2019.04.09
犬の舐め癖・掻き壊しと言ったアポキルが効かない痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
手を舐める、足を舐めるといった指間・足裏の痒い皮膚病がときに「癖」と言われていることがあります。
「本当に痒いのか?癖なのでは?」
特にフレンチブルドッグ・シーズー・トイプードルに多く、その他マルチーズなどの小型犬や柴犬で多くみます。
特徴の一つとして、今の標準的な皮膚科治療である「食事療法」「スキンケア」「アポキル(痒み止め)」では中々改善しないことです。
「癖」以外にも改善しにくい皮膚病として、皮膚炎がないのに急に出血・傷になるくらい掻いてしまう「掻き壊し」タイプのわんちゃんもめずらしくありません。
「そんなに痒いの??」
犬種としてはやはりフレンチブルドッグ、柴犬に極端に多い傾向があり、同じく「食事療法」「スキンケア」「アポキル(痒み止め)」では中々コントロールできず、エリザベスカラーや洋服で防ぐ以外難しいという症例によく遭遇しています。
本当に痒いの?
→痒みであればアポキル(痒み止め)で改善すると思います。
そんなに痒いの?
→ずっと掻いていないのであれば、そこまで痒くないのだと思います。
「癖」や「やりすぎ」の痒み症状による皮膚病は確かにあります。
こういった皮膚病の原因の一つとして「心因性」という視点があり、当院ではこの心因性に積極的にアプローチしてきました。
投薬治療としては「ストレス障害対策として抗不安薬」、サプリメントとしては「ストレス対策としてヒーリングケアLFプラス」が相当します。
確かにこの治療法でかなりのわんちゃんが改善しますが、ストレス対策では改善しないわんちゃんもいますし、本当に「ストレスが原因なのか?」と思うシーンもあります。
そこでこの1年は「ストレスではない性格による皮膚病」と視点を変えて治療方針を立てることで新しい治療ができるようになったと感じています。
【症例】
チャイクレ
【経過】
〇約5年前から当院受診
〇約2年前まで抗不安薬でほぼコントロール済
〇家族構成の変化により治療成績低下
それでは再発するようになったときの写真です。
右前腕(手首の少し上)を舐め続けることでびらん・潰瘍になっています。
以前は抗不安薬・ヒーリングケアLFプラスでずっとコントロールできていたのですが、家族構成の変化によりぶり返してしまい、最近はずっとコントロール不能になっていました。
そこで「ストレス対策」から「癖」という視点に切り替えて治療内容を変えてみました。
半年以上ぶりに綺麗に改善し、今のところ再発なしです。
被毛が茶色ではなくなっていることが、短期的な改善ではなく長期間舐めていないことの証明でもあります。
「ストレスで舐めている?」という視点ではなく、「癖」「性格」という視点でアプローチしたのが奏功しています。
投薬治療もそうですが、このタイプにはサプリメントも非常に有効だと思います。
ようやく完成した「パーソナルケアPⅡ+」です。
正直なところ癖や性格が薬やサプリメントで変わるのか?という意見が大半かと思いますが、
今見つかっていない答えは想定外にある
きっと5年後10年後にはスタンダードになるでしょう。
柴犬の掻き壊し、フレンチの舐め癖&掻き壊し、シーズーの舐め癖には非常にいいだろうと期待しています。
今「性格」「癖」に対する新しい治療について、世界初の症例報告を執筆中です。
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