2015.03.15
こんにちは、四季の森どうぶつクリニック院長平川です。
昨日スキンケア商品とサプリメントの紹介をしましたが、今日はこれに絡めて皮膚病の再発防止についてお話します。
治療を行うことで改善するのは当然として、治療を終了もしくはフェードアウトしていくとどうでしょうか?
そのまま再発がないにこしたことはありませんが、当院を受診するわんちゃんは重要例が多いためやはり再発は十分に考えなければいけない症例の方が多いのが現状です。
そのため治療がうまくって、お薬をなくして治療レベルを落としていくときにはこの再発の可能性を十分に考慮しながら治療をやめていきます。
大事なのは「再発したらまた同じ治療をしましょうね」ではなく、「再発したら次どうするのか?」を考えながら治療をやめていくことです。
今回紹介する症例はこの再発についての症例報告です。
経過は非常に長いのですが、
①最初のアプローチは投薬、薬浴で徐々に改善
②十分に改善しているところで徐々に治療薬からフェードアウト、そして薬浴の間隔を長くする
③治療レベルを落としたところ再発
④治療を再開するが、最初の治療方針とは異なるアプローチをする
という概要です。
参考までに今回の症例は以前簡単に紹介している症例です。
⇒ プチ症例報告
それでは再発時の状態をみてみましょう。
病変は体幹部、背中からみていきます。
次に頚部のやや右から。
続いて腹部の右側面から。
皮脂・フケが多いためシャンプーで除去すると皮膚炎のレベルがよくわかりますので、シャンプー後の状態をみてみましょう。
やや左から。
ここから2週間後です。
実際によくみると病変がないわけではなく、個人的にはまだあるという評価ですが、初診時と同じ条件の写真で比較すると随分ときれいになっているのがわかると思います。
では今回の2週間は初診時と同じ治療をしたのか?というと実は違います。
もちろん同じ治療をほどこしても改善するとは思うのですが、同じことをしてしまうと治療のフェードアウトのときに今回と同じ再発を招いてしまいます。
そのため次は再発防止を意識して別のアプローチが必要になってきます。
今回は言葉では悪く聞こえてしまうかもしれませんが「再発必至ですが、それでも再発を前提にあえて治療からフェードアウトしましょう」としました。
もちろん僕の中では同時に「再発したら次のアプローチはこう!」というのを決めて望みました。
参考までに使用したのは先日も紹介した改良に改良を重ねたサプリメントです。
元々外用薬も併用していたのですが、外用薬だけで効果がでたのでは?という点については、外用薬を体幹の右半分の局所のみとしたため、全体が改善したことを考慮するとサプリメントが十分に効果がでたのではないかと思います。
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