2022.08.27
こんにちは、わんちゃんの皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はシーズーの子の症例です。
【症例】シーズー 7歳 男の子
【経過】
〇2年前まで全く問題なかった
〇一年中、皮膚の痒み・ベタつき・臭いがある
〇シャンプーしてもすぐ臭ってくる
〇掻くことより舐める方が多い
〇病院を変えるも改善しない
それでは初診時の様子をご覧下さい。
まずは首の写真です。
続いて胸の写真です。
胸の右側を拡大してみると、脂漏症で特徴的な鱗状のフケが見られます。
こちらの写真は、背中側の首です。
続いて背中から腰にかけての写真です。
全体的に毛が薄く、特に首下から胸にかけてフケが多く皮膚のコンディションが悪い状況でした。
初診時から2週間後の再診時には、皮脂が減り少しずつですが毛が生え、ホルモン治療薬での治療も開始しました。
1か月後には皮膚の赤みが減り皮脂は気にならなくなりました。
定期的な診察で適宜シャンプーの回数などを調整し、初診時から約半年後には皮膚のベタベタと臭いから解放されました。
では写真で比べてみましょう。
胸の右側の拡大写真です。
こちらは胸の左側の拡大写真です。
この写真は首の右側面です。
いかがでしょうか
全体的に毛が生え、皮膚もとても綺麗になりました。
シーズーは、皮膚炎が起きやすい『遺伝的な体質』があり、そこに犬種特有の『心因性』の舐めグセがさらに状況を悪化させ治らず繰り返し、病院を転々とすることも…。投薬治療だけでなく、免疫改善や腸内環境の改善のため食事療法やスキンケア・サプリメントをその子に合わせたレシピで考えることが重要となります。
まだ完璧な”本来の姿”ではないかもしれませんが、着実に良くなっている姿を見るとモチベーションが上がりますね。
当院では問診に時間をかけ、その子の体質や性格などを考慮し、その子に必要な治療と食事案内やスキンケア・サプリメントの処方と、生涯にわたりサポートしていくことが可能です。
毎日の皮膚へのイライラが募り充実した日々が送れず悩まれている方は、当院までご相談下さい。
今回、この子が使用したサプリメント(ECプラス)を含め、
当院オリジナルのサプリメントとスキンケア製品は、当院ホームページのオンラインショップからご覧いただけます。
尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。
※症状によってはできないこともございます。
詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。
インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。
【症例報告制作者】看護師 上林
投稿者:
2019.10.18
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はシーズーの症例です。
【症例】
シーズー 2歳3ヶ月 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇半年前から続く皮膚炎
〇抗生物質の投与を行ったが改善しなかった
〇腹部、後肢、足先を舐める、耳を掻く
〇エリザベスカラー着用
それでは、初診時の状態です。
まずは、体の正面です。
右腕の内側です。
右の手先です。
左の足先です。
胸~脇、腹部です。
胸~脇、腹部の拡大です。
内股~後肢です。
それでは、初診時から約2週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
全体的に赤みが引き、フケも無くなりました。
以前は人がいない時ずっと手を舐めていたようですが、だいぶ落ち着いたそうです。
このような症例には当院が開発したスキンケアとサプリメントが非常に有効です。
当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。
投稿者:
2019.04.22
シーズーの手舐め・足舐め・内股舐めなど痒みを伴う皮膚炎治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
手をしつこく舐める、足を舐めだしたら止まらない、暇があると内股を舐める・・・など「舐める」という症状が強くでる皮膚病があります。
アポキルやステロイド、食事療法、アレルギー治療などでの改善が難しく、今の皮膚科では難治性として扱われています。
特にシーズーに多く診らえる傾向があります。
今日はそんな症例です。
【症例】
キャバリア×マルチーズMIX 4歳 男の子(去勢済み)
※シーズーではないのですが、遺伝的体質がほぼシーズーに近いためこのカテゴリに分類しています。
【経過】
〇1年前から手を舐める&噛む、毛をひっぱる
〇2ヵ月前からは後足や内股までなめるようになった
〇季節性はない
〇アポキルを1日2回服用しても効果がない
〇食事療法併用しているが、改善しない
それでは初診時の状態です。
続いて、口唇(右側)です。
続いて、前肢端です。
続いて、前腕です。
※皮膚炎があるのは腕の曲がる部位(屈曲部)です。
その拡大です。
続いて、内股~後肢です。
それでは初診時から5週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
非常に綺麗になりました。
口唇、腕、四肢端、内股の痒みはほぼゼロに近いです。
当院でもアポキルを併用しましたが、1日2回ではなく1日1回と少ない量で使っています。
ポイントを列挙します。
①アポキルは効くのか?効かないのか?
