シーズーの症例報告

アポキル&シャンプーで改善しないシーズーの皮膚病

2018.02.03

シーズーのアトピー・アレルギー・脂漏・マラセチアといった痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

シーズーの皮膚病治療で重要な要素の1つはスキンケアであり、当院では昔からシーズーのスキンケアに力を入れていますが、スキンケアで何でも治ると思っているわけではありません。

また最近ではアポキルという非常にいいお薬がでて治療成績を向上させていますが、アポキルがどんな痒みも抑えることができるわけではありません。

今回紹介するのはそんな「スキンケアやアポキルでも抑えきれない痒み」についての症例報告です。

【症例】

 シーズー 2歳9カ月 男の子(去勢済)

【経過】

 〇1歳になる前からの痒みを伴う皮膚病

 〇9カ月前からアポキルを服用継続しているが、明らかな改善が認められない

 〇食事療法として複数試しているがよくならない

 〇当院で3件目の動物病院

それでは初診時の状態です。

まずは正面から。

続いて、右耳。

続いて、左耳と拡大。

続いて、頚部とその拡大。

続いて、右前腕と脇部分の拡大。

続いて、左腕とその拡大。

続いて、胸部と左右の脇の拡大です。

続いて、腹部とその拡大です。

同じく右内股、膝のやや上あたりの拡大です。

続いて、左膝の拡大です。

続いて、右膝~右すねの拡大です。

最後に四肢端として、右前肢の指の間と足裏をみてみましょう。

こういった症例の場合、院内薬浴が非常に奏功するためカットさせていただきました。

以上が初診時の状態の紹介です。

それでは初診時の薬浴の次の診察(わずか12日後)の状態をみてみましょう。

皮膚の発赤がほぼ消失、もちろん痒み・臭い・フケ・べたつきもほとんどありません。

アポキルを服用する、抗真菌剤を服用する、こまめにシャンプーする、食事療法をする・・・・どれも間違っていませんし、特に問題となる治療プランではありません。

ここで重要なのは「パズルのピース」です。

もう一つピースを足せばうまくいくのです。

そのピースの不足に気づくことが重要ですね。

参考までにこまめにシャンプーすることが悪いわけではないのですが、上記の12日間は一度もシャンプーしていません。

そして治療後の改善写真も「薬浴前」の状態ですので、こまめにシャンプーしなくてもここまで改善します。

よくシーズーの脂漏・マラセチアでは「こまめにシャンプー」と言われていますが、シャンプーで治る皮膚病と治らない皮膚病があり、今回の症例では「シャンプーの回数が問題ではない」ということです。

スキンケアに力を入れてこだわりにこだわった自分が言うのもおかしな話ですが、個人的には「シーズーの脂漏・マラセチアにスキンケアは必須だけれども、シャンプーでは治らない」が行き着いた答えです。

シーズーの皮膚病でお困りの方は当院の治療&薬浴をぜひ受けてみてください。

典型的であればあるほど劇的に改善が見込めます。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

シーズーの脂漏・マラセチア・アトピーそして「心因性」皮膚病治療

2018.01.24

シーズーの痒みを伴うアトピー・アレルギー・脂漏症・マラセチアによる皮膚病治療に力をいれている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

シーズーの皮膚病はシンプルなようで非常に奥が深いです。

キーワードとして、「アレルギー」「アトピー」「マラセチア性皮膚炎」「脂漏症」「シャンプー」「スキンケア」「アポキル」「ステロイド」・・・色々とありますが、意外と知られていない原因があります。

