症例別

【トイプードルの皮膚病】アポキルが効かない脂漏症②

2018.12.15

トイプードルのアトピー・アレルギーなど脂漏を伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

 

今回の症例は以前紹介したトイプードルの脂漏症のその後です。

 前回記事 ⇒ 【トイプードルの皮膚病】アポキルが効かない脂漏症

 

初診時の詳しい状態は前回記事をご覧ください。

改めてよくなった部位の比較を行います。

初診時の状態から。

まずは右前腕。




 


 

 





 


 

 

それでは初診時からわずか6週間後の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。


変化としては、

 ・痒み:ほぼなし

 ・脂漏:ほぼなし

 ・毛の再生

 ・エリザベスカラーを完全に外すことに成功

です。

・・・・・・・・・・

【獣医師の解説】

今回の症例のポイントは

 ①脂漏をどうコントロールするか?

 ②痒みをどうコントロールするか?

 ③エリザベスカラーを外せるか?

です。

①に関しては投薬とスキンケアが非常に重要ですが、アポキルでは抗脂漏が難しいためその他のプランが推奨されます。

②痒みは2種類の痒みがあるため、アプローチ方法を2~3つ用意して臨まなければいけません。

 それこそアポキルで痒みをコントロールできない典型症例なのですが、その理由は最後の腰背部~臀部の病変ですね。

 前腕の痒みも心因性が一部含まれていますが、腰背部~臀部の痒みはほぼ心因性といっても過言ではないです。

この心因性のアプローチがなければ③エリザベスカラーを外すは難しいでしょう。

 

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【シーズーの皮膚病】痒み=アポキルではない治療方針

2018.11.16

こんにちは。四季の森どうぶつクリニックです。

今回はシーズーの症例報告です。

 

【症例】

シーズー 8歳4か月 男の子(去勢手術済)

 

【経過】

○5歳頃から痒みや赤みが出始め、この1~2年で悪化

○季節性はなく、冬も症状がある

○過去に抗生剤を使用したが、あまり効果が感じられなかった

○痒み止めも効果がなかった

○手先や内股をよく舐める

○エリザベスカラーをつけている

 

それでは初診の状態です。

まずは顔の正面です。



 

頚部です。

 

両脇です。

 

左脇です。

 

腹部です。

 

左後肢です。

 

それでは、初診時とその約8週間後の状態を比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

実は初診時から4週間でほぼ綺麗になったのですが、撮影を忘れており比較写真が8週間になっています。

肝心の皮膚の状態は著しい改善をみとめ、エリザベスカラーも外すことができました。

このような症例には積極的な投薬治療がこれだけ早い治療結果を出すポイントになりますが、当院が開発したスキンケアとサプリメントが非常に重要です。


当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。

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【獣医師の解説】

アトピー・痒み疾患に対する新薬アポキルの登場により、今の「痒みを伴う皮膚病」にはアポキル一辺倒になりつつあります。

しかし「痒い=アポキルが効く」ではなく、むしろアポキル以外の方が治療成績が高いこともあります。

そのため、これからの皮膚科で重要なことは、

 ①その症例にアポキルがどこまで効くのか?

 ②アポキル以外に効く治療法があるのか?

 ③アポキルが効かない痒みがないか?

だと思っています。

今回の症例はそこの3つのことが重要になっていることを証明するような症例で、

 ①アポキルでは不十分

 ②アポキルよりも効く治療薬がある

 ③アポキルが効かない痒みがあるため

と判断し、あえてアポキルを使わず治療しています。

ただアポキルがまったく効かないわけではないため、今後はアポキルに切り替える余地はあると思います。

たらればの話になりますが、もし最初からアポキル単独であれば・・・これだけ早い治療結果はでなかったと思います。

 

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【シーズーの皮膚病】アポキルが効かない手舐め・足舐め

2018.11.16

こんにちは。四季の森どうぶつクリニックです。

今日はシーズーの症例報告です。

 

【症例】

シーズー 12歳3か月 女の子(避妊手術済)

 

