2017.07.26
犬の皮膚病の中でも痒み治療に特化した動物病院【四季の森どうぶつクリニック】の平川です。
以前にも何度かブログで紹介しましたが、今年から皮膚科のない動物病院向けに、スキンケア・サプリメントなどの共同開発・研究を中心に診療提携をはじめました。
そして今年の1月に最初の取り組みとして、静岡市のあん動物病院で難治性症例の診療サポートを行い、順調にいい結果がでましたので、ここでご紹介したいと思います。
【症例】
柴犬 4歳
【経過】 ※かかりつけ動物病院の先生からいたたいだメール内容をご紹介します。
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4歳の柴犬で、1歳くらいから全身の痒みを発症。
当院だけでなく、他院にも受診しており、過去には(当院と他院の治療内容を合わせて)
ステロイド(内服・コルタバンス)
シクロスポリン(半年以上継続)
インタードッグ(EODで半年以上)
ブラベクトによる試験的駆虫
IgE リンパ球検査済
などを経て、今はアポキルを当院で内服しています。
BIDでアポキルを飲むとある程度は効くけど、写真のレベルであり痒みは抑えきれない。
目の周りは、アポキル飲んでからましになった。
ステロイド1mg/kgの方がよく効く。
フードはアレルギーに配慮したフードを2社くらい使ったが、フードを変えて痒みが変わった実感はなし。
どの会社のフードかは、飼い主さんが記憶していない。
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そのときにいただいた写真を紹介します。
この4枚を送っていただきました。
投薬内容など少し追加の情報をいただいたのが、以下の通りです。
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ステロイドは、過去1年間で
2016年4月にEODで5㎎(0.6㎎/㎏)16日間(8回)
5月~7月に5㎎錠 頓服として10錠/月 処方
7月後半からはアポキルへ
コルタバンスは、2014年10月に1度処方したのみ
アポキルを飲み始めてから、顔周りの痒みはだいぶましで発毛も良好。
2016年10月くらいは、SIDで大丈夫と言っていたが、現状BIDでもかなりかじっているのか、発毛はみられない
10月末に一度、足裏の炎症がひどくなったため、1週間だけプレドニゾロンに変更。
10㎎3日間と5㎎4日間。
そしたら、痒みがぴたっと止まったとのこと。
現在、アポキルは3.6㎎錠 SID~BID (0.42㎎/㎏)
背中の痒みはなし
耳は先日の診察で左耳がかゆいとのことで来院。
左のみ強い発赤が出ていて、オスルニアを点耳→本日2回目の予定
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この時点でほぼ答えはでてゴールまでの治療の道筋はついています。
そして平成29年1月31日、かかりつけの先生の都合と飼主さまの都合を合わせて「1回限りの現地診療」をさせていただき、方向性・処方をお伝えして当院の診療は終了としました。
そこから約5ヵ月半後の7月19日の状態を先生からいただくことができたので、ご紹介します。
状態には非常によくて、過去最高の毛並みに戻ったそうです♪
参考までにアポキルは1日1回でコントロールできているということでした。
冬に1日2回でも痒くて毛並みも悪かったのが、この真夏に1日1回で過去最高のコンディションという変化です。
最初に提案した方向性のまま、ここまでいい結果がでて本当によかったと思います。
今回は飼主さまの通院都合などもあり、若干時間がかかりましたが、スムーズにいけば2ヶ月あればここまで到達できるでしょう。
今の皮膚科の最大の悩みである「アポキルが効かない痒みをどうすればいいか?」のポイントの一つはここにあります。
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