「心因性掻痒症」

知られていないというより、「触れられていない」という方が正しいかもしれませんね。

顕微鏡でもみえない、血液検査でもみえない、画像診断でもみえない、飼主さまからの主訴にもない、証拠もない・・・これほど「無視」されている病気もめずらしいです。

今日はそんなシーズーの典型の1つ、脂漏とマラセチアと心因性の組み合わせのわんちゃんの症例報告です。

【症例】

 シーズー

【経過】

 〇

すでに当院の治療を受けて半年以上経過するのである程度改善している状況です。

どうしても「腕」と「わき」と「内股」の赤み・皮膚炎、脂漏、舐める(痒み)がのこるため心因性を疑いました。

心因性に対するアプローチを行う前の皮膚の状態を紹介します。

まず右腕。

その拡大。

続いて、左腕。

同じくその拡大。

同じく左腕の脇に近い肘内側の拡大。

続いて、腹部。

腹部の臍部分の拡大。

毛をカットした内股の拡大。

心因性のアプローチを行った4週間後の写真と比較してみましょう。

※部分的に2週間後の写真を使っています。

痒みゼロとまではいきませんが、劇的に改善しました。

皮膚炎もほぼなくなり、強い脂漏もほとんどなくなりました。

もちろん舐めるのも劇的に少なくなっています。

皮膚病の原因が常に1つということはあまりありません。

基本は複数の原因が複雑に関係して難治性になっています。

その中で心因性というのは最後の最後に残るものかな?と思っています。

心因性以外の診断・治療が適切に行われている状況で、心因性による痒みだけを残した状況で適切なアプローチをすると劇的に改善する可能性が高いです。

投薬治療も併用しましたが、当院のヒーリングケアLFプラスも併用しています。

このわんちゃんではアトピー対策としてアポキルとスキンケアECプラスが、心因性には抗不安薬とLFプラスの相性が非常にいいですね。

このヒーリングケアLFプラスもまもなく新しい商品に切り替わります。

当院のスキンケア&サプリメントはオンラインショップでお買い求めいただけます。

適切な診断・治療のもとご利用いただければきっとお役に立てると思います。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【遠隔診療】1回の診察で皮膚病が治るのか?

2017.12.16

シーズーのアトピー・アレルギー性皮膚炎、脂漏性マラセチア性皮膚炎の皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

当院には愛知県だけでなく、隣の三重県・岐阜県・静岡県からも来院があります。

もちろん隣の県にとどまらず、関西・関東圏からの受診も珍しくありません。

特に東京・神奈川・千葉・埼玉からの受診は非常に多いため、継続がしやすいようにメールと写真で継続する遠隔診療を提供しています。

 四季の森どうぶつクリニックの遠隔診療

遠隔診療というのは初診を実際に診て、2回目からの再診をメールと写真で代用し、お薬を発送する方法ですが、簡単にいうと実際に目でみるのは1回だけです。

1回診ただけで改善までもっていくだけの治療方針を立てなければいけません。

過去にさまざまな治療を行ってきて改善しない難治性皮膚病を1回の診察でどのように改善できるのか?というのは大きなポイントのため、先日このブログで遠隔診療でのフレンチブルドッグの治療成績を紹介しました。

今日は続きで、シーズーのわんちゃんでの治療成績を報告します。

【症例】

 シーズー 約10歳 女の子(避妊手術済)

【経過】

 〇5年前から1年を通した慢性的な皮膚病

 〇梅雨~夏が最も悪くなる

 〇アポキルを使い始めた最初の2週間は効果があったが、それ以降は効果を実感できなかった

 〇インターフェロン注射でも改善なし

 〇ステロイドを2日に1回で多少の改善あり

今回の初診は、静岡県静岡市のあん動物病院(大石先生)で行いました。

 初診の後に紹介したブログ記事

あらためて初診時の状態、そいて毛をカットしたあとの状態をみてみましょう。

まずは顔の正面から。

続いて、顔の左側(頬)の拡大です。

続いて、口唇~下顎(やや左側)を下から見た状態です。

続いて、左の頬の拡大です。

続いて、左の口唇~下顎の拡大です。

続いて、頚部とその拡大です。

毛が多いためわかりにくいのですが、全身を紹介したあと毛をカットするとわかりやすくなります。

続いて、右前肢とその拡大。

続いて、左前肢とその拡大です。

今後の治療成績をあげるため、薬浴を実施するために毛をカットしました。

毛をカットすることでかなり炎症が重度におきていたことがわかると思います。

それではこの初診から1か月後の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくみることができます。

被毛の再生があるのですが、皮膚炎・腫れ・フケにおいて著しい改善が認められています。

もちろん肝心の「痒み」も10分の1まで改善しています。

常になめたり噛んだりして、パンパンに腫れていた前肢はまったくなめなくなったということでした。

今回の診療ではいくつかキーポイントがあります。

①アポキルが効かないタイプの皮膚炎か?

アポキルが効かないわけではないのですが、過去の治療結果が示したようにアポキルだけでよくなる皮膚病ではないと判断しています。

もちろん当院からはアポキルを処方しています。

②過去にアポキルで改善がなかった理由は?

診断名として足りないものが1つ、治療方針として足りないものが2つあったため。

③何が足りなかったのか?

1つは初回に実施した薬浴で、実は薬浴直後から劇的に改善していることからも足りない治療のピースの1つは薬浴だったと思います。

④「薬浴+アポキル」で改善するか?

薬浴の効果は一過性であり、ずっと長期間継続するようなことはないため、1回の薬浴でここまでよくするのは難しかったと考えています。

薬浴により皮膚コンディションを一気に改善させ、もう1つの大事な治療でケアしていくというイメージの方が適切です

もう一つの治療については、初診当日あん動物病院の大石先生に「なぜそう思うのか?」「皮膚のどこの部位をどう評価するのか?」についてお伝えしました。

もちろんシーズーの典型的な皮膚病ですので、当院のスキンケア&サプリメントが治療のサポートにかなり役立っています。

投薬治療があってこその治療成績ですが、体質にはかなりフィットしたアプローチになっています。

当院の診断&治療があればかなりの精度で治療結果がでることが期待できるため、遠方にお住いの方も遠隔診療をご検討ください。

なお、今回の初診のシーズーちゃんの治療方針ですが、初診前に送っていただいたメールと写真で想定した通りで、診察時の修正はありませんでした。

もちろん遠隔診療時の変更もありません。

今後はアポキルを減らしていくのですが、以前のような皮膚炎のぶり返しはおきないと考えています。

次回のブログは本日12月16日に初診として来院された柴犬の皮膚病の初診時状態を紹介します。

アポキル0.45㎎/kg1日2回でも痒みの改善がまったくないという主訴で来院しています。

もちろん診断は一瞬、診察台に乗る前に「なぜアポキルが効かないのか?」がわかる皮膚病です。

アポキルが便利すぎて「痒み=アポキル」となりがちな皮膚科診療ですが、当院では「アポキルが効かない痒みの治療」と「アポキルを減らすための治療」の両方に力を入れています。

◆◆◆ご案内◆◆◆

1月8日、10日に京都市の動物病院 「よこた動物診療室」で皮膚科診療のサポートを行います。
8日はすでに定員に達しましたが、10日はまだ受付可能です。
継続治療はよこた動物診療室での通院治療が基本ですが、京都への通院も困難な遠方の方には遠隔診療でサポートします。
京都市内にお住いの方で、皮膚炎治療にお困りの方は当院HPの遠隔診療の都市部開催お問い合わせフォームからご連絡ください。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【皮膚科専門外来】痒い=アポキル治療ではない

2017.12.09

シーズーの痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

「次回は来年ですね」とお話することも多くなり、1年の終わりを実感する毎日です。

年末年始をカイカイで過ごすことにならないよう、わんちゃんと飼主さまの両方が穏やかにすごせるよう全力で取り組む毎日です。

それでは今日の症例報告です。

非常に遠いところから来院されているわんちゃんです。

【症例】

 シーズー 7歳 女の子(避妊済)

【経過】

 〇1歳から発症し、1年を通じた皮膚トラブル

 〇季節性があり、梅雨~夏が最も悪い

 〇痒みは手足をなめる&かむ、頚部~下顎をかく、お腹を床にこする・・・

 〇アトピカ服用で効果なし、インターフェロン注射でも改善なし

 〇コルタバンスでも改善なし

 〇ステロイド服用でやや改善

 〇アポキル効果なし

 〇抗生物質(アポキルと併用)効果なし 

それでは初診時の状態を紹介します。

まずは頸部から。

続いて、下顎。

続いて、右前肢3枚(腕2枚、手先1枚)。

続いて、胸~腹部とその拡大。

続いて、内股~後肢。

続いて、左膝の内側。

続いて、右膝~すねの内側。

続いて、背中とその拡大。

初診時から6週間後の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

痒み症状がゼロではないのですが、皮膚炎レベルとしてはかなり改善しました。

治療の余地はまだ大きく残っており、今後も1つか2つ上のレベルまでいけると考えています。

「アトピカ(シクロスポリン・免疫抑制剤)」、「インターフェロン注射」、「アポキル」で改善がないという皮膚病でしたが、なぜ今までよくならなかったか?

