2023.06.09
こんにちは、わんちゃんの皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はミニチュアダックスフンドの子の症例です。
【症例】
ミニチュアダックスフンド 12歳3ヶ月 男の子(去勢済)
【経過】
〇全身に痒みがあり、特に梅雨の時期に悪化
〇湿疹から瘡蓋を繰り返す
〇11歳で保護する以前より発症
〇『掻く』が6割、『舐める』が4割
〇シャンプー週1回、保湿週1回
〇アポキルの効果はあるが、飲まないと痒がる
それでは初診時の様子をご覧下さい。
まずは首です。
全体的に薄いですが、中心部分はほぼ生えていません。
次に胸とお腹です。
こちらも体の中心に毛は生えていません。
こちらはお腹側の尻尾の付け根です。
ごっそりと毛がありません。
最後に右後肢の内側です。
湿疹があり、皮膚は黒く、鱗状になっています。
全体的に薄毛で、皮膚コンディションが低い。
そのため被毛形成異常によってアトピーの悪化と部分的に膿皮症が起きていて、アポキルが効かない状況になっていると診断しました。
【当院の治療方針】
①被毛形成異常
・投薬治療
②腸活(免疫異常の改善)
・食生活変更
・スキンケアECプラス
③脂漏症 & 膿皮症
・ホームケア強化
→じっくり丁寧なクレンジング・シャンプー・保湿のフルコースを週1回の頻度で実施していただきました。本人(犬)としてはこれだけでも随分楽になります。
それでは治療から4ヶ月後、さらに8ヶ月後の様子を比べて見ましょう。
初診(対面)〜5回のオンライン再診を経て、ここまで改善してきました!
上記の3つの治療を開始して1ヶ月時点で大幅に痒みが軽減→2ヶ月目にはニオイがなくなり、毛がツヤツヤになってきたと実感いただいています。
写真を見ると毛並みの変化がよくわかると思います。
これは表面だけでなく「内面から」変わってきている証で、
ここまで毛並みが回復してくると、痒みや膿皮症もかなり改善してきます。とはいえ油断は禁物で、まだ投薬治療は継続が必要ですが徐々に減薬していくように計画しています。
参考までに、この子は痒くなりやすい体質のためアポキルも処方していますが、毎日飲ませていたのが現在は2日に1回〜3日に1回に減薬。症状に合わせて都度調整しています。
~再発しない身体作り~
「再発しない身体作り」のために
・腸活(腸管免疫改善)と
・毛並みの回復 は欠かせません。
感覚的にわかっている方も多いと思うのですが
「毛並みが悪い」のは
「どこかに異常があるサイン」なのです。
当院では一般的な治療で治らない難治性の皮膚病の子を多く診ていますが、
そのほとんどに共通しているのが
「毛並みが悪い」という点です。
ただし、毛並みの良し悪しは
どんな検査をしても測れないし、
確立された治療法もまだありません。
おそらく一般の動物病院では診断すらしてもらえないのが現状でしょう。
痒みの原因がすべて毛並み異常とは言いませんが、経験上、健康な犬に比べて皮膚病になりやすい子には何らかの遺伝疾患があることは確かです。
「愛犬の痒みの原因を知りたい」
「長引く痒みから解放してあげたい」
「毎日ご機嫌で過ごしてほしい」
繰り返す愛犬の膿皮症や脂漏症、慢性的な痒みにお悩みの方は、一度当院受診をご検討ください。
【初診申込はホームページから】
初診申込はWEBフォームより24時間受け付けています。
※通常、申込内容確認後1~2営業日での返信を目指していますが、休診日をまたぐ場合や、申込が立て込むともう少しかかる場合もあります。
当院オリジナルのサプリメントとスキンケア製品は、当院ホームページのオンラインショップからご覧いただけます。
尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。
※症状によってはできないこともございます。
詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。
インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。
【症例報告制作者】上林
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