【経過】

○生後1~2歳頃から痒み

○7歳頃~手足をよく舐めるようになり、血マメ(はじけて出血)になるようになった

○アポキル、抗生物質、ステロイドを使用したが、効果が出なかった

 

 

それでは初診の状態です。

まずは体の正面です。

 

左前肢です。

 

腹部です。

 

右後肢です。

 

左後肢の内側です。

 

それでは、初診時とその約8週間の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックすると拡大することができます。


体の赤みが減り、毛も生えかなり良くなりました。

 

このタイプの症例には治療薬が不可欠ですが、当院が開発したスキンケア&サプリメントが非常に重要になってきます。
当院で開発したスキンケア商品は以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。

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【獣医師の解説】

シーズーによくあるタイプで、おそらく既存の治療で最も治りにくいタイプの1つかと思います。

特徴は、

①シーズー

②アポキル・ステロイドが効かない

③病院専用療法食

④手先・足先・内股を舐める

⑤手先・足先(指間)に血マメができて、はじける

です。

この特徴があるときは、3つのポイントを同時に抑える必要があります。

3つのポイントは初診時に判定できますが、検査では検出することができないため、主訴・問診・見た目で判断する力が必要です。

今回の症例は、当院受診以降一度も血マメができなくなり、アポキル・ステロイドで改善がなかった四肢の皮膚炎もほとんど消失しています。

「痒み・舐める・皮膚炎」がイコール「アポキルが効く」ではないため、なぜ腫れているのか?なぜ舐めるのか?なぜ炎症がおきるのか・・・を追求する視点が重要です。

 

 

 

 

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【フレンチブルドッグの皮膚病】重度の膿皮症の完治&再発防止

2018.10.20

こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。

今回は繰り返す湿疹に悩むフレンチブルドッグの症例です。

 

【症例】

フレンチブルドッグ 10歳 男の子(去勢手術未)

 

【経過】

○2~3歳頃から湿疹、円形脱毛

○5歳から胴体全体に悪化し、2ヵ月前から腕・足にも急激に悪化

○1年中痒いが、梅雨~夏にかけて悪くなる

○頭、耳を掻く

○手を舐める

○食事療法を行ったが改善しなかった

 

それでは、初診時の状態です。

まずは体の正面です。

 

顔の正面、右側、左側です。


 

続いて、右耳の正面です。

 

続いて、後頭部です。

 

続いて、頚部と前胸部です。
 


 

続いて、右前肢の足先です。

 


続いて内股です。
 

続いて、右後肢とその拡大です。

 


右側面と後ろから見た様子です。


 

それでは、初診時から約4週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。



 






 


 


 


痒みも減り、身体を掻くことも無くなりました。

頚部と前胸部の被毛も綺麗に生えてきているのが分かります。

また、全身にあった湿疹もほぼ綺麗になりました。

飼主様からも、「本当に綺麗になった!」と嬉しいお言葉を頂きました。

※2018.11月追記

抗生物質と院内薬浴を終了し1カ月以上経過しても、1つも膿皮症の再発が認めらていません。

 

このような症例には当院が開発したスキンケアとサプリメント(特にECプラス)が非常に有効です。

当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。


【症例報告制作者】 看護師 長尾

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以下、獣医師によるコメントです。
フレンチブルドッグの膿皮症は多いのですが、今回の症例は特別です。
理由は重度であるという簡単な表現ではなく、数と分布の問題です。
かなり密度の濃い膿皮症(かさぶた)があること、四肢にもでていることはイレギュラーな証拠です。
また耳のダメージも特徴ですね。
これらを加味すると、イレギュラーなりの原因が推測でき、初診時に原因を特定することにつながりました。
そのためたった4週間という短期間での治療が可能になったという側面もあります。

やはり診た瞬間にどれだけ原因と対策をイメージできるかが治療のポイントになります。
今回の症例は当院と診療提携している動物病院に解説メールをお送りします。

獣医師 平川

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

遠隔診療のその後

2018.09.30

当院を受診できない遠方にお住いの方にメールと写真で継続する遠隔診療を提供している皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

 

