2011.04.06
柴犬のアレルギー性皮膚炎
【症例】
柴犬 女の子
【症状】
痒み:口唇、目、耳、指間、内股
今回の症例は、ステロイドを積極的に使用していき、低用量のステロイドで副作用もなくコントロール可能になったアレルギー性皮膚炎の症例です。
【治療経過】 |
ステロイド使用前の状態 |
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治療後(ステロイドを可能な限り低用量まで減らすことができた状態) |
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【結果】
柴犬に多く認められる典型的なアレルギー性皮膚炎です。ステロイドは対症療法(根本的な完治を目指せない)ではありますが、飼主さまとの相談で積極的にステロイドを使用した治療方針を選択しました。投薬以外の治療も併用し、ステロイドを減らしていきながらほぼ副作用をださずにコントロールできています。
【コメント】
ステロイドは皮膚への悪影響もあるため、使い方を間違えると皮膚病の悪化を引き起こしてしまいます。ですが、今回の症例のようにテクニック次第では非常に有効な治療法でもあります。よくある「痒みをとめるためのステロイド」という使い方では「飲むと痒みがとまり、飲まない日は痒みが再発する」となり痒みを抑えるためのステロイドが多くなってしまいますが、過剰な炎症をおさえ皮膚の機能を回復させる余地をもたせる目的にステロイドを使うとこのようにいい治療成績につながります。
もちろん完治ではありませんし、継続治療も必要ですし、長い目でみると悪化の時期もあるかもしれませんが、これも治療の一つです。
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