2023.09.09
こんにちは、わんちゃんの皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はフレンチブルドッグの子の症例です。
【症例】
フレンチブルドッグ 7歳10ヶ月 男の子(去勢済)
【経過】
〇1歳から皮膚が赤く、湿疹と薄毛が見られる
〇最近になり舐める行動が止まらなくなった
〇24時間エリザベスカラー生活
それでは初診時の様子をご覧ください。
まずは首です。
被毛は薄く、赤い皮膚が見えます。
次に胸~腹部です。
ほとんど毛が生えていません。
胸の拡大写真です。
こちらは左脇の拡大写真です。
胸、腹部と同様ほとんど毛がありません。
次に右体側の胸です。
そして右体側腹部です。
最後に右後肢です。
毛は生えていますが薄いです。
【初診時の診極め】
ポイント①被毛形成異常
全体的に被毛が薄く、地肌が見えています。
フレンチブルドッグは単純なアトピーでないことが多く、
「毛並み異常」を併発してアトピーや膿皮症の悪化を起こしています。
・全体的に毛が『薄い』『細い』
・地肌が見える
・被毛が硬い
・毛がよく抜ける
こちらが当てはまる子は、被毛形成異常を疑います。
治療を進めるにあたり、この毛並み異常に対してのアプローチをすることが大事です。
②心因性
心因性の診断として、以下の行動パターンを問診で確認しました。
・他の犬の匂いを嗅いだ後に攻撃的になる
・ドッグランで一人で走り回る
・特定のものが好き
・バイクや車の音に怒る
・ロックオンしたものを追いかける(自転車など)
・掃除機のコードの巻取り時、興奮し飛びかかる
・落ちているもの(小石、木の実など)を拾い食いする
・食糞をする
・フローリングを舐める
・ぬいぐるみを破壊し中綿を出す
これらの行動は犬の成長過程の一つの事もありますが、
この行動パターンを示す症例は心因性の掻痒行動(舐める・噛む・掻く)が強く出る事があります。
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【当院の処方プラン】
①アトピー
・投薬治療
②膿皮症
・食事療法
③被毛形成異常
・投薬治療
④心因性
・投薬治療
・パーソナルケアPⅡ+
⑤週1回のホームスキンケア
・Medicareオイル
・Medicareシャンプー
それでは治療後の様子と比べてみましょう。
治療から1か月後にはエリザベスカラー生活が12時間まで減り、舐め行動も5割まで減りました。
毛が生え始め、痒みも5割程度にまで減りました。
そして治療から2ヶ月後には、After写真の状態まで改善されました。
毛質が改善し毛量が増えています!
エリザベスカラーは飼い主さま外出時に使う程度で、
舐め行動も2~3割まで減らす事ができました。
『毛が全く違う!人生初!』と飼い主さまに喜んでいただけました。
現在初診から6ヶ月経過していますが、
舐め行動は治療前の1割くらいと少なく、「声をかけたらすぐに止まる程度」と順調に改善しています。
心因性へのアプローチは長期でみていくことが重要です。
インスタグラムでは毛をかき分けている動画が見れます!ぜひご覧ください。
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当院への受診が難しくホームケアのみでアプローチする場合は、
・食事療法
・スキンケア
・免疫異常:スキンケアECプラス
・毛並み異常:アロペシアGR+
・心因性:パーソナルケアPⅡ+
がお勧めです。
当院オリジナルのサプリメントとスキンケア製品は、当院ホームページのオンラインショップからご覧いただけます。
この子のようにわんちゃんの皮膚病でお困りの方は是非当院までご連絡下さい。
尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。
※症状によってはできないこともございます。
詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。
【症例報告制作者】看護師 上林
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