ここで大事なのは「パズル」の考え方です。

パズルは完成にはピースが不可欠で、ピースが異っても、ピースが足りなくても完成しません。

実は皮膚病の治療も同じくで、1つでも異なるピースを使えばいまくいきませんし、足りなければまったく改善しないこともあります。

今回のわんちゃんに関しても、アトピカが効かない皮膚病だったのではありません。

同じくアポキルが効かない皮膚病だったわけでもありません。

そして抗生物質が不要だった皮膚病でもありません。

アポキルを使って治すプランもつくれますし、アトピカを使って治すプランもつくれます。

選択したピースと、使う順番、数(種類)を間違えなければ改善可能な皮膚病です。

皮膚病がパズルより難しいのは、箱の中に必要なピースが入っていないこと、そして何より「枠」がないため、「ピースが足りないことに気づけない」というのはあります。

今回は選択したピースの間違いと、足りないピースに気づくことが治療のポイントだったかなと思います。

今回の治療症例ではスキンケア、ECプラス、LFプラスを使って治療しています。

すべての症例がスキンケア&サプリメントで改善するわけではないのですが、適切な診断・治療で併用するとこれほど便利なものはありません。

オンラインショップでお買い求めいただけます。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【シーズーの脂漏性皮膚炎】アポキル+アトピカ併用で治らない

2017.12.07

シーズーのアトピー・アレルギー性皮膚炎、脂漏症を伴うマラセチア性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

シーズーの皮膚病治療、特にシャンプー療法(スキンケア)に力をいれている当院ですが、スキンケアだけで皮膚病がなんでもよくなると思っているわけではありません。

サプリメントもしかり、当院ではスキンケア&サプリメントを推奨していますが、このスキンケア&サプリメントで皮膚病が治ると思っていたら病院を閉めています。

今でもクリニックとして皮膚科治療を行っているのには理由があります。

今日はそんな医療(治療)がなければ改善しない、というシーズーの症例報告です。

【症例】

 8歳 シーズー 避妊雌

【経過】

 〇約5年前から慢性的な皮膚病

 〇1年前までステロイドを1日1回投与(約3年間継続投与)

 〇9か月前からアポキルを1日2回投与開始

 〇1か月前からアポキル1日2回に加えて、シクロスポリン1日1回投与併用開始

それでは初診時の状態を紹介します。

今回は来院時の状態のまま、毛をカットする前のコンディションを紹介します。

まずは正面から。

続いて、頚部とその拡大。

続いて、胸部~腹部とその拡大。

身体全体の右側面。

続いて、身体全体の左側面。

続いて、右後肢。

続いて、左後肢の膝~脛の付近。

同じく左後肢の側面拡大。

初診時から約5か月後の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックするとおおきくすることができます。

5か月というのは当院の中でもやや長めですが、見違えるような劇的な改善です。

今回も「スキンケアとサプリメントが重要で・・・」と言いたいところですが、このレベルの皮膚疾患をスキンケア&サプリメントだけ改善するのは正直かなり困難です。

今回の症例では投薬治療を含めて、全総力をあげての治療となりました。

院内薬浴も初期は週1回、その後も2~3週間に1回、投薬治療も同様です。

確かにスキンケア&サプリメントも非常に重要ですが、初期治療にはお薬の力がかかせません。

なにせ1年間アポキルを1日2回も服用して、さらにシクロスポリンを併用して改善しなかった症例ですので、相当な体質なのはご理解いただけるかと思います。

参考までに当院でこういった脂漏症のシーズーちゃんに推奨しているスキンケアとサプリメントは以下のオンラインショップでお求めいただけます。

あくまで適切な診断・治療の上でご利用ください。

では何が足りなかったのか?

当院ではどのような投薬内容を行ったのか?

1年間1日2回投与したアポキルをどう考えるべきか・・・?

ステロイドの副作用と考えらえる脱毛はなぜ投薬中止後1年たっても改善しなかったのか?

