2016.11.22
皮膚病治療を通じて獣医師の社会的地位向上を目指している平川です。
先日、初診の診察で来院された飼主さまにこうお聞きしました。
「アトピーってどんな病気かご存知ですか?」
もちろん皮膚病の説明中ですので、飼主さまのご返答をまちつつも、次に話す言葉を準備して問いかけています。
そんな僕に飼主さまはこうご返答されました。
「・・・・・・獣医が、原因がよくわからんときに使う言葉」
診察ではそうそう「予測していない返答」なんてないのですが、久しぶりに「予想していなかった返答」がああり、思わず
「それは・・・・獣医師の責任ですね。申し訳ありませんでした。」
と謝ることしかできませんでした。
飼主さまがこの言葉を発するに至ったにはそれだけの理由があったわけで、そのことを考えると胸が痛みます。
大事なことは2つ、こういった意見は少数意見ではないこと、そして獣医師がどれだけ危機感を抱いているのか、だと思います。
「治らなかった転院症例のみ」という特殊な状況である当院でも滅多に耳にしない飼主さまの言葉ですので、一般的にはこういった問題を実感することはないのではないかと思われます。
そして少数意見かというと、決してそうではなく、「多くの飼主さまが言葉を飲み込んでいるだけ」です。
というのも言葉の端々にそういった想いがこめられた会話はめずらしくなく、獣医師として信頼を得るための努力は足りないと日々感じています。
自分を含めですが、獣医師は飼主さまの言葉に含まれている「想い」をよみとって、日々診療に精進しなければいけません。
投稿者: