2018.12.17
アポキルが効かない・効きにくい痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
アポキルの服用でたしかに痒みが緩和されるも、十分ではない・・・ということはありませんか?
「痒み=アポキル」ではないため、アポキル以外の治療が適切でなければ痒みの改善は十分にできないということは多々あります。
今日はそんな「アポキルに併用すべき治療」についての症例です。
【症例】
ミニチュアダックスフンド
【経過】
アポキルが登場する2年くらい(今から4~5年)前から当院で治療していたわんちゃんです。
もちろん症状は「痒み」で来院されており、アポキル登場前の治療内容ではある程度の緩和はできていたものの、痒みの改善は十分と言えるものではありませんでした。
そんな中アポキルが登場したので、過去の診断名&治療内容を見直しアポキルに切り替えたところ・・・今までの治療より痒みの改善が認められました。
そのため「相性がいいお薬がみつかってよかったですね」と、アポキル登場以降はこのアポキルメインでコントロールしてきました。
ただその後もアポキルがほぼ100点の痒み改善ができていたか・・・といえばそうではなく、
・胴体をかく
・背中を噛む
・四肢端を舐める&噛む
・背中に湿疹&フケがでやすい
といった症状がでやすい状態が続きました。
まずはその時の皮膚コンディションを紹介します。
アポキルを使いながらも痒みが悪化したときの状態です。
円形の皮膚炎、かさぶたなどを特徴とする膿皮症でもなく、脂漏を特徴とするマラセチアでもありませんが、拡大すると皮膚コンディションがあまりよくないことがわかります。
アポキルに切り替えて痒みの緩和ができたものの、過去の診断&治療を撤回したことにモヤモヤしていたので、思い切って「以前の治療と併用しませんか?」と提案しました。
具体的にはこうです。
~平成28年6月までの治療 A+B
平成28年7月~ アポキル+B (※投薬Aを辞めました)
平成30年9月~ A+アポキル+B
そこから約2か月後の状態です。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
肝心の痒みはかなり少なく過去の治療の中で最もベストな状態となり、さらにアポキルの投薬回数を半分まで減らすことができました。
個人的な分析はこうです。
治療Aは痒み治療というより皮膚コンディション改善のため
アポキルは皮膚コンディションの改善はできないが、痒みを抑える
結果的に、皮膚コンディション改善をしながらアポキルを追加処方とすれば、もっと早くこの結果がでたのだと思います。
アポキルを使いつつ、基礎疾患を的確に分析すればアポキルの効果はさらによくなり、減薬にもつながります。
アポキルでの治療内容でお困りの方は当院までご相談ください。
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