2014.09.13
こんにちは、四季の森どうぶつクリニック院長平川です。
今年の上半期は移転準備を理由に症例報告に手をつけていなかったのですが、最近気持ちを切り替えて取り組むようになり、少しばかり自分にスイッチが入ったような気がします。
何でも治せます!なんていえませんが、美しくアグレッシブに攻める診療をお魅せできればと思います。
今回もチワワですが、前回の症例報告でチワワにはいくつかパターンがあるというお話しをしました。
「脱毛」、「アレルギー」、そして「脂漏」です。
脂漏にも大きく2パターンあるのですが、そのうちの1つを紹介します。
【症例】
チワワ 7歳 男の子
【経過】
〇3年前から皮膚病、1年通して発症している。
〇季節性があり夏が最も悪い
〇過去に抗生物質、シャンプーを処方されたが改善なし
初診時の状態をみてみましょう。
まずは頚部から。
同じく頚部の拡大です。
続いて、頚部のやや下の全胸部~前肢です。
続いて右前腕とその拡大。
続いて、左前腕とその拡大です。
続いて、腹部。
続いて、右内股と膝部分の拡大です。
この初診時から6週間後の状態と比較しています(治療は5週間です)。
それぞれ画像をクリックすると拡大してみることができます。
まずは頚部と、その拡大です。
続いて、前胸部~前肢。
続いて、右前肢とその拡大。
続いて、左前肢。
初診時と角度が若干かわっていますが、内股です。
※後肢の拡大がありませんが、治療後の撮影を忘れてしまいました。しかし同様に改善しています。
スキンケアのため部分的に被毛をカットしているため短くなっていますが、皮膚のコンディションが正常に戻っているのがわかると思います。
このタイプは初診時に治療の方向性を明確にすることが可能であり、この最速の治療結果にはスキンケアが最も重要です。
投稿者:
2014.09.12
こんにちは、四季の森どうぶつクリニック院長平川です。
陽のあたる日中はまだ暑さを感じるものの、夜は冷えるようになってきましたね。
さて、今日はチワワの症例報告です。
難治性皮膚疾患になりやすい犬種といえば・・・柴犬、フレンチ、シーズー・・・と、実はチワワが上位に入るわけではありませんが、その圧倒的な飼育頭数から難治性で来院するチワワも稀ではありません。
そしてチワワであればいくつかパターンがあり、大きく「脱毛症」、「アレルギー」、「脂漏症」の3つに分かれる傾向にあります。
病気が1つとは限らず複数もつこともあり、それがまた診断と治療を難しくさせる要因なのかもしれませんが、初診時にその病態を適切に判断することが最も重要です。
【症例】
チワワ 2歳10ヶ月 男の子(去勢済み)
【経過】
☆1才から痒みを伴う皮膚病
☆冬に悪化しやすい?再発を繰り替えす
それでは初診時の状態です。
病変は顔、耳、四肢端です。
まずは顔を左右でみてみましょう。
続いて、下顎です。
続いて、頚部とその拡大です。
続いて、前肢端です。
同じく前肢、右前肢の拡大です。
最後に後肢です。
よくあるチワワの典型皮膚疾患ではありませんが、診ただけでもチワワらしい体質が予測できます。
この初診時から1ヶ月半後と比較していきましょう。
わずか1ヶ月半で完治?と見間違うほどの改善です。
重要なのは初診時にどう病態を判断するか、お医者様の「みたて(見立て)」と一緒です。
たとえ初診時に血液検査結果が出揃っていなくても、2ヵ月後にどこまでよくなっているか・・・いくつかパターンをあげつつも予測できるか?が重要です。
今回に限らず毎回ですが、各種検査結果が出揃って改めて考え直すことはほとんどなく、検査結果でパターンの整理をするだけで何か特別な病気の可能性や治療パターンを用意することはありません。
そのためほぼ初回の「みたて」通りにアプローチします。
今回の症例に関して、たしかに診た目は重度ですが、たった1つの特徴的な病変が顕著にでているだけだったため、僕が頭で描いたゴールへの道筋は1つです。
逆に頭で描いたたった1つの治療パターンで改善がなければ・・・????
なくはないのですが、今回は「これで改善しないはずがない」という判断ができるほど自信をもってスタートをきることができた症例です。
現在初診から半年経過しましたが、現在でも比較的いい状態を維持できています。
もし何も治療を加えなければ徐々に悪化してしまう可能性がある疾患のため、現在でも治療継続中ですが現在では1ヶ月に1回の診察でコントロールできています。
「初診からの集中治療期間1ヵ月半」、「その後の来院頻度月1回」という内容はかなり軽い症例の方で、全体の中では非常に少ないパターンです。
すべての症例で可能なわけではありません。
投稿者:
2014.09.06
こんにちは、四季の森どうぶつクリニック院長平川です。
先日「秋になりました♪」と書いたばかりですが、また夏に戻ってしまったような暑さです。
そして相変わらず急な雨・・・日本は亜熱帯になってしまったのでしょうか。
さて、久しぶりに症例報告です。
今回は少ないようで、意外と皮膚疾患の多いチワワの症例です。
【症例】
チワワ 1歳6ヶ月 男の子(去勢済み)
【経過】
☆飼い始めた当初から全体的に被毛が少なかった
☆成犬になっても増えず、徐々に少なくこの1ヶ月で首の地肌が見えるまで脱毛が進んだ
それでは初診時の状態です。
一見普通のチワワちゃんで、皮膚病にみえないようにも感じますが、
まずは頚部をみてみましょう。
つづいて、同じ頚部の毛が薄い部位の拡大です。
続いて、胸部(あおむけ)です。
同じチワワちゃんを飼っている方でないとわかりにくいかもしれませんね。
それでは治療後の比較です。
このように比較するとよくわかると思います。
普段「痒みを伴う皮膚疾患」を中心に症例報告しておりますが、「痒みを伴わない脱毛症」を診ていないわけではありません。
ただ当院の症例報告に脱毛症の治療成績の掲載が少ないことには理由がございまして、
①痒みを伴わない脱毛症は診断名をつけることが難しい
②現在の医療ではまだまだ治療が追いついていないところもある
ということで、積極的に掲載しないようにしています。
ただ、今回はお電話いただいた時点で「〇〇〇〇脱毛かな?」と予測でき、診断名も当初の予測どおりしっかりつけることができ、なにより治療結果が想定通りだったため掲載しました。
ですが痒みを伴わない脱毛症は非常に奥が深く、まだまだ医療が追いついていない影響もあり、診断がついたからといって高い確率で改善するわけではありません。
ポメラニアンの「アロペシアX」という脱毛症を含め、特に若齢で発症する脱毛は難しい場合がありますね。
次はプードルの脱毛症の症例報告を予定しています。
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