2015.10.26
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
みなさん!
昨日の下町ロケットはご覧になりましたか??
心が震えるほど響く言葉の数々に、思わず泣いてしまいました・・・
※見ていない方はネットであらすじを読んでいただき、ぜひ実際にご覧ください。
もちろん僕がドラマにでている設定のような世界に誇る特許をもって・・・ではないのですが、
先の夏に大きな事件がおき、同じような想いを抱いていたので、すごくすごく気持ちが入ってしまいました。
その事件は約3ヶ月前にさかのぼった8月2日の話です。
東京で「飼主向け皮膚病セミナー」を開催し、7組の方がわんちゃんを連れてご参加くださいました。
全体セミナーでシャンプーについてや皮膚病としての大事なポイントを説明し、そのあとに個別で1頭ずつ皮膚を診ながら治療方針をお伝えし、治療に入るというものでした。
ところが、いたんですね。
悪意をもって参加された1組が・・・東京都板橋区の皮膚科動物病院が皮膚病のわんちゃんを代理で連れて僕の診察を受けてノウハウと治療法という答えだけを奪い取っていきました。
動物病院関係者であることが後から判明したので、後日電話で事情を伺いました。
すると、
「以前からずっと気になっていて、東京にくるというのを知って病院で会議を開いて代表として一人向かわせた」
という病院ぐるみでの取り組みでした。
僕はなぜそんな卑劣なことをするのか、なぜ名前をだしてくれなかったのか、と聞きましたが、「知りたかったから。名前は聞かれなかったから。」という返答でした。
当院のスキンケア・皮膚科診療のレベルは一朝一夕でできるものではありません。
特にスキンケアは僕一人だけの手柄でもありません。
僕自信は開業2年目まで実際にシャンプーをしていましたが、今は実際にシャンプーをすることはなく、スタッフが1件1件丁寧に僕の指示にしたがって行い、来院のたびにスタッフと前回の薬浴時と比べて・・・というコミュニケーションを取りながら洗練していったノウハウですので、病院全体で取り組んで得られたものです。
飼主さまから治療結果を求められるプレッシャーの中、まさに心の血のにじむような努力の結晶のノウハウでした。
そのスタッフ全員の血のにじむような努力の結晶を簡単に奪い取っていこうとする行為に僕は抗議しましたが、明確な謝罪はありませんでした。
当院を受診される飼主さまは当院に治療費という正当な対価をお支払いしていただけているので、僕はその病院に正当な対価と評価を要求しましたが、すべて返答なしでした。
所詮は「すべては己の利益のためだけに」というもので、「そのためには手段を選ばず他人の努力は踏みにじってもいい」というものなのでしょう。
今頃自分の手柄のように診療に生かしているのだと思うのですが、毎日努力し続けているスタッフのことを考えると胸が痛みます。
ここで下町ロケットの話にもどります。
僕が泣いた部分はここです。
※完全コピーではなく、ネットサイトに掲載されていたものです。
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人に喜びを与え、幸福にするのが本来の技術だ。
その技術を守るために特許がある。
たとえ裁判に負けても、特許が奪われても、金のことしか頭にない者にこの技術だけは奪えない。
「正義は我にありだ!」
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※ネットにネタバレとしてストーリーがかかれているので、興味のある方はどうぞ
⇒下町ロケット 第2話
下町ロケットはドラマの世界での話での話ですが、法律・裁判でさえ負けなければ特許泥棒してもいいと思う
集団がいるように、純粋な気持ちで技術にまっすぐ向き合っていない人は他人の努力を踏みにじることに
なんの躊躇もないのでしょう。
僕は忘れかけていた夏の事件を思い出して思わず泣いてしまいました(笑)
ですが、奪い取っていった当の本人たちはなんとも思ってないと思います。
「謝罪なんてしなくていい」というのが答えなのですが、その理由はわかっています。
診療にまっすぐ向き合って努力したことがないから、己の知らない技術・世界にたどり着いた人の努力に価値がわからないのです。
診療にまっすぐ向き合って日々努力し続けていれば、己の知らない技術をもった人間の努力の価値がわかるはずですから、こんなことできないはずです。
そういった意味では僕は「悪意がある」と評しましたが、当の本人達はきっと悪意すらないのでしょう。
昔からいいますよね?
「悪気がないのが一番悪質」
でもね、上面の答えだけ知っても使いこなせなければ意味がありません。
最後の大事なものは真剣に向き合って乗り越えてきた難関の数でうまれた診極めです。
それは絶対に奪えない。
そう、正義は我にあり!です。
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