2021.10.26
フレンチブルドッグの毛並み治療にも力を入れている、犬の皮膚科専門動物病院の四季の森どうぶつクリニックです。
今回は、フレンチブルドッグの症例をご紹介します。
【症例】
フレンチブルドッグ 5歳8ヶ月 男の子(去勢済)
【経過】
〇手先や肘の内側を舐める(他は舐めない)
〇痒みあり(擦り付けることもある)
〇抜け毛が酷い
それでは初診の様子をご覧下さい。
こちらは首~胸、前足の写真です。
全体的に薄毛で地肌が見えています。
胸を開いた写真です。
こちらは脇のアップです。
肌の色が変色しています。
お腹も毛が薄いです。
こちらは側面の様子です。
足も薄毛で地肌の色が分かる状態です。
こちらはお尻部分です。
こちらも薄毛がお分かり頂けると思います。
この子は全体的に薄毛なのです。
それでは2ヶ月後の写真をご覧下さい。
初診から1ヶ月も経たないうちに擦ったり、舐めることが減りました。
毛も再生し、毛並みにも変化が見えます。毛量も増えました。短毛のフレンチブルドッグだと感じにくいかもしれませんが、本来はこんなにも毛が密集しているのです。毛の質も変わり、毛並みも綺麗になり、飼主様も今まで一番毛の量が多くなったと実感して頂いてます。
毛並み治療と更に舐め癖に対する治療も行い、手を舐めることもほとんど無くなりました。
今回の治療と並行して、当院オリジナルのサプリメント、腸内環境を整える“スキンケアECプラス”、心因性へのアプローチに“パーソナルケアPⅡプラス”を使用しています。こちらのサプリメントは当院のホームページのオンラインショップでご覧頂けます。⇒サプリメント&スキンケア製品
薄毛や脱毛の治療にも力をいれていますので、同じような症状でお困りの方は是非当院にご相談下さい。
尚、関東にお住いの方は東京サテライトで初診を診させて頂き、その後の診察をオンライン診療で行うこともできます。
疾患によっては適応外になることもありますが、ご希望の方はご相談ください。
詳しくはこちらからご覧頂けます。⇒東京サテライト
【症例報告作成者】 看護師 森
投稿者:
2020.11.18
フレンチブルドッグの皮膚病治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今日はフレンチブルドッグの症例を紹介します。
【 症例 】
フレンチブルドッグ 7歳 男の子
【 経過 】
〇3年前に保護時点から続く皮膚病
〇3年間アポキルを毎日服用しても改善しない
〇ステロイドを併用しても一時的な緩和しか得られない
〇1年通して症状があるが、梅雨に特に悪化する
〇手を舐める、舐めだすと止まらない
〇顔や脇を掻く、掻きだすと止まらない
それでは初診時の状態です。
続いて、3カ月弱の治療後との比較です。
※画像をクリックすると大きくすることができます。
とてもきれいになっていますね。
かゆみや手舐めもかなり落ち着きました。
当院では、投薬・サプリメント・食事療法・スキンケア療法などによる根本的な皮膚コンディションの改善に力を入れています。
お悩みの方はぜひご相談ください。
報告作成者:看護師 鮫島
♦ ♦ ♦ ♦ ♦ 【解説】 ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦
獣医師の平川です。
今回は初診時の「こんにちは」のあとに続く一言目に、とても印象に残ることを聞かれました。
飼主さま 「先生、これ治るかな?」
今まで色々治療を続けてきて、何年も皮膚のことに悩まれていたことが凝縮しているような一言ですよね。
もちろんまだ検査どころか問診もしていませんが、飼主さまはどうしても聞きたかったのだと思います。
その心は、
「先生、治せる自信ありますか?」
だと思います。
まだわんちゃんを一目しか見ていなかったのですが、間髪いれずにこうお答えしました。
僕 「余裕です」
治療結果は何一つでていないのですが、「来てよかった~!」と喜んでいたのが印象に残っています。
このタイプですが、検査どころか問診すらしていなくても劇的に改善することだけは容易に想像できるタイプです。
治療結果は劇的で、
・痒くない
・脂っぽくない&におわない
・毛が抜けない
・全身フワフワ&モコモコ
アポキルに至っては元々毎日服用していてもよくならなかったにも関わらず、現在は2日に1回でも症状がでないレベルまで改善しています。
