2014.01.19
こんにちは、四季の森どうぶつクリニック獣医師平川です。
今日は、ここ最近の中でも最も「必ず美しく治す」と強く意識した症例の1例です。
【症例】
シーズー 5歳10カ月 女の子
【病歴】
〇~2歳までは皮膚病なし
〇3年前から痒みを伴う皮膚病を発症し、年々悪化している
〇2年前からは皮膚科のある動物病院で『漢方』を含めた4種類の内服を継続しているが、改善なし
それでは初診時の状態を見てみましょう。
まずは正面から。
続いて、右側面。
続いて、頚部とその拡大2枚です。
続いて、顔・頚部を右側面から見てみます。
続いて胸~前胸部、ワキです。
続いて、右胸側面です。
続いて、右前肢です。
この右前肢の被毛をカットして、皮膚の状態を詳しく見てみましょう。
続いて、腹部を診てみましょう。
続いて、右後肢を外側(3枚)、内側1枚)見てみましょう。
この右後肢の被毛をカットして皮膚の状態を詳しくみてみましょう。
それでは初診時から約7カ月後の状態を比較してみましょう。
まずは右側面全体から。
続いて、頚部とその拡大です。
続いて、右顔~頚部とその拡大です。
続いて、右胸側面の比較をみてみましょう。
続いて、胸部~前胸部、ワキの比較です。
続いて、右前腕の比較です。
皮膚が正常機能を取り戻した結果、非常に綺麗な被毛になっていることを証明するために、飼主さまの許可を得てカットさせていただけたので、あえてこの写真の状態からバリカンでカットした後の皮膚コンディションの比較もご覧ください。
続いて、腹部の比較です。
続いて、右後肢の比較をご覧ください。
この右後肢も飼主さまにご協力いただきバリカンで被毛をカットし、皮膚のコンディションの比較をみてみましょう。
非常に綺麗になりました。
被毛が再生した、というレベルではなく皮膚そのものが正常な機能を取り戻し、美しい被毛をつくりだしています。
飼主さまも「被毛が長くなるのが早くなった」といいますから、いかに過去の状態が異常だったのか、そして皮膚が正常に戻ろうとする力をうしなっていなかったかがわかると思います。
当院のスキンケアは本来備わっている「皮膚を正常に保とうとする力」で足りない部分をサポートしているだけです。
7カ月間、欠かすことなく週1回の院内薬浴(スキンケア)を受けていただきました。
色々な意味で大変だったと思うのですが、僕からも「徹底的に綺麗に治したいので、週1回を続けさせてください。」とお願いし、ここまで到達することができたと考えています。このレベルまで治療ができたのも飼主さまのご協力があってこそですので、本当に感謝の気持ちで一杯です。
シーズーは難治性の皮膚病になりやすいと言われており、この症例がまさに典型的な症状といえます。
〇脂漏症
〇アレルギー
〇遺伝、体質
〇マラセチア
〇シーズーだから
〇治らない
〇シャンプーしかない
当院に来院される飼主さまの多くがこういった説明で諦めていた時期もあったと聞きます。
しかし、ここまで重症でも改善させる方法はあります。今のところ当院の薬浴(スキンケア)で継続治療して改善がなかったこのタイプのシーズーはいません。きっとこれからもこのタイプで改善できない症例はいないと思っています。
※シーズーの皮膚病がすべてこのタイプではありません。
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