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【柴犬の皮膚病治療】7年間難治性を3週間で改善へ

2018.05.12

柴犬のアトピー・アレルギーなど強い痒みを示す難治性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

柴犬の皮膚病は非常に多いですね。

アポキルが使えるようになって簡単にいい治療結果がだせるようになった症例もいますが、それは一部のわんちゃんで、基本的には柴犬ならではの難治性がいるのはあまりかわっていないと思います。

その理由はアポキルが効かないのではなく、アポキルが効果を示す痒み以外の部分に対して十分な治療アプローチがされていないからです。

今日はそんなアポキル以外の治療が必要な柴犬の症例報告です

なお、この症例が初診時で来院された日は、以前のブログで紹介した京都市山科区のマックスドッグ&キャットクリニックの羽立先生と後輩の山崎先生が見学に来院されたときの初診です。

両名の先生にはどの部位をどう評価したら病気を診断できるか、どう治療すればいいのかを説明させていただきました。

【症例】

 柴犬 10歳 男の子(去勢済み)

【経過)

 〇3才から続く痒み

 〇季節性はない

 〇今までよくなったことはない

 〇春になると花粉症のような症状もでる

 〇最初のころは前足の裏をよくなめていた

 〇痒みは腹側面、わき、頚部、下顎、耳、胸、カカト、腕をなめる、前肢をなめる、背中をかむ、口唇をかく (眼は異常なし)

それでは初診時の状態を紹介します。

まずは正面から。

続いて、頚部とその拡大です。

続いて、右前腕正面からと内側からです。

続いて、前胸部です。

続いて、胸部と脇の拡大です。

続いて、胸の拡大、臍付近の拡大、内股の拡大です。

続いて、身体側面とその拡大です。

続いて、わきを右側面から、そしてその拡大です。

続いて、右側面の腹部とその拡大です。

続いて、右後肢の付け根~膝付近です。

続いて、右後肢の側面です。

続いて、右内股と左内股です。

この初診時からわずか3週間後の状態とひくらべてみましょう。

なお初診時に薬浴のため一度全身のカットを行いました。

※写真をクリックすると大きくみることができます。

まずは頚部、ゴワゴワはほとんどとれ、皮膚がやわらかくなり、毛も再生しています。

胸部ですが、強い脂漏がみとめられましたが、かなり強い改善であることがあります。

胸~わきも皮膚の硬さがなくなり、毛の再生もかなりのスピードで解決しています。

胸~お腹も皮膚のかたさはなくなり、今まで生えていなかった毛が密に再生しているのがわかります。

わき~胸部側面ですが、初診時にはゴワゴワだった皮膚がほぼ正常にもどっています。

腹部の皮膚の硬さも正常にもどっていのがわかります。

内股も初診時には真っ黒でしたが、かなりピンクにもどっているのがわかります。

肝心な痒みですが、耳をちょっとかくくらいで、身体全体の痒みはほぼ消失しています。

なお抗生物質は服用しておりません。

特に胸のあたりは4~5年ぶりに密な毛が生えてきたというこです。

この初診の診察を見学していただいた羽立先生には当院から各種検査結果と治療方針の解説をおくっています。

まだたった3週間ですが、初診時の治療方針でこのままいい治療結果がでていますので2~3ヵ月後には見違えるほどの柴犬にもどっていることでしょう。

大事なことは、初診時に各種検査結果がなくとも診た瞬間に皮膚病の原因がわかるタイプですので、同時に治療方針を決定できる診断力をつけることです。

また追って紹介する予定です。

【追記】

    平成30年6月8日 初診時から7週間後の治療経過 

想像以上の速さで劇的に改善しています。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

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