2013.12.19
こんにちは、四季の森どうぶつクリニック獣医師平川です。
随分と冷え込むようになり、コタツの中からでこれないわんこ、ヒーターの前から動かないわんこもいるのではないでしょうか?
久しぶりの症例報告ですが、今回は院内スキンケアを行わず治療したフレンチブルドッグの症例を紹介します。
【症例】
犬 フレンチ・ブルドッグ 12歳
【病歴】
〇6カ月前から痒みを伴う湿疹がでるようになり、広がっている
〇抗生物質とステロイドを毎日服用しているが、改善しない
では、初診時の状態をみてみましょう。
最も湿疹が多く認められたのが頚部です。
カットは飼主さまご自身が行ったようですが、治療のためには賢明な判断だと思います。
病変部を拡大してみましょう。
続いて、頚部の左側面です。
この湿疹が背側、大腿部などにも認められました。
この初診時から約10週間後、
続いて、頚部側面です。
湿疹は認められず、痒みも消失しました。
今回は「完治」のタイプとして治療終了としました。
フレンチ・ブルドッグに皮膚病が多く、その原因としてアレルギー体質があることはとても有名ですが、「フレンチ・ブルドッグの痒い湿疹=アレルギー」ではないため、病変部をよく診極めることが重要だと思います。
また、いい治療結果を得るためにはフレンチの体質をよく知ることも必要だと考えています。
今回はそのフレンチ・ブルドッグの皮膚を診極めることと、フレンチ・ブルドッグの体質を上手く把握できたこが迷走することなく綺麗な治療結果につながったと思います。
参考までにこのタイプの皮膚病にステロイドは禁忌です。
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