一般的にフレンチ・ブルドッグは痒みを伴う皮膚疾患が多く、特徴的な発症部位と若齢からの発症があるため「アレルギー体質」と評されることがあります。確かに、フレンチ・ブルドッグには食物アレルギーが多く、関連した皮膚疾患があると言われています。
個人的な見解ですが、実際の診療では犬アトピー性皮膚炎に合致した臨床症状を示すフレンチ・ブルドッグが多いことからアトピー体質を疑うことも多いのですが、特異的IgE検査で典型的な異常を示す症例は柴犬より少なく、アレルギーという言葉だけで説明できるフレンチ・ブルドッグはごく限られているのではないかと考えています。これはフレンチ・ブルドッグにアレルギー検査は必要ないという意味ではなく、むしろ食物アレルギー単独による皮膚疾患であれば劇的な治療成績の向上が期待できることでもあり、犬アトピー性皮膚炎であれば新たな治療方針の提示の根拠にもなるため、客観的な評価ができる血液検査は非常に有効だと思います。