以前にも報告した通り、今年の夏は「山口県」と「北海道」に往診に行きました。

原則として「直接診るのは1回だけ」という背水の陣で臨みますので、往診に行くからには改善の確信を持って伺っています。

もちろん今回の2件とも「いける」という確信をもって伺いました。

そしてその2件のその後ですが、まだ治療中とはいえ十分な改善が認められたようです。

1件は心因性の掻き壊し・舐め壊しのチワワちゃんで、掻き壊しを防ぐために誰かが家にいなければならず、1人では買い物にも行けないというものでした。

もちろん治療の目標は掻き壊しをなくすのは当然で、「わんちゃんが留守番して買い物ができるように」ということも目標にいれました。

まだ治療して1カ月ですが、十分に改善が認められたようで、①一番の問題だった口唇の痒みはほとんどなくなり、②短時間でも留守番ができるようになったということでした。

 

2件目のわんちゃんは写真を見るのがいいと思いますので、紹介させていただきます。

【症例】

 柴犬

【経過】

 〇アポキルを1日1回をずっと継続しているにも関わらずよくならない

 〇過去には心因性の治療として抗不安薬の投与もしたことがある

 〇甲状腺ホルモン剤も服用中

 

最初に相談メールをいただいたときのお写真がこちら。

柴犬のよくあるタイプの1つです。

もちろんこの時点で「今まで治らなかった理由」と「どうやったら治るのか」はわかるのですが、追加でいただいた昔の写真をみて確信を得ることができました。

これは「アポキルでよくならない決定的証拠写真」です。

実際に往診に伺うときには治療方針は決まっていたので、お薬をもって出発です。

そこから約1か月後。

 

痒みも随分と落ち着き、毛も再生してきました。

また心因性の痒みもあるため、心因性の投薬治療を追加したのですが、「改善あり」という判定でした。

今回の症例にはいくつか評価ポイントがあります。

1つは、「なぜアポキルが効かないのか?」ですね。

2つは、「なぜ心因性の治療に効果がでたのか?」です。

2つ目の理由は非常にシンプルで、「その他の治療方針がパーフェクトだから」です。

心因性の治療はその他の治療方針にわずかでもズレがあると、まったく改善しなくなることがあるため、心因性以外の皮膚トラブルの診断・治療が上手くいっているときに実施しなければ評価が難しいです。

 

あとは順調に回復するのを待つだけです。

年末にはフワフワ&サラサラを期待しています♪

 

1つめの「アポキルが効かない理由」は当院で実施している個別セミナーで紹介しています。

診療提携をご希望される動物病院はお問い合わせください。

 

 

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

アポキルよりも効果のある治療薬の選択

2018.09.11

アポキルが適応となるアトピーや脂漏症・マラセチア性皮膚炎など痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。


日本でアポキルが発売されて3年目の夏ですね。

飲みやすく、即効性があり、長期的な副作用が非常に少ないということで「痒い皮膚病=アポキル」という方程式が成り立つようになりました。

当院でも「まず無難にアポキル」の選択肢はありだと思っています。

しかし今までのブログで何度も書いてきたように、「どんな痒い皮膚病にもアポキルが効くわけではない」というのはあるため、アポキルは選択肢の一つにしかすぎません。

今日紹介するのは長期間アポキルを服用していたが、別のお薬に変更することによって改善した症例の紹介です。


【症例】

 ペキニーズ 7歳 女の子(不妊手術済)

【経過】

 〇発症は通年性だが、梅雨~夏の季節性の悪化も認める

 〇全身がべったり、臭いが強い

 〇舐める・掻くといった痒み症状


それでは初診時ではなく、当院で1年半治療している状態を紹介します。

治療内容は1カ月に1回の院内薬浴と、アポキル1日1回投与を基本としています。

続いて、お腹とその拡大です。

同じくお腹の陰部周囲の拡大です。

続いて、右後ろ足の膝周囲の拡大と、やや内股の写真です。

続いて、右後足の足首付近です。

 

この時点まで1年半、内服治療はアポキルでしたがこの時点からアポキル1日1回を中止し、別の投薬治療に変更しました。

それ以外の食事療法、院内薬浴などの条件は一切かえていません。

投薬治療のみを変更して6か月後の状態と比較してみます。

皮膚コンディションの改善が明らかに認められました。

赤み・色素沈着ともに大きな改善が認められます。

また脂漏・臭いについてもかなり改善があり、飼主さまからも「明らかに臭いがへった」と評価していただけました。

さらに投薬治療を切り替えた半年前がちょうど2月の真冬で、6か月後の比較後の写真が8月の最も悪くなる季節であることを考えるとかなりの改善と評価できます。


今回のポイントですが、「痒い皮膚病=アポキル」ではないことを改めて実感することができました。

思い返せばこの症例が初診で来院したときがアポキルの発売時期で、初診から3週目からアポキルを使い始めました。

そのときはほぼすべての皮膚疾患をアポキルがカバーできると思っており、この症例でも同様に効果的だろうと判断していました。

しかしアポキルが発売されて2年を越えて今思うことは、「アポキルは脂漏症には部分的な効果しか示さない」です。

アポキルによって痒み症状は緩和できるとは思いますが、脂漏症にはもっと効果的なお薬があります。

それでもアポキルでもいいのですが、治療の選択肢として把握しておくことは重要だと思います。

今回の治療内容の変更については提携病院にメールで配信予定です。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

アポキルとシャンプーで治らないタイプの皮膚病

2018.09.06

シーズーのアトピー・マラセチア性皮膚炎・脂漏症など、痒い皮膚病の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。


シーズーの皮膚病は本当に治しにくい場合があります。

あのアポキルでしっかりコントロールできる症例もいますが、そうでない症例も相当数いるかと思います。

今日はそんな「アポキルでは抑えきれないだろう」というシーズーの皮膚病症例です。

【症例】

 シーズー 8歳

【経過】

 〇3年前から皮膚トラブルで、通年性(季節による改善はほぼなし)

 〇外用ステロイドスプレーによる改善なし

 〇痒み(四肢なめる・内股舐める)がひどいため、常時エリザベスカラーを装着している

 
それでは初診時の状態、まずは正面から。

続いて、胸部~わき。

同じく左わきの拡大。

続いて、内股です。

病変部の確認と、治療成績向上を兼ねて毛をカットしました。

続いて、右わき(毛カット後)です。

続いて、内股です。

毛をカットしたあと、そのまま院内薬浴を実施しましたので、その実施直後の状態を紹介します。

まずは胸部。

続いて、左前腕です。

同じく左前腕の内側です。

同じく左前腕の外側です。

続いて、内股です。

続いて、右後足の膝~スネあたりの写真です。

今回はここまでです。

とういうのも、つい昨日来院されたため、2回目の診察はまだ先です。

このタイプ、一見シーズーの典型症例にみえるかもしれませんが、ちょっとイレギュラーです。

そのためシンプルななアポキル&シャンプーでは抑えきれないものがあります。

初診時にどの部位を、どう評価するのか?

そしてどの治療方針を選ぶのか?

この一番大事なポイントは提携動物病院にメールでお知らせします。

この症例は初診時の「診た目」に特徴があるので、「アポキル&シャンプーではない」理由がわかるタイプです。

提携をご希望の方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

シーズーの脂漏症・マラセチア・毛包虫(アカラス)治療

2018.08.04

シーズーの脂漏症・マラセチア性皮膚炎・ニキビダニ(毛包虫・アカラス)といった皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。


シーズーの皮膚病は非常にシンプルですが、負のスパイラルが回りだすと非常に重症化して何をどうすればいいのか優先事項がわからなくなることがあるため難治性になりやすい傾向があります。

シーズーの皮膚病はこれを把握すれば10中8,9うまくいきます。

 〇膿皮症
 〇マラセチア性皮膚炎
 〇脂漏症
 〇アトピー
 〇食物有害反応
 〇心因性掻痒症
 〇内分泌疾患
 〇毛包虫(アカラス、ニキビダニ)

平均で4~5つありますので、治療成功の秘訣は1つも漏らさず診断して、優先順位を間違わないことです。

当院でのシーズーの皮膚病改善率が100%なのはこの診断と優先順位の診極めだと思います。

【症例】

 シーズー 4歳 女の子(不妊手術済)

【経過】

 〇今までずっとアトピーと言われていた

 〇食事療法している

それでは初診時の状態をみてみましょう。

まずは正面から。

続いて、顔の左側です。

続いて、顔の左側です。

続いて、頚部とその拡大です。

続いて、前胸部です。

続いて、右前肢です。

続いて、左前肢と腕、肢端の拡大です。

続いて、胸部です。

続いて、腹部です。

続いて、右後肢と左後肢です。

続いて、側面とその拡大です。

 

それでは初診時から6週間後の状態と比較してみましょう。

痒みは皆無に近く、非常に元気になって体調も絶好調になったそうです。

診断は、毛包虫(ニキビダニ、アカラス)、脂漏性マラセチア性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、食物有害反応です。

このタイプに心因性は含まれていません。

こういった症例では治療に順番があり、毛包虫からアプローチして、マラセチアとアトピー対策を次に行います。

食物有害反応に対する食事療法は初回からでもいいと思います。

今回のポイントは、

①初診時に毛包虫(ニキビダニ、アカラス)を確実に見つけること

②併発疾患であるアトピー・脂漏・マラセチアより毛包虫に対しるアプローチを先に行うこと

③初期の毛包虫に対する治療から途中でアトピー・脂漏・マラセチアよりの治療にシフトすること

④初診時ないし2回目に毛のカットと薬浴を行うこと

だと思います。

投薬治療が必須の症例ですが、スキンケア&ECは非常に重要だと思います。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【トイプードルの皮膚科専門外来】脂漏と痒み

2018.07.19

トイプードルのアトピー・マラセチア・脂漏性皮膚炎などの痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

トイプードルは遺伝的にアトピーと脂漏がセットで起きやすい傾向があります。

この脂漏に対してどうアプローチするのか、そして脂漏が起きている理由がアレルギーなのかどうか?が治療成功のポイントだと思います。

【症例】

 トイプードル 12歳 女の子(避妊手術済)

【経過】

 〇5歳まではまったく異常がなかった

 〇4年前から痒み

 〇お腹をかく&なめる、四肢端をなめるなど

 〇全身がベタベタして、シャンプー後もべたつく

それでは初診時の状態です。

まずは頚部とその拡大です。

続いて、腹部とその拡大です。

続いて、背中とその拡大です。

初診時と1週間後に院内薬浴を実施し、初診時から3週間後の状態と比較してみます。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

痒み・皮膚炎・ベタツキ・フケほとんど抑えることができました。

飼主さまからは「劇的によくなった。掻いているのをみたことがない。」という改善です。

こういったタイプの脂漏性マラセチア性皮膚炎の場合によく陥ってしまう落とし穴について解説します。

落とし穴①「こまめにシャンプーするしかない」

たしかにシャンプーすると脂っぽいのは和らぐのですが、それは一瞬だけです。

2~3日で元にもどりますし、シャンプーし続けたらよくなるものでもないため「エンドレス」です。

改善を実感することは難しいと思います。

どうして皮脂が多いのか?に向き合う必要性があります。

落とし穴②アポキルが効かなければ他に方法がない

今の皮膚科の課題の1つだと思いますが、「痒み=アポキル」という依存のようなものがあります。

毎回書いている通りアポキルは非常に使いやすいので「とりあえずアポキル」でも問題はないのですが、アポキルで改善がなければどうするのか?を考えながら処方する必要があります。

もちろんアポキルで改善がないときに、「アポキルが効かないのか?」「アポキル以外のアプローチが足りないから効かないようにみえるのか」の2つを区別できなければいけません。

前者(アポキルが効かない)であればアポキルは不要ですし、後者であればアポキルを使いながら別の治療プランを足していけばいいのです。

この2点の落とし穴に落ちないためには次の視点を持つ必要があります。

視点①なぜ脂っぽくなるのか?

脂漏の原因が簡単にわかれば誰も苦労しないのですが、特異体質でない限りだいたいわかります。

発症年齢などを考えて、アトピーなどの免疫異常を考えます。

ここで「アレルギー」と考えてしまうと迷走の原因になるため、アレルギーという概念に縛られない方がいいです。

もちろん内服治療としてアポキルはありですし、場合によってステロイド系もOKですし、シクロスポリンという手もあります。

視点②アトピー・免疫異常の改善には?

