的体質はそのままなので治療終了としてしまうと時間とともに元に戻るのですが、継続することによりここ改善させることが可能ということがわかる結果です。
もちろん投薬治療・院内薬浴の両方を継続しているのですが、当初の投薬治療よりも随分と少ないお薬でよい状態をキープできるようになっており、「皮膚炎が起きにくい体質に改善」という方向性のためのアプローチが功を奏したといえます。
投薬治療とともに使ったのが当院のオリジナルスキンケア&サプリメント「プラスシリーズ」です。
以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
適切な投薬治療とともに続けることで、体質改善が期待できます。
またこのタイプの皮膚病治療であれば当院の遠隔診療でも高い治療成績を出すことが可能と考えています。
遠方で通院ができないわんちゃんは当院の遠隔診療をご検討ください。
投稿者:
2017.10.07
チワワのアトピーや脂漏症の皮膚病治療に力をいれている皮膚科専門病院、四季の森どうぶつクリニックです。
チワワに起きやすい皮膚病といえば、アトピー、脂漏性皮膚炎、心因性皮膚病などがありますが、もう一つ大事な皮膚疾患があります。
それが脱毛症、珍しい皮膚病ではなく、かなりの症例数がいます。
当初は症状がなく生後数ヶ月から徐々に薄くなるため、飼主さま自身も異常に気づかないことが多く、相当数が見過ごされているのが現状です。
今日紹介するのは先日のチワワの脱毛症に続き、同じ脱毛症のわんちゃんです。
【症例】
チワワ 2歳 男の子(去勢済み)
【経過】
〇仔犬購入時から眉間に小さい円形脱毛があった。その円形脱毛が拡大していき初診時の状態に至る。
〇額は一部被毛再生のあるところもある。
〇耳介がガサガサしていて脱毛がみられる。
〇痒みはない。
〇過去の投薬歴:初診時の2ヵ月前から内服(カビのお薬)をスタートしている。
まずは全体からみていきましょう。
続いて、顔の右側。
続いて、右耳の耳介。
続いて、左耳の耳介。
続いて、後頭部。
続いて、頚部。
続いて、胸部。
それでは、この初診時から3ヶ月後の状態と比較してみましょう。
※画像をクリックすると拡大してみることができます。
頭部はまったく問題ないレベルまで改善しました。
頚部も初診時では地肌がみえるじょうたいでしたが、かなりフサフサの状態になってきました。
胸部はわかりにくいかもしれませんが、ほとんど無かった部位にも毛の再生がみとめられました。
写真にはありませんが、尾も太くなった(毛がふえた)ということです。
今回は頭部の脱毛症と、頚部・胸の脱毛症の原因がことなります。
また耳も少しだけ病態が異なります。
治療という側面ではある程度かぶるのですが、それぞれ「なぜ脱毛しているのか?」を把握していなければ綺麗な治療はできません。
初診時にゴールまでの軌跡を描いて治療プランを立てる必要があります。
今回の症例でも初診時に各部位での脱毛の原因を示し、予測どおりの治療結果をだすことができました。
四季の森どうぶつクリニック
平川
投稿者:
2017.10.06
チワワの痒み・脱毛疾患の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
当院は主に「痒みを伴う」で皮膚病をみていますが、皮膚つながりで「脱毛」に関する疾患にもよく遭遇します。
今回紹介する症例は、「痒みを伴わない脱毛疾患」として来院されています。
【症例】
チワワ 1歳 男の子(去勢済み)
【経過】
〇生後半年くらいから眉間に脱毛がみられた。
〇ここ2~3か月耳介の裏三分の一エリアが脱毛。
〇被毛が全体的に薄くなった。
〇フケの量が増加。
それでは、全体からみていきましょう。
続いて、左耳。
続いて、頸部。
続いて、体の右側。
それでは、初診時から3ヶ月後の状態と比較してみましょう。
※画像をクリックすると拡大してみることができます。
かなり綺麗に再生しました。
飼主さまにも「フワフワ&フサフサ」とよろこんでいただけました。
この手のタイプも典型的な所見がならんでいるため、診断は一瞬です。
いくつの検査をして絞り込みますが、初診時にほぼ確定しています。
チワワの薄毛、脱毛、皮膚病でお困りの方は当院までご相談ください。
投稿者: