2018.03.12
ミニチュアダックスフンドのアトピー・アレルギー・膿皮症などの痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
ミニチュアダックスフンドの皮膚病にはあまり知られていない特徴があります。
「あまり知られていない」であって、まったく記載がないわけではないのですが、ほとんどフォーカスが当たらないため治療成績が悪い原因になっています。
当院を受診されるほぼすべての症例が過去になんらかの治療を受けているので、初診時には処方されてきた薬のことをお聞きするのですが、多くが「間違いではない」と思っています。
抗生物質を使う、アポキルを使う、食事療法をする、シャンプーする・・・・・確かに1点1点は間違いではありません。
こんなときは、わずかなズレと足りないピースを探すことが重要です。
よくあるのですが、ある1点だけ気づいていないがゆえに、その他の治療が問題にも関わらずまったく治療結果がでないという症例を数多くみています。
今回紹介するミニチュアダックスの皮膚病の症例も、そんな1例です。
【症例】
ミニチュアダックスフンド
【経過】
〇過去に当院で治療して改善歴(見た目は完治レベル)あり
〇再発時に、飼主さまの体調不良などもあり、通院しやすい地元動物病院へ受診したが改善しない
それでは再発して治らないという状況で久しぶり(1年2カ月ぶり)に来院されたときの状態を紹介します。
一見特徴がない皮膚病にみえますが、これがこのタイプの特徴を表しています。
過去に治療を成功させているという実績を除いて、仮に今日は初診だとしても診断は一瞬です。
当院で治療を再開させて2ヵ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
モコモコ&フワフワ、痒みもほぼコントロールできています。
予測通りかつ、ほぼパーフェクトな改善といえます。
抗生物質を使うことは正しい治療プランです。
痒みのためにアポキルを併用してもいいと思います。
実際に当院でもアポキルは併用しました。
しかしアポキルはなくてもこの治療は成功するので、「痒みはないにこしたことはないよね」という意味で処方しています。
実際2ヵ月立つ前に痒みはなくなったので、アポキルの継続投与はありません。
シャンプーも大事ですが、いくらシャンプーをしても、種類を変えてもこの皮膚病は治りません。
膿皮膚症があるため食事療法も正しいアプローチの1つですが、「そこじゃない」という皮膚疾患です。
ただ、今後の再発を減らすために食事療法は当院でも提案させていただきました。
当院では皮膚科のない個人動物病院に向けた診療サポートを行っています。
4月に新しい病院に説明に行く予定があるのですが、ご興味のある先生はお問い合わせください。
なお当院で使用しているスキンケア商品&サプリメントは、専用オンラインショップでお求めいただけます。
診断治療が適切であることは重要かと思いますが、症例によっては投薬治療がなくても十分改善する症例もいます。
当院を受診して、ベストな処方を受けることが何より改善に近いものだと思っていますが、遠方にお住いの方のお役にたてるのではないかと思っています。
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