②よく見るアトピーや脂漏性マラセチア性皮膚炎と何が違うのか?
③食事療法は適切か?
④アポキル以外に必要な投薬治療は何か?
これらを初診時に同時に判定することが5週間で改善させるポイントです。
投薬治療があることが最も確実な治療プランですが、治療内容にスキンケア&サプリメントは非常に重要になっています。
当院が開発したスキンケア商品のMedicareシリーズと、サプリメントPlusシリーズが非常に相性があうと思います。
特にクレンジングオイル&シャンプー、スキンケアECプラス&パーソナルケアPⅡ+がお勧めです。
当院のオンラインショップでお買い求めいただけます。
当院では獣医師向けにプライベートセミナーを開催しています。
今回の症例のようなアポキルが効かない舐め癖に対する診断・治療法についての詳細な解説を行います。
ご興味のある方は当院までお問い合わせください。
投稿者:
2018.09.06
シーズーのアトピー・マラセチア性皮膚炎・脂漏症など、痒い皮膚病の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
シーズーの皮膚病は本当に治しにくい場合があります。
あのアポキルでしっかりコントロールできる症例もいますが、そうでない症例も相当数いるかと思います。
今日はそんな「アポキルでは抑えきれないだろう」というシーズーの皮膚病症例です。
【症例】
シーズー 8歳
【経過】
〇3年前から皮膚トラブルで、通年性(季節による改善はほぼなし)
〇外用ステロイドスプレーによる改善なし
〇痒み(四肢なめる・内股舐める)がひどいため、常時エリザベスカラーを装着している
それでは初診時の状態、まずは正面から。
続いて、胸部~わき。
同じく左わきの拡大。
続いて、内股です。
病変部の確認と、治療成績向上を兼ねて毛をカットしました。
続いて、右わき(毛カット後)です。
続いて、内股です。
毛をカットしたあと、そのまま院内薬浴を実施しましたので、その実施直後の状態を紹介します。
まずは胸部。
続いて、左前腕です。
同じく左前腕の内側です。
同じく左前腕の外側です。
続いて、内股です。
続いて、右後足の膝~スネあたりの写真です。
今回はここまでです。
とういうのも、つい昨日来院されたため、2回目の診察はまだ先です。
このタイプ、一見シーズーの典型症例にみえるかもしれませんが、ちょっとイレギュラーです。
そのためシンプルななアポキル&シャンプーでは抑えきれないものがあります。
初診時にどの部位を、どう評価するのか?
そしてどの治療方針を選ぶのか?