アポキル減らすことができる治療法を持っていれば、より根本的なアプローチが可能です。
さらに性質・気質的なところからきている「舐め癖」に対するアプローチとして、性格・気質を変えるような治療を併用したのですが、ずいぶんと変化が認められ、
・元気になった
・散歩が嫌いだったのに、散歩好きになった
・意欲的に行動するようになった
ととても喜んでもらえました。
こういうときに聞く言葉があるので、今回も聞いてみました。
僕 「犬らしくなりました?」
飼主さま 「ホント!その通り!」
参考までに多くの飼主さまがこのタイプで「アレルギー」を疑っているのですが、このタイプでアレルギーの可能性はかなり低いです。
むしろ「アレルギー」を疑って検査したり、治療方針を立てると負のスパイラルに入り、改善の可能性はますます低くなります。
キーワードは「免疫」「毛並み」「心因性」の3つです。
この3つの診断&治療が適切であれば、劇的によくなります。
勘違いしてはいけないのですが、免疫をアレルギーと置き換えてしまうと治るものも治りません。
免疫異常であってアレルギーではないのがポイントです。
そして毛並み、痒く&脂漏だから毛並みが悪いのではありません。
毛並みが悪い原因が見落とされているから痒くて、脂漏が悪化するのです。
そして心因性、「ストレス」と言い換えて環境や接し方を変えても何もかわりません。
外部のストレスではなく、生まれ持った性格・気質によるものなので、脳の思考回路から変える視点が必要です。
フレブルは遺伝的に「夢中になる」「ムキになる」という行動パターンを示しやすく、この性格・気質が皮膚病のときに難治性の原因になっています。
この脳の思考を確認する問診と、脳の思考の癖を変える治療プランを持っていれば舐め癖すら緩和できます。
当院ではこういった難治性に対する皮膚科の勉強会を開催しています。
勉強会への参加をご希望の方は当院までお問い合わせください。
投稿者:
2019.11.22
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はフレンチブルドッグの症例です。
【症例】
フレンチブルドッグ 8歳8ヶ月 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇3歳から継続した痒みを伴う皮膚病(季節性はなく通年性)
〇全身脂っぽく、毛艶がなくフケが多い
〇毎週シャンプーしても改善されない
〇過去に4件の動物病院を受診したが、一度も改善したことがない
それでは、初診時の状態です。
まずは、体の正面です。
顔(右側)です。
左耳です。
右前肢です。
頚部です。
脇~胸です。
それでは、初診時から約4ヶ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
院内での薬浴を数回行い、全身を覆っていたボロボロは綺麗に無くなりました。
痒みも落ち着き、毛も段々と揃い始めています。
今回の症例にいくつかポイントを列挙します。
ポイント①やはり治療はアポキルなのか?
今の痒み疾患の標準治療ともいえるアポキル(オクラシチニブ)ですが、今回の治療期間中には使用しませんでした。
もちろん使用する選択肢もあるのですが、「なくてもいい」というものでもあり、「むしろ〇〇〇の方がいい」という明確な理由があったので敢えて採用しませんでした。
もちろんアポキルメインで治療することが間違いというものではないです。
みなさんに知っていただきたいことは「常にアポキルがベストではない」ということ、アポキル以外の治療選択肢を知っていることこそが「アポキルを使いこなせる」だと思います。
ポイント②原因は食物アレルギーなのか?
今の皮膚科の問題点でもあるかと考えていますが、「治りにくい=アレルギー」という括りにされやすく、特に「食物アレルギー」の言葉は乱用されがちです。
食物アレルギーをある・ないの確定診断は難しいのですが、このタイプの皮膚病で「食物アレルギー」と診断することは当院ではほとんどありません。
「食物アレルギーはない」とまでは断定できませんが、「どこに食物アレルギーがあるのだろうか?」とは思います。
事実、当院受診までアミノ酸系または低アレルゲン系の食事療法をしていましたが、当院はアレルゲン制限をといた食事管理を推奨しています。
ポイント③では原因は何か?