症状を抑えるために①の投薬治療は非常に有効ですが、将来的には投薬治療を減らすための他のアプローチを併用します。

具体的には免疫異常の根本である腸管免疫に注目し、当院が開発したサプリメント「スキンケアECプラス」が非常にいいです。

長期的にみると投薬治療が随分とへります。

当院で治療している脂漏症のほとんどが1年単位で皮脂がでにくく、投薬治療がへるという結果につながっています。

症状を緩和させる投薬治療も有効ですが、体質改善のためのサプリメントも同時進行で併用していくことが改善の実感には重要だと思います。

今回紹介したわんちゃんのケアには適切な診断治療と、当院で開発したスキンケア&サプリメントが非常に有効です。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

シーズーのアトピー・脂漏症・マラセチア性皮膚炎の最速治療法

2018.07.04

シーズーの「フケ」「脂っぽい」「ベタベタする」「皮膚が硬くなる」といった症状を特徴とするアトピー・アレルギー・脂漏症・マラセチア性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

梅雨~夏になり皮膚トラブルも増えてきています。

特にシーズー・フレンチブルドッグの犬種ではこの時期が一番皮膚病が悪化しやすいですね。

今日はそんなシーズーの典型的な皮膚病の症例報告です。

【症例】

 シーズー 12歳 男の子

【経過】

 〇5歳のころからずっと皮膚病

 〇季節性はなく、1年通して発症している

 〇ここ数年はステロイドを2日1回で服用を続けている

 〇アミノ酸系の食事療法継続中

それでは初診時の状態をみてみましょう。

まずは正面から。

続いて、頚部と毛を掻き分けた拡大です。

続いて、首の下(前胸部)です。

続いて、胸部~わきです。

続いて、腹部です。

続いて、背中全体です。

こういった症例には薬浴が非常に効果的で一瞬でよくなりますので、病変部確認を兼ねて全身をカットします。

初診時の全身カット後の状態をみてみましょう。

まずは頚部とその拡大です。

続いて、前胸部です。

続いて、右前肢の外側です。

続いて、右前腕とその拡大です。

続いて、右前肢の手首と肢端です。

続いて、胸部とその拡大です。

続いて、右後肢の外側と膝付近の拡大です。

続いて、右後肢の足首~甲の拡大です。

最後に背中を2枚です。

初診時から18日後の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

完全に毛が伸びて見えなくなる前にほぼ完全にキレイになったと思います。

初診時に薬浴をして1週間後の2回目診察時には痒み(掻く)が激減しており、「内股と手を舐める」が残っているだけでした。

この治療の流れで症状の改善に差が出る場合は「そのまま継続」よりも、1つ加療した方がいいです。

そこで、当院が開発した舐め癖用サプリメント「ヒーリングケアLFプラス」だけを追加処方したところ、3回目(2回目から11日後)の診察時には掻くどころか舐めるすらゼロになりました。

もちろん当院受診後のステロイドの服用はゼロです。

こういった症例には当院のスキンケア&サプリメントがかなり役に立ちます。

全身の毛をカットして、オイル&シャンプー&オイルジェルがあれば投薬治療の成功をサポートできます。

フケや脂漏が多いと「スキンケア」だけに注目されがちですが、このタイプの根本的なケアはサプリメントです。

ECプラスで免疫と脂漏をコントロールして、LFプラスで舐め癖を抑えなければいつまで経っても「こまめなシャンプー」から開放されません。

洗ったらきれいになるけど、痒いしぶり返す・・・という結果になってしまいます。

スキンケアで表面をよくしながら内側(体質)へのアプローチをすることで加速的によくなりますので、絶対にサプリメントを併用してください。

もちろん適切な診断・治療があってこそです。

当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。

脂漏症のタイプでのお勧めはオイル・シャンプー・オイルジェル・ECプラス・LFプラスです。

局所の皮膚炎・湿疹であればローションでかなり簡単なケアもできます。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

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