2018.11.29
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は柴の症例です。
【症例】
柴 5歳3ヶ月 女の子(避妊手術未)
【経過】
〇1歳から口唇の痒み
〇今年の春から全体的に痒みがひどくなった
〇前肢の肉球をしつように舐める
〇陰部から内股にかけて舐める
〇腕・膝を噛む
〇抗ヒスタミン剤+ステロイドで痒みが抑えられず、現在エリザベスカラー着用
それでは、初診時の状態です。
まずは、体の正面です。
顔の右側です。
足裏とその拡大です。
それでは、初診時から約4週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
足裏を舐めなくなったので赤みが引いているのがわかります。
エリザベスカラーも外すことができました。
【症例報告制作者】 看護士 長尾
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【獣医師の解説】
顔の痒み、四肢をしつようになめる、腕・膝を噛む・・・柴犬の典型です。
この典型タイプは一般的に「柴犬だからアレルギー」、「顔と四肢端はアレルギーがでやすい」という先入観からアレルギー治療がメインになりがちですが、アレルギーという視点でアプローチすると治療失敗の原因になりやすいと考えています。
ではどうですればいいか?
それは心因性です。
心因性に対するアプローチをすると、エリザベスカラーが必要だった痒みもおさまってきます。
アポキルも2日に1回という控え目な量でも、痒みを抑えるには十分というレベルです。
当院ではどういった症例に心因性アプローチをするのか、どのお薬をどの程度つかうのか、何を併用するのか?・・・など、獣医師向けの心因性皮膚病セミナーを開催しています。
ご興味のある方は診療提携希望として当院までお問い合わせください。
投稿者:
2018.11.09
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は痒みが続くウェスティの症例です。
【症例】
ウェスティ 11歳6ヶ月 男の子(去勢手術済)
【経過】
〇アポキルを1年以上毎日服用したが治らない
〇食事療法を行ったが改善しなかった
〇昨年春から徐々に悪化、初診時(2018年8月)が一番悪い状態
それでは、初診時の状態です。
まずは体の正面です。
前胸部です。
前肢の足先です。
脇全体と、右脇の拡大です。
内股です。
それでは、初診時から約8週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
ボロボロとした部分が取れ、皮膚の黒ずみもだいぶ綺麗になっています。
痒みもだいぶ引いたそうです。
このような症例には当院が開発したスキンケアとサプリメントが非常に有効です。
当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。
【症例報告作成者】 看護士 長尾
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【獣医師の解説】
アポキルを1日1回1年継続しての現状のため、相当な難治性に入ります。
ウェスティの脂漏症はアポキルがでる以前から治療が難しく、当院でも苦戦してきた過去がありますが最近はアプローチ方法を変えることで随分改善できるようになっています。
こういった症例の治療を成功させるポイントの1つは、「痒みを抑えるために痒み止め内服を使う」という認識をやめることかと思います。
仮に「痒みを抑える」という視点でアプローチすると、古くからあるのは「ステロイド」であり、今はアポキルという副作用が非常に少ない選択肢があります。
ステロイドが長期使用で副作用がでやすいことを考えると、今の皮膚科がアポキル一辺倒になるのはやむを得ないのかなと思います。
そしてこのステロイドやアポキル以外で痒みを抑えるとしたら同じく古くからある「抗ヒスタミン剤」や「免疫抑制剤」があります。
しかし抗ヒスタミン剤による痒みの軽減効果はかなり限定的で、実際このウェスティの症例も「アポキル+抗ヒスタミン剤」だったので重症例で明らかな改善は期待できません。
免疫抑制剤についてはアポキル登場以前はよくつかわれていたようですが、飲みにくさや痒みを直接的に止める作用が弱い&効果がでるまで時間がかかるなどの理由もあり、アポキルの登場により敬遠されがちで、当院に転院されるわんちゃんで免疫抑制剤を使っている症例はほとんど見かけなくなりました。
今回の症例は最も使えるアポキルで改善しないというのがスタートラインとなっています。
ではどうすればいいのか?
