柴犬の皮膚病

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柴犬の皮膚病

柴犬の皮膚病

柴犬の皮膚病は非常に多く、遺伝的な素因があると考えられています。その柴犬の再発性、または難治性皮膚病になりやすい原因で最も多いのがア レルギー性皮膚炎、特に環境アレルゲンとIgEが関与した『犬アトピー性皮膚炎』です。
柴犬に多く認められるこの犬アトピー性皮膚炎は、短期的な投薬治療では再発しやすく、徐々に重症化する傾向にあります。

年齢

一般的にアトピー性皮膚炎の80%が3歳までに発症するといわれています。柴犬のアトピー性皮膚炎の場合も同様で、比較的若い頃の発症が基本となりますが、病変部が限局されて気付きにくいなど、もう少し中高齢期に悪化して、診断に至ることもめずらしくありません。

症状

共通する症状は痒み、「掻く」「舐める」「噛む」「擦る」といった仕草が認められます。
柴犬のアトピー性皮膚炎には特徴が多く、痒みや脱毛の部位が非常に似ています。

季節性

軽度では梅雨~夏、中等度では春~冬の初め、重度では1年を通して症状が認められます。
特に梅雨~夏の、気温と湿度の高い季節は悪化する傾向にあります。

病変部

眼周囲、鼻周り、口唇、頬部、肢端、腹部、ワキなど

典型的な皮膚病変

頭部

  • 頭部1
  • 頭部2
  • 頭部3
  • 頭部4
  • 頭部5
  • 頭部6

体躯…腋~内股

  • 体躯…腋~内股1
  • 体躯…腋~内股2

四肢…前肢(内側)、後肢(頭側)、足根関節、指間、足裏

  • 四肢
  • 前肢(内側)
  • 後肢(頭側)
  • 足根関節
  • 指間
  • 足裏

柴犬の皮膚病における一般皮膚検査

柴犬の皮膚病で最も難治性になりやすい犬アトピー性皮膚炎を疑った場合、初めに一般皮膚検査を行います。感染の有無、寄生虫の有無の判定のほか、過去の治療歴から症例の多くが抗生物質に対する多剤耐性菌による膿皮症を併発しているため、薬剤感受性試験を行います。

一般皮膚検査

  • 顕微鏡検査:細菌性、マラセチア性、寄生虫性
  • 培養検査:糸状菌性、細菌感受性検査
  • 脂漏を伴った犬アトピー性皮膚炎の症例

    脂漏を伴った犬アトピー性皮膚炎の症例

  • 顕微鏡所見:マラセチア

    顕微鏡所見:マラセチア

  • 犬アトピー性皮膚炎の症例に認められた膿皮症

    犬アトピー性皮膚炎の症例に認められた膿皮症

  • 顕微鏡所見:細菌

    顕微鏡所見:細菌

柴犬の皮膚病における内分泌(ホルモン)疾患検査

皮膚・被毛の状態を正常に保つために、生体内ではさまざまなホルモンが作用しています。基礎疾患にこの内分泌ホルモン疾患がある場合、脱毛・皮膚感染症・脂漏・フケ・色素沈着などの症状が認められます。過去に皮膚病歴がなく中高齢期からの発症で診断に至る症例もあれば、若齢からの膿皮症やアトピー性皮膚炎などに引き続き併発することで治療成績が悪化しはじめた症例もあります。治療成績に大きく影響するため、血液検査と画像診断で内分泌疾患を調べます。柴犬の内分泌疾患で多く認められるのは、甲状腺機能低下症及び性モルモン性疾患です。

性ホルモン疾患による感染性皮膚炎

  • 性ホルモン疾患による感染性皮膚炎1
  • 性ホルモン疾患による感染性皮膚炎2
  • 性ホルモン疾患による感染性皮膚炎3
  • 性ホルモン疾患による感染性皮膚炎4

犬アトピー性皮膚炎と見間違う所見ですが、性ホルモン異常による感染性皮膚炎です。柴のアトピーの治療にはステロイドを必要とすることが多いですが、この症例の治療にはステロイドは使用しませんでした。柴犬は重症化するとアトピーの有無に関わらず「アトピー性皮膚炎に診える」ことが多いため、鑑別することが重要です。アトピー体質はなかったため、性ホルモン異常の治療により完治しました。

