2019.05.25
こんにちは、獣医師の平川です。
僕は昔から「閃き」という言葉を好んで使っています。
過去には「閃き」で何度かブログを書いていますので、よければ昔の「閃き」もお読みください。
2014年11月17日 閃きは確信へ
2018年5月27日 閃きは確信へ ~5年前の失笑~
2018年12月12日 【閃きは確信へ】痒みと心因性と〇〇〇〇
そして今日もタイトル通りですが、閃きから驚きの治療結果を得ることができたので、記念にブログすることにしました。
今回の閃きのきっかけは2~3年前に遡ります。
教科書に掲載されていない病気があって、もちろん治療法も独特(薬剤A)で掲載されていないという未知の病気があることに気づきました。
「ほぼ診断できるし、ほぼ治せるけど、原因も分からなければ適切な病名もない」
鑑別疾患からいくつかの仮説をたて確実な検査方法がないか探しましたが、有力な検査方法をみつけることはできませんでした。
次に治療法からメカニズムを考え、「薬剤Aが効果を示すということは、もしかしたら〇〇〇〇〇〇という病気が存在するのでは?」となったのですが、そのメカニズムを証明する検査は犬ではできませんでした。
ただ、この時「もし本当に〇〇〇〇〇〇だとしたら、薬剤Aだけでなく、薬剤Bも同様に効果を示すのでは?」と仮説をたてました。
もちろん薬剤Bを皮膚病治療で使ったという報告は聞いたことがありません。
そしてついにその日は訪れました。
あれから1年以上たった今年の2019年4月、あるわんちゃんの再診時に
「これがきっと〇〇〇〇〇だろう。検査で証明できなければ治療(薬剤B)の結果で仮説を肯定するしかない。」
と、仮説でしかなく治療経験もないのですが、仮説を丁寧に説明し、治療の了承を得ることができました。
そのときの写真がこちらです。
難治性のわんちゃんではありそうな皮膚タイプですね。
ここから約5週間後の今日、僕は
「すごい!ここまで改善するとは」
ほんと、久しぶりに衝撃を受けました!
1発目に成功させることができて、閃きは確信へと変わりました。
まだ1例中1例ですが、狙いすました1例で当てたのでいつも通りの診極めができれば十中八九で当てることができると思います。
今年の冬から取り組んでいる発表(夏発表予定)も世界初の内容ですが、今回の閃きの疾患&治療法も世界で知られていないものです。
以前もブログで紹介したことがありますが、
「答えは想定外にあり」
が医療のキーポイントだと思います。
当院からの発表を今後も注目してください!
2019.6.4 【世界初の治療法】閃きは確信へ②
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