2015.12.23
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
今年もいよいよあとわずが、カウントダウンがはじまりましたね。
先日に下町ロケットが最終回を迎えましたが、生放送でみることができなかったため、7時からの総集編を含めて録画を今日みました。
そしてまた同じところで泣いてしまいました・・・
下町ロケットには仕事にまっすぐな人の心を表してくれているような気がします。
だから僕だけではなく多くの人の共感が得られるのだと思います。
今日はそんな共感の一つをブログにして、ある人にその想いを伝えたいと思います。
このブログのタイトルをみて、もしかしたら何年も前に僕が以前のブログに書いた診療への想いを思い出した方がいるかもしれません。
まったく同じ言葉ではないのですが、1件1件の診療への想いを書きました。
病院では年数とともにカルテが増えていきます。
カルテは数年で1000を超え、日常的に見ているわんちゃんは数百にものぼります。
しかしどれだけ多くのわんちゃんを診ても絶対に忘れないことがあります。
それは「1件は1分の1である」ということです。
もしかしたら獣医師にとっては数百頭の1頭だったり、、病院のカルテ上では数千分の1かもしれませんが、その飼主さまにとっては僕の診察は1分の1です。
診察では「この診察は飼主さまにとっての1分の1である」という想いを込めています。
だから毎年年末になると自分の中で大きな反省会を開きます。
「今年治せなかった症例は?」
毎年、毎年自己嫌悪の反省会です。
「今年こそゼロに」
という想いで1年がんばりますが、いまだにゼロになりません。
今年も2例、まったく改善させることができなかった診察がありました。
確率論であればまさに1%、100分の1しかありません。
しかしその子、その飼主さまにとっては1分の1です。
「1%くらいはしょうがない」
なんて通用するとは思っていません。
この1年も数え切れない治療症例報告を行いましたが、毎回「診極め」「一寸の狂いなく」とかきながら、本当は胸が痛くなりました。
「改善できなかったあの子でなぜできなかったのか」
思い出すだびに「自分の仕事は間違っているのか?」と自己嫌悪です。
100%なんて絶対ない、とわかっていても100%に向けて自分を追い込まなければいけません。
あと10年たっても、20年たっても、僕が「もう最後」と覚悟しても最後まで自分を追い込なまければいけません。
先日の下町ロケットの最終回でも佃社長がこの気持ちを代弁してくれました。
データ偽装を疑われた椎名社長が「60%で助かる医療機器がある。この60%は高いのか?低いのか?日本は100%でなければいけないから駄目なんだ」と主張したことに対して佃社長がこう答えました。
「その答えは私には到底出すことはできません。ですがね、1%だから死んでも仕方がないなんて思う人間はどこにもいませんよ。だから我々技術者は、常に100%の成功を目指して研究開発を続けるしかないんだ。にもかかわらず、自分の私利私欲のために、開発する努力を放棄してデータ偽装するなんて、言語道断だ!どんな理由があろうと、絶対にやってはならない、越えてはならない一線だ!大勢を救うために少数を犠牲にする事が正しいのか間違ってるのか、そんな事は医者も技術者も、ずっと昔から悩みに悩み続けてきた事なんだ。答えなんか出せる訳はないんだ。それでも先人たちはな、自分の無力さと戦いながら次こそは10人全員を救いたいと努力して、どうしても救えなかった尊い犠牲の上に唇を噛みしめて、今日の医療と技術を作り上げてきたんだ。アンタのやった、たった1回のデータ偽装のせいで、全ての技術者の信頼が失われたんだ。何千回、何万回とテストを繰り返し、歯を食いしばって挫折を乗り越え医療機器の開発に取り組んできた技術者たちの不断の努力を、アンタは一瞬で台無しにしたんだ!これでコアハートの開発は、当然ゼロからのスタートになるだろう。どれほど多くの患者さんが待ち望んでいたか。アンタのやった事こそ、助かるはずだった多くの命を踏みにじって-100%にしてしまう、命と技術に対する冒涜だ!」
伝わりましたか?
僕のセミナーでノウハウを盗んでいった先生、あなたのことです。
あなたは本当に獣医師として医療にまっすぐ向き合ってますか?
なぜ知りたいと思ったことに正面から向き合えなかったのですか?
なぜ身分を偽って従業員を潜入させたのですか?
それは自分さえよければいいという利己的なものではないのですか?
あたながやったことでどれだけ多くの努力が踏みにじられたかわかっていますか?
血のにじむような努力をしたことがないから、医療にまっすぐ向き合ったことがないからわからないのではないですか?
だから僕の抗議に「意味がわからない」といえるのでしょう。
僕はあなたに伝えたいことはまだまだたくさんあります。
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