当院ではこういった難治性皮膚病の症例をどうみていくのか、定期的に勉強会を開催したり獣医師向けの診療レポートを作成しています。

今回の症例でも診療レポートを作成して配信する予定です。

スキンケアとサプリメントを含めて提携をご希望の方はお問い合わせください。

※皮膚科のない動物病院に限ります。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【シーズーの皮膚科診療】アポキルが効かない痒み治療

2017.11.10

シーズーのアトピー&アレルギー性皮膚炎、脂漏性マラセチア性皮膚炎などの痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

当院の治療ブログでもたびたび登場している「アポキル」というお薬ですが、基本的には効果が出やすく副作用が少ないため非常に使いやすいお薬といえます。

ただどんな痒みでも抑えることができるか?というとそうではなく、効きにくい痒みもあります。

そのため診療では「アポキルが抑える痒みかどうか?」の判定と、「アポキルで抑えられない痒みにどうアプローチするのか?」の腕が非常に重要といえます。

今回紹介するのは「アポキルで改善するが、抑えきれない痒み」についての症例です。

【症例】

 シーズー  8歳  女の子

【経過】

 〇1年前半まえから当院で治療開始し、薬浴・アポキルによって著しい改善を認める。

 〇ここ数ヶ月、内股の痒みが強く、従来どおりの投薬治療で改善が認めらにくい

それでは、初診時から約1年半後の状態を紹介します。

顔・頚部・四肢はほぼ正常に近いところまで改善しています。

問題は内股、特に右の内股が皮膚炎をおこしています。

右に比べて左に同じような皮膚炎は認められません。

従来どおりの治療を継続していても改善が認められない場合は、新しいアプローチが必要です。

当院の初診からこの日まで使ったことがない別の治療法を併用しました。

約1ヵ月後の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

赤み、痒みともにほぼ消失しました。

アポキルを毎日服用していても抑えられなかったかゆみが、新しい投薬治療により数日で消失しました。

「アポキルが効かない」ではなく、アポキルも効果的だったが、すべての痒みを抑えるわけではないということです。

アポキルを処方するときにはこのアポキルによりどの部位の痒みがどの程度抑えられるのかを予測した上で、さらに「改善がなかった次の手」を準備して処方するようにしています。

「アポキルが効かなければお手上げ」とならないためにも痒みの原因を診極める必要があります。

今回の治療に併用したサプリメントは当院のヒーリングケアLFプラスです。

ヒーリングケアLFプラスは投薬治療の補助、アポキルの減量に非常に有効と考えています。

今回のシーズーの脂漏性マラセチア性皮膚炎の院内薬浴にしようしているスキンケア商品とサプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。

正確な診断、適切な投薬治療があってこそのスキンケア&サプリメントですので、遠方にお住まいの方は当院の遠隔診療とご一緒に継続されることをお勧めしています。

また、当院では個人動物病院向けに、皮膚科の診療提携を行っています。

診断・治療内容、スキンケア商品・サプリメントについて提携をご希望の方はお問い合わせください。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【シーズーの皮膚科専門外来】マラセチアに惑わされない

2016.12.02

名古屋・愛知で皮膚病治療を専門に行っている動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

シーズーといえば難治性皮膚病が多くで、原因にはマラセチアと脂漏症・・・・・・・教科書的に書くとこうなります。

間違いではなく、マラセチアが関連した皮膚病ですし、脂漏症が起きやすいことで悪化しやすく、治りにくくなっています。

しかしマラセチアをなんとかすることが治療ではありません。

脂漏性マラセチア性皮膚炎という理由で治療が「抗脂漏シャンプー」と「抗真菌剤シャンプー」と「抗真菌剤」に・・・一見理にかなっているようですが、こう考えるからまったく改善しない症例がいます。

そのため難治性といわれていますが、実は治療はいたってシンプルです。

今日はそんな典型的な症例報告です。

【症例】

シーズー  7歳3ヶ月  男の子(去勢手術済み)  

【症歴】

 〇5年前(2歳)に痒み、赤みが発症

 〇他院で抗生物質、ステロイド、ステロイドスプレーをもらったが治らない

それでは初診時の状態そのままの姿です。

まずは正面から。

続いて頚部。

同じく頚部の拡大。

続いて胸部です。

続いて、右前肢です。

続いて、右前肢(手首あたり)の拡大です。

続いて、膝~足先です。

続いて後肢の甲の部分拡大です。

続いて右後肢の甲の拡大です。

この初診時からわずか5週間後、比較してみましょう。

※画像をクリックすると大きくみることができます。

飼主さまからは「赤みも痒みも極端に減った」と喜んでいただけました。

スキンケアも重要で、当院から免疫のためのサプリメントも併用しています。

もちろん投薬治療、当院での薬浴もとても改善に役に立ったと思います。

1つも欠けてはいけない治療の組み合わせです

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

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