原因を1つに絞ることそのものが治療の失敗を招きます。
やはり複合要因のため、複数の異常をできるだけ同時に治療する必要があります。
ただ本当の意味で同時治療は診療的に難しいこともありますので、優先順位の高い治療方針から先におこないます。
それが院内薬浴ですね。
院内薬浴と投薬治療、そして食事療法などの組み合わせが体質に合致すると今回のような劇的な改善が可能になります。
ではその次はなにか?
その次・・・、そう「世界初の治療」です。
当院では標準治療になりつつあるのですが、ある治療を併用します。
ここまでもかなり劇的な治療結果ですが、当院ではもう1つ上の治療成績を出すことが可能です。
またご報告します。
なお、今回紹介した症例に使用したスキンケアとサプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。
投稿者:
2019.10.18
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はフレンチブルドッグの症例です。
【症例】
フレンチブルドッグ 4歳5ヶ月 女の子(避妊手術未)
【経過】
〇1歳前から痒みあり(季節性はない)
〇足先を舐める
〇顔、下顎をこすりつける
〇両耳を掻く
〇アレルギー用の食事を試したが改善しない
それでは、初診時の状態です。
まずは、体の正面です。
前胸、前肢です。
前肢の指間です。
足裏です。
それでは、初診時から約6週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
全体的に赤みが引き、痒がることも少なくなったそうです。
手舐めも改善されました。
・・・・・・・・・・・・・・・・
フレブルの手舐め・足舐めで悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
特にアポキルで改善しない手舐め・足舐めのフレンチブルドッグの症例は非常に多いですね。
この手舐め・足舐めを「アレルギー」と考えて治療すると迷走します。
牛豚鶏はもちろん、魚、カンガルー、馬、ウサギ・・・ありとあらゆるタンパク質に切り替えても改善する可能性はかぎりなくゼロに近いと思います。
理由は簡単です。
膨大な医学データから「食物アレルギーは稀」とわかっているためです。
食物アレルギーも探せばいますので、その稀な食物アレルギーであれば改善するのですが、あまりにも稀過ぎて改善する可能性は本当に少ないです。
非常に多いのではないか?という報告データをみても皮膚病全体の5%くらいで、当院では1%未満と考えています。
食生活からアレルゲンを探し出すことを無意味とはいいませんが、最も効率のいい治療は「食物アレルギーはない前提で治療方針を組み立てる」ともいえます。
100頭いたら99頭はその方がうまくいきます。
当院ではフレブルのしつこい手舐め、足舐めには心因性の診断を加え、「痒み+心因性」としてアプローチすることでいい治療成績をだしています。
もちろん向精神薬の処方が非常にいいのですが、将来的には減薬のためサプリメントの併用がお勧めです。
フレブルの手舐めには当院の開発しているパーソナルケアPⅡ+がお勧めです。
当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。
投稿者:
2019.05.31
フレンチブルドッグに多い「アポキル・ステロイドが効かない」手舐め・足舐めといった痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
フレンチブルドッグの皮膚病の原因と言えば「アトピー・アレルギー」がよく知られていて、アレルギー対策としてアレルゲンを避けた食事療法や、ステロイド・アポキルといった痒み止めの内服治療薬が一般的ですが、これらの治療でよくならないフレンチブルドッグも多くいます。
今日はそんな「痒み止めが効かない手舐め・足舐めのフレンチブルドッグ」の症例です。
【症例】
約2歳 フレンチブルドッグ 男の子
【経過】
〇1歳のころから続く痒み
〇手・足先をよくなめるため、エリカラを外すことができない
〇顔も全体的に赤く、掻いたりこすったりしている
それでは初診時の状態、まずは正面から。
続いて、前肢端とその指間・足裏の拡大です。
続いて、後肢端とその拡大です。
