2018.12.12
犬の痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
皮膚炎・痒いといった症状は多いのですが、新薬アポキル(オクラシチニブ)で効果がでない症例は数多くいます。
アポキルが効かないときの原因はもちろん1つではないのですが、大きな要因の一つに「心因性が見落とされている」というのは今までも何度もお話してきたとおりです。
この心因性の説明は割愛いたしますが、「そもそも心因性って何?」と考えると非常に奥が深いです。
ただ「抗不安薬・抗うつ薬が効く」「リラックス療法が効く」「行動学的アプローチも重要」などという意味では心因性という表現は間違いではないかもしれませが、心の病か?というと・・・疑問があり、治療しつつも(改善しつつも)「心因性って何だ?」とずっとモヤモヤしていました。
そんな誰も解決できなさそうなテーマのモヤモヤでしたが、1年ちょっと前にふと見たテレビで解決の糸口を見つけることができました!
そう!
「閃き」
今の治療に足りないのはこれだ!と思いました。
そこから毎晩ネット検索で調べに調べて・・・・・・「これならいける」とある治療薬に目をつけました。
もちろん人用のお薬で、そもそも皮膚科に関係するものではなく、さらに犬に関係ない病気のお薬なので獣医師で使ったことがる先生はいらっしゃらないかと推測されます。
そのため使うにはかなり躊躇しましたが、「きっといけるはず」と思っていたので、1~2ヵ月前から使用してみました。
まだ数頭でしかリアクションを得ていませんが、いまのところ「いける!」という感触です。
2頭試して2頭とも成功しています。
この状態の症例に使用して、
もちろん複数の治療薬を併用しているため、単独治療による効果とは言えないのですが、治療薬を徐々に変更及び追加して最後の秘密のお薬が効いたと飼主さまから評価いただいているため、間違いはないと考えています。
この治療は世界初だと思いますので、英語ができれば海外発表かと思いますが、英語どころか発表すら苦手なので国内で発表しようかと思っています。
年度内に5~10症例くらい集めて発表したいと思います。
これも5年後10年後には皮膚科のスタンダードになる治療ジャンルだと確信しています。
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