2017.09.02
犬の皮膚病治療に力をいれている動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
先日、「皮膚病が治らない理由①」と書いたころ、以外にも知人の先生から好評を得ることができました(笑)
ということで、今回は第2弾として「膿皮症」に絞ってお話していきたいと思います。
キーワードは「そもそも」です。
①そもそも「本当に膿皮症?」
内科の先生が風邪の診察をするのと同じくらい犬の皮膚病では一般的な病気で、膿皮症を診たことない先生はきっといないと思います。
診た目もかなり特徴的なものがあり、誰もがしっているものです。
が、しかし・・・・膿皮症を診た目で判断すると痛い目にあいます。
10人の院長がいて、10人が診た目で「膿皮症」という病変でも、膿皮症ではない症例がいます。
もちろん膿皮症の治療をやってみうまく治りません。
※無菌性の膿胞ができる自己免疫疾患ではありません。
実際に「診た目は完全に膿皮症なのに、膿皮症ではない皮膚病変」を示した症例を複数ピックアップして、ある院長先生に見てもらいましたが、「これが膿皮症じゃないの?」と驚かれました。
皮膚病は診た目がとても重要ですが、診た目だけで判断したら痛い目にあうので要注意です。
「本当に膿皮症なのか?」と考えながら診療し、場合のよっては何度も検査で確認する必要があります。
次、
②「そもそもその抗生物質は効果あるの??」
膿皮症の治療の最優先事項は抗生物質の内服投与です。
しかし抗生物質と一言にいっても、数多くの種類があり、どんな抗生物質でも効果ある・・・とは限りません。
耐性菌といって「抗生物質に抵抗力をもった細菌」もいますので、抗生物質を処方すればいいというものではありません。
効果のある抗生物質を処方しなければいけないため、「処方した抗生物質は期待通り効いているのか?」という判定ができなければいけません。
場合によっては検査をするなりして、変更する判断能力が必要です。
③そもそもなぜ膿皮症になるのか?
どんな治療でも治れば結果OKなのですが、中にはうまくいかない症例もいます。
うまくいかないにもタイプがあり、「そもそも治りが悪い」と「治るけど、治療を止めるとすぐに再発する」の2つに分けられます。
こういった場合は「なぜ膿皮症になるのか?」を詰めていく必要があります。
ここがまた非常に奥が深く、今の獣医医療では放置されている傾向にあります。
当院の診療提携では、こういった教科書に書いていない「現場で必要な判断力」を重視してセミナーを開催しています。
ご興味のある方は、専用フォームからお問い合わせください。
9月18日(月・祝) 静岡県御殿場市(または近隣)
9月20日(水) 神奈川県箱根、または新東名近隣
10月9日(月・祝) 長野県茅野市(または近隣)
~11日(水)
上記の日程・地域で個別説明、近隣で開業されている場合は直接訪問いたします。
※皮膚科のない個人の動物病院向けです。
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