ここで「痒みを止める内服薬」という視点をメインにしないようにします。
次に目を向けるのは「重度の脂漏」です。
なぜこんなにひどい脂漏が起きているのか?、脂漏をどう抑えるか?を考えます。
原因が2つあるのですが、この原因は初診時にわかります。
抑える方法はアポキルではなく、別の方法を2つ使います。
そう、今回はステロイドもアポキルも使わず治療プランを組み立てています。
※厳密には初診時に胃腸炎+発熱があり新しい治療プランのスタートは2週目からとなりました。
それでもたった2ヵ月でここまで改善できるので、痒み治療はアポキルだけではなく、症例に合わせたアプローチが必要ということです。
以下まとめ。
今回の症例の大きなポイントの1つは、内服治療にアポキルもステロイドも使わずここまで改善する治療プランが存在することです。
2つめのポイントは、初診時に脂漏症の原因が2つわかり、それに対して治療プランを組み立てることができることですね。
投稿者:
2018.10.26
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はゴールデン・レトリーバーの症例です。
【症例】
ゴールデン・レトリーバー 6歳4ヶ月 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇3年前から下顎を血がでるまで掻き壊す
〇腹部を舐める、噛む
〇足裏を真っ赤になるまで舐める
〇2年前からエリザベスカラーを使用
〇この2年間、アポキルを毎日服用しいてるが改善しない
〇食事療法を行ったが改善せず
それでは、初診時の状態です。
まずは下顎とその拡大です。
下顎全体的に痒いのではなく、毎回同じ部位を書き壊しています。
続いて、腹部です。
続いて、足裏です。
それでは、初診時から約7週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
舐める、掻くなどの行為も減り、エリザベスカラーも外すことができました。
腹部、足裏の赤みもだいぶ良くなったと思います。
このような症例には、当院が開発したヒーリングケアLFプラスが非常に有効です。
スキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。
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【獣医師の解説】
心因性による痒み行動(舐め壊し、掻き壊し)の割合が高い症例です。
初診時から心因性に対する積極的な治療が必要です。
心因性のためサプリメントは非常に理にかなったアプローチですが、程度が強いため投薬治療の併用が必須です。
お薬の種類の選択、お薬の投薬量の設定が非常に難しいため、治療に相当な慣れがなければ難しい症例でもあります。
食事療法やアポキルでの治療ではほとんど改善しないため、視点を変えたアプローチが重要です。
投稿者:
2018.10.15
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はしつこい手舐めが続いているフレンチブルドッグの症例です。
【症例】
フレンチブルドッグ 3歳 女の子(避妊手術済)
【経過】
○1年前から手を舐める
○寝ている時以外ずっと舐めている
○季節性あり(夏がひどい)
○胸部、腹部に湿疹が出やすい
それでは、初診時の状態です。
まずは体の正面です。
次に、右前肢の甲、指間、足裏です。
続いて、左前肢の甲、指間、足裏です。
それでは、初診時から約4週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
痒みも減り、寝ている時以外はずっと舐めていた手も舐めなくなりました。
犬の癖のような手舐め・足舐めといった心因性の痒みには、当院が開発したヒーリングケアLFプラスが非常に有効です。
当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。
【症例報告制作者】 看護師 長尾
投稿者:
2018.09.06
シーズーのアトピー・マラセチア性皮膚炎・脂漏症など、痒い皮膚病の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
シーズーの皮膚病は本当に治しにくい場合があります。
あのアポキルでしっかりコントロールできる症例もいますが、そうでない症例も相当数いるかと思います。
今日はそんな「アポキルでは抑えきれないだろう」というシーズーの皮膚病症例です。
【症例】
シーズー 8歳
【経過】
〇3年前から皮膚トラブルで、通年性(季節による改善はほぼなし)
〇外用ステロイドスプレーによる改善なし
〇痒み(四肢なめる・内股舐める)がひどいため、常時エリザベスカラーを装着している
それでは初診時の状態、まずは正面から。
続いて、胸部~わき。
同じく左わきの拡大。
続いて、内股です。
病変部の確認と、治療成績向上を兼ねて毛をカットしました。
続いて、右わき(毛カット後)です。
続いて、内股です。
毛をカットしたあと、そのまま院内薬浴を実施しましたので、その実施直後の状態を紹介します。
まずは胸部。
続いて、左前腕です。
同じく左前腕の内側です。
同じく左前腕の外側です。
続いて、内股です。
続いて、右後足の膝~スネあたりの写真です。
今回はここまでです。
とういうのも、つい昨日来院されたため、2回目の診察はまだ先です。
このタイプ、一見シーズーの典型症例にみえるかもしれませんが、ちょっとイレギュラーです。
そのためシンプルななアポキル&シャンプーでは抑えきれないものがあります。
初診時にどの部位を、どう評価するのか?
そしてどの治療方針を選ぶのか?
