2017.06.05
犬の痒みを伴う皮膚病治療を専門に行う皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
最近、仕事が終わって病院からでるときに違和感を感じます。
・・・・そう!外が明るい!
1年のほとんどを真っ暗の時間帯に帰宅するのですが、6月だけは外がちょっと明るいのがとても嬉しいです!
勤務医時代は「今日中(24時まで)に帰れるのか?」という毎日だったことを考えれば、外が明るいなんてびっくり(笑)
さて、今日も「アポキルを服用しているのに痒みが改善しない」という症例の治療報告です。
【症例】
ウエスティ 6歳 去勢雄
【病歴】
〇2才からつづく痒みトラブル
〇昨年8月(初診時から8ヶ月前)からアポキルを服用、最初1日2回のときはよく効いたが、その後1日1回にして徐々にぶり返す。
〇痒みの部位は、口唇、頚部、腕、手先&足先(舐める)、お腹を舐める、膝~かかとを噛む
〇痒みが強いため、日常時にエリザベスカラー(ドーナツ型)を着用している。
〇背中が脂っぽくべったりしている
〇背中にブツブツ、お腹に赤い湿疹が複数ある
それでは初診時の状態です。
※毛をカットしたわけではありません。
続いて、右前腕です。
続いて、前肢端の指の間です。
ちょっと毛が多いので見えにくいのですが、黒いフケのようなものが皮膚炎で過剰になった皮脂です。
続いて、右後肢の膝~スネの部位です。
続いて、左後足の膝~スネのあたりです。
それでは約1ヶ月半の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
口唇、頚部、腕、四肢、お腹、膝~カカトの全ての痒みがほぼ消失しました。
痒みもコントロールされ、被毛の回復が認められています。
※比較がしずらい写真でしたので、腹部・膝付近の治療後は掲載しませんでした。
もちろんエリザベスカラー(ドーナツ型)も完全にはずして落ち着いた生活に戻れています。
改善後、診察時に飼主さまから驚きの質問がでました。
「どうしてよくなったんですか!?」
・・・・・・一瞬どう答えていいのか思わず言葉がつまって汗ってしまいました・・
昔、大阪にいたときなら「腕がいいから♪」ってボケでましたが、名古屋ではツッコまれることがないので言えません(笑)
では、ちょっとまじめな話に戻って・・・毎回お話していますが、アポキルは万能薬ではありません。
非常にいいお薬で、今回の症例でも結局はアポキルを処方していますが、2日に1回まで減らして上記のいい状態です。
元々1日2回で効果あり、1日1回に減らしてぶり返して・・・・・・当院で2日に1回まで減らしてコントロール良好という状態です。
アポキルを服用して痒みがコントロールできないとき、「アポキルが効かない」ではないこともあります。
多くはアポキル以外のパーツが足りないということが圧倒的に多いです。
大事なことは皮膚全体をみて、「アポキルだけでは効かない。アポキル以外に何が必要か?」という詳細な判定ができることですね。
今回も初診時の処方でほぼコントロールまでもっていくことができました。
こういった症例では改善のために必要な治療プランと、再発させないようにするための治療プランにわずかな違いがあります。
より根本的で、再発させない治療プランには当院のスキンケアとサプリメントが非常に合うと思います。
皮膚科専門の動物病院で、治療のために開発した「差のつくスキンケア&サプリ」です。
四肢端や腕、膝~カカトの病変にはスキンケアだけではなく、心因性も疑われるのでヒーリングケアLFプラスがおすすめでしょう。
お薬を減らすための「医療にプラス」のケアにぜひご利用ください。
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