2018.02.13
犬の痒みを伴うアトピー・アレルギー疾患などの皮膚病治療における食事療法に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
当院では動物病院の獣医師向けに個別の皮膚科セミナーを開催しています。
その内容で非常に好評を得ているのが「食事療法」のお話です。
当院が開催する皮膚科セミナーには「スキンケア」、「アポキルが効かない場合」、「心因性」、「サプリメント」・・・・多くのテーマがありますが、意外と衝撃度が大きいのが食事療法についてです。
衝撃的な理由は非常にシンプルで、今の動物医療で最もいいとされている食事療法をやめることが何より大事だからです。
一般的に広く浸透している食事療法はアレルゲン対策がされている療法食のみをたべることですが、このタイプが奏功するのは純粋な食物アレルギーをもっているわんちゃんです。
しかし犬の皮膚病で食物アレルギーで治っていないわんちゃんがどれほどいるか?というと、実は「稀」です。
過去の文献データにもよりますが、本当に少なくて・・・・皮膚科症例を年間200例ほど受け付ける当院でも「稀すぎて年に1例も見つけられないくらい」と表現しています。
もちろん食物アレルギーの確定診断が難しいため、軽度の食物アレルギーを診断できずに見過ごしている可能性も十分あるのですが、そういったわんちゃんでもその他の治療でよくなっているため「その食物アレルギーの体質は、皮膚病の原因としてはわずかしか影響していない」ともいえるため、考慮の必要さえないとみなしています。
実際に当院ではお薬の服用のために、「牛乳」「ヨーグルト」「チーズ」「パン」・・・・なんでもOKとして、おやつも含めてほとんど食事制限をしていません。
確かに確率論で稀とはいえ、食物アレルギーをもっているわんちゃんでは食事療法が必須になるためとても重要なジャンルというのはわかっています。
また、食物アレルギーでなくても食事療法が奏功することもあるため、個人的にはアレルギーの有無関係なく食事療法は重要視しています。
それでもわざわざ稀な食物アレルギーから疑う必要はありませんので。基本は「食事療法も重要なので、ある程度改善したらやっていきましょう」と後回しにします。
唯一最優先にするのは、間違った食事療法をしている方には初診時に「今日からその食事療法を変えましょう」とお話します。
ポイントはここ、初診時のその日から変えなければいけない食事療法なのかどうかの診極めが大事です。
当院の皮膚科セミナーではそんな「大事な食事療法のポイント」をお伝えしています。
皮膚科セミナーにご興味のある方は
HPからお問い合わせください。
投稿者:四季の森どうぶつクリニック