2015.10.06
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
冬につづいて一番好きな秋になりましたね♪
今日紹介するのは、8月から診ているパグちゃんの症例です。
第1回8月26日 ⇒ パグの皮膚病 ~脂漏性皮膚炎の治療方針~
第2回9月8日 ⇒ パグの脂漏性皮膚炎 ~診断は後からついてくる~
少しタイムラグがでてきていますが、最新の状態を比較でお伝えします。
※画像をクリックすると大きくすることができます。
初診時からわずか6週間ですが、痒みだけでなく皮膚コンディション、被毛ともにかなり正常に近づいています。
重要なことは、初診時にここまでの軌跡を描けるか?です。
初診時に考えることは3つ
①必要な検査は何か?
※想定できる病気は限られていますので、その評価をします。
②最速の改善方法は何か?
③想定される治療法は何か?
です。
・・・・・・②と③、同じように聞こえるかもしれませんが、実は違います。
初診時から行うべき「最速の改善方法」と、この皮膚病の治療法は違います。
もちろん「最速の改善方法」も広い意味で治療法の1つといえなくもありませんが、長期的にみるとこの初診時から行う「最速の改善方法」はもうしばらくすると必要がなくなってきます。
必要ではなくなるものとしては「病気の原因に対する治療法」とはいえないので、初診時に必要なことは「皮膚病の原因になっていたものに対する直接的治療法ではなく、起きてしまったことに対する修正方法」ともいうべきでしょうか。
以上のことから検査結果をみることもなく、初診時から積極的なアプローチをしかけます。
第2回の記事にあるように、検査結果が出揃い診断が確定に近づくころにはすでに改善が認められます。
教科書上は①と③しかありませんが、臨床で必要なことは②です。
②がなければ理論上、教科書上正しくてもうまくいかないことすらあります。
治る皮膚病と治らない皮膚病・・・・・・日本全国に同じ教科書があり、情報が浸透する時代にも関わらず難治性皮膚病が生まれる理由の一つは、教科書に②が書いていないからだと思っています。
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