この一番大事なポイントは提携動物病院にメールでお知らせします。
この症例は初診時の「診た目」に特徴があるので、「アポキル&シャンプーではない」理由がわかるタイプです。
提携をご希望の方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
投稿者:
2018.09.03
ポメラニアンの脱毛・脂漏などの皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
ポメラニアンの脱毛というと毛周期停止(アロペシアX)が有名で、当院を受診されるポメラニアンも脱毛症(毛周期停止・アロペシアX)が多いのですが、その他の皮膚病もないわけではありません。
【症例】
ポメラニアン 1歳8カ月 女の子(不妊手術済)
【経過】
〇生後4か月のころから身体・四肢を掻く&噛むといった痒み症状を呈する
〇平成29年6月から当院受診5月までアポキル(オクラシチニブ)を毎日服用するも十分な改善はない
〇アポキルを1日2回服用を3カ月続けたが、1日1回と比較して痒みの軽減はない(今は1日1回)
〇過去の服用は、抗生物質として「メトロニダゾール・アモキシシリン・ドキシサイクリン・オフロキサシン・ホスホマイシン・エンロフロキサシン」、ステロイド、抗ヒスタミン剤
〇食事療法はアミノ酸系など2種類(おやつはなし)
〇外用ステロイドでの改善なし
〇季節性はなし
〇傷だらけになってしまうため、エリザベスカラーを常に装着している
それでは初診時の状態です。
まずは正面から。
続いて、右前腕と手先です。
続いて、左前腕とその拡大です。
続いて、胸部・腹部の順番です。
続いて、側面とその拡大です。
続いて、左後肢の側面(膝~カカト)です。
最後に、後ろからです。
それでは初診時から3カ月半の状態と比較してみましょう。
改善点を列挙していきます。
①エリザベスカラーを完全に外すことができました(初診時から2カ月半の時点)
②毛並みがよくなりました
③フケ・皮脂が劇的に減少しました
痒みがないというわけではありません。
かじったりもありますが、何よりエリザベスカラーがないという生活を取り戻すことができたのは大きなことだと思います。
今回のポメラニアンの症例はややイレギュラーな皮膚病で、途中治療初期には嘔吐・下痢・低血糖・高CRP値の問題点もでたりもしましたが、初診時から治療方針の変更はなく、順調に改善したと判断しています。
参考までに今回の3カ月半にアポキル(オクラシチニブ)は1度も使っていません。
使ってはいけないという意味ではなく、アポキルで改善は難しいと判断しています。
今の皮膚科では「掻く」「舐める」「噛む・かじる」といった痒み症状にアポキルという流れが定着しつつあり、いいこともあればそうでないこともあるように思います。
アポキルが効く皮膚病と、効きにくい皮膚病を診極めて処方することができればもっと皮膚病の治療成績は高くなると考えています。
今回の症例で改めて考えたことですが、
①エリザベスカラーを使うメリットはほぼない
やむを得ず装着する場合は、「あとで外せる」と判断できる場合に限り一時的につけてもいいと思っています。
②アポキルは魔法のような万能薬ではない
アポキルが抑えられる痒み症状は全体の一部です。
「痒い=アポキル」ではないので、アポキルを処方するときは「アポキルが効くのか効かないのか」の判断と「もしアポキルが効かなかったら」のプランニングをして処方する必要があると思います。
③病気の原因は1つではない
アトピー、膿皮症、食物アレルギー・・・・など有名な病気はさまざまありますが、病気が複数まざっていることも多いので、治療が1つにならないように組み合わせてアプローチする必要があります。
パズルのピースのように、1枚でも足りない・ズレあると完成しないので、「枠のないパズル」という感覚があってもいいと思います。
うまくいかないときは「足りない」か「ズレがある」です。
参考までに今回の症例でも院内薬浴(スキンケア)とヒーリングケアLFプラスを使っています。
ただ、今回の症例を検査なく、投薬治療もなく改善させるのは99%不可能だと思います。
的確な投薬治療をしながらスキンケア&サプリメントを併用するのが大事です。
一応当院で使っているスキンケア商品・サプリメントの紹介をしますが、適切な医療提供がなければ難しいことも多々あることをご理解ください。
投稿者:
2018.08.10
犬猫の心因性・精神的・不安などによる皮膚疾患の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は以前にも紹介した猫の続きです。
※本当は犬の皮膚病しか受付していないのですが、開業当初にきた患者さんの猫だけは継続してみています。
あらためて初診時の状態です。
続いて、背中と拡大です。
治療から半年以上たっていますが、以前よりさらによくなりました。
ヒーリングケアLFプラスを継続していただいているので、非常に良い状態です。