慢性的な舐め癖によって毛が茶色に染まっているため一部分かりにくいところがあるかもしれませんが、舐める程度は「10→2」レベルまで改善しました。
アポキル・ステロイドといった痒み止めが劇的に改善につながる「痒くて舐める」もありますが、「舐める=痒い」とは限らないため、改善がない場合は痒い以外の原因を探さなくてはいけません。
手舐め・足舐めの原因は一概に1つだけではなく、多くは複合的な要因で起きているため、アプローチを痒み止め(アポキルやステロイド)一辺倒では不十分なこともあります。
特にフレンチでは心因性(性格)による舐め動作が強く出やすい傾向にあるため、心因性のアプローチを併用しなければうまくいかないケースが多くあります。
当院でフレンチブルドッグの治療成績が高い理由の1つはこの心因性のアプローチが奏功しているためだと考えています。
その他に考慮すべき原因として「アレルギー」についてよく聞かれますが、環境アレルゲンに対する反応はあれど食物アレルギーはほとんどないため、食生活からのアレルゲン回避の努力はほとんど改善につながらないと考えています。
※稀に食物アレルギーもありますので、アレルゲン回避でよくなる場合があるかもしれませんが、当院ではアレルゲン回避だけで改善した症例はこの5年は経験していません。
今回のアトピーがあったため、アポキルを併用しつつですが、心因性の投薬治療を行って改善させました。
ある程度改善したら減薬のためにもサプリメントの併用していくと治療成績が高くなります。
当院ではこういった痒い以外の舐め癖にサプリメント「パーソナルケアPⅡ+」を開発しました。
一般的なサプリメントと異なり長期的な使用が必要ですが、根本的に解決しにくい性格・気質からくる舐め癖には非常に有用だと考えています。
また、こういった症例にはスキンケアも非常に重要となります。
スキンケア単独で舐め癖が改善するのは難しいのですが、スキンケアが不十分であると治るものも治りません。
ピントが足裏の皮膚にあわなかったため、比較画像では採用していませんが、足裏の奥に皮脂が多く付着したままの状態であれば投薬治療がどれだけ適切でも痒み改善は難しいです。
こういったシャンプーでは取り除きにくい皮脂汚れには当院のMedicareクレンジングイルが非常に効果的です。
犬の皮膚病治療のために開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
投稿者:
2019.02.05
フレンチブルドッグに多いアトピー・アレルギー・膿皮症・手舐めなどの痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
フレンチブルドッグの皮膚病は難治性になりやすいですね。
当院でも受診数の上位犬種に入ってきますので、体質として「現代の皮膚科医療アプローチ」と「フレンチの遺伝的体質」に大きなギャップがあると考えています。
参考までに「ギャップがある」というのはどういうことかというと、「今どきの医療ではフレンチを治せない」という意味です。
逆に「ギャップがない」というのは「検査したら答えが分かる」という意味です。
すわなち
「フレンチの皮膚病の治療法は検査ではわからない」
ということです。
今日紹介する症例はそんな「異常値が一切でないザ・体質からくる典型的な皮膚病をたくさん抱えたフレンチブルドッグ」です。
【症例】
フレンチブルドッグ 4歳 男の子
【経過】
〇2歳のときから皮膚炎、背中の湿疹・外耳炎・手舐め&足舐め
〇過去の治療はアポキル、抗生物質、ステロイド、外用薬
〇背中をカットしたら生えてこなくなった
それでは初診時の状態です。
続いて、背中とその拡大です。
続いて、側面とその拡大です。
続いて、左耳です。
続いて、足裏です。
それでは治療後とひかくしてみましょう。
非常に綺麗になりましたね。
今回の皮膚治療は合計2年超に及びました。
純粋に2年かけてよくなったというわけではありません。
折角なので順番に解説していきます。
①毛が生えない
シンプルに「ステロイドの副作用」です。
外用薬や内服薬によっておきたものなので、ステロイドを使わないことで改善が期待できます。
ただ考えなければいけないことがあります。
「(以前の病院で)なぜステロイドが処方され続けていたのか?」
ここからは推測ですが、ステロイドを使うからには「炎症」があったのだと思います。
このわんちゃんでどんな炎症があったのか?