この一番大事なポイントは提携動物病院にメールでお知らせします。
この症例は初診時の「診た目」に特徴があるので、「アポキル&シャンプーではない」理由がわかるタイプです。
提携をご希望の方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
投稿者:
2018.08.04
シーズーの脂漏症・マラセチア性皮膚炎・ニキビダニ(毛包虫・アカラス)といった皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
シーズーの皮膚病は非常にシンプルですが、負のスパイラルが回りだすと非常に重症化して何をどうすればいいのか優先事項がわからなくなることがあるため難治性になりやすい傾向があります。
シーズーの皮膚病はこれを把握すれば10中8,9うまくいきます。
〇膿皮症
〇マラセチア性皮膚炎
〇脂漏症
〇アトピー
〇食物有害反応
〇心因性掻痒症
〇内分泌疾患
〇毛包虫(アカラス、ニキビダニ)
平均で4~5つありますので、治療成功の秘訣は1つも漏らさず診断して、優先順位を間違わないことです。
当院でのシーズーの皮膚病改善率が100%なのはこの診断と優先順位の診極めだと思います。
【症例】
シーズー 4歳 女の子(不妊手術済)
【経過】
〇今までずっとアトピーと言われていた
〇食事療法している
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは正面から。
続いて、顔の左側です。
続いて、顔の左側です。
続いて、頚部とその拡大です。
続いて、前胸部です。
続いて、右前肢です。
続いて、左前肢と腕、肢端の拡大です。
続いて、胸部です。
続いて、腹部です。
続いて、右後肢と左後肢です。
続いて、側面とその拡大です。
それでは初診時から6週間後の状態と比較してみましょう。
痒みは皆無に近く、非常に元気になって体調も絶好調になったそうです。
診断は、毛包虫(ニキビダニ、アカラス)、脂漏性マラセチア性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、食物有害反応です。
このタイプに心因性は含まれていません。
こういった症例では治療に順番があり、毛包虫からアプローチして、マラセチアとアトピー対策を次に行います。
食物有害反応に対する食事療法は初回からでもいいと思います。
今回のポイントは、
①初診時に毛包虫(ニキビダニ、アカラス)を確実に見つけること
②併発疾患であるアトピー・脂漏・マラセチアより毛包虫に対しるアプローチを先に行うこと
③初期の毛包虫に対する治療から途中でアトピー・脂漏・マラセチアよりの治療にシフトすること
④初診時ないし2回目に毛のカットと薬浴を行うこと
だと思います。
投薬治療が必須の症例ですが、スキンケア&ECは非常に重要だと思います。
投稿者:
2018.07.04
シーズーの「フケ」「脂っぽい」「ベタベタする」「皮膚が硬くなる」といった症状を特徴とするアトピー・アレルギー・脂漏症・マラセチア性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
梅雨~夏になり皮膚トラブルも増えてきています。
特にシーズー・フレンチブルドッグの犬種ではこの時期が一番皮膚病が悪化しやすいですね。
今日はそんなシーズーの典型的な皮膚病の症例報告です。
【症例】
シーズー 12歳 男の子
【経過】
〇5歳のころからずっと皮膚病
〇季節性はなく、1年通して発症している
〇ここ数年はステロイドを2日1回で服用を続けている
〇アミノ酸系の食事療法継続中
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは正面から。
続いて、頚部と毛を掻き分けた拡大です。
続いて、首の下(前胸部)です。
続いて、胸部~わきです。
続いて、腹部です。
続いて、背中全体です。
こういった症例には薬浴が非常に効果的で一瞬でよくなりますので、病変部確認を兼ねて全身をカットします。
初診時の全身カット後の状態をみてみましょう。
まずは頚部とその拡大です。
続いて、前胸部です。
続いて、右前肢の外側です。
続いて、右前腕とその拡大です。
続いて、右前肢の手首と肢端です。
続いて、胸部とその拡大です。
続いて、右後肢の外側と膝付近の拡大です。
続いて、右後肢の足首~甲の拡大です。
最後に背中を2枚です。
初診時から18日後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
完全に毛が伸びて見えなくなる前にほぼ完全にキレイになったと思います。
