2015.11.17
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
お久しぶりです。
つい最近のブログで「10月はブログを過去最高ペースで更新しました!」とお話していたばかりですが、また再発しました・・・
「燃え尽き症候群」
当院は春から夏にかけて忙しくなり、10月にピークがくるため自然と「10月までがんばろう!」と意識してしまうせいか、10月が終わるとスイッチきれてしまいます。
そう去年も、一昨年も11月は燃え尽きてました。
大好きな下町ロケットをみてもブログを書く気力が湧かず・・・(笑)
ですが、「追い込んでこそいい仕事ができる」が持論ですので、気持ちを入れ替えてがんばります。
今回は当院を受診されたのが2年くらい前からなのですが、治るのが遅く、再発しやすい柴犬の治療症例を紹介します。
ポイントは
〇痒みトラブルが多い
〇診断名は膿皮症(抗生物質に反応する)
〇血液検査などで主要な内分泌疾患は除外
〇アレルゲン特異的IgE検査で異常なし
〇毛並みが悪い
当院が移転する前から受診歴があるため、約2年前くらいの初診時の様子からみてみましょう。
柴犬で起きやすい口唇の皮膚炎が認められます。
続いて、体幹の毛並みをかきわけてみてみます。
柴犬の本来の毛並みは「地肌が見えない」ですので、全体的に被毛が少なく、毛並みが悪いという状態です。
問題としては2つ、「投薬治療で改善するが、再発が多い」、そして「毛並みが悪い」です。
1~2年前までは湿疹・痒みを改善させることはできるのですが、この「なぜ毛並みが悪いのか?なぜ再発するのか?」を明確にして改善させることができませんでした。
そして再発のため9月に来院されました。
そのときの状態です。
以前は湿疹を抑える治療しかできませんでしたが、今は違います。
「なぜ皮膚炎になるのか?なぜ毛並みが悪いのか?」を含めたアプローチができます。
飼主さまに「これ、最近になって原因がわかりました。昔はできませんでしたが、今なら新しい治療ができます。今回はフワフワにしてみせますよ!」とお伝えして・・・・・・1ヵ月半後です。
毛を掻き分けても地肌がみえないほどフワフワです。
もちろん皮膚コンディションも最高に良い状態がキープできています。
柴といえばアレルギー、特にアトピーが圧倒的に多いのが事実ですが、これをアレルギーと診断しては迷走してしまいます。
おそらくですが、アレルギーと考えてステロイド系を使用すると迷走の原因になると思われます。
今回の診断と治療は教科書には掲載されていません。
そもそも教科書にすべて答えが掲載されていれば、世の中のほとんどすべての皮膚疾患がどこの病院でも適切に治療ができるはずです。
そうでない理由は・・・・・・・・
病気を教科書の情報だけで分類してはいけないということです。
医療は5感すべてを使った感覚と、創造性が最も重要だと思っています。
なので教科書はたま~にしか読みません(笑)
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