背中にはブツブツ(フケ&脱毛)タイプの湿疹(おそらく膿皮症)があったのだと思います。
手先・足先にはアトピー&心因性の皮膚炎がずっとあったのだと思われます。
これらの皮膚炎のコントロールのためにステロイドを使ったと推測されますので、ある程度改善したあとに起こりえることを想定しなければいけません。
②背中の湿疹
それは「背中の膿皮症の再発」と「手先・足先の皮膚炎の再発」です。
もちろん初診時に想定できますので、「毛が再生してきたら背中に膿皮症がでやすくなるかと思います。そのときには新しいアプローチが必要です
と伝えておきました。
※初診時に背中の膿皮症がなかったのは、幸か不幸かステロイドの副作用により毛がなく蒸れにくくシャンプーもしやすく細菌が増えにくい状態だったのが膿皮症をでにくくさせていたと思われます。
実際、治療から4~6カ月で背中の毛並みが再生してきたのですが、やはり湿疹(膿皮症)がでるようになってきました。
飼主さまも「この湿疹が昔からずっとあったもの」とおっしゃっていました。
もちろんこの膿皮症がでることも想定の範囲内なので、準備していたアプローチを併用します。
もちろん当院が開発したサプリメント、「スキンケアECプラス」です。
基礎疾患がない、食事の選択に間違いがなく、スキンケアも適切であれば、かなりの割合で改善が見込めるサプリメントです。
もう2年継続していただいていますが、膿皮症のトラブルはかなり少なくなりました。
③耳の脱毛
これも多いトラブルですが、耳介辺縁の脱毛です。
正常であればしっかりと密な毛が生えているのがフレンチブルドッグですが、皮膚トラブルが多いと耳の毛が抜け落ちやすくなります。
これにも原因と対策があるので、体質に合う治療法を取れば写真のようにきれいな毛並みに戻ります。
問題は検査で原因がわかるわけではないので、「体質に合った」という答えが導き出しにくいことでしょうか。
これはステロイドをやめても、膿皮症を治療しても治りませんので、特別なアプローチが非常に有効です。
④手舐め・足舐め
これもフレンチに非常に多いですね。
痒みを抑えるアトピー治療薬「アポキル」で改善すればいいのですが、この症例ではほぼ効果なしでした。
もちろん想定外ではないので、心因性のアプローチにシフトしていきます。
心因性のアプローチといってもどの成分を、どの程度服用させれば改善するか調整が難しいため、改善を導き出すために相当な変更を繰り返しました。
「正解」にたどり着くまでは改善が認められないため、飼主さまには治療方針への理解と協力が不可欠です。
結果がでるまで長くお付き合いしていだき本当に感謝です。
症状に対するアプローチを紹介しましたが、検査結果はどうだったか?というと特筆すべき異常値は何も認められませんでした。
検査でわかるものはほぼなし、ということです。
フレンチブルドッグの皮膚病治療が難しいのはこういった、「検査で答え(治療・薬)が分からない」ということだと思います。
今回紹介したスキンケアECプラスは、以下のオンラインショップでお買い求めいただけます。
適切な診断、適切な投薬治療、適切な食事療法、適切なスキンケアがあれば非常にお勧めできるサプリメントです。
投稿者:
2018.10.15
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はしつこい手舐めが続いているフレンチブルドッグの症例です。
【症例】
フレンチブルドッグ 3歳 女の子(避妊手術済)
【経過】
○1年前から手を舐める
○寝ている時以外ずっと舐めている
○季節性あり(夏がひどい)
○胸部、腹部に湿疹が出やすい
それでは、初診時の状態です。
まずは体の正面です。
次に、右前肢の甲、指間、足裏です。
続いて、左前肢の甲、指間、足裏です。
それでは、初診時から約4週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
痒みも減り、寝ている時以外はずっと舐めていた手も舐めなくなりました。
犬の癖のような手舐め・足舐めといった心因性の痒みには、当院が開発したヒーリングケアLFプラスが非常に有効です。
当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。
【症例報告制作者】 看護師 長尾
投稿者:
2018.06.23
アトピー・アレルギー・膿皮症・舐め癖など難治性の痒い皮膚病が多いフレンチブルドッグの治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
梅雨に入り皮膚トラブルがフレンチブルドッグも多いのではないでしょうか。
フレンチブルドッグの皮膚トラブルといってもさまざまなタイプがあり、①冬が発症せず、夏を中心にでる、②1年変わらずでる、③1年でるけど冬はマシの3パターンに分けられます。
今日紹介するのは季節と関係なく1年中皮膚トラブルが続いていたフレンチブルドッグのわんちゃんです。※それでも冬少しマシ?