初診時に薬浴をして1週間後の2回目診察時には痒み(掻く)が激減しており、「内股と手を舐める」が残っているだけでした。
この治療の流れで症状の改善に差が出る場合は「そのまま継続」よりも、1つ加療した方がいいです。
そこで、当院が開発した舐め癖用サプリメント「ヒーリングケアLFプラス」だけを追加処方したところ、3回目(2回目から11日後)の診察時には掻くどころか舐めるすらゼロになりました。
もちろん当院受診後のステロイドの服用はゼロです。
こういった症例には当院のスキンケア&サプリメントがかなり役に立ちます。
全身の毛をカットして、オイル&シャンプー&オイルジェルがあれば投薬治療の成功をサポートできます。
フケや脂漏が多いと「スキンケア」だけに注目されがちですが、このタイプの根本的なケアはサプリメントです。
ECプラスで免疫と脂漏をコントロールして、LFプラスで舐め癖を抑えなければいつまで経っても「こまめなシャンプー」から開放されません。
洗ったらきれいになるけど、痒いしぶり返す・・・という結果になってしまいます。
スキンケアで表面をよくしながら内側(体質)へのアプローチをすることで加速的によくなりますので、絶対にサプリメントを併用してください。
もちろん適切な診断・治療があってこそです。
当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
脂漏症のタイプでのお勧めはオイル・シャンプー・オイルジェル・ECプラス・LFプラスです。
局所の皮膚炎・湿疹であればローションでかなり簡単なケアもできます。
投稿者:
2018.06.18
シーズーの痒い皮膚病として特徴的な「手舐め」「足舐め」「お腹(内股)を舐める」「首を掻く」などの症状がでやすいアトピー・アレルギー・マラセチア性皮膚炎といった皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
【症例】
シーズー 9歳 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇2歳のころから続く痒み・皮膚トラブル
〇季節性はなく1年通して痒みがある
〇痒みは四肢端「手舐め」「足舐め」、腕を噛む、下顎~首をかく、腕をかむ、内股をなめる、脇を舐めるetc
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは頚部とその拡大から。
続いて、右前肢とその拡大です。
続いて、左前肢とその拡大です。
続いて、胸です。
続いて、後肢です。
それでは初診時からわずか2週間後の状態と比較してみましょう。
初診時に薬浴と処方を行いました。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
赤み・皮脂といった見た目はほぼ改善しています。
重症部位は頚部だけでしたので、治療の差はあまり感じにくい写真比較だったと思いますが、痒み症状はほぼゼロになりました。
ペチャペチャと舐めてつづけていたのが、もうなくなったそうです。
こういったタイプはスキンケア、EC&LFのすべてが有効に作用します。
特にLFプラスは必須でしょう。
脂漏症、アトピー、舐め癖(心因性)などの皮膚トラブルのために当院が開発したスキンケア&サプリメントはオンラインショップからお買い求めいただけます。
的確な診断の上で使用いただけると非常に有効に作用します。
投稿者:
2018.02.11
シーズーのアトピー・アレルギーによって難治性になりやすい脂漏性マラセチア性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
シーズーの脂漏症は原因・体質・程度がわんちゃんによって随分と異なるので、どの原因にどのくらい力をいれてアプローチするか?がとても重要です。
今はアポキルがあるため「とりあえずアポキル」というプランで改善があるわんちゃんはそれでいいのですが、アポキル単独で改善がない場合、次の手を複数もっていなければお手上げになり詰んでしまいます。
今回はそんな「アポキル単独ではきびしい」という典型的なシーズーの脂漏症です。
【症例】
シーズー 5歳 男の子(去勢済)
【経過】
〇2年半前から皮膚病
〇1年通して改善なく、梅雨が最も悪化する
〇過去にかかりつけ動物病院以外に皮膚病のために3件の動物病院を受診し、漢方治療、ホルモン治療、食事療法などを行うも改善なし
〇今回5件目の動物病院として当院受診
それでは初診の状態です。
まずは頚部とその拡大。
続いて、右前腕です。
続いて、胸部とその拡大です。
続いて、左の脇の拡大です。
