2018.03.24
柴犬のアトピー・アレルギーなど、ステロイドやアポキルが効かない痒みの皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、愛知県四季の森どうぶつクリニックです。
今日は、今年の1月に初診で来院された直後に1回目のブログを掲載し、6週間後の比較を2月のブログで紹介した症例の続きです。
1月19日UP 柴犬の皮膚科専門外来 ~ステロイドが効かない理由~
2月27日UP 柴犬の皮膚科専門外来 ~ステロイドが効かない~ 再診
ステロイドで抑え切れなかった痒みをステロイドを使わずに抑えたという症例報告です。
たった6週間で劇的に(元々の痒み10痒として、4まで)改善したという症例報告でしたが、逆にいうと「まだ4残っている」ということで、これも初診時の想定どおりでしたので、これまた初診時に予め伝えていた「新しい手」を打つことにしました、というところで止まっていた症例です。
前回2月27日にUPしたときに次の1手をうった再診が本日でしたので、早速報告します。
残る痒みは脇をかく、腕・手首・膝・スネ・四肢端を噛むという症状でしたが、追加治療により「ほぼ痒みなし」というレベルまで改善しました。
前回の時点でかなり綺麗に改善していたため、治療前の写真は掲載していません。
ポイントはアポキルに6週間でのこってしまった痒みをどう抑えたのか?ですね。
もちろんこれは「初診時に決まっていたこと」を追加治療として採用することで解決しました。
それが「心因性掻痒症」です。
初診時の時点で、「初期治療である程度改善できると思います。ただ腕や四肢を噛む症状が残ると思うのですが、それは心因性です。その残った痒みには心因性のアプローチをしましょう」と伝えていたので、前回の治療追加とさせていただきました。
想定どおりほぼ痒みが皆無になりましたので、次はアポキルを2日に1回(または3日に1回)へ減らすことにしています。
おそらく2日に1回でも十分にコントロールできる皮膚コンディションだと思います。
アポキルを服用して抑えきれない痒みに心因性を疑うのですが、このときに最も役に立つのが当院で開発したヒーリングケアLFプラスです。
こちらの商品は以下のオンラインショップでお買い求めいただけます。
アポキルを使いながら併用することで残った痒みを緩和させる、アポキルの服用量(服用回数)を減らすなど、併用の相性が非常にいいですね。
もちろん診断が確実で、心因性以外の治療がそろっていることがなにより重要です。
心因性以外の治療方針にズレがあると、「そもそも・・・」となってしまいますので的確な診断がなにより重要です。
柴犬でも十分使えますが、個人的にもっと高い精度で相性がいいと思うのがトイプードル、シーズー、ヨーキーなどの小型犬です。
その他、猫の「お腹の毛が薄い」「腕をなめる」など、部分的な脱毛の原因である心因性に非常に相性がいいため、とてもお勧めです。
初診時に使わなかった理由は、心因性の痒みの割合が全体の半分以下で最優先ではないと判断できたことと、あえてアポキルで改善しない痒みを残すことで、心因性の痒みがあることを飼主さまに実感していただきたかったからです。
こうすることで、痒みの原因が複数あることが確実に伝わり、今後の痒みの再燃時にどの痒みがどの治療でよくなるか、獣医師も飼主さまも把握して対策を取れるためです。
痒みはとりあえず抑えればいいというものではなく、原因を細かく分析して将来の治療に生かすことも重要だと考えています。
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