性ホルモン疾患によりコントロール不能となった犬アトピー性皮膚炎

  • 性ホルモン疾患によりコントロール不能となった犬アトピー性皮膚炎1
  • 性ホルモン疾患によりコントロール不能となった犬アトピー性皮膚炎2
  • 性ホルモン疾患によりコントロール不能となった犬アトピー性皮膚炎3
  • 性ホルモン疾患によりコントロール不能となった犬アトピー性皮膚炎4
  • 性ホルモン疾患によりコントロール不能となった犬アトピー性皮膚炎5
  • 性ホルモン疾患によりコントロール不能となった犬アトピー性皮膚炎6

柴犬に多く認められる犬アトピー性皮膚炎と判断されやすい皮膚病ですが、実はアトピー体質に加え性ホルモン疾患により複雑な病態で難治性となっていた症例です。病変を丁寧に診ていくことで、アトピーによる病変と性ホルモンによる病変を見分けることが可能です。性ホルモン疾患に気付かず一般的なアトピー性皮膚炎の治療だけではコントロール不能に陥ってしまいます。性ホルモン疾患の診断・治療を行い、それからアトピー性皮膚炎の治療をすることで痒み、脱毛ともに改善しました。

柴犬の皮膚病におけるアレルギー検査

柴犬は遺伝的にアトピー体質を持っていることが多く、このアトピーの診断をいかに正確に行うかが非常に重要になっています。
その理由は、

  • アトピー体質による場合、完治(治療終了)が見込めないことが多い
  • ステロイド療法のメリット・デメリット、長期的な管理について
  • 免疫抑制剤や、インターフェロンや減感作療法による治療選択肢の提示

など、特別な説明と治療の選択をしていただくために的確な診断が必要と考えています。

アレルギー検査

  • アレルゲン特異的IgE検査:
    環境アレルゲン(ハウスダスト、花粉、カビetc)
    食物アレルゲン(18項目)
  • リンパ球反応検査:食物アレルゲン(18項目)

柴犬に犬アトピー性皮膚炎が多いことは事実ですが、「柴=アトピー」ではなく、中には食事療法のみで改善が認められる食物不耐性や食物アレルギーの柴犬も存在します。その場合アレルゲン特異的IgE検査の検査結果だけではアレルギーの原因となっている食物アレルゲンを特定することは難しいため、リンパ球反応検査も併用した血液検査が有効です。

柴犬の犬アトピー性皮膚炎の管理

柴犬のアトピーは遺伝が大きく関連した体質から発症する疾患のため、完治するための確実な治療法はありません。完治を治療のゴールとすることは現実的に難しいため、「許容できる痒みの範囲内にコントロールする」を目標とします。

治療の目標

許容できる痒みの範囲
  • 痒みで傷ができない
  • 脱毛がなく毛並みが整っている
  • 夜は静かに寝ている
  • 鳴きながら掻いていない
  • 声をかけなくても自然と止まる

柴犬の犬アトピー性皮膚炎の治療

薬物療法

抗生物質 膿皮症などの細菌性皮膚炎に使用
抗真菌剤 糸状菌症やマラセチア性皮膚炎、外耳炎に使用
抗ヒスタミン剤 犬アトピー性皮膚炎の長期管理に使用
ステロイド剤 犬アトピー性皮膚炎の短期~長期管理に使用
サプリメント 長期的な治療成績向上、薬物療法の減量を期待して使用
免疫抑制剤 ステロイドの投与量を減らすために使用
インターフェロン 体質・痒みの改善に使用

※投薬する主な薬剤であり すべてではありません。

スキンケア

シャンプー療法 環境アレルゲンの除去、皮膚病変菌の除去、皮膚バリア機能の修復など、アトピー性皮膚炎の重要な治療となります。
薬浴治療 院内で行う、特殊なスキンケア治療です。特に脂漏を伴う病変部に短時間で大きな効果を示します。
  • 脂漏を伴った犬アトピー性皮膚炎

    脂漏を伴った犬アトピー性皮膚炎

  • スキンケア治療2回実施後(治療3週間後)

    スキンケア治療2回実施後(治療3週間後)

  • 治療11週間後

    治療11週間後

食事療法

柴犬の皮膚病において、食物アレルギー単独で難治性になっている症例は多くありませんが、食物アレルギーを併発している場合、適切な食事療法を行わないと改善が認められません。また、食事が皮膚病の治療成績を向上させることは多く認められるため、たとえ食物アレルギーがなくても質の高い療法食による食事療法は行うべきと考えています。

減感作療法

一定の治療効果がありますが、さまざまな問題点から、当院では行っておりません。

柴犬の犬アトピー性皮膚炎における適切なステロイド療法

「脱ステロイド」という言葉があるように、ステロイドを使用すると皮膚が悪くなる、副作用があるetc、「ステロイド=悪い薬」というイメージが定着していますが、ステロイドなくして医療は成り立たないほど非常に大切な薬剤です。確かに、不適切なステロイドの使用が皮膚病を悪化させている症例がいることは事実ですが、皮膚科診療においてもステロイドはなくてはならない薬剤です。そして柴犬のアトピー性皮膚炎では、ステロイドを適切に使用することで格段に治療成績をあげることができます。当院でもステロイドの副作用から難治性となった症例を数多く「脱ステロイド」させてきましたが、それでも柴犬のアトピー性皮膚炎には積極的なステロイド療法を行っています。ステロイドの治療効果と副作用の両方を把握し、適切に使いこなしてこその皮膚科診療と考えています。

ステロイド療法による治療成績

  • ステロイド療法による治療成績1
  • ステロイド療法による治療成績2
  • ステロイド療法による治療成績3
  • ステロイド療法による治療成績4
  • ステロイド療法による治療成績5
  • ステロイド療法による治療成績6
  • ステロイド療法による治療成績7
  • ステロイド療法による治療成績8
  • ステロイド療法による治療成績9
  • ステロイド療法による治療成績10

柴犬の皮膚病の注意点

柴犬の皮膚病が難治性になりやすい理由にはアトピー体質だけでなく、柴犬独特の性格なども関係しています。水が嫌いでシャンプーが不十分であったり、内服薬が飲めない、外用薬を嫌う、ドッグフードを食べない、病院を嫌う…etc、さまざまな視点からみても治りにくい要因を数多く抱えていることが多いのが現実です。その中でもやはり最も難治性になる理由が「アトピー体質」になるのですが、このアトピーで難治性になる理由もいくつかあります。第一に「完治を目指す」、これは投薬を含め治療を終了することが再発の原因になるためコントロールできない原因に繋がります。次に「ステロイド=悪い」というイメージです。ステロイドに対して「副作用がある悪い薬」、「ステロイドを服用しても治らないため、治療とはいえない」など極端な考えから生まれたものです。実際人の医学でもアトピーをステロイドで10年、20年とコントロールするように、ステロイドによる治療が必ずしも副作用を伴うわけではないため、注意して使用してコントロールすることを目標にしていくことが大切だと考えています。

柴犬の皮膚科専門外来
アトピー・アレルギー・脂漏・脱毛・難治性対応

治らない理由 -診断編-

柴犬

柴犬もブルドッグ・シーズーと同様に難治性皮膚疾患になる代表犬種ですが、他犬種にはない特有の体質・性質を数多く持っているため、犬種別では最も治療が難しいといっても過言ではありません。

その主な理由として
「原因が異なっても見た目が似ていること」
「検査で評価できない病気が多いこと」
「デリケートな柴犬の気質」
の3点が挙げられます。特に病気の原因が複数存在しているにもかかわらず「アトピー&アレルギー」の一括りにされやすいことは今の皮膚科が抱える問題点の1つで、今の主流となっている「アポキル&アレルギー対応食事療法」は柴犬の体質に合わせた治療とは言えません。柴犬の皮膚病治療成功には、柴犬の独特な体質・性質に合わせた治療方針を組み立てることができるかが鍵になります。

診断の差① アトピー&アレルギー

柴犬は皮膚病の原因に関わらずアトピー・アレルギーに類似した症状を示す傾向がありますが、アトピー性皮膚炎単独での発症ケースは全体の一部でしかありません。食物アレルギー性皮膚炎にいたってはさらに少なく、アレルギー対応食事療法で改善するケースはほぼ皆無と考えています。むしろ皮膚科診療で主流になりつつある過剰なアレルギー検査とアレルギー診断は存在しないアレルゲンを探す出口のないトンネルに入ることと同じになるため、検査の異常所見(アレルギー反応)には現在の症状の原因になっているか慎重な判定をできる診断力が求められます。検査以上に重要なことは、アトピー体質の悪化要因を探す体質評価であり、柴犬の皮膚科診療の1つ目の分岐点は「アトピー性皮膚炎以外に何が隠れているのか?」を突き止めることだと考えています。

診断の差② 心因性掻痒症

柴犬は性格的にストレス・違和感に対する許容閾値が低く、行動学的に皮膚を「掻く(掻き壊す)」「舐める」「噛む」といった症状がでやすい気質をもっています。純粋に痒い症状に対する痒み行動のこともありますが、柴犬に限っては痒み以上の症状がでるため「痒い」と「気になる」を区別する必要があります。この「気になる(心因性掻痒症)」は検査方法がないため診断が難しく、アトピー性皮膚炎の症状が非常に似ているため、多くが「アトピー・アレルギー」と一括りにされて見過ごされているのが現状です。心因性というテーマがデリケートな意味合いを含んでいる影響も否めませんが、ここを追求せずして柴犬の皮膚病を極めることはできません。当院ではアトピーと心因性を区別してアプローチすることで、従来の皮膚科とはまったく異なる高い診療レベルを提供しています。

診断の差③ 内分泌疾患

柴犬には他犬種にはない独特の内分泌疾患があり、アトピーの悪化・脂漏症の発症・アポキルの効果減弱など、治療成績を低下させる大きな要因になっています。しかし現在の皮膚科では治療報告が1例もないため、教科書に掲載されることもなく、当院以外の診療施設では診断不可能な状況です。ここまで知られていない理由は非常に単純で、血液検査で異常値を示すことがなく、客観的な評価ができないことが原因です。当院で診断できる理由は2つあり、1つは豊富な診断実績と治療実績で、もう1つは獣医師平川が飼っている柴犬が発症しているためです。この2つの理由で、当院では検査方法がなくともほぼ100%に近い診断を出すことができ、ほぼすべての症例で著しい改善結果を出すことができています。

治らない理由 -治療編-

医療機器

柴犬の皮膚病では診断の難しさに加え、他犬種にはない悩みが多く治療を難しくさせます。
特に皮膚科で一般的なアプローチの1つであるスキンケア・外用薬系の使用が性格的な側面から治療レベルで通用しないことや、投薬治療や食事療法を受け入れられなかったりと医療レベル以前の壁に当たってしまうケースは多くあります。

ただ柴犬の場合は遺伝的体質が似通っているため、いくつかの検査・治療で疾患の絞り込みと除外診断を行えば、「十中八九成功する治療法」を定めることができるというメリットもあります。

当院では多くの柴犬の治療実績から成功しやすい治療法をもってアプローチしています。

治療の差① スキンケア
スキンケア

最近の皮膚科ではスキンケアが非常に注目されていますが、柴犬の難治性・重症の皮膚病がスキンケア単独で治ることはほとんどありません。しかし適切な診断&治療があってもスキンケアが十分でないがゆえに改善しない皮膚病があるため、おろそかにしてはいけないのも事実です。しかしブルドッグ種やシーズーのようにスキンケアに依存する部分が少ない皮膚体質であることと、柴犬の気質と毛質がゆえにスキンケアがほとんど効果的に実施されていない現状から、柴犬の皮膚病治療に求められる技術レベルは最も高い水準にあると言えます。当院は数多くの難治性柴犬を診ていますが、当院を受診する時点で柴犬のスキンケアを高いレベルで実施できていた飼主さまに出会ったことは一度もありません。これは皮膚病の柴犬のシャンプーを実施する機会がない病院では指導が不十分になるのもやむを得ないことだと考えています。

治療の差② 心因性掻痒症

柴犬の心因性アプローチは複雑で、心因性単独疾患を除いて投薬治療をすれば改善するというものではありません。あくまで皮膚病の悪化因子であるため、ベースにある痒みトラブルの治療成績が向上しなければ心因性アプローチが奏功することはありません。すなわち、心因性以外の感染症・アトピー・食物有害反応・内分泌疾患などすべての治療ピースが適切に揃わなければ心因性治療の成功はないということです。また症例によって効果のある薬剤・用量が異なるため、心因性以外の治療アプローチを常に高い水準で維持しながら調節する必要があり、治療の難易度は最も高いと考えています。

治療の差③ 柴犬の飼育経験と治療経験

柴犬は他の犬種と異なる特性が多いため、他の犬種で通用するアプローチがそのまま適応にならないことがよくあります。シャンプー・点耳薬・点眼薬といった外用系の治療が難しいことや、場合によっては内服治療も難しいこともあり、治療に向き合う際には多くの壁があります。また症状の分析にも「痒み(炎症)の悪化?気になる(心因性)の悪化?」を区別しなければならず、状況に合わせた判断には相当数の経験が必要となります。当院では獣医師本人が自宅で膿皮症・アトピー・心因性・内分泌疾患・食物有害反応の5大疾患をすべて抱えている柴犬を飼育・治療している経験があることが、柴犬の治療成績に向上に大きく影響していると考えています。

柴犬の皮膚病が治らない3つの理由 ~皮膚科の問題点~

『アレルギーの誤解』アレルギー対策は非効率的

柴犬の典型的な痒い皮膚病でまず疑われるのはアレルギーですが、治療の中でアレルゲン対策が奏功することはあまり多くありません。アレルゲン対策が奏功しない理由としては、環境アレルゲンの排除はほぼ不可能であり、アレルゲンの回避が可能な食物アレルギーはそもそも稀であるためです。この2つの理由から、アレルゲン探しとアレルギー治療に固執することは治療が迷走する原因となってしまいます。当院では「柴犬はリアクション(炎症)が起きやすい過敏(免疫異常)体質」として向き合い、アレルギー治療に固執しないことで高い治療成績をだしています。

『遺伝に対する諦め』遺伝体質にもアプローチは可能

柴犬の治りにくい皮膚病は「遺伝」として諦められているような雰囲気があり、特に免疫学的な遺伝体質や性格的な問題が治療を難しくさせていることがあります。しかし「遺伝だから」と諦める必要はなく、正確な分析・診断をすることでこの特徴的な遺伝に対しても効果的なアプローチは可能だと考えています。むしろ柴犬の治療成功にはこの遺伝的な特徴にアプローチできるプランをもっているかどうかが鍵となります。

『柴犬の特性へ無関心』正常を把握することの重要性

医学の基本ですが、正常を知らずして異常を把握することはできません。柴犬は他の犬種と異なり独特の特性を持っていますが、柴犬を飼育したことがある獣医師は少なく、正常な柴犬を知らないまま診ているのが現状です。そのため柴犬の異常所見を異常として認識できず、治療方法があるにも関わらず「体質だから」と見落とされる場合も多く、特に検査ができない免疫・性格・環境因子には無策のまま無治療になっています。当院では柴犬に特性を初診時に判断できる診療を提供しています。

『遺伝に対する諦め』遺伝体質にもアプローチは可能

柴犬の治りにくい皮膚病は「遺伝」として諦められているような雰囲気があり、特に免疫学的な遺伝体質や性格的な問題が治療を難しくさせていることがあります。しかし「遺伝だから」と諦める必要はなく、正確な分析・診断をすることでこの特徴的な遺伝に対しても効果的なアプローチは可能だと考えています。むしろ柴犬の治療成功にはこの遺伝的な特徴にアプローチできるプランをもっているかどうかが鍵となります。

『柴犬の特性へ無関心』正常を把握することの重要性

医学の基本ですが、正常を知らずして異常を把握することはできません。柴犬は他の犬種と異なり独特の特性を持っていますが、柴犬を飼育したことがある獣医師は少なく、正常な柴犬を知らないまま診ているのが現状です。そのため柴犬の異常所見を異常として認識できず、治療方法があるにも関わらず「体質だから」と見落とされる場合も多く、特に検査ができない免疫・性格・環境因子には無策のまま無治療になっています。当院では柴犬に特性を初診時に判断できる診療を提供しています。

四季の森どうぶつクリニックだからできる
治療成績に差をつける柴犬に必要な3つの治療の柱

1.免疫学的なアプローチ

一部稀なアレルギー性皮膚炎の柴犬を除き、多くはアレルゲンのない免疫異常が難治性の原因の一つになっています。アレルギー治療ではない「免疫アプローチ」が治療成績の向上のキーポイントです。当院では投薬治療以外にも、「正しい食事療法」と「腸内免疫ケア療法※1」を推奨しています。

※1当院開発のサプリメント スキンケアECプラス

2.性格的アプローチ 

柴犬の独特の性格は皮膚病タイプ、治療方法、治療成績などに影響を及ぼします。他の犬種で通用したことが柴犬に通用しないこともあるため、柴犬の性格に合わせた微調整が必要です。内服の仕方、点眼・外用系の使い方、スキンケア方法、心因性掻痒など、さまざまな視点で「柴犬の性格・特性に配慮した治療方針」を知っている当院だからできるアプローチがあります。

3.ホルモン異常へのアプローチ

柴犬にホルモン異常がでやすいことは今の皮膚科ではほとんど知られておらず、見落とされているのが現状です。この柴犬特有のホルモン異常には検査方法・専門書記載がないため、当院以外での診断・治療が不可能なのが現状です。柴犬の正常を知っている当院だからこそできる「初診時に柴犬の体質を診極める」で治療のスタートラインに立つことができます。

※柴犬のホルモン異常 2019年に当院から発表予定

当院が得意とする柴犬の皮膚病タイプ

アトピー性皮膚炎

  • アトピー性皮膚炎1
  • アトピー性皮膚炎2
アトピー性皮膚炎の特徴
  • 1~5歳までに発症
  • 季節性(春~秋)に悪化しやすい
  • 目・口唇・耳、脇、四肢、腹部の病変
    ※背中は異常がでない
柴犬の治療実績をみる
―アトピー性皮膚炎―
  • 脂漏症1
  • 脂漏症2
脂漏症の特徴
  • 慢性化すると起こりやすい
  • 頚部・胸部・腹部・四肢に生じやすい
  • アポキルなどの投薬治療では改善が難しい
柴犬の治療実績をみる
―脂漏症―
  • 心因性掻痒症1
  • 心因性掻痒症2
心因性掻痒症の特徴
  • アポキルなどの痒み止めでの改善が悪い
  • 掻き壊し、舐め壊し、噛むなどの症状が強くでる
  • 顔・耳・腕・太もも・膝・四肢端・内股などに生じやすい
柴犬の治療実績をみる
―心因性掻痒症―
  • 内分泌疾患1
  • 内分泌疾患2
内分泌疾患
  • 毛並みが悪い
  • アンダーコートが少ない
  • アポキルなどの痒み止めで改善されない
  • 頚部・背中・脇・胸・お腹など全身の痒み
柴犬の治療実績をみる
―内分泌疾患―
  • 柴犬特有疾患
1
  • 柴犬特有疾患
2
柴犬特有疾患
  • 毛並みが悪い
  • 脂漏を伴う場合がある
  • アポキルなどの痒み止めで改善されない
柴犬の治療実績を見る
―アポキルが効かない―

アトピー&脂漏性皮膚炎

  • アトピー&脂漏性皮膚炎1
  • アトピー&脂漏性皮膚炎2
特徴

内分泌異常&脂漏性皮膚炎

  • 内分泌異常&脂漏性皮膚炎1
  • 内分泌異常&脂漏性皮膚炎2
特徴

頚部、胸、腹部を中心に皮脂・フケが多く、皮膚が肥厚する
アトピー・アレルギーとの鑑別が難しく、基礎疾患が診落とされやすい

遺伝的体質異常&アトピー&心因性掻痒症

  • 遺伝的体質異常&アトピー&心因性掻痒症1
  • 遺伝的体質異常&アトピー&心因性掻痒症2
特徴

薄毛(アンダーコード減少)、皮膚炎、痒み止め(アポキル)への低反応
検査ができないため現在の皮膚科医療では教科書への記載すらない体質異常
アトピー・アレルギーに間違われやすく、診落とされている疾患の1つ
国内で診断・治療可能なのは当院のみ

心因性掻痒症

  • 心因性掻痒症1
  • 心因性掻痒症2
特徴

ステロイド、アポキルといった一般的な投薬治療で改善がない
突発的な掻き壊し、舐め壊し、歯で噛むようなしつこい痒み
耳、腕、背中、腹部、太もも、四肢端などに強く症状がでる
アレルギー対策治療での改善が認められない

「柴犬を診る」ことへのこだわり

我が家にも11歳の柴犬がおり、2歳のころから目・耳・口唇・四肢端・内股の痒み、全身の湿疹で悩んできました。それこそ抗生物質、免疫抑制剤、インターフェロン療法、減感作療法、シャンプー療法、低アレルゲン食事療法、脂肪酸サプリメント…ありとあらゆる治療を施しましたが、従来の治療法ではいい結果を得ることはできませんでした。今だから的確な評価ができますが、我が家の柴犬はアトピー、食物有害反応、心因性、ホルモン異常という柴犬で考えられるほぼすべての異常をもっており、結果的には我が家の柴犬の治療成績向上が当院の治療成績向上に繋がっています。そして我が家の柴犬の体質に必要だった治療ピースの組み合わせは、従来の皮膚科のスタンダードで注目されていない視点からのアプローチばかりで、今の皮膚科の問題・限界に気づくきっかけともなりました。今は柴犬を診ることに誰よりもこだわり、「うちの子がよくなった治療方針」を基準に安心できる医療を提供しています。

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