続いて、腹部の臍周囲の拡大です。
続いて、腹部~内股です。
毛をカットしてみました。
まずは頚部です。
続いて、臍周囲の拡大です。
治療から3か月後の状態と比較してみましょう。
90%の部位で皮膚がかたい、フケがでる、べたつくといった脂漏症の症状をおさえることができました。
部分的にのこっているとこもありますが、かなりの改善と判断できます。
ただ、今回の症例ではこの「脂漏」の体質がかなり強く、通常の治療では抑えきれませんでした。
・アポキル
・院内薬浴(2週間に1回)
がメインではあるのですが、この2点ではむずかしかったため、さらに4つの治療を併用しようやくここまで改善しています。
現在は3週間に1回になりましたので、今後は4週に1回まで間隔をあけることが目標です。
その状態で今年の梅雨~夏を乗り切るのが次のの目標となるでしょう。
今回の症例では投薬治療が絶対的に必要な状態でしたが、もちろんスキンケア&サプリメントもかなり重要なポイントになっています。
遠方にお住いの方でも遠隔診療が適応になる病気でもありますので、お困りの方は一度受診をご検討ください。
今回のわんちゃんのような体質に向いているスキンケアとサプリメントは下記のオンラインショップでお買い求めいただけます。
投稿者:
2017.12.16
シーズーのアトピー・アレルギー性皮膚炎、脂漏性マラセチア性皮膚炎の皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
当院には愛知県だけでなく、隣の三重県・岐阜県・静岡県からも来院があります。
もちろん隣の県にとどまらず、関西・関東圏からの受診も珍しくありません。
特に東京・神奈川・千葉・埼玉からの受診は非常に多いため、継続がしやすいようにメールと写真で継続する遠隔診療を提供しています。
遠隔診療というのは初診を実際に診て、2回目からの再診をメールと写真で代用し、お薬を発送する方法ですが、簡単にいうと実際に目でみるのは1回だけです。
1回診ただけで改善までもっていくだけの治療方針を立てなければいけません。
過去にさまざまな治療を行ってきて改善しない難治性皮膚病を1回の診察でどのように改善できるのか?というのは大きなポイントのため、先日このブログで遠隔診療でのフレンチブルドッグの治療成績を紹介しました。
今日は続きで、シーズーのわんちゃんでの治療成績を報告します。
【症例】
シーズー 約10歳 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇5年前から1年を通した慢性的な皮膚病
〇梅雨~夏が最も悪くなる
〇アポキルを使い始めた最初の2週間は効果があったが、それ以降は効果を実感できなかった
〇インターフェロン注射でも改善なし
〇ステロイドを2日に1回で多少の改善あり
今回の初診は、静岡県静岡市のあん動物病院(大石先生)で行いました。
あらためて初診時の状態、そいて毛をカットしたあとの状態をみてみましょう。
まずは顔の正面から。
続いて、顔の左側(頬)の拡大です。
続いて、口唇~下顎(やや左側)を下から見た状態です。
続いて、左の頬の拡大です。
続いて、左の口唇~下顎の拡大です。
続いて、頚部とその拡大です。
毛が多いためわかりにくいのですが、全身を紹介したあと毛をカットするとわかりやすくなります。
続いて、右前肢とその拡大。
続いて、左前肢とその拡大です。
今後の治療成績をあげるため、薬浴を実施するために毛をカットしました。
毛をカットすることでかなり炎症が重度におきていたことがわかると思います。
それではこの初診から1か月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくみることができます。
被毛の再生があるのですが、皮膚炎・腫れ・フケにおいて著しい改善が認められています。
もちろん肝心の「痒み」も10分の1まで改善しています。
常になめたり噛んだりして、パンパンに腫れていた前肢はまったくなめなくなったということでした。
今回の診療ではいくつかキーポイントがあります。
①アポキルが効かないタイプの皮膚炎か?
アポキルが効かないわけではないのですが、過去の治療結果が示したようにアポキルだけでよくなる皮膚病ではないと判断しています。
もちろん当院からはアポキルを処方しています。
②過去にアポキルで改善がなかった理由は?
診断名として足りないものが1つ、治療方針として足りないものが2つあったため。
③何が足りなかったのか?
1つは初回に実施した薬浴で、実は薬浴直後から劇的に改善していることからも足りない治療のピースの1つは薬浴だったと思います。
④「薬浴+アポキル」で改善するか?