【症例】
フレンチブルドッグ 2歳 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇1歳前から痒みを伴う皮膚病
〇この1年半、皮膚病が治ったことはない
〇顔・耳・手の赤み&痒い、内股の湿疹&痒み
それでは初診時の状態です。
それでは初診時の状態から8週間後の状態と比較してみましょう。
湿疹は完全に消失しました。
顔・耳の赤みもほぼ消失です。
手なめのレベルが元々10として3程度の若干のこりましたが、気になるような痒み・舐め方ではないので許容範囲という評価です。
今回の皮膚炎・痒み・手舐め・足舐め・湿疹(膿皮症)はすべてフレンチブルドッグの典型的な皮膚病です。
このタイプには投薬治療も併用しながら、当院が開発したスキンケア&サプリメントが非常に相性がいいです。
フレンチブルドッグの湿疹(膿皮症)→スキンケアECプラス、スキンケア商品(オイル&シャンプー&ローション)
フレンチブルドッグのアトピー → スキンケアECプラス&ヒーリングケアLFプラス
フレンチブルドッグの手舐め・足舐め → ヒーリングケアLFプラス
これらのスキンケア商品&サプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
投稿者:
2018.06.07
フレンチブルドッグのアトピー・アレルギー、脂漏、舐め癖(手舐め・足舐め)など痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
医療は奥が深いです。
日々疑問が湧き出ますし、新しい発見があります。
今回の新しい発見はある改善症例から得られた発見なのですが、「もしこれが効くなら、これから他のわんちゃんの治療がもっと大変になるかも」という治療内容で、また悩みと苦労が増えた気がしています。
【症例】
フレンチブルドッグ 約4歳 男の子(去勢済み)
【経過】
〇発症は1歳から
〇お腹&背中に赤い湿疹
〇顔、四肢端、耳の痒み(季節性ない)
初診は1年以上前だったのですが、このときは抗生物質とアポキルですぐによくなりました。
それから約9ヵ月後、再発?で来院されましたので、この再発?時点を基準に紹介します。
まずは全体から。
続いて、頚部とその拡大です。
続いて、前胸部とその拡大です。
続いて、右前腕とその部分的な拡大です。
続いて、左前肢とその部分的な拡大です。
続いて、腹部とその拡大です。
]
この初診時から約6ヵ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
頚部の皮膚炎、腕の皮膚炎、四肢端の痒み、お腹の湿疹・・・フレンチブルドッグのこのタイプの皮膚病は非常に多いです。
見た目の第一印象では典型的なタイプの1つにみえたので、いつものアプローチで2~3ヶ月で十分綺麗になると判断していました。
が、結果的には6ヶ月もかかってしまいました。
当院で6ヶ月というのは異例な長さで、正直にいうと苦戦しました。
ただ、診断と治療方針は初診時から一切変更せず、改善が十分でない途中の診察でも「(初診時の)診断は撤回しない」と何度もアピールしてました(笑)
撤回しない診断はというと、「心因性掻痒症」です。
もちろん心因性だけでこの全身の皮膚病の説明はできないため、心因性の解説の前に心因性以外の診断名を列挙しておきます。
診断①アトピー性皮膚炎
診断②膿皮症
診断③食物有害反応
診断④脂漏性皮膚炎
そして、最後の診断⑤が「心因性掻痒症」です。
この心因性、当院ではかなりの症例数と治療実績数があるため、自信をもってアプローチしたのですが、治療の序盤の結果はかんばしくありませんでした。
6ヵ月かけて徐々によくなったというのではなく、月1回の再診のたびに投薬治療内容を見直しつづけ、ようやく明らかに改善したのは最後の1ヶ月でした。
※もちろんアポキルは最初から1日1回でスタートしていますが、この腕~手先、足先の皮膚炎はアポキルでまったく改善しませんでした。
その微調整とは「投薬量の変更」なのですが、なんと最初に処方したときの3.5倍量です。
たしかに最初の投薬量はかなり少なめで、一般的な教科書に掲載されている量の最下限よりわずかに下回る量でした。
ただ、その最下限以下で処方したにも理由があり、その量で効果を示す症例も稀ではないくらい普通にいるのです。
体質によって薬の合う合わないということがあるのと、多い量より少なく効くにこしたことはないので、少なめから処方したのですが、初回の投薬内容ではまったく改善が認められませんでした。
そこで増量、薬の種類変更・・・と序所に変化を加えてみたのですが、どれもスッキリせず平行線。
最終的には3.5倍量まで増やしたときに、急によくなりました。
3.5倍量で劇的に改善するのではれば、2.5倍量でもそれなりに・・・せめて半分くらい効いてくれてもよさそうなのですが、2.5倍量ではまったく改善しませんでした。
飼主さまには「スイマセン・・・適量にたどりつくまで随分時間がかかってしまいました。よくここまで信じて通院してくださってありがとうございます。」とお伝えいたしました。
結果的には心因性の診断はあっていましたし、治療結果もよかったのですが、今後の悩みも増えます。
教科書に掲載されている推奨量は1~2の範囲であり、今回のような3以上の投薬量というのは一般的な投薬範囲を超えています。
ただ今回の結果から心因性の治療に必要な投薬量は1~3.5まで範囲があるかもしれない、ともいえます。
効果のある投薬量はわんちゃん次第で、2でまったく効かなくて3以上に増やせば効く症例がいるということであれば、少なめからの投薬治療であれば効果が出るのに相当なステップを踏まなければいけません。
高用量からの処方は副作用の観点から避けねばいけませんし、かといって低用量で処方して改善がなければ「効かない薬」や「心因性が原因ではない」という烙印を押されかねないため心因性のアプローチはますます難しくなります。
ここをどう解決するか、アプローチ開始時点で丁寧なインフォームドをして、こまめに再診を設定して増量していくことくらいでしょうか。
当院のように遠方からの来院が多い場合はまた悩みが増えてしまいました(涙)
参考までに今回のわんちゃんの心因性は腕~肢端のみで、その他の部位は心因性との関係はありません。
現に心因性のお薬を増量していく5ヶ月までに湿疹は完全に消失して再発すらなくなっていましたし、頚部~胸部の皮膚炎と脂漏症は90%改善していました。
心因性の治療だけでこの全身の皮膚炎が改善するわけではないので、総合的なアプローチが重要です。
また、こういった膿皮症、アトピー、脂漏、心因性があるわんちゃんにはスキンケア&サプリメントも非常に重要なアプローチになります。
当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求めいただめます。
今回の症例でもそうですが、投薬治療があってこそのスキンケア&サプリメントです。
将来的な体質ケア、お薬の減量、再発防止のためのアプローチになりますので、適切な皮膚科医療とともにご利用ください。
当院では皮膚科のない動物病院開業の獣医師向けに、今回紹介したような複雑な病態を示す難治性皮膚疾患の的確なアプローチの仕方について、実際の症例を交えたプライベートセミナーを行っています。
皮膚科診療について詳しくお知りになりたい方は問い合わフォームからご連絡ください。
投稿者:
2018.05.18
アトピー・アレルギー、手舐め・足舐めなどが多いフレンチブルドッグの痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
フレンチブルドッグの手舐め・足舐めは「癖?」と思うくらいしつこくて、アポキルが効きにくいことが有名ですね。
はたして手・足は痒いのでしょうか?
今日はそんなフレンチブルドッグのアトピーなのか、アレルギーなのか、癖なのか・・・悩む手舐め・足舐めがひどい症例報告です。
【症例】
フレンチブルドッグ 1歳未満 男の子(去勢済み)
【経過】
〇手・足舐めがひどい
〇左後ろ足が特にひどい
それでは初診の状態です。
まずは右前肢です。
右前肢の指間です。
続いて、左前肢の指の間です。
続いて、右後肢です。
それでは約1ヵ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
まずは右前肢。
続いて、左前肢です。
最後に右後肢です。
一番重度であった右後肢は劇的によくなりましたね。
診断名は心因性掻痒症、精神的な、癖のような舐める行動ですね。
ブルドッグ犬種はこの心因性がよくでます。
もちろんアトピーもあると思うのですが、アトピーだけでこうはならないのでその他の要因を疑います。
少しだけ難しいのは、この痒みはアトピーよりなのか?それとも心因性よりなのか?を判断することです。
このタイプは心因性よりでアトピーは軽度と考えられます。
そのため初診時から心因性に対するアプローチを積極的にやるのがいいでしょう。
犬の癖のような手舐め・足舐めといった心因性の痒みには、当院が開発したヒーリングケアLFプラスが非常に有効です。
ラクティウム、ラクトフェリン、テアニンという3つの成分を高濃度に配合したサプリメントはわんちゃんをリラックスさせ、心因性の行動異常を緩和させてくれます。
ヒーリングケアLFプラスは当院のオンラインショップからお買い求めいただけます。
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