2023.01.18
こんにちは、わんちゃんの皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は秋田犬の子の症例です。
【症例】
秋田犬 2歳11ヶ月 男の子(去勢済)
【経過】
〇2歳になった夏~円形脱毛症と痒み
〇膿皮症が治らない
〇脱毛部に痂皮や湿疹も見られる
それでは初診時の様子をごらんください。
身体の右側面の毛をかき分けた時の写真です。
脱毛し、脱毛部分の周りに沿うように痂皮と皮膚が赤く炎症が起きているのが分かります。
この写真以外にも体中にポツポツと同じ状況が広がっていました。
当院来院前の治療は、ビタミン剤とステロイドの使用、そして皮膚用のアレルギー対応療法食でした。
【当院の診断】
アトピー、膿皮症、被毛形成異常
【治療】
〇アトピー&膿皮症〇
①内服治療(アポキル使用※抗生物質は不使用)
②スキンケア(Medicareオイル、Medicareシャンプー、Medicareジェル)
〇腸活〇
①推奨フード
②サプリメント(スキンケアECプラス)
〇被毛形成異常(脱毛)〇
投薬治療(※重要!)
治療開始1ヶ月後には、
かさぶた(痂疲):1か所のみあり!
痒み:ほぼなし(1~3割まで減)
赤み:減少
2ヶ月後には見違えるように良くなり、今までみたことがない毛並みのよさで、生まれて初めての状態だったそうです。
それでは治療後の様子をごらんください。
密の高い毛量に綺麗な皮膚。よくなりましたね!
治療後の写真は治療から4ケ月経ったもので、インスタでは動画での皮膚の状態をアップしています。ぜひご覧下さい!
インスタには飼主さまからのアンケートも載せています。リアルな感想もぜひご覧下さい。
今回の症例の膿皮症の原因は2つ、
①食事療法が間違えている(腸内免疫が悪い)
②毛並みの異常が診落されている
①:多くの方が、「よかれと思って、皮膚用のアレルギー対応療法食を食べている」なのですが、これがほぼ間違いです。
膿皮症の原因が食物アレルギーのことはほとんどありませんし、そもそも食物アレルギー自体が犬では稀とされており、探してもいません。
さらにアレルギー療法食の多くがジャンクフードのため、腸内環境悪化の原因になり、膿皮症が治りにくくなっていることが多いです。
当院では初診時にたべると皮膚病の原因になるフードと、食べていいものをしっかり説明しています。
正しいドッグフードと腸内環境改善のためのサプリ(スキンケアECプラス)があれば、抗生物質を使わなくてもここまで綺麗に改善することもできます。
②:一般的には知られていない病気で、当院以外で指摘されることはほぼないでしょう。
ここを見落とされていると皮膚が弱いままのため、さらに膿皮症は治りにくくなります。
見落されている子は非常に多いですね。
毛をかき分けて地肌が見える子は当てはまっている可能性が高いです。
仔犬の頃から薄毛で進行しないことも多いので気づかない方がほとんどですが、一度チェックしてみてください。
皮膚トラブルや痒み行動、また日常の行動で悩まれている方はぜひ当院を受診してください。
《サプリメント・スキンケアについて》
当院受診が難しい方のために、ホームケアとしてサプリメントやスキンケアを販売しております。短期間でしっかり治すには投薬治療との併用が1番ですが、受診ができない場合はまずサプリメントで様子を見る選択肢もあります。当院オンラインショップからどなた様でもお買い求めいただけます。
当院オリジナルのサプリメントとスキンケア製品は、当院ホームページのオンラインショップからご覧いただけます。
尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。
※症状によってはできないこともございます。
詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。
【症例報告制作者】看護師 上林
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