薬浴の効果は一過性であり、ずっと長期間継続するようなことはないため、1回の薬浴でここまでよくするのは難しかったと考えています。
薬浴により皮膚コンディションを一気に改善させ、もう1つの大事な治療でケアしていくというイメージの方が適切です
もう一つの治療については、初診当日あん動物病院の大石先生に「なぜそう思うのか?」「皮膚のどこの部位をどう評価するのか?」についてお伝えしました。
もちろんシーズーの典型的な皮膚病ですので、当院のスキンケア&サプリメントが治療のサポートにかなり役立っています。
投薬治療があってこその治療成績ですが、体質にはかなりフィットしたアプローチになっています。
当院の診断&治療があればかなりの精度で治療結果がでることが期待できるため、遠方にお住いの方も遠隔診療をご検討ください。
なお、今回の初診のシーズーちゃんの治療方針ですが、初診前に送っていただいたメールと写真で想定した通りで、診察時の修正はありませんでした。
もちろん遠隔診療時の変更もありません。
今後はアポキルを減らしていくのですが、以前のような皮膚炎のぶり返しはおきないと考えています。
次回のブログは本日12月16日に初診として来院された柴犬の皮膚病の初診時状態を紹介します。
アポキル0.45㎎/kg1日2回でも痒みの改善がまったくないという主訴で来院しています。
もちろん診断は一瞬、診察台に乗る前に「なぜアポキルが効かないのか?」がわかる皮膚病です。
アポキルが便利すぎて「痒み=アポキル」となりがちな皮膚科診療ですが、当院では「アポキルが効かない痒みの治療」と「アポキルを減らすための治療」の両方に力を入れています。
◆◆◆ご案内◆◆◆
1月8日、10日に京都市の動物病院 「よこた動物診療室」で皮膚科診療のサポートを行います。
8日はすでに定員に達しましたが、10日はまだ受付可能です。
継続治療はよこた動物診療室での通院治療が基本ですが、京都への通院も困難な遠方の方には遠隔診療でサポートします。
京都市内にお住いの方で、皮膚炎治療にお困りの方は当院HPの遠隔診療の都市部開催お問い合わせフォームからご連絡ください。
投稿者:
2017.12.09
シーズーの痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
「次回は来年ですね」とお話することも多くなり、1年の終わりを実感する毎日です。
年末年始をカイカイで過ごすことにならないよう、わんちゃんと飼主さまの両方が穏やかにすごせるよう全力で取り組む毎日です。
それでは今日の症例報告です。
非常に遠いところから来院されているわんちゃんです。
【症例】
シーズー 7歳 女の子(避妊済)
【経過】
〇1歳から発症し、1年を通じた皮膚トラブル
〇季節性があり、梅雨~夏が最も悪い
〇痒みは手足をなめる&かむ、頚部~下顎をかく、お腹を床にこする・・・
〇アトピカ服用で効果なし、インターフェロン注射でも改善なし
〇コルタバンスでも改善なし
〇ステロイド服用でやや改善
〇アポキル効果なし
〇抗生物質(アポキルと併用)効果なし
それでは初診時の状態を紹介します。
まずは頸部から。
続いて、下顎。
続いて、右前肢3枚(腕2枚、手先1枚)。
続いて、胸~腹部とその拡大。
続いて、内股~後肢。
続いて、左膝の内側。
続いて、右膝~すねの内側。
続いて、背中とその拡大。
初診時から6週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
痒み症状がゼロではないのですが、皮膚炎レベルとしてはかなり改善しました。
治療の余地はまだ大きく残っており、今後も1つか2つ上のレベルまでいけると考えています。
「アトピカ(シクロスポリン・免疫抑制剤)」、「インターフェロン注射」、「アポキル」で改善がないという皮膚病でしたが、なぜ今までよくならなかったか?
ここで大事なのは「パズル」の考え方です。
パズルは完成にはピースが不可欠で、ピースが異っても、ピースが足りなくても完成しません。
実は皮膚病の治療も同じくで、1つでも異なるピースを使えばいまくいきませんし、足りなければまったく改善しないこともあります。
今回のわんちゃんに関しても、アトピカが効かない皮膚病だったのではありません。
同じくアポキルが効かない皮膚病だったわけでもありません。
そして抗生物質が不要だった皮膚病でもありません。
アポキルを使って治すプランもつくれますし、アトピカを使って治すプランもつくれます。
選択したピースと、使う順番、数(種類)を間違えなければ改善可能な皮膚病です。
皮膚病がパズルより難しいのは、箱の中に必要なピースが入っていないこと、そして何より「枠」がないため、「ピースが足りないことに気づけない」というのはあります。
今回は選択したピースの間違いと、足りないピースに気づくことが治療のポイントだったかなと思います。
今回の治療症例ではスキンケア、ECプラス、LFプラスを使って治療しています。
すべての症例がスキンケア&サプリメントで改善するわけではないのですが、適切な診断・治療で併用するとこれほど便利なものはありません。
オンラインショップでお買い求めいただけます。
投稿者: