2013.08.31
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回の症例報告は、フレンチ・ブルドッグです。
フレンチ・ブルドッグは遺伝的に皮膚疾患が非常に多いですね。
一言に皮膚疾患と言っても痒みや脱毛など色々な症状がありますが、フレンチ・ブルドッグを悩ませる症状は圧倒的に「痒み」です。
痒みを伴う皮膚疾患で悩んでいるフレンチ・ブルドッグの飼主さまは非常に多いと思われます。
なぜ悩むか?
それは治療が難しいからです。
半分は治療を行う僕ら獣医師の責任でもありますが、残り半分の理由はフレンチ・ブルドッグが他犬種とは異なる独特の体質をもっているからだと思います。
そんなフレンチブルドッグの典型的な皮膚疾患の1つを紹介します。
【症例】
犬 フレンチ・ブルドッグ 5歳 女の子(避妊手術済)
【過去の病歴】
〇以前から「アレルギー」と言われていた
〇1歳のころから内股の湿疹(現在と同じ病状)
〇かかりつけの動物病院で抗生物質とステロイドの内服治療
〇この4年間、2カ月に1回(2週間の処方)を継続しているが改善なし
〇内股に外用薬を処方されているが、「あまり塗布しないように」と指示されている
それでは初診時の状態を見てみましょう。
フレンチ・ブルドッグの皮膚病では顔周りの皮膚炎も多いのですが、今回は軽度でした。
まずは強い症状の1つ、耳の痒みです。
続いて、この4年間で1度もよくなったことがない内股の湿疹です。
同じく内股の拡大です。
これはステロイドの副作用(特に外用薬によるもの)が認められます。
続いて、右前肢。
一見綺麗な状態に見えますが、指の間を見てみると、
真っ赤です。
続いて、左前肢です。
同じく一見綺麗に見えますが、指の間を見てみると、
全ての指の間が真っ赤になっていますね。
続いて、右の後足の指の間(真ん中)です。
続いて、右後肢の指の間(真ん中)です。
四肢の全てに痒みと炎症が認められました。
ここでは掲載していませんが、足の裏も皮膚炎があります。
こういった診療では、初診時になにを伝えるかがとても重要になります。
今回の症例では、
①必要な検査
②過去の治療内容の評価
③必要となる治療
④目標
について、予測の範囲内ではありますがお伝えしました。
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