犬の皮膚病の場合はアトピー&心因性&食物有害反応&ホルモン異常・・・と色々重なるので治療が難しくなったり、ヒーリングケアLFプラス単独での改善効果を実感しにくくなるのですが、猫は心因性単独の場合が多いため「よく効く!」と実感できる症例が多いです。
猫の舐めすぎ脱毛には非常にお勧めで、当院のオンラインショップからご購入できます。
投稿者:
2018.08.04
シーズーの脂漏症・マラセチア性皮膚炎・ニキビダニ(毛包虫・アカラス)といった皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
シーズーの皮膚病は非常にシンプルですが、負のスパイラルが回りだすと非常に重症化して何をどうすればいいのか優先事項がわからなくなることがあるため難治性になりやすい傾向があります。
シーズーの皮膚病はこれを把握すれば10中8,9うまくいきます。
〇膿皮症
〇マラセチア性皮膚炎
〇脂漏症
〇アトピー
〇食物有害反応
〇心因性掻痒症
〇内分泌疾患
〇毛包虫(アカラス、ニキビダニ)
平均で4~5つありますので、治療成功の秘訣は1つも漏らさず診断して、優先順位を間違わないことです。
当院でのシーズーの皮膚病改善率が100%なのはこの診断と優先順位の診極めだと思います。
【症例】
シーズー 4歳 女の子(不妊手術済)
【経過】
〇今までずっとアトピーと言われていた
〇食事療法している
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは正面から。
続いて、顔の左側です。
続いて、顔の左側です。
続いて、頚部とその拡大です。
続いて、前胸部です。
続いて、右前肢です。
続いて、左前肢と腕、肢端の拡大です。
続いて、胸部です。
続いて、腹部です。
続いて、右後肢と左後肢です。
続いて、側面とその拡大です。
それでは初診時から6週間後の状態と比較してみましょう。
痒みは皆無に近く、非常に元気になって体調も絶好調になったそうです。
診断は、毛包虫(ニキビダニ、アカラス)、脂漏性マラセチア性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、食物有害反応です。
このタイプに心因性は含まれていません。
こういった症例では治療に順番があり、毛包虫からアプローチして、マラセチアとアトピー対策を次に行います。
食物有害反応に対する食事療法は初回からでもいいと思います。
今回のポイントは、
①初診時に毛包虫(ニキビダニ、アカラス)を確実に見つけること
②併発疾患であるアトピー・脂漏・マラセチアより毛包虫に対しるアプローチを先に行うこと
③初期の毛包虫に対する治療から途中でアトピー・脂漏・マラセチアよりの治療にシフトすること
④初診時ないし2回目に毛のカットと薬浴を行うこと
だと思います。
投薬治療が必須の症例ですが、スキンケア&ECは非常に重要だと思います。
投稿者:
2018.07.05
アポキルが効かないアトピー・マラセチア・脂漏症などシーズーの痒い(舐める・掻く)皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
気温・湿度ともに上昇中で、非常に過ごしづらい季節になりましたね。
今日は夏に弱いシーズーちゃんですが、ちょっとだけ特徴のあるわんちゃんの症例です。
【症例】
シーズー 4歳半 女の子
【経過】
〇1年以上アポキルを服用しているにも関わらず痒みが改善しない
〇夜に寝れなくなるほど痒がる
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは正面から。
続いて、下顎~頚部と、下顎の拡大です。
続いて、胸部~腹部です。
続いて、左後肢です。
写真では重症度がわからないとは思いますが、痒くて痒くて眠れない!という状況です。
なによりアポキルを1年以上服用し、当院まで100件以上の動物病院を超えてきていますので、どれだけ痒いのかは見た目以上だというのは伝わると思います。
こういった症例ではアポキルがまったく効かないわけではないというのは、過去の治療症例記事で何度もお話してきた通りですが、せっかくなので「アポキルなし」で治療してみることにしました。
その方が「アポキルだけが治療のすべてではない」というのがよくわかりますし、この子の痒みには何がどれだけ効果的なのか?が飼主さまにもよく伝わると思います。
それではアポキルを完全にゼロにして、初診時から約2週間後の状態と比較してみましょう。
なにせ初診時の状態でわかりやすい皮膚炎がなったため、変化は乏しいですね。
ただ痒みは随分となくなり、掻く日もあるが掻かない日もあり、特に夜もぐっすり眠ることができるようになっています。
なにをやったかというと、薬浴&投薬治療&サプリメントです。
内服治療にはステロイド、シクロスポリン、アポキルは使っていません。
外用薬の処方もありません。
サプリメントは当院で開発したヒーリングケアLFプラスを使用しています。
2020年追記 現在はパーソナルケアPⅡ+を推奨しています。
そう、痒みの原因の1つは心因性です。
今回の痒み行動の原因が純粋な痒みではなく、心因性の行動であることに気づくことがポイントです。
心因性の痒みにアポキルはほぼ効きません。
ただ、アポキルが効く痒み(アトピー)もありますので、それはアポキルでもいいですし、今回のようにアポキル以外の薬浴で緩和させてもいいと思います。
今回はあえて「痒い=アポキルではない」という意味でアポキルを使わずに治療しています。
もちろんアポキルを使いながらでもいいのですが、痒みの原因を分析してアポキルが効く痒みが全体のどれほどあるのか、アポキル以外で抑えなければいけない痒みがどのくらい残るのか、初診時に確実に判定できることが重要ですね。
これも診た瞬間に「アポキル以外の方法でも十分にコントロールできる」と判定できた症例です。
的確な診断・治療があれば当院のスキンケア&サプリメントが非常に相性がいいタイプです。
当院で開発したスキンケア商品とサプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
シーズーの皮膚病はスキンケアブームの弊害でスキンケアばかりが注目されますが、本当はそうではありません。
スキンケアを大事にしつつ、サプリメントを大事にすることがなによりも治療成績に差をつけます。
的確な診断治療とともに、ECプラスとLFプラス(現在はパーソナルケアPⅡ+を推奨)を使用していただければ多くのわんちゃんの相性に合うと思います。
投稿者:
2018.07.04
シーズーの「フケ」「脂っぽい」「ベタベタする」「皮膚が硬くなる」といった症状を特徴とするアトピー・アレルギー・脂漏症・マラセチア性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
梅雨~夏になり皮膚トラブルも増えてきています。
特にシーズー・フレンチブルドッグの犬種ではこの時期が一番皮膚病が悪化しやすいですね。
今日はそんなシーズーの典型的な皮膚病の症例報告です。
【症例】
シーズー 12歳 男の子
【経過】
〇5歳のころからずっと皮膚病
〇季節性はなく、1年通して発症している
〇ここ数年はステロイドを2日1回で服用を続けている
〇アミノ酸系の食事療法継続中
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは正面から。
続いて、頚部と毛を掻き分けた拡大です。
続いて、首の下(前胸部)です。
続いて、胸部~わきです。
続いて、腹部です。
続いて、背中全体です。
こういった症例には薬浴が非常に効果的で一瞬でよくなりますので、病変部確認を兼ねて全身をカットします。
初診時の全身カット後の状態をみてみましょう。
まずは頚部とその拡大です。
続いて、前胸部です。
続いて、右前肢の外側です。
続いて、右前腕とその拡大です。
続いて、右前肢の手首と肢端です。
続いて、胸部とその拡大です。
続いて、右後肢の外側と膝付近の拡大です。
続いて、右後肢の足首~甲の拡大です。
最後に背中を2枚です。
初診時から18日後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
完全に毛が伸びて見えなくなる前にほぼ完全にキレイになったと思います。
初診時に薬浴をして1週間後の2回目診察時には痒み(掻く)が激減しており、「内股と手を舐める」が残っているだけでした。
この治療の流れで症状の改善に差が出る場合は「そのまま継続」よりも、1つ加療した方がいいです。
そこで、当院が開発した舐め癖用サプリメント「ヒーリングケアLFプラス」だけを追加処方したところ、3回目(2回目から11日後)の診察時には掻くどころか舐めるすらゼロになりました。
もちろん当院受診後のステロイドの服用はゼロです。
こういった症例には当院のスキンケア&サプリメントがかなり役に立ちます。
全身の毛をカットして、オイル&シャンプー&オイルジェルがあれば投薬治療の成功をサポートできます。
フケや脂漏が多いと「スキンケア」だけに注目されがちですが、このタイプの根本的なケアはサプリメントです。
ECプラスで免疫と脂漏をコントロールして、LFプラスで舐め癖を抑えなければいつまで経っても「こまめなシャンプー」から開放されません。
洗ったらきれいになるけど、痒いしぶり返す・・・という結果になってしまいます。
スキンケアで表面をよくしながら内側(体質)へのアプローチをすることで加速的によくなりますので、絶対にサプリメントを併用してください。
もちろん適切な診断・治療があってこそです。
当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
脂漏症のタイプでのお勧めはオイル・シャンプー・オイルジェル・ECプラス・LFプラスです。
局所の皮膚炎・湿疹であればローションでかなり簡単なケアもできます。
投稿者: