2016.12.15
フレンチ・ブルドッグの皮膚病治療に力を入れて取り組んでいる動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
随分と寒くなり、皮膚が弱いわんちゃんにとってもすごしやすい季節になったのではないでしょうか。
当院でも10月をピークにようやく落ち着いてきました。
このあと3ヶ月は平和な季節で、ちょっと肩の力が抜けています。
今日は当院の受診のなかでも最も多い「フレンチ・ブルドッグの典型的な皮膚病、膿皮症」の症例報告です。
【症例】
フレンチ・ブルドック 4歳 女の子(未避妊)
【症歴】
〇今年の8月から湿疹がでてきた
〇抗生物質を服用するも新しい湿疹が繰り返しできる
初診時の状態です。
それでは1ヵ月後の状態と比較してみましょう。
※画像をクリックすると大きくすることができます。
非常に綺麗になりました。
何が違うか、「できてしまった湿疹を綺麗に治す」だけでなく「新しい湿疹をつくらせない」です。
この2点、似ているようでまったく異なります。
この違いを理解してアプローチしなければ膿皮症のコントロールとはいえません。
このわんちゃんも、過去の治療内容が悪かったわけではありません。
過去の治療歴も「培養・感受性検査」、「抗生物質を服用」、「シャンプー」と、教科書に書かれている抑えるべき点を抑えていました。
確かに湿疹は治っていくのですが、新しい湿疹が次から次にできるんですね。
以前のブログでも書いたことがありますが、抗生物質は湿疹を治すことはできても、「湿疹ができる理由を治すことはできない」なんですね。
そもそも「なぜ皮膚の表面で、正常な常在菌が膿皮症を起こすのか」を考えて、そこにアプローチできなければ繰り返すことを防